真夜中のゲーム/ホロウ・シカエルボク
 

深夜、コインランドリーで、小説を読みながら機械が止まるのを待っている女、彼女がどんな気分かなんてある程度想像はつくけれど、それが正解とは限らない、ただ、夜中にまとめて洗濯をするのが好きなだけの女かもしれない、夜中しか自由時間が無くて、近所迷惑を気にしてランドリーに来ているのかもしれない、あるいは単純に、家に洗濯機がないのかもしれない、まあ実際、徒歩で来ているみたいだし、近所に住んでいるのなら週に一回ここで洗濯した方が楽かもしれない、でも俺がただそんな理由だけで納得出来なかったのは、その女の読んでいる小説がジェイ・マキナニーだったせいかもしれない、でもそれにしたってただの思い過ごしかもしれない、
[次のページ]
戻る   Point(2)