白紙の地図/201
その通り 私達は一切何の関係もない赤の他人同士
それが救いであるといつからか思うようになるだろう
飼い主に当たり散らす 小鳥のさえずり
飼い主を取って食ってやろうと思っている 子猫の瞳
私は彼らのための森 静まり返った冬の森
帰ってくる人のいない土地で 他に太陽の光を浴びるものもなく
雪が降るのを待ちわびている 影に憩う小さな子の笑い声
時の流れだけが私達を結び付ける 星を繋いで絵を描くように
愛しているということ 殺し続けるということ
光さえも生み出した物語は 血のインクで書き綴られる
星達は人を愛するだろうか 鯨は陸を憶えているだろうか
安いコーヒーで健康を害しながら 明日のために家から一歩も出ない
私にも希望の光 祈り その通り 楽園を飛び続ける 足のない鳥
今生 私達を繋げるものは何一つ無い それが 救いに変わる時
きっと世界の全てが見える
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