おむすび/
本田憲嵩
おむすび、
お出かけする、
にちようびの晴れた朝に、
握ってくれた、
台所の海のかたまり、
炊きたての、
白いゴハンの湯気に混じって、
海苔と塩の蒸せるような香りが、茶の間にまで活き活きと漂ってくる、
うめぼしとカツオぶし、
そして、母の、ぬれた手のかおり、
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