夜虹(やこう)のうた/秋葉竹
泉に落ちた心の花を
女神に祈れど掬(すく)えない
すべてに正解する空は
みあげるたびに輝いて
おそらく少し恐ろしく
なにかに急(せ)かされてるようで
ひとりの部屋で咳をする
止まらないままつづく咳
夜虹(やこう)の音が聴こえたら
幸せな日が訪れる
咳は止めれず布団にくるまり
孤(ひと)りの夜を乗り越える
夜虹(やこう)の音が聴こえたら
悲しみなんて消えるから
泉に落ちた宝の地図を
掬(すく)ったけれども読み解けない
すべてが終了する空は
みあげなくても星を降らせる
おそらく少し悲しくて
なにかが崩れてゆくようで
ひとりの部屋で咳をする
世界に孤(ひと)りで在(あ)るように
咳は止まらずただ時刻(とき)はゆき
世界を未来(あした)に連れてゆく
夜虹(やこう)の声が聴こえた夜は
月虹(つき)にやさしく抱かれたい
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