憧れるままゆけ/みぎめ ひだりめ
憧れというのは
なんとも荒々しく ぎらぎらとした
しかし かそやかな 祈りなのですね
誰も知らぬ という
細く暗い道を ゆくのに
あなたには 信じることしか
すべが ないのですから
だからこそ それは祈りだと
わたしは思うのです
その道中で 誰を救っても
あなたは ひとりでしょうから
きっと さみしいのでしょうね
風などが ごうと撫でても
花などが ひゅと舞っても
月などが くうと鳴いても
たとえ あなたが 涙を流しても
それを わたしが 拭ったとしても
あなたにとっては
きっと なんの慰めにも
ならないのでしょうね
あなたが 何処までゆくのか
誰も わたしも あなたすら 知らない
ただ憧れるまま あなたはゆくのです
なんと 孤独なのでしょう
どれほど 苦しいでしょう
だからこそ それは祈りだと
わたしは思うのです
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