小池ながしそうめん
シャガールの恋人たちよ天蓋に夜を満たして水浴びしなさい
留守にして帰り着いたら生き延びた薔薇が幾つも咲いていました
ビッグバン、インフレーション自鳴琴の箱を開いた誰かがいました
鎌倉 ....
コスモスといえば秋風を思うだろう?初夏には咲いて揺れ始めている
ワスレグサ忘れていたい思い出があること思い出させないでよ
昨日見た四つ葉は今日はもう虫に喰われてとうに虫のものでした
....
夕方の水が巡って夜前につぼみのたががひとひら外れた
ひとつふたつ互いに互いの花びらが外れてそしてそりかえって咲く
カサブランカ自分で咲いたね信じてはいたけどつぼみに手が出そうだった
....
ここは雲の真底すずしい風が吹くじきに全てが雪崩れ落ちて来る
夕映えのお天気雨が東方の空高く架けた主虹副虹
緑から朱へまた赤からまた青へ 光と水のクロマトグラフィー
美しい挿絵のゲーテ ....
吹く風よ微笑む人の面影よネム絶え間なく船出の風情
朝ごとにアサガオその名に天国を青さに空を映して地上に
花、柘榴。タコさんウィンナ血の味を実に成す前に朱色地に散る
鬼の木は{ルビ ....
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=259343
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=259391
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=259181
ラストノート彼女の香りと音楽とルーズリーフの最後の一枚
引き出しの記憶の奥に「ユトリロの白」とだけ画家の絵も知らないのに
猫よ猫、抱き上げた目の奥行きよ、あんた脳みそあるんかい?ニャー
....
高くばかり吹いていた風降りてきて翻る葛の葉裏の白さ
金も銀もまだ咲いてません少なくもこの風が来た道の限りは
せいせいと水色の空の低いとこに三日月そっとすくっと立ってる
西はイリ東はア ....
薄紅のネム天辺に咲き残り夏の限りを見送っている
風に挿す飾りのようなミズヒキの合間をそっと抜けて行くもの
秋植えの球根花屋に並びます眠り姫おいで土の褥に
ベランダの雑草大事に見てま ....
他のどの白い花木にも思わない山茶花だけが降る雪に似てる
結納を終えほっとした友の父「本とマンガは全部持ってけ」
落ちたザクロ割れ目ざっくりぎっしりとダリのルビーがのぞいて見えてる
....
雀たちふわふわススキを持ち帰り夜寒の寝床に足し綿しなさい
凪という名前の少女を知ってます炎の魔女と呼ばれていました
ナンテンとツルウメモドキとピラカンサ小鳥たちおいで朱いご馳走
....
連れて行ってもらえなくても走っていける
クークー、君がそうしたように
歌ってよシンガー今日の合言葉 午前零時の愚者の黄金
クリスマス風のうなりに血が叫ぶライダーベルト三位一体
....
吹雪いてた処も多かろ、此方ではこれが初雨。静かに優しく。
舞い上がった正月埃をほんの少しほんとに少しの雨が鎮める
恋人は何かの匂いのひとがいい焚き火の匂い潮風の匂い
失くした ....
ボツリヌス菌がポツリと呟いた。僕、ボツリヌス。ポツリじゃないもん。
白鳥の王子の翼を手まくらに金の梯子をほどく娘子
ビロードのつぼみは輝くモクレンの裸体のための毛布だそうです
その彼 ....
{ルビ一昨日=おととい}が日蝕でした今日細い月を探すと見えていました
カラス座が見える春には懐かしく地平線下の星々を思う
花たちの静まる気配に何事かと思えば空に月浮かび来る
向こうか ....
始まりのながしそうめんひとすじの流れを開いた歌を覚えてる
水面へとそして空へと浮かび出たばかりのように濡れた満月
ぽっかりと伐りひらかれた森の中ヤブラン静かに工事を待ってる
なつか ....
ダウンロード