奇妙詩集
奇妙な詩を集めました。
今日は月夜かと思ったら。
空にあいた穴からボトボト蛍光色の液体が流れてきた。
筏でも作ってあの穴まで漕いで行ってやろう。
穴はいくつも空いていき、様々な蛍光色の液が混ざり合って
風景が ....
私は首が伸びすぎて
身動きすらとれやしない
電車の壁から穴をあけて首を出している。
風を受けるための帽子を被り。
猫はいつから電車に乗れるようになったのだ。
不遜な態度で時計を眺めて ....
虚ろな顔だ
巨大な白い顔が僕の頭上を覆うので
口のなかから もう一つ頭を取り出して
紐に括り付けながら空に昇ってみた。
巨大な顔は回転しながらただ泣き叫ぶばかり
視界に広 ....
磁石が壊れて北を指さない
蟻の列が日暮里へむかう
そうか携帯で時も方向もわかるのなら
GPSを首にくくりつけて 北へ
鉄の匂いを
僕は知っている
あの金属のぬめりを
僕は知っている
太陽が反射する
鉄の匂いもそうやって
空中に反射されて
四方に鉄の柱を
延ばし続ける
一面にはえた鉄の ....
空中から沢山の頭部が落ちてくる
僕はブルドーザーで山を作る
まるでぶどうのようだと思っていたら
用務員のおじさんが皿にそれを盛ってくれた
笑いかけてみると、少しだけ笑ってくれたので
....
飛んでみたら?
笑顔で 空を飛ぶ
僕に 笑って 声をかける
飛んでみたら?
朗らかで 暖かくて 優しい笑顔
空中で分解した身体から流れる 体液
優しさの中 眩しくて ....
カキ氷が溶けた後の 蚊の乱舞
床に描かれた光の窓を 開けようともがいている
犬達は皆 昼間は外にでない
やつらは 過ぎ去った陽光の中を
影を伸ばしながら歩くのが好きなのだ
方向をみうしなった鳥が落ちる屋根の上に
座っていました体育座りで
ころころとまわりながら屋根を落ちていく二つの塊り
建物の影が長く鴉の影を取り込むと
夜はちゅうちゅうと鴉の成分を吸い取りながらまあるくまあるく膨らんでいく
どこかに
置き忘れたものって
これですか
そういってポケットの中から
君は出して見せた
僕は
殺すことにした
円環の
周ってた
子供駆け扉
吸い込れ
来る
記憶と
去過
これはお墓
だから
夜が暗いから 僕は首が伸びていく
伸びた首が 電線の周囲を回転していくので
僕を中心とした渦巻きが 昨日いた鳩の骸を齧りだす
明滅する夜空に太陽のような火が昇った
もはや目が見えないと慌てて走リ去る群集
蛍光の月に半透明の幕が降りた
足が長すぎて折れてしまった虫の
羽がむしられていく
明滅する夜空に舞うため ....
夜が恐いから
震える腕を噛み千切って
闇に備
えた
あぁ
何処へいくんだ
背中の穴から
ほとばしる
穴という穴から
噴出していく
テーマ詩集一般 作成編集:
佐藤伊織 12/6/23
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