夏美かをるのbeebeeさんおすすめリスト 2012年9月11日1時07分から2018年10月8日14時25分まで ---------------------------- [自由詩]花 火/beebee[2012年9月11日1時07分] ベランダから花火に興じる親子が見えた 遠くで見る花火は寂しい 家族で花火をすると必ず 兄弟で取り合いになる花火があった 必ず最後に残ってしまう花火もあった いつも両手に花火を握って 種火を待って立っていた 地面に立てたロウソクにかざすと 花火は筒先から火を噴いて 黄や赤や緑の燦めきが 煙と一緒に辺り一面に飛び散った 燃え尽きて光る筒先を振り回すと 光の軌跡が暗闇に浮かび上がって アニメのような夏休みの記憶を残した でも見せ場になると すぐに終わってしまう花火 花火ってやっぱり寂しい 8月のぼくたちはもう時間がないんだ あわてなくてもいいのに あっと言う間に終わってしまって バケツの水に突っ込まれて消えてしまう炎 アパートの裏の駐車場に 鼻を突く火薬の匂い ジャリジャリと 足下の砂利が音を立てた やっぱり最後に消えてしまう花火は寂しい 遠くの花火をみてそう思った   ---------------------------- [自由詩]地下世界の大地図 / 鉛筆を握りしめて/beebee[2012年10月1日1時32分] 小学生になった子供の頃 よく新聞に挟まれてくるチラシの裏に地下世界を書いた。 それは壮大な地図で 地上世界の下にもう一つの世界があるというものだ。 中心に大きな近代施設があって一緒になった集合住宅がある。 そこはオートメーションの大工場でもあるのだ。 出口からはロボットの大行進が始まる。 鉄道と高速道路がそこから周囲に広がって行って、 周辺の色々な施設と地下で繋がって行く。 学校や研究所があって、 建物は地下に伸びて何十階にも何百階にも伸びていく。 地球防衛隊もなぜか地下に基地があって、 宇宙に向かってミサイルが飛んで行くのだ。 大きなデパートがあって、 逆さまになった屋上に遊園地が拡がって行く。 ジェットコースターに歓声を上げて、 ぼくの視界は回転するんだ。 超高速エレベーターが地上と地下世界を繋いでいる。 地下世界にも人工の太陽や雲があって青空が広がっていた。 その底には大木が伸びていて熱帯雨林が地下の川に沿って広がっていた。 大きな足と大きな口のワニや頭でっかちのキリンがのしのし歩いている。 学校の近くにも大きな世界一の水族館があるんだけど、気にしないで。 シロクマの背中に乗ったアザラシの上をイルカ達が飛び越えた行く。 その時『グワー』と叫び声が上がって、 その大文字の横には翼竜が飛んでいた。 紙の余白の全てを使って隅から隅へ広がっていく世界があった。 だからスーパーのチラシなんかよりずっと大きな 使い古しのカレンダーが大好きだった。 兄ちゃんの部屋からはがしたポスターが大好きだった。 カレンダーやポスターの裏はてかてかしていて、 鉛筆がうすく滑っていく。 ぼくは幸せいっぱいで鉛筆を握りしめ 畳の上で世界創造に励むんだ。 ぼくは世界の神様のように何でもできた。 完成!! でも完成したんだけどここまで来るとぼくは満足して、 次の地下世界の絵に取り掛かるんだ。 どうしてあの頃は何枚も何枚も飽きないで書くことができたんだろう。 どうして地下世界だったんだろう、分らないけど、でも、 思い出すと何だか今のぼくにも力が出てきたような気がするんだ。 さぁ、リングノートを持って来い! 世界を創り出そう! って、凄んで見たりして  ヽ(ー_ー )ノ ---------------------------- [自由詩]スキップ/beebee[2012年10月14日17時02分] 遠くから聞こえてくる音楽 幾つものの輪が拡がって 自分の心のどこかで繋がっている 初めてスキップをした時、 いつだったんだろう? わざとらしく同じ足で二度足を踏むのがいやだった。 人を幸せにする踊り? カントリーダンスで大きく円を描いて回る。 幼稚園?小学生の時かな? でも上手にできなかったスキップは 友達を真似てわざとらしく踊ると覚えられた。 女の子と手をつなぐことと頭の中で結びついてる。 幸せのスキップ? 腰に手をやったりしてすると上手にできた。 自分で踊りながら後ろから見てる気がした。 おどけていたけど真剣だった。 スキップは幸せの踊り? でもずいぶんしていないね、スキップ。 する? ---------------------------- [自由詩]人はみな心の中に花園を持っている/beebee[2012年11月12日0時34分] 人はみな心の中に 自分の花園を持っていて 色々な花を育てている 私は一つの花壇に飽き足らず ネットを彷徨い この花園を見つけた 私はここに言葉の花を育てている 心の花園から種を移し 水を与え 通り過ぎる旅人に 話しかけ 自分が育ててきた花を見せる その時の出来に一喜一憂するのだ そこに私はとねりこの苗を植えた 通りすがりの旅人が 立ち止まり 木陰に涼みながら 小さな泉のそばに咲く 私の花に目を向けてくれたなら 私は風となり 光りの陰なって そばに寄り添い ひと時の憩いに 旅人が愁眉を開くのを じっと待っている その一瞬を想い 憧れて待っているのだ 今日もまた一つ 小さな言葉の種を植える 水を遣り おmajiinaiのような歌を唄って聴かせる 伸びすぎた樹々の枝を払い 陽の光りを調整をする 赤い花や白い花、青い花 小さな花や大柄な花 そこでは喜びの木漏れ日が零れ 静かな時間のうちに 想いがたゆたい 緑の風がゆったりと流れている 私は花達のそばに寄り添い 饒舌に話し掛ける いつか房状の青い花を愛でる貴方を 私は待っている たとえ木枯らしが吹く 冷たい冬になっても その一瞬を想い 私は待っているのだ 緑の風よ 青い空を 白い雲を 呼んでおくれ 私は待っているよ ---------------------------- [自由詩]黒猫 / 陽の当たる暗闇に消えていくもの/beebee[2014年4月25日2時30分] 都会の一角に寄り添って おまえは小さき声を上げていた 1月の薄い陽射しを浴びて 身体には輝く黒石の毛皮をまとい 丸まり 鞠のように丸まり キリキリと堅く引き締まり 野生を内に殴り付けている 顔を上げると 瞳は砕かれた黒曜石のようだ 口元小さく白い歯を剥いて見せる アーモンドのように目蓋を堅く閉じて 小さき黒き手で顔をぬぐった 原始の風に鼻先を舐られながら 薄く視線を流し 眠ぶそうに顔を小さく振る いつかおまえは都会の暗闇に溶けていくのだろう 今しも太陽が刻む薄い光の影に切られ おまえは 小さく声を上げ 立ち上がり歩み始める 陽の当たる暗闇に向かって 輪郭が揺すれ 光の漣を流しながら ---------------------------- [自由詩]地球の先でノックダウン / ぼくは想像する太いモヤシだ/beebee[2014年5月6日14時15分] ぼくはズンズン身長が伸びて来て 視界が俯瞰して行くんだ。 小さな町の煙突を抜け 東京スカイツリーを抜け 視野が120度、180度、、、、360度に成った。 ついに雲を抜けると遠くで富士山が手を振ってくれる。 ぐんぐん、ぐんぐん、ずんずん、ずんずん。 大気圏を抜けると太陽の紫外線に頭がくらくらするんだ。 人工衛星が頬を引っ掻いた。 眼をつむって背を伸ばして行くと 横向いていた月が慌てて正面を向いてくれた。 でも、ぐうわぁあん、追突した。 モヤシより細く伸びて来たぼくはポキリッと折れてしまう。 イヤーんと叫ぶ暇もなく急降下する視界。 赤道を跨いでアフリカに頭が落ちて行く。 飛んでいるコンドルを左目に流しながら アフリカの大草原に墜落する。 (コンドルはアフリカの大地を飛んでいるのか) ズッポ、頭が突き刺さって 日本の千葉から遠くアフリカに橋が架かった。 果たして、ぼくの首筋について宇宙を飛んだやぶ蚊は アフリカの野生に同化出来るのだろうか、なんて どうでもいい話が頭の中をぐるぐるまわって サバンナの下から眩しいアフリカの太陽を見上げていた。 眼が覚めるとぼくは縁側に頭を出して眠っていた。 今年の五月の連休最後の日はとてもよいお天気で よくこんな明るいところで眠れるもんだと思う。 だから、やっぱり、ぼくは 幸せな頭でっかちなモヤシなんだ。 ちょっと太いモヤシだな。 いや、ずいぶん太いモヤシだ。 ---------------------------- [自由詩]繋がっていくものたちへ / 小さなアリが地球を回す/beebee[2014年5月10日18時49分] 丸い小さな石が転がった。 その時なにかが動いた気がした。 ほんの小さなことが 世界を動かしている。 宇宙を動かしている。 この小さな蟻(あり)が 地球を支えている。 この小さな露草が 地球の水分を保っている。 ぼくの吐く息がCO2を充満させ 地球温暖化を進めているが、 ぼくがこの葉っぱをどかしたおかげで この蟻(あり)は地球を半周して、 世界を回すのだ。 ほんの小さなことの連鎖が始まる。 光の燦めきが地球を一秒間に7周半して、 宇宙の意思は続いていく。 ぼくたちは光の子どもだ。 蟻(あり)や露草も光の子どもだ。 地球を回転させ 宇宙を回し 輪廻を回す。 繋がっていくものたちへ *こっちも読んでみてね。(≧∇≦) 『小さな蟻が地球を回す』 http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=141068 ---------------------------- [自由詩]白い手の感触 / 憧れ/beebee[2014年5月18日0時45分] その人の手は ほっそりとして 冷たい手だった いや冷やかな手だった 上手く想いが伝わらないが こちらの熱を冷ましてくれる手だった きっとぼくの手は熱かっただろう 汗もかいていたと思う ぼくがつないだ手は 華奢でほっそりとして 握った感触が 淡雪のようだった でも重さはしっかり感じて 存在を感じさせた 人格を感じさせた 自分が好きな人の手はこんな手なんだ 滑稽な自分だった 自分は幸せだったのか 不安だったのか 今考えても分からない 白い手の思い出 じっと握りしめて見る 想い 分からないや 自分の想い 君への想い 何回も繰り返し思い出す 反芻する情景 イメージ 白い手の感触 憧れ ---------------------------- [自由詩]雪に埋れた古木のように/beebee[2014年5月26日1時51分] サラリーマンとして 骨を埋めるところを探していた 降り積もった雪の中から 首を出す古木のように 少しの隙間を残して 雪に埋まり 冷たい空気に息を継ぎながら 静かな時間と透明な空気の中で 時間をかけて肌を晒し 皺を刻み付ける 想いは尽くしたのか 風に舐られながら 遠くを見ていた 一匹のウサギが雪を掻き分け 身を摺り寄せる 優しい暖かさに身を任せ 目を瞑ると 茜色の夢が少しづつ身を浸し 意識が拡散した 想いは尽くしたのか 風が吹いている 静かな自分に吹いている 土色の緑が拡がって 白い花が帽子を上げた 見上げるとsoraが青くて 広くて 太陽をかすめる鳥がいた じっと見ていると 水に滲んで 虹色のsoraが拡がった 想いは尽くしたのか 緑が両手を挙げた 周りじゅうが太陽に身を焼かれ 捻じれ擦り切れ 熱気に息を継いだ 体を震わせて 身に付いた埃を払うが それはどんどん降り積って来て 口を塞ぐのだった 苦しい 苦しい想いが在って 熱気の内に面を伏せた 想いは尽くしたのか 根が拡がっていった 葉脈のようにそれは広がって 根毛は地の底の奥の奥の 暗い闇の中へ伸びていった いつしかそれは 硬い岩盤の中の水脈に届き 新鮮な水に浸るのだった 季節は巡り時は流れ 根は長く太く伸びて 枝を分かち拡がって 混沌は輪廻するのだった 想いは尽くしたのか 擦り切れた古木のように 私は立ち尽くしている 風は問いかける ---------------------------- [自由詩]時間は無いと考えている / 君は時間を止めている/beebee[2014年5月31日16時33分] 時間は無いと考えている? でも時間はいっぱいあるのだ 日頃の所作の大半は無駄な時間潰しで 大事なものは何も無いのだ マネキンがじっと動かないように 君は自分の時間を止めている 何時から動き出すのかい? 思い起こして想像すればいい ストップモーションのコマ送りに生きている 大半が滑り落ちていく瞬間瞬間に君は 片目を閉じているのだから ---------------------------- [自由詩]人間の弱さ / コロンと転がった石になりたい/beebee[2014年6月5日22時37分] 人は他人無しには存在できない 自分だけで自立しているように見えて 他人の評価を気にして生きている 自分の生き方も定まらず自信を失い 次第に変化して完成されない 現在の形も維持できない弱いものだと思う それでも人に評価されたくはない / 評価されたい弱い自分がいる 他人の評価なんか超越して そのものとしてありたい / 存在したい 強い想いはあって 自分や他人を傷つけずにはいられない なんか苦しくて / 我慢できなくて 他人に触られても平気な 岩石に成れたらいいな 鉱石でも純粋な結晶でもなく 混沌とした熱いマグマが時間を掛けて固まって 固く 硬くかたまって 雨に撃たれて 風に零れて 川を下って 削られて ゴロゴロ削られて コロン、 コロンと そこにある / ここにもある 岩石がいいかな 自己を客観化して 取り出せたらいいのに ** 『岩 石 / ころんと転がっていたい』 http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=170025 こちらの方が詩らしいですね。 ---------------------------- [自由詩]快楽と死/beebee[2014年6月10日7時48分] 快楽に我を忘れる もう良いやと手放した理性 もしかすると死ぬ時もこんな感じで 意識を手放すのかな 人と言う動物は 思考を持続出来ない 中途半端なロボットなのか 飛び出してきたものは何? それ自身が意思を持つそれは 生きるという念か 分解されるDNAという科学物質か 人間は毎日何万もの血管を切り裂き 再生する 生命としての無神経さが もしくは凝固するという化学反応が 種を保存するということなのか 愛を超えて食い尽くす雌がいる もしくは頸り殺す雄がいる 最適生存の解を求め 生命の理不尽さはしかし 理性を超えて実存する 手放せ手放せ 知覚を握りしめ 快楽を手なずける行為はしかし 愛を取り戻せるのか 見返す視線を捉え意味を探るがしかし 今日もまた復讐はできない 虚しく生を貫く意思はしかし ---------------------------- [自由詩]静かに耳を澄ませて / 私は緑の目を開く/beebee[2014年6月15日12時57分] (ジョウビタキの♀) これまでは耳を開ける事はなく いつも音楽を流し込んでいた 今はイヤホンを外して 外界の音を追っている 鳥の鳴き声を拾うためだ 遠くの声近くの声 いつも聞こえてくるのは 賑やかなスズメの声 ヒヨドリ ムクドリ 街路樹の枝先で声を限りに鳴いている シジュウカラは貴婦人だ 気がつくと小声で囀る メジロの声 舌打ちをして 縄張りに入った者を追いたてる ジョウビタキは狩人だ 地上に小粒の星を散りばめる アオジの声は周りに拡がって 不思議な宇宙を描き出す 風に舞う 木漏れ日がチロチロ揺れて 若い梢が濡れている その新鮮な光の朝に わたしは緑色の目を開く 饒舌な小鳥の鳴き声が風に舞っている ばら撒かれているイメージを 瞑った眼と耳で追おう 素直に心を開いて / 感じよう 素直に心を開いて / 聞こう さあ、硬く 爆弾のような中心を ここに置いてみよう ---------------------------- [自由詩]自分に問いただす言葉 / 信じています/beebee[2014年6月22日8時36分] * 言葉が漲っていますか 心が漲っていますか 前を見ていますか 手を握っていますか 感じていますか 感動していますか 生きていますか 信じていますか 自分があることの意味が 分かりますか 不思議ですか もっと前へ もっと先へ 進んでいますか 何を望んでいますか 何をすれば満足しますか ** 拍手していますよ 口笛を吹いています 覚めていますよ 赤面しています 怒っていますか 憤っています 忘れていませんか 覚えています 抱いていますか 育てています *** 生きていますよ 信じていますよ これからの自分に これまでの自分に 今の自分に   ---------------------------- [自由詩]フリーでありたい / 手段こそが望ましい/beebee[2014年7月6日13時33分] フリーという言葉に何を思い浮かべますか? 海月(くらげ)? 海面に写る月の影のように ゆらゆら揺れて 掴もうとするとスルッと逃げて 何にも縛られない 自由がある きっと何かに縛られ 不自由な想いに苦しみ 自由でありたいと強く願う者は 海月でありたいと願うだろうか? 自分は創造者として自由でありたい! フリー(自由)って? 15世紀の大航海時代 冒険者こそ憧れていた!? 白紙の世界地図に 自分だけの航路を定め 発見された事の無い真実を探し出す! 世界で誰も口にしたことの無い 芳醇な果実を味わい尽くすのだ!? そこでは手段こそが望ましい そう そこでは手段こそが望ましいのだ!? 海図を読み取る航海術! 嵐の夜にも自在に船を操る操船術? 太陽と星々の位置を正確に測定して 宇宙と自分の位置を探る天文術! 雲と風を読む天候術!? できれば占星術も? って。 確かにでも 技術が必要なのだ! 手段が必要なのだ!! 空に解き放たれた 自由な風船ではなく 青空を自由に飛び回る 鳥にこそなりたい!? 強い意欲とヴィジョン 力とパッション 自由に自分を表現したい! 自分の考えを持ち 自分のコトバを持ち 信念を持ち 想いを伝えることだ!? そうやって初めて 他人に伝わるコトバになる そうしてやっと 人は自由になる 自分は自由になる! 自分を規定する事だ! 自分を律する事だ? だから 自由とは自分を縛る事なのかも知れない 自分を規定できないと 自分から解放されない 自由とは自分を縛ることから 始めねばならないという矛盾!? だから 自分を縛る意思(自由)が必要だ だから自分を縛る手段が必要だ 自分を規定する思想が必要だ 自分を表現する自分の言葉が必要だ 表出するパッッションが必要だ 芸術は爆発だ? もとい フリー!! そこでは手段こそが望ましい!?   ---------------------------- [自由詩]想い出 / ゴム鞠毬は暗がりを跳ねて落ちて/beebee[2014年7月12日0時52分] あれは5月の終わり 小学生のぼくは 一人で仲間から離れ 体育館の横の鉄棒の側の 紅いダリアに見入っていた 転がり落ちるゴム鞠毬は 階段を跳ね 壁にぶつかり 非常階段を跳ね 壁にぶつかり 螺旋階段を下へ下へ 降りて行く ゴム鞠毬のように 想い出は繰り返し 繰り返し途切れ 繋がって行く光り 紅いダリアの花の上には 黄緑色のバッタが止まり 僕を見上げていた 黄色い花粉に塗れ 花芯に顔を埋めていた 誰が落としたのか その時ゴム鞠毬が 非常階段を跳ねながら 僕の目の前に落ちてきた 見上げる屋上には 初夏の陽射しが 輝いていて 壁に当たるボールの強い音 床を踏む力強い足音がした 体育館から歓声がする どよめく生徒の歓声は 時間に溶けて 蜂蜜色の光りが溢れて 放課後の埃っぽい匂い 汗をかいたゴム履きが 床に擦れて 白いチョークの痕を遺した 転がり落ちるゴム鞠毬は 階段を跳ね 壁にぶつかり 非常階段を跳ね 壁にぶつかり 螺旋階段を下へ下へ 降りて行く ゴム鞠毬のよう 想い出は繰り返し 繰り返し途切れ 繋がって行く光り 教室の窓に映る 生徒達の影は お互いに手と手を合わせて 校舎の陰に想い出を結び付けた   ---------------------------- [自由詩]言葉に傾いている/beebee[2014年7月20日23時26分] 言葉に傾き ほら歩く姿に 傾きがありませんか? 真っ直ぐ歩いて来た 自分はそう思って来た でもある時 人に言われたんだ 君々何か傾いているよって いやいや僕は真っ直ぐ歩いて来た 頭をピンと立て 真っ直ぐ歩いて来たんだ 答えたよ 真っ直ぐに歩いて来たんだ その人は笑ったよ 可哀想にわからないんだね そんな顔をした そしてふっと笑って通り過ぎて行った 僕は影を日差しに貼り付けた もしかしたら片足は真空に突っ込んだかも 身動きが取れなくなって回りを見渡した だれもが僕に気付かないで通り過ぎて行く 所どころに人だまりがあっても 人の流れは止まらず続いていた ゆっくり右足を出してみた 手を怖々振ってみた ぎこちない動きがもどかしかった 誰も僕には気が付かない 関心も無かった でも僕は人の流れに沿って歩いていた 僕は言葉に傾いている? 右から呼ぶ人があれば そっちを向くよ 左から呼ぶ人があれば そっちを向くよ でもいつも真っ直ぐを向いていた そして想い出そうとした そもそも自分はどちらを向いて 歩いていたのか 歩こうとしていたのか 分らない 小さい頃からの記憶を探ったよ でも想い出せない 僕は真っ直ぐ歩いていたつもりだった それともどこかで曲がったのかな 言葉に傾くって? 進むって? ゴールって? そもそも僕は何に向かっていたのか? 分らないんだ でも何だかどうでも良いような気もする 決まったゴールがないなら 少しぐらい傾いていてもいいよね 立ち止まったっていいんだ だけど僕は自明のことのように歩いてきた 真っ直ぐ歩いていると信じていた 色々迷うことはあっても真っ直ぐに この自信満々は何? あなたは言葉に傾き 歩く姿に 傾きがありませんか?   ---------------------------- [自由詩]死骸は犯人を希求する / 傷つきたいと思ったのは自分だった/beebee[2014年7月27日9時05分] 赤い緞帳越しに見える殺人現場、 暗闇に浮かぶ赤い血の色、 こぼれ落ちたワインの痕、 倒れた男が最後に見た冷笑が瞳に焼き付いている。 返り血に汚れながら、 傷つきたいと思ったのは自分だったのに と思う犯人は、女性であるべきだと、 死骸は希求する。 そんなイメージ、考えすぎですね。 それとも、 傷つきたいと思ったのは自分だった? やっぱり死んで当たり前ですか。 動機はこれから考えます。 クーラーを効かして、 ひとり床に倒れている夜は寂しい。 誰か相手をしてくれませんかね。w ミステリー映画でも見ますか。   ---------------------------- [自由詩]タイムカプセル / 呪文の言葉は/beebee[2014年8月6日7時35分] タイムカプセルは誰の心の中ににもあって 開けられる時を待っているんだ 中に入っている想いは人によって違うけれど 一度開けると流れて行くそれぞれの想い 再び閉じ込めることはできないんだよ 時間が来ると開いてしまうタイムカプセル 自分では忘れていたのに その時が来るとひとりでに開いて 流れ出して 閉じ込められた想いが消えて行くんだ 分っているけど開いてしまうタイムカプセル だって想いを閉じ込めて置くことなんて とてもできやしないんだ 時間の酸は硬い心の殻をゆっくり溶かして行って だから心の奥にタイムカプセルを埋めるのは止めて タイムカプセルに大切な想いは入れないで 流れ出した後にはポッカリと穴が開くんだ だから心にタイムカプセルを埋めないで ---------------------------- [自由詩]逃げろ / 逃げろ/beebee[2014年8月15日7時51分] 誰かが教えてくれた 逃げて / 逃げて / 逃げまくって それで無事に済めば / それは たしたことではなかったのだと でも逃げて / 逃げて / 逃げまくって それで逃げられなかったら / それは たいしたことだったのか ? 逃げて / 逃げて / 逃げまくって それで逃げられなければ / それは ただ逃げられなかっただけなのか ? / どうか 今は分らない でも今は 逃げろ? /  逃げろ! /  逃げろ!? ---------------------------- [自由詩]憧れ / 私は途方にくれている/beebee[2014年8月31日23時20分] 僕たちはいつも何かに憧れ 僕たちはいつも何かに付き従っていた 特別な何かは空虚な私を満たして あたかも違う何者かであるように 僕たちを酔わせ忘我させ 信じ込ませた 僕たちは自由であり 僕たちは何者にも縛られず 焦燥し夢中で信じて来たことを信じた 僕たちは時代の子だ 繋がっているという無辜な真実は 僕たちを夢中にさせた どれほどの時間が自分の力と無力を理解させるか 登り下りふり返り 自分はまだまだ山頂を望み 街道を行く迷い人であることを知る すでに人生の大半の時間を使い切り 歯噛みして座り込む でも顔をあげれば見えているものはある 信じているのだ もう一度子供に戻ればいい もう一度精神を震わせ 自分の望みを知る時間を 瞬間を楽しめればいい もう自分の弱さに嘆く若さではない 自分の本能に瞬発する無頓着さを取り戻そう 生きるという本能の喜びを取り戻そう 信じているのだ 憧れるという力を 私は途方にくれている 私は憧れている   ---------------------------- [自由詩]羊歯(シダ)になろう / 丸まった指先を宙(ソラ)へ伸ばすんだ/beebee[2014年9月7日9時37分] 近頃、羊歯が気になっている 名も無い羊歯になりたい!? 小さな森に入ると 足元にあって 手を伸ばしている くるりと丸まった指先に よちよちと てんとう虫が登って来て ブーンと宙(そら)へ飛び出して行く 勢いよく飛び出して行く ジャンプ台になって 少し指先を伸ばすんだ そんな羊歯がいい ! ポタリと落ちてくる雫もある それは恐竜の涎(よだれ)だったり 僕のお祖父さんの霊長類 日本原人の涙だったりする 歯をガシガシさせて 恐竜が口を開けると 大きな石槍を持ったお祖父さんが 林のような歯の中にわけ入って行って そそけり立ったマンモスの残骸を穿り出す 刺さっていた骨が取れると 喜んだ恐竜が涙を流して お祖父さんが涎をこぼすんだ あれれ、逆じゃなかったっけ? それでも、前歯の間から顔をだして お祖父さんが歯をチョッと舐めると 鰹節のようなDNAの味がするのさ 君は羊歯の根っ子を見た事がある? 僕も無いんだ だからそれは自由に宙(ソラ)にも伸びていく 僕の羊歯はだから自由で その先が二股になって 二股になって 二股になって どんどん二股になって ちいさな翼になる !? ふふふっ 柔らかい羽根で君の首筋を くすぐっても見たくなる 早くおいで 手をつないで 一緒に羊歯になろう!? ---------------------------- [自由詩]バラッド3/beebee[2014年9月19日7時20分] * あなたはわたし わたしはあなた 愛を頂戴、毒をあげる。 言葉を頂戴、嘘をあげる。 声を頂戴、棘(トゲ)をあげる。 毒を頂戴、熱をあげる。 嘘を頂戴、詩をあげる。 棘を頂戴、傷をあげる。 それが二人の約束。 それが二人の契約。 ** あなたはわたし わたしはあなた 野心を頂戴、毒をあげる。 堕落を頂戴、嘘をあげる。 妬みを頂戴、棘(トゲ)をあげる。 毒を頂戴、夢をあげる。 嘘を頂戴、歌をあげる。 棘を頂戴、闇をあげる。 それが二人の約束。 それが二人の契約。 *** 真実を頂戴、鍵をあげる。 想いを頂戴、癒しをあげる。 それが二人の約束。それが二人の契約。 あなたはわたし わたしはあなた そうしたら最後に 眠り をあげる。 ---------------------------- [自由詩]正座 / 想い出した情景/beebee[2014年10月20日7時45分] 子供のころ 父の話を聴く時は正座をさせられた 兄弟で並んで正座した 肩こりの父親の肩をもむ時も正座していた 母方の親戚の葬儀の時 肩が凝ったと言い出した父を 正座をして身体を揉んだ 長兄が肩を、次兄が手を、 私が小腿を揉んだ 東京出身で大学出の父は 奈良の母の田舎に世話になっていたこともあったが 自意識が強く 大阪の商社の秘書だったこともあって 母方の親戚の中では特異な存在だった 遠目に見ていた母方の親戚の人たちが 良く教育されていると 良い子たちだねと 口々に言ったのを想い出す 私たちは本当に良い子だったのか 私はいつも心の半分を閉ざし 体を動かしていた 兄達はどうだったろう 良く分からないが 自分には父権社会のDNAが刻まれている 父の葬儀の時 自分の子供達が正座しているのを見た その時何かが足りない気がした 厳粛な表情や 年長者への敬意 新しい家族秩序への不安? みんなあって 誰が見ても葬儀の席のひとコマの情景だ いわれなき服従への反発? 恐れ敬うべき存在の不足? それは正座じゃないんだよ そこには喪失感もあって 自分が住み慣れた生活の終わりに 一つの区切りじゃない郷愁もあった 自分は何を言うべきなのか 自分は何を伝えるべきなのか そんな言葉が浮かんで ニヤリと笑った とても伝えられない時間と生活と 想いの積み重ねを どう伝えれば良いのだろう 自分には父親のような権威も強制も 生き方もない ただ父親の前で正座していた姿を 過ごした時代と時間を想った ---------------------------- [自由詩]ビリジアン / 使い古しのチューブを握りしめて/beebee[2014年11月11日7時46分] ビリジアン 青みがかった緑色 鮮やかなビリジアンの色見本に 忘れていた記憶を取り戻した ビリジアンが青色だと思っていた その主人公は耳が聞こえず 声も出せず それだけに見えるであろう真実が 彼の絵筆を走らせた 自分はそのすっきりした容貌に憧れた 主人公の才能に憧れた その画家がヒロインに投げ与えた ビリジアンの油絵の具のチューブが 青空をバックに彼女の手に落ちる その情景とともに頭にあって 青色だと誤解していたのだ 確かにその時彼が描いていたのは 青空に負けず繁茂する若葉の塊だった 若々しいエネルギーと新鮮な色合い 清潔な輝きが二人の関係を暗示していた 不思議と自分はその誤解に気づき 失望ではなく 新しい発見に喜びを感じた 鮮やかなビリジアン その色の暗示するものは何だろう 受け渡したものは何だったのか 私は考えるのだ 私は誰かに手渡して来ただろうかと "強くあれ、自分よ強くあれ" 口に出して言えば簡単な事を 生きる姿勢を 貫く自信を持てと 彼は話せない中で 鮮やかなビリジアンの絵の具を使って 確かに手渡したのだ 自分はちゃんと 手渡して来たのだろうか 思いに苦しむ子供の時代の自分に 怒りや惑いに苦しむ成人の自分に 将来の不安に煩悶する若い君に 白い脆い紙粘土のような 恐れも希望も練り込む前の 子供達の自我に 青空にも負けないビリジアンの心を スッキリと自分に向かい合う姿勢を 負けない心を 強くあれ 自分よ強くあれと願う心を 渡したい 伝えたい "強くあれ、自分よ強くあれ" きっと私の手にも 鮮やかなビリジアンの絵の具を 折れ畳まれても大きなチューブを 握りしめて ---------------------------- [自由詩]揺れて風を切る  /  弾丸列車/beebee[2014年11月23日8時18分] (京葉線東京駅、東京国際フォーラムの朝焼け) 電車にもたれ 風を切る音に身を任せる いつもは 意識の外に置いている音や揺れ 浮遊感に身を任せる ゴー  ゴー   カタカタ  カタカタ 軌道を走る鉄の塊の 空間ごと運ばれているという 一体感 大きな揺れ 微振動 時間を運ぶ電車に身を任せる ヒュー  ヒュー ドン  トン  ゴン 動悸の早い動物が 呼気を荒げて走っている 背中に捕まり身を任せる 反転し反転し 僕は功力に担がれた荷物のようだ ゴー  ゴー   カタカタ  カタカタ それでも通過する駅の数は覚えている? ゴー  ゴー   カタカタ  カタカタ 擦過音や衝突音 持ち上がり落とされ 振り回される 逃れられない空間はしかし 共有する時間を持っている ヒュー  ヒュー ドン  トン  ゴン 丸まって読み捨てられた新聞紙ように 早くも1日の予定が風に 捲られていく それでも冷たい空気に 所々のインクの染みが 新装本の香りもさせている! ヒュー  ヒュー ドン  トン  ゴン 早朝の弾丸列車は 運命も時間も閉じ込めて みんなを一日の発着点へ連れて行く 無理矢理捕まるWiFiスポットのようだ **** それではもう少し 意識を飛ばしておくか!? ---------------------------- [自由詩]片町書店へ / 悪戯電話をして/beebee[2018年9月16日18時40分] いつの間にか落ち込んで、本棚の隅に引っかかっていた文庫本を見 つけた。手に取って頁の目地に溜まった埃を払う。 金沢市片町1−1−23 07**−61−7950 古い住所のその本屋はまだ残っているのだろうか? ブックカバーに 印刷された住所と店名に懐かしさが込み上げて来た。遠い学生時代 の思い出が急に立ち上ってくる。 金沢市の目抜き通りに面したその書店は、スイング扉を押して入る と季節は冬で、むっとした店内の温度と書籍独特の印刷と埃の匂い がした。 頭を上げると立ち並んだ本棚に向かって文庫本を探す自分の姿が見 える気がした。振り向くと磨りガラス越しに黄色い光があって、通 りを走る車や人の流れが見える筈だ。 トゥルルルーー トゥルルルーー この電話は現在留守番電話になっております。ピーとなったらご伝 言をどうぞ。 ピー 久し振りに架けました。今日はお店は開いていますか? 片町書店を覗くのは、学生時代の僕の日課だったんです。 店員のAさんお元気ですか? また連絡します。 この留守番電話を聞いた人はきっと困り果てるだろう。30年前の 電話番号が今も鳴ったことが奇蹟だと思う。でも今は局番が一桁変 わっていた筈だった。全く違う人の番号が偶然鳴ったのは間違いな かった。 すいません。白状すると、私は少し笑ってしまった。罪悪感よりも ちょっとした悪戯に神様も許してくれるような気がしたのだ。 なんだか聞こえて来る音楽があって、誰か人の声や喧騒が聴こえて 来た気がした。黄色い幸せな光を超えて。 ---------------------------- [散文(批評随筆小説等)]退職の日に / 旅立ちの日に(最終版再投稿済)/beebee[2018年9月22日14時12分] 先月末に、大学を卒業してから勤務してきた会社を退職しました。最後はグループ会社の経理をしていたのですが、丁度グループ子会社の再編が始まりバタバタしました。やっと落ち着いたところで退職できました。 持病の緑内障が進んで来て、視野に少し斜がかかるようになって、数字がぱっと見で認識できなくなって来たので、そろそろ迷惑をかけない内に辞めようと思っていました。 退職の日、少し勤務時間を余して早く、挨拶をして退社しました。 いつもお喋りな自分を囲んで、職場の仲間達が名残を惜しんでくれる中で、次の詩を朗読して最後の挨拶に代えました。 一つ忘れることは / 新生する自我 一つ忘れることは 一つ自由になることかも知れない 我々は過去に囚われ 過去に生きているように思うが 想いは日々新しい記憶に塗り替えられていく 毎日新しい事を覚える一方で 色々なことを忘れていく 苦しいこと楽しいことを忘れていく それは自由になるということ? それは時間を延ばしているの? それは時間を削っているの? 記憶という画用紙には大きさがあって 書きこんでいくと終わりがくる 書き込み続けると上から消されていく はみ出していく記憶達 消えて行く記憶達 行が終わった記憶は一瞬光をまとい そのまま消えていく 僕たちは不思議絵の階段のように 現在を登って来たのか? それとも過去へ下っているのか? 手を伸ばして見上げると 階上から君が手を伸ばしている 一瞬届くように思えたが お互いがいくら伸ばしても届かない 見上げるぼく(きみ)と 見下ろす君(ぼく)の 立場が入れ替わって ぼくは無限空間に 閉じ込められたことを知るのか? ぼくは毎日色々なことを忘れ ぼくは毎日色々なことを知る でもそれは質量保存の法則のように 色々掛け合わされ除され もしくは加えられ減じられ 色彩され脱色され 拡散され凝縮し 昇華され結晶し ころんと コロンと 転がり落ちる 光 / 闇 雫 / 自分 こんにちは 新しい自分 新生する自我とは、不断に繰り返す想い(記憶)です。 自分はこれで退職してしまいますが、 自分の思いはこの職場の中にもあって続いて行く。 皆さんの思いも巻き込んで新生して行く。 また、自分は一人になって、 新しい自分を創っても行きます。 新しい旅立ちの日に、皆さんと一緒に働けて幸せでした。 この詩は劇的に変化する曇り空を見て想うことです。 変化し続ける雲の様相は 変化し続ける自分のようでもあり それは連続するようでもあり まったく違うようでもあり 一万年前の雲の形が再現されているのか 千年後に繰り返す様式なのか 無限なのか有限なのか でも本質に変わらない規則性やルールがあるのかなどと、 想いはつかない螺旋階段なのです 。 ---------------------------- [自由詩]コトバ / 言霊/beebee[2018年10月8日14時25分] わたしの 中の 美しい言葉よ わたしの 中の 憎しみの言葉よ わたしの 中の 哀切の言葉よ わたしの 中の 怒りの言葉よ わたしの 中心 全ての想いを 燦き 輝き 憤って 震えよ 燃え上がり 仄めき 溶かし 埋めよ 昏き光 満ち満ちて 鎮めよ 赤い炎 暗きダイヤ 心の印璽を 手は硝子の欠片を握り締めているか? 砕け散った硝子の欠片を集め 捧げもつギヤマンの玉座を こころのほめき(熱き)に悦び 額突(ぬかづ)いて泪する コトバ / 言霊 ---------------------------- (ファイルの終わり)