瀬崎 虎彦の夏嶋 真子さんおすすめリスト 2009年3月21日0時35分から2010年7月27日13時18分まで ---------------------------- [携帯写真+詩]無限廊下の、うさぎいす屋/夏嶋 真子[2009年3月21日0時35分] 「ねぇ。」 「ねぇ、キミ。」 「ねぇ、ねぇキミ。」 無限廊下の、うさぎいすが鳴きました。 淋しいうさぎいすは、死ぬのです。 無限廊下に並ぶのは 無限個数のうさぎいす。 いちごうさぎ 羽うさぎ 嘘うさぎ ケイタイうさぎ A4うさぎ 眠りうさぎ 春日駅うさぎ (春日駅に港ができて シロナガスクジラに乗った兎たちが 月に還ってしまったことも、うさぎいすには無関係) ありとあらゆる事象のうさぎいすが 白い壁づたいに張りついたまま、記憶のだまし絵を描いています。 耳のスピーカーから流れるのは子供の情景に似た心音。 アンコールの拍手は雨だれうさぎの涙です。 「ねぇ。」 「ねぇ、キミ。」 「ねぇ、ねぇキミ。」 無限廊下の、うさぎいすが鳴きました。 淋しいうさぎいすは、生きたいのです。 さっきから鳴いているのは、 キミうさぎ。 そう、あなたのうさぎですよ。 お探しのいすが見つかったようですね。 「ねぇ。」 「ねぇ、キミ。」 「ねぇ、ねぇキミ。」 さぁ、早く 無限廊下を結んでください。 結び方はおわかりですか? 蝶々結びではいけません。 いくつの世界が必要ですか? 自分が何人必要ですか? 「ねぇ。」 「ねぇ、キミ」 「ねぇ、ねぇキミ。」 さあ、慎重に キミうさぎは、とてもこわがり。 そっと、そうっと おわりをはじめに結ぶのです、 あなたのお尻で優しくキスをして。 ---------------------------- [携帯写真+詩]psyche ?〜?/夏嶋 真子[2009年3月24日2時14分] ? 蝶 シ/モクレンの一秒は 蝶の魂と同じ 奇妙に歪んだ美醜の契りが 爪先で蠢いて翅にかわる うす紫がゆっくりと溶け出し バスタブの温度を下げる 浴室で眠る蝶の夢は 完全に対称な生と死の同調 裸体の熱は無受精卵を 春の空へ産み落とし 飛翔から生まれた風が 触覚をたたく曖昧さで はるか遠くの春雷を鳴らす ?母 夢の外はうららかに流れる 紫木蓮の蕾は この詩の全てを包んで母になり ふたたび揺りかごを得た蝶は  春の夢を見る 不完全な肉体が 悲愴と失望に絡まり 樹液のまにまに漂う 胎児になった蝶は この欠落が 命だと知る あらゆる感情を 空にはなち 母の片隅に果てた ? psyche 夢の外は静止している シ/モクレンのうす紫が空に溶け出し 蝶のへその緒に結ばれると 翅は外に向かって透けてゆき 脈打ち始める 沈黙する春は 枝に止まったまま その産声を待つ 再生が押される 雑音の隙間から聞こえるのは 胎動 願い 魂 ---------------------------- [携帯写真+詩]渚のドレミ アゲハの音 木星のカケラ/夏嶋 真子[2009年5月11日18時50分] 寄せる波に向かって 心の潮「A/アー/(ラ)」の音を放つ わたしと海はパラレル 返す波からは原始の抑揚 「G/ゲ-/(ソ)」の音がかえってくる 海はソラをうたいたがってる 貝殻タイルの渚で アゲハをひろう 背中に翅がはえる わたしと空はスパイラル              「A/アー/ラ」は空で渦巻いて銀河になった わたしは銀河に「G/ゲー/ソ」をあげる 銀河はわたしに「H/ハー/シ」をしらせた ソシ/素子 銀河は星のエレメントを歌いたがってる    みずがめ座に回帰したはずの木星が わたしの足元で幸運を告げる わたしと星のターミナル 金の縞模様のソシ/カケ・ラ をポケットにしまって 天の渚で口ずさむ歌 アゲハの羽音はラ/ソ/シ 木星のカケラはソ/シ/ラ 貝殻に耳をあてて聞く 生まれる前の記憶 原始の雑音 わたしと 海の/空の/星の  声はエモーショナル ---------------------------- [自由詩]さかなの目/夏嶋 真子[2009年5月19日7時21分] 人の耳にはピチピチなんて 明るい音ではねる鰯の水揚げ にぎわう港から鰯そのものへ視線をうつせば 全身でわななく声が 流線形のまま突き刺さる 何万もの銀の鱗が震えている  帰りたいの 帰りたいの   お願い帰りたいの 海へ 瞼をもたない魚の目は  死を正確に凝固させ空気に晒されている その目で最期にうつしたものは 彼らの世界にないはずの空/この世の果て 白濁するほど 透きとおっていく命の純度 やがてわたしの血肉になる鰯  帰りたいの 帰りたいの   お願い帰りたいの 海へ そしてわたしの血をめぐる声   死んだ魚の目に値する生を    わたしは生きているのでしょうか わたしの背中で銀の鱗がふるえている ---------------------------- [携帯写真+詩]雲海/夏嶋 真子[2009年7月17日13時24分] 星は瞬きを禁じられ 月は白む空に輪郭を透かす 夜が死に 朝が生まれ落ちるまでの 混沌と森厳に漂う 四海の色を数える頂 一瞬は濃淡により誓われ 時は不動のまま移ろう 雲海をおよぐ魚 背には錦の海図を光らせ 銀剣草の所在を示す しなやかな刀剣を引き抜き 囚われの湖を満たす 雲彩の宝器を破砕する 萬を塗りかえる暁光 再生される自我の中 地上が現今を手にした時 瑞雲の海原を住処とする 蝶達の抑揚が繻子となり あまねく世界を包みこむ 始まり続ける空が始まり その下を歩み始める者の影は 絶え間なく創生を歩み始める 残照に死すまで ---------------------------- [携帯写真+詩]蜻蛉/夏嶋 真子[2009年8月1日14時15分] 蜻蛉が雫に映るとき、 雨の一粒一粒に 空は宿る。 濡れては飛べぬその羽は、 悲哀の純度で透きとおる。 雨の最後の一滴が 蜻蛉の羽に落ちるとき、 無数の空は連なって ひとつの空を 生み落とす。 空は四辺に 君をかたどり、 嘆きの速度で私を抱きよせ、 繋がりながら落ちてゆく。 震える心は霧を孕み やがて、 雨の最初の一雫になった私は 空を宿したまま、 蜻蛉の羽を青く濡らした。 ---------------------------- [携帯写真+詩]夏/夏嶋 真子[2009年8月8日16時16分] ゆく雲が 君を求めてのばした蔓から ふわりと咲いた雪の花びら 彼方を白く染めるものの  ひとつひとつの小ささを ひとつひとつの儚さを まるく含んだ湿り気が 花の波に匂いたつ 吹く風が 夕べの君と同じ仕草で 髪を空へと梳き撫でて 戸惑う胸元をくすぐるとき 耳の奥で眠るさなぎが 月は満ちたと囁きかける 紋白蝶と 君の八重歯の 境が溶けて 生まれた夏に 青がこぼれて 青はこぼれて ---------------------------- [携帯写真+詩]こい/夏嶋 真子[2009年8月18日13時29分] 地上では 夏を散らす風 恋しくて水面をみあげた なぜかしら 感じたことのないものを わたしは知ってる 水面には ひかりの乱舞 銀が背に降り積もり 手のひらの形で鱗をなでる 千切れるように震えるからだを 水の重みで映しとり さざなみにかえる わたしの名を呼ぶ声がする 水中をすすむ くもった音が 耳の奥で高温を奏で 紅よりもあかい青で焼く なぜかしら これが火だと わたしは知ってる 水の流れにていねいに わたしのまるみを伝える 水はわたしを泳ぐ わたし自身をつくる小さなものたちが 小さな死と小さな生をくりかえし だんだん入れかわるのを 淀みなくめぐらせながら ほら あの日のわたしが  すっかりつくりかえられている なぜかしら やがて人魚になることを わたしは知ってる ---------------------------- [携帯写真+詩]向日葵/夏嶋 真子[2009年8月20日3時33分] 白い部屋の 白い窓辺のあなたに 向日葵を届けたい 朔の闇夜の月を 輝かせるほど 明るい向日葵を贈りたい 七色の虹が 黄色であふれるほど たくさんたくさん贈りたい あなたがくれた光と 同じだけの向日葵を ただまっすぐに届けたい 向日葵畑を花束にして。 ---------------------------- [自由詩]うずく、まる。/夏嶋 真子[2009年9月17日18時49分] うずくまる。 からだの表面積をちいさくして 世の中の37%を遮断する。 わたしのまるいふくらみと わたしのしろいふとももをくっつけて ひとつ。にすると やわらかな鼓動を感じて わたしがまあるくなっていく。 星とわたしが同じになる夜 えらいひとがいいました。 わたしを殺さないものは わたしをより強くするって。 さっき拾ったカラスの目玉は磁器製でした。 木曜の光が角膜を破り 曖昧な手触りで新しい像を結ぶ。 カラスは瞳の奥で 本当の黒にはなれないまま 「愛せよ。」と命じているね。 滲んでは透きとおるこの夜の闇が 本当の黒だったらいいのに。 うずくまるわたしは あらゆる、まる。で。 ドーナツ化現象をかじりながら 山手線のつり革を数える。 (わたしはどこにもいけないわ。) 街の明かりはひとつひとつが存在のサイン 円を描いて走り出す電車に 加速する光は、弧を描いて矢を放つ。 「まるいわたしのひとりを、的。にして射抜いて。」 時々混じる赤や黄色や緑の輝きが 日常を事細かに命令している。 信号の四番目の色が 月の光ならいいのに。 信号の四番目の色を 命令形でわたしに教えて。 四番目の命令がわたしを弱くしてもいいの。 (わたしはどこにもいかないわ。) 体中が うずく、まる。 その夜に。 ---------------------------- [自由詩]off/夏嶋 真子[2009年11月2日16時28分] off 部屋の明かりを消しても 真っ暗にはならないんだね。 夜たちからは、もうとっくに ほんとうの夜なんて 消え去ってしまったみたい。 街灯の光がカーテンを透かし うっすらとしたわたし、の 昨日の影が伸びる。 つけっぱなしの世界に散乱した光が キとラの音で傷つきやすい夜を削っていく。 テレビの電源を消したら そこに映っていたものたちは どこに消えるの? はじめからありもしないものたちの おわり。を儚んで泣いた。 「きっと、誰かの世界にうまれるのよ。 待っていてくれる誰かのところへ消える、の。」   まるで母親みたいに 嘘のような言葉を 本当のようにつぶやく、 初潮を迎えたばかりの十一歳のわたしがくれたキスは ほんとうの夜の味がするから 悲しみを手放したばかりのわたしは うまれなかった子たちのやわらかな死に 愛されるように、眠る。 眠るわたしの意識の淵で ルナと名づけた子猫が あたたかな前足を交互に動かし わたしの冷え切った子宮を押し続け 肌を吸いながら喉をならす。 母猫の乳房からミルクを吸うそのリズムが わたしを母性に還す。 波の音で囁く。 (愛している、の。) ねぇ、ルナ。 ただそのことだけが、 世界中の空気をゆすっているね。 体中の母たちが 空っぽになってしまった子宮に満ちて震えているね。 うみたいと願ったあの日から わたしたちは、この星のママです。 くりかえしくりかえしくりかえす、 呼吸や心音、そして涙。と同じ数だけの愛。 ほら、救いきれずこぼれていくね。 けれど、ルナ。 いつかほんとうの夜が訪れて この世界のスイッチを切ってくれる。 ほんとうの愛をくりかえせば ほんとうの夜は限りなくやさしいの、でしょ? だから、ルナ。 明日が幾度、愛をくりかえしても 安心していい、よ。 (愛している、の。   愛している、の。) ほんとうの夜 月はもう 青いのかしら。 ---------------------------- [自由詩]連詩「四季」 竹中えん 夏嶋真子/夏嶋 真子[2009年12月26日22時45分] + 花が散るころにわたしは女でした。女になってしまい、 鉄鉢の中の百枚の花びらが 蝶のように羽ばたき、遠ざかるのを眺めた + 花びらのひとひらを虫ピンで留めた音が肺に響いた。 ひらひら、(蝶、が泣き出したのね 、) 降り止まぬ雨の匂いを女の標本として嗅ぐ。 + 空が燃える頃、海の匂いを嗅いだ。 だれかが泣きながらそれは涸れたといい、わたしは信じず 海のほうへと歩いた。花びらで出来た蝶を携えて + 永い間、眠ったままの蝶、その亡骸を貝殻に封じると やがて蛹になる。夕凪を通り過ぎた浜辺で、 蛹と波の結び目から赤星が生まれ落ちた。 + 星はなにを伝えるだろう。 縷縷と絶望のみをひびかせて、蛹の囁きがやまない。 風は幾たびも滅び、そしてまた生まれ、善意を駆逐する。 + 絶望を歌いつくしても、羽化を望んだ蛹は 真っ白な花をつける。 月の輪郭(にそって(咲く花びらであのひとの)唇)をふさぎ眠る。 + あのひとは自由でしょうか。そんな思想ばかりが降り 世界中が紅く染まるなか ねえ白いのはわたしね。 蝶になりたかった。どこまでも飛びたい + 叶えられない願いの全てに初雪が降る わたしは雪の抑揚をまねて口ずさむ 白に白、重ねた夜の陰影にあのひとの影がまぎれこんでいる。 + 心が火傷して疼いてしまうのです。 まっしろな世界中の(、そしてわたしの掌へ降るこの、)蝶を 抱きしめよう。さびさびとして静かなこの枯野で + わたしの火が、蝶たちに銀の烙印を押すと 枯野の炎は凍りつき時計と磁石は役目を失う。 (あついのです、)星鳥が鳴きわたしは小さく絶命する。 + 焦土(とは恍惚の謂いである(、しにたがり、の恍惚))に 春は ぷすぷすと芽吹いてきたの。砂糖壺 を、開けば砂糖菓子の蝶。たちがほろほろと崩れていく + 柔らかな光に朽ちたわたしがほどけてゆく。わたしに回帰する、 わたしたちが花という花へと結ばれて咲いていくの、 ((蝶の輪廻、を知る)春、)わたしは女を歩きはじめた。 + ---------------------------- [自由詩]((いちご)のつぶつぶ。)革命/夏嶋 真子[2010年2月2日21時22分] 赤くて甘い熟れた先端よりも白くて硬くてすっぱいお尻を 齧ったときのほうがずっと春に近づけるんだってさ。 朝から晩までへたのまわりに齧りついたのに、今日の天気は雪です。 舌がただれて痛い。 女の子たちが大好きないちごのショートケーキは イメージを食べるためのたべもの。 クリームの甘さにいちごの甘さはかなわない。 酸味がほしいならレモンやオレンジやキウイでいいのに いちごじゃないと女の子にはなれないんだ。 乱反射するイメージ、 イメージに動かされている誰かたち。 その誰かたちに動かされているのはあたし。 彩ちゃんのコマーシャルが証明している。  氾濫せよ。  反乱せよ。 携帯用いちごをにぎりつぶして、自分になすりつけた。 白いブラウスの標高15センチメートルの突出が真っ赤に染まる。 果肉が薬指のつけねにまとわりついて生きものの匂いがする。 ねぇ、目覚めそうだよ、後もう少しで。 いらない、いらない、いらない。 じゅくじゅくでどろどろになったいちごはもう女の子じゃない。  新たなるいちごのテーゼを提示せよ  デルフォイの神託は下った。 煮詰めてジャムにするの、お砂糖をたっぷり。 視覚的な甘ったるさに犯されて いちごの赤くて甘い熟れた先端はもうどこにも。 赤とそれ以外のいくつか、(たとえば後ろから2番目の思想のあの子、)の イメージがまじりあう。 じゅくじゅくでどろどろになったものが本当の本当だったなんて イメージたちよ! そんなこと勝手に決めないで。 あたしは今、純粋苺に生成されているんです、 空にジャムをぬりこめて 夕空だってつくれるんです。 肉体から液体をへて気化の途中で失敗してもいいんだ、 羽化するよりもあたしは苺の苺の真ん中に触れたい。 いちごジャムサンドを齧りながら、うんうん呻いていると 歯に何かがはさまって舌でからめとる。 「なんだ、つぶつぶか。」  失われないということ、その。((つぶつぶ。))というつぶやき。 それが種だということにようやく気がついたとき ちっぽけでつまらない素晴らしきもの、 あたしのまるみに挨拶をした。  おはよう。そして、こんにちは。 いちごのつぶつぶを数えているうちに あたりは春になっていた。 ---------------------------- [自由詩]火群/夏嶋 真子[2010年4月2日1時14分] からだの奥から たらたらと わたしが滴り落ちていく 産声とともに泣いた日の わたしの初めの一滴を含んだ雨で シーツを洗いたい 足跡にそって てんてんと広がった池を みじめな老婆の顔で拭く そのひとしずくごとに わたしと同じ重さを抱えたわたしがいて 水滴のあちらの老婆は 水滴のこちらのわたしが さっき食べつくした熟れた枇杷を 下腹部を透かし滾る眼で覗く 発かれた枇杷は飢餓前夜のふるまいで 出口へ 出口へとむかい わたしを離れた瞬間 澄んでひかりながら滴り落ちる (星を産むかわりに。) こちらの老婆は わたしをたっぷり含んで染まった布を すすり泣きながら 黒に包み 半透明に包む それが火葬のルールだから さっきまでわたしだったものは 別の何かになれずに 化石燃料に火をつける日 燃焼物として燃やされる 水の輪廻に棲むものたちが 赤々と火群に焼かれてゆく 泡立つわたしの意識のそとで (どこへゆくの 海にもなれずに。) ---------------------------- [携帯写真+詩]花/夏嶋 真子[2010年4月9日18時22分] あおい蕾が 春の嵐にぽきん、と折れて 公園のくずかごに捨てられている 花の命のありかがわからなくて こわごわ抱いて家に帰る 光に翳すと やわらぎながら ほどけてゆく部屋 輪郭をもたずに 花は咲いた ---------------------------- [短歌]雪月花 /夏嶋 真子[2010年7月27日13時18分]  淡雪は炎のように降りつもりきみの素肌の灼熱を知る  凍蝶の滑り落ちゆく黒髪にかかる吐息は結晶化して  性愛の天を凌いで伸びる蔓 凌霄花は空にまみれる  梔子の白昼夢からあふれだす途切れ途切れの白いさざ波  三日月に腰掛け星を集めてはきみの星座を鎖骨に飾る  月の海にあなたは果てて静かな死 紋白蝶がかかとに留まる  雪月花 ふたりは園に埋もれて夢のあわいに置き去った夢 ---------------------------- (ファイルの終わり)