邦秋の立見春香さんおすすめリスト 2019年1月10日4時16分から2019年1月19日7時28分まで ---------------------------- [自由詩]夢のてのひら/立見春香[2019年1月10日4時16分] てのひらで 強くは握れないほどの 熱さになってる 夜の自販機の缶コーヒー けれど 冷めるのは早くって 宇宙の熱量法則からみても あまりに早すぎる なぜなんだろうか 夢だからか なにに対しても わかる としか言えないでいると 自分の心が 宇宙に霧散したりしませんか 見上げると 大好きな青空に白雲 綿菓子のように甘そうだから 食べたいと思ったけど 水面に照り返すまばゆい光の波が ふとリアルを その淋しい人の影を 浮かび上がらせてくれるから もういいや 見上げると 大好きな青空にハート型の気球が昇っていく その空気のような軽さに心を乗っけて 夢から覚めようと思う いまもなお 一本の缶コーヒーを飲むよりも その温かさを握りしめて その急激な冷え方の早さに まるでしあわせを奪われたような 失望を感じたりしている そんなわけないでしょう もういいや これは夢なんだから 夢から覚めようと思う ---------------------------- [自由詩]冬の雨/立見春香[2019年1月19日7時28分] 寂しいのは怖いんです 心や 言葉まで 寒くなってしまうから 寒いのはいやなんです 子供のころの 冷たい雨に打たれた 終業式の日が思い出されて 通知簿を仕舞い込んで 悩んでいた小学生が 風邪をひいたのは 自業自得だったでしょう ザクザクと 砂利道を歩いている ためらうことなく 君はひとりで わたしとつながれた絆など 希望を断ち切るように切ってしまったわけだから そういえば君は早朝から 辛すぎるカレーライスを食べていたなぁ もう わたしの心からは死んだけれども つまびらかにされた罪を 痛みに変えて 泣きだす 打たれたほおが夢を こっぱみじんにしてくれるけれども ---------------------------- (ファイルの終わり)