りゅうのあくびの梅昆布茶さんおすすめリスト 2014年8月10日2時00分から2017年8月9日19時15分まで ---------------------------- [自由詩]CAUTION !/梅昆布茶[2014年8月10日2時00分] 大雨洪水注意報 彼女に涙を流させてはいけない そのあとですごく経費がかかるから 落雷警報 電気ショックで何かが復旧するとは想わない方がいい 普通のひとは死ぬ 落石注意 気がついたときはたぶん遅過ぎるが注意しよう 隕石注意 めったにないと想うがありうる 熊出没注意 熊はめったに出ないが怖い人はいっぱいいるらしい 段差あり注意 あれっ。。。 俺の人生のことかな? ---------------------------- [自由詩]彗星のうた/梅昆布茶[2014年9月9日20時38分] 僕たちはすれ違う小彗星のように 尾をひきながら歌って生きてゆくのだ そのときに交感した想いだけが やさしいえねるぎーとなってさらに 宇宙の深奥へと誘われる生命なのだから まだ魚だったころの海の深さを知っている だから空の蒼さに心惹かれるのかもしれない 僕たちは重力から解放されようとして さらに重力を加速させる 断熱材だった鱗は陸にあがり いつしか空飛ぶ羽毛に変わる 可視光線の世界を紫から赤まで散歩したら ちょっとずつその絵の具をつかって なにかを描いてみようか たぶんちっとも生産的では ないかもしれない自分の言葉で こけつまろびつ軌跡をえがく 進化から外れた系統樹の果てに 夜の帳をおしあけて海の風を感じる 貝殻になってスローバラードを口ずさむ そんな彗星たちのうたが聴こえるきがする夜だ ---------------------------- [自由詩]湖面/梅昆布茶[2014年9月15日2時35分] 存在という湖面に感情の漣がたつ 嫉妬や猜疑や後悔 期待と不安の入り交じった舟を浮かべて生きて行く 執着というホームに立ち 何処かへとむかう列車を待つ 想いを伝えきれない哀しみ 限りなく沈んで行く小石のように感じたならば 石であることをやめてみる 過去と未来の交点で信号を待つ 青に変わった筈なのにすすめない街角で だれかのクラクション ニールヤングのhelplessをくちずさむ 解答のない路線バスに乗る 半島を海岸線沿いに走るボンネットバス 沖をピースマークを掲げた船がとおりすぎてゆく 解凍された記憶をたどる 研ぎすまされた刃あるいは温もり 存在という仮面を脱ぎ捨てて 感覚という細胞になる キュートな彼女とむかし家庭をもった 子供達も散りじりに去って行った彼女も いまはひとり存在と隣り合わせな 9時55分発のボンネットバスを待つ ---------------------------- [自由詩]夕暮れ2/梅昆布茶[2014年9月21日15時02分] 埃っぽい一日が暮れかける ゆくあてもない想いが影といっしょに夕闇に溶けて行く ちっぽけな哀しみを手のひらで転がして ため息にも似たつぶやきを繰り返す 幼い頃母に背を押されるようにして嫌々学校へ行ったこと ねじを巻かれたブリキの兵隊のように感じていた 布団のうえ温もりを残したままのパジャマのなかに まだ居る自分を想像する 夕暮れは様々な想いをつれてやってくる 日によって一日の長さが違う事や誰とも友達になれなかったこと 秋刀魚のわたの苦さのようにそういった味わいも 必要なものと今だからおもえるのかもしれない 濃縮された一日がくるりと翻って 新たな白い皿が用意される 上底+下底×高さ÷きみ=不可思議な森の妖女サイレン 表情のない皿の上に感情を並べる タグのないファイルのように のっぺらぼうの頁が埋もれ火「新たなるパート」の魁 ミステリーツアーを待つ ゆっくりと坂をくだる これいじょう滑らないようにと祈るように ---------------------------- [自由詩]25年目のおっぱい/梅昆布茶[2014年10月1日13時10分] 生きづらいな なんて時々生意気にもおもう ただそれは誰かが対処できていることに 自分なりの対処法をもたないだけだろう 経験値はできれば幅広く多く積みたいものだ 子供達以上にドラクエにはまっていた親としては それは攻略本のでていない あるいはパチモノが巷間にあふれすぎている状況で 正確なGPSを得るために 武器や防護服や 魔法のアイテムの狭間を 地下ダンジョンのように彷徨う事 出自はたぶんサブカルであろうが 「サスケ」を横目でみながら 「火の鳥」の宇宙観に憧れ 「青春残酷物語」に撃たれた 中川五郎の発禁になった 「僕と君のラブジュース」 五郎さんには 「25年目のおっぱい」 なんて曲もあるらしい 赤ん坊として生まれる基盤はえらべない でも死ぬかたちは創れる そんなための一生かもしれないと ただ生命を慈しみ 過大にも過小にも評価を外した 自分でありたいとおもう ---------------------------- [自由詩]包装紙/梅昆布茶[2014年10月11日6時00分] なにが入っていたのやら わからないのだけれど 綺麗な包装紙や箱 おふくろが いただきものの 高島屋なんかの包装紙なんぞを ていねいに折ってあるものが 押し入れの隅からときどき 出てくる 彼女でもない女友達からの 電話はくるが もと妻やぼくとおなじく おやじになっただろう息子達からは 風の便りもなくて やむなく自分の居場所を確定する 誰かのソネットが 風景をそっとゆさぶる 高島屋の包装紙が ふわっと揺れる 母がほほえむ しょーもない息子のために 写真フレームのなかで ---------------------------- [自由詩]消波堤/梅昆布茶[2015年3月31日19時50分] 様々な波長のことばに耳を傾ける 舞い散る花びらのように光をもとめて あるいは影に紛れてかたちを失ってゆくものたちよ 羽化して浮揚する繊細な翅を持つ蜉蝣のように 永い水底の想いををうたにして欲しい わたしにも親しいおもいでを 盲いても見えるようなため息をひとつついて 生きるため死ぬための衝撃をもたらして欲しいのだ 生命の解体はつねにとどまらない それでも残るものがあるとしたら あなたの詩なのかもしれない 最後の詩を読みたい 今までもいまもこれからも 何かを描いてゆきます 雨粒のように点描のように 白く消えてゆく航跡のように それをひそかに感受する消波堤のように                     ---------------------------- [自由詩]アンダンテ/梅昆布茶[2015年4月2日18時13分] 僕の歩速はアンダンテ 歩幅はきみを抱きしめるときの喜び 世界はストーンサークル 星の影を測る物差し 僕の耳はユーフォニューム B♭で風の音を聴く貝殻 きみは狂った時計が時を刻むアンビエントな部屋で 玉葱のようにの次々と衣装を脱ぎ捨ててゆく ちょっと衰えた胸はバンドネオン 僕は白い腕のあいだで明滅するタンゴ 僕の歩速はアンダンテ 歩幅はきみと別れるための哀しみ ---------------------------- [自由詩]花を敷く/梅昆布茶[2015年4月9日12時15分] てのひらからこぼれるままに ことばを拾う 忘れていた物の色やかたち あてはまる隙間のない断片をかかえて歩く なつかしい風景に返すためにあたためる 星々をめぐる それは散在する島々のように 漆黒の画布にちりばめられた絵の具 遠くへかえりたい時によびかける 宇宙という画廊に展示されている作品たちにあう 海をわたる風になりたいと想うとき 潮騒の遠い響きに耳傾ける 巻貝のうたを聴くそしてきみのことばを思い出す 闇のなか発光できない蛍 嘘ですりかえないちから 疲れと痛みは抱き合わせでやってくる 花を掬う 器いっぱいにあつめたら こころの入り口に散り敷いてみる ぼくだけの贅沢な花見だ ---------------------------- [自由詩]地図/梅昆布茶[2015年4月22日11時36分] 心と身体が離れている その隙間に不安が滑り込む いちいち手足に呼びかけないと 動作しない人間型ロボットみたいで いろんなものを詰め込んだ 底の抜けた南京袋 唇から直腸まで 排泄物や消化途中の 20%引きの 焼き鳥レバーも僕 缶チューハイの空き缶で 家を造ったら30坪ほどの 二階建ての家になるだろう それはかつての僕の家で 家族もいたことだろう 記憶も曖昧で そんな軽いステージで 家族を養えるわけはない そう言いながら 樺太産のししゃもと鳥レバー ほんとうの地図ってあと何枚めくったら 僕の地図になるのか でも国土地理院にも無い地図を あなたは描いている だからたぶん僕もそうしたいと 想っている訳なんだ ---------------------------- [自由詩]桜の散り染める夜に/梅昆布茶[2015年5月15日2時46分] 遥か雑踏を離れて 孤では在りえない存在を確認する 収拾のつかない順序をゆっくりと整理する いきることは水底をしらない漣 序連で奏でられていた通奏低音は 変化しまどろみ羽化すべき朝を 想いついたように 手帳に書き込むのだ たとえばサルトルが実存とはなじまない 華やかなパリでの生活を送っていたこと 特攻で散華した若過ぎる飛行士の 最期のことばを聴き続けた帝国海軍の無線技師 いつもの夜の交差点で またかとおもうほど抱き合って キスをかわす熱い男女 2日で完売する 新宿小田急百貨店の福袋 誰も来ないままで夜のバスは出発する 目的地はあなたあるいは僕が書き込んだ そんな曖昧な乗り物だ 夜のバスはゆく 観光地もすどおりしてあなたと僕の故郷へ 終連は蓮の華の咲く泥濘の沼地 どこからともなく灯っている光はたぶん命 感受性のげんかいを超えて あなたと僕が生きれるとしたら それはとてもたいせつなことなので 詩にしてほしいかとも想うのです ---------------------------- [自由詩]世界のはずれのコテッジで/梅昆布茶[2015年8月21日3時09分] 世界のはずれの藁葺きのコテッジで 遠く草原にかかる月をのぞむ ( かつてこの月をめでた青年達が不毛なたたかいで旅立ったことも ) フィヨルドと火山を巡り カレワラの世界にあそび シベリウスの旋律を想う 何処ともしれないけれども 樹木のうたが聴こえる 仔馬と僕たちのためのみどりの丘があったりもする ここは世界を収容する小部屋 ときどき鯨のうたが聴こえたり オーロラのカーテンがそらにかかったりもする ここはちょっとあたたかい空気 暁の寺や黄金寺院 メナム川の河口 こまかな水路が縦横にはしる ここはジンバブエ 思想のはざまのなかで 翻弄されるのには慣れているし 思いついた曲想のままに 古い楽器をならす 部屋の中にしばし音が満ちる 世界のはずれのコテッジで コンクリートの堅牢さに感謝する いつも陥穽は待ち構えているが 足踏みばかりはしていられない 経験則のそとがわにある世界は けっこう魅力的なんだ とぎれとぎれに太古の微風が吹いてくる 現実にはほとんどコテッジにいないことが多いんだ 意味や目的はまあいいのではないかとおもっている もっと裾野をひろげても損はしないし 世界のはずれの冷たいコテッジで 氷と炎の大地を読み込む 竹林のなか素朴な工房で 皮革職人が金箔を慎重にプレスしている 世界のはずれのコテッジに からっぽで豊かな風が吹き抜ける ---------------------------- [自由詩]半魚人の夜/梅昆布茶[2015年8月22日11時27分] きみの夢は軽いけれどもきみは重い 人間ひとりってたいそうな荷物だ きみを背負うには僕がかぎりなくかるくなければならない すべてのものをかかえて吊り橋は容易には渡れないものだろう 僕の祖先は半魚人だってきみはいうが かすかにさかなだった記憶と猫だった記憶と カマキリだったらしい記憶が交錯するが いまはせめて人間でありたいとおもっている こっそり誰かに名前をつたえるたびに 風がそれを吹き消して行くさ 十万億土に風は吹く さいごの砂のひと粒までも捲き上げて逝く ---------------------------- [自由詩]痺れた日々/梅昆布茶[2015年8月27日22時54分] 右手の痺れがとれない 小指と薬指の感覚がない いつもの山田先生はひとこと これは頸椎だから松崎先生のところに行きなさい まだ午前中で間に合うから ちゃんと血圧も測ってね 松崎整形外科にゆく 山田先生よりも若い先生 頸椎のレントゲン写真でみる ぼくの首の骨は頭がかるいわりに椎間板が衰え いかにもまえかがみで不健康 頸椎のゆがみが神経束を圧迫して 骨格に寄生しているだけのぼくの精神をゆらす 暴力や圧力には死ぬまで抵抗勢力ではあるが 神経通なんてさからえない やっぱ借りているからだもいたわらなければいけないとおもう 宇宙というリースのシステムは 物質を循環させてなにを得るのだろうか たぶんなにもない 思想も意志もない物理的解明もいらない 宇宙自身が解答だから でも大好きなんだ 君と彼女 個別に認識できる楽しみ そんなものに勇気ずけられていきてゆく みんな大好きかもしれない ---------------------------- [自由詩]空っぽについてのマニュアル/梅昆布茶[2015年9月1日12時10分] きみの取扱説明書をみつけた ちょっと古びて もう保証書もどこかへいってしまった 皮膚を剥いでゆくように すこしずつものを整理してゆく 基本性能だけでいいのだ 死ぬまでにデフォルトの状態にもどるのが たったひとつの目的だ ものごとは流速のちがうものの 並列競争みたいなこと このごろはだんだん引き出しが からっぽになってゆく快感が好きになってきた なにかで満たそうとしない 必要がなければからっぽでいい そういった空間がこころのなかにたくさんあればいい すきとおった風がとおるだろう いつか重力から解放されるまで 流星の破片に突き刺されるままにいきてゆく たぶん僕のマニュアルは 永遠にひつようないのだとおもう ---------------------------- [自由詩]蛍日記/梅昆布茶[2015年9月2日11時57分] ひかりのあたる角度によって ものごとは綺麗に反射したりえらくくすんで見えたりもする シャンデリアのある素敵な応接間 ある生命は空間を得るために代償を払う それを得られない一部は 高速道路のした 井の頭公園のかたすみに 蛍のように仄かに光っている いつも階段にいる野良猫は おふくろが生きている頃からの室外ペット もう10年来のつきあいだが もうほとんど警戒しないようだ よい天気の日には 僕のスクーターのシートで眠りこけている 最近嫌いなことばがある 他人のささいなこだわりに 「そんなのどうでもいいから。。。」 いいんだあなたのこだわりには 難癖はつけないから自由にやってくれ いつかあなたの理想に めぐりあえるように 世界があなたに微笑むように そして 他の生命にも微笑むように あなたが肯定や受容や たいせつなことばを じぶんのものにすることを 願っているのです ---------------------------- [自由詩]ちっちゃな宇宙船にのって/梅昆布茶[2015年9月17日2時20分] よごれた皿を洗うことはたやすくできる こころを洗うことは容易ではない 精神のよごれが頂点に達して いつもこわれっっぱなしの回路をさらに脅かす どこの惑星で治療をうけたらよいのか 基本ソフトのバグとの戦いはまだつづく バージョンアップもままならず 地球とのわずかな交信も途絶えがちだ 地球の緑の丘も遠い昔 きみに摘んで手渡した ちっちゃな白い花が風にゆれる 古びた宇宙船はワープもままならず しんとした操縦室でこれからのゆくさきを考える 60億の細胞に生かされて 限られた生をいきる どれだけの宇宙にであえるのか ちょっと考える メンタルとフィジカル いつもおなじなんだ 問いかけるものはいつも なんだかからっぽなところから 発信されているようだ それに はなを添えるのは きみのあやしいかもしれないけど うつくしい宇宙なんだから ---------------------------- [自由詩]for you /梅昆布茶[2015年9月30日10時44分] 朝がくることを待ちこがれるほどではないが ちょっと陽がさす 古い集合住宅の一階の湿気のこもりがちな 鉄筋コンクリートで仕切られた空間が 僕のすてきな居場所だ 教会の鐘はどこからも聴こえないが ちいさな天使が風に紛れて歌っているような朝だ 無用な旋回はすくなくなったとおもうが 不安定はぼくの常態だと観念したほうが楽なんだ 人生は肯定や拍手ばかりではないが やさしい朝はいつもきみのものだ 誰にも奪えない朝のきみに いつか出逢いたいとおもっている 僕は歌えるかもしれない 目的ははわからないが すくなくともきみのために ---------------------------- [自由詩]ミッション/梅昆布茶[2016年2月21日20時05分] あの日瞳に映った空は きっと君のどこかに仕舞い込まれ ときおり顔をのぞかせ驟雨となって だれかに降り注ぐのでしょう こころと身体は不可分です ホイットマンが僕のどこかに 宿っていて欲しい気もします 昇りも降りもないエレベーターの 素敵な終点があったならいいのだけれど 氷のようにひんやりとしたジャズピアノが 古びたアンプとくたびれたスピーカーを通過して ノスタルジックに部屋の中を充たす ときおり粘着質の想いが断ち切られ 剃刀のように鋭いものが走る 冷蔵庫の中身が僕の胃袋を通過して 在庫調整がすすみ やがてなにも陳列されなくなった 駅前のシャッター通りの食料品店の商品棚のように 真っ白な骨格を晒しやがて ミッションから解放されるのでしょう 僕もそれまでは頑張らねばとおもうのです ---------------------------- [短歌]とっても素敵な世界へ/梅昆布茶[2016年3月7日22時16分] おなかの小魚はときどき小ちゃな声で鳴くたいせつな奴だ 電子ジャーの独り言を翻訳しながら夜が明ける 痛みっていつも友達だったなこれからもよろしくな 僕の休日は病院に奪われてディスカウントの爆買いで凌ぐ 展開しないアドリブワークの次なるキーを模索中の札がさがる 反社会的ということは犯罪ではなくふわっと浮かんだこころのありかたなのかもしれない ジャンヌダルクがサウスポーだったなんてだれも教えてくれなかった 恋する若い娘達よそんな君たちが好きだあまりにも戸惑いが美しいんだもの 渋谷25時 歌舞伎町あさの6時 代官山のクラブハウスが燃える さば缶いわし缶 価値観に拘束されない そんな缶づめで ありたいとおもう ---------------------------- [自由詩]be happy/梅昆布茶[2016年3月17日13時02分] かなしみが河いっぱいにあふれて よろこびも一緒にいる まるで流し絵のように一緒にゆるやかに 色をなしてゆくもう痛みもない河畔に ちょっと嘘つきでよゆうのない自分が居て 漢字変換ではもういらいらしなくなったが そのかわりになにかを一歩ひいてしまったのかもしれない すべての真実がすべての嘘を証明するまで推理小説を読みたい ベクトルがどっちだって良いのだともおもう 僕らは生きる為にたまに偽証をし それでもほんとうに生きる為にはべつな言葉を用意して 言葉はたぶんたやすくは 得られない あなたのいまのことばにもたぶんたった一回しかあえない だから読むんだ 追記 ごめん。ほんと読めてない。 でも、いきているうちに読むからな。 be happy ! ---------------------------- [自由詩]天使の訪問/梅昆布茶[2016年11月16日22時36分] つかのまの休日に天使がやってきてしばし話をすると 迷走する天界のことやいま抱えている天使間の軋轢のこと ほんとうのリベラリズムや偽物のプロパガンダの見分け方や 彼?にもいるらしい兄弟姉妹や縁者のはなしまで ひとしきり喋ると天使は手を振りながらゆっくりと還ってゆく 混乱する至上の世界へどうか地上の愛を届けてくれないかと ボブディラン氏がノーベル賞って素敵かもしれない 試みとしては良いのでしょう 本人次第ですし僕が好きなのは彼のうただけかもしれません トランプ氏は外交的にはやりやすいという意見があるいっぽう 個人的にはノーだという気持ちはあるが実際はほんとうはわからないのです 誰も分からないままどうせ事態は進むので静観するのが大人の余裕というものですが かなり無理しています 混乱する至上の世界へどうか地上の愛を届けてくれないかと 僕本人はエンジェル係数も遠くエンゲル係数も最高値で天使のうたが近いのかもしれません ---------------------------- [自由詩]丘を巡る冒険譚/梅昆布茶[2016年12月8日11時26分] ハックルベリーフィンの冒険譚を捜そう 君の風景といっしょに遊びたいんだもの 風の自転車で空を描こうよ 永久に休みなんて来ないんだから 勝手にやすんでしまえばいいんだ 食べる。寝る。愛する。そのほかに必要なものは たぶん冒険だけなのかもしれない うすうすと感じていた本質を探しに行くんだ 木の舟が良いなぁ 世界一周もできそうだし 色彩と音楽と世界はパッケージされた贈りもの シベリウスとドガ。踊子とフィンランディア アウトバーン。クラフトワークという電子レンジで解凍された世界 味付け玉子ももうそろそろ仕込まないとね またコリン・ウイルソンでも読んでみようか 冒険はすぐそこに僕を探しに来ているんだけれども なかなか良い接続詞が見つからなくて困っているんだ 丘を巡る夢はいつも滞ってしまう通勤路みたいにはまってしまって でもいつか君の丘陵を見ることができるかもしれない ポケットのなかで宇宙と世界が微笑んでいるかもしれないんだから ---------------------------- [自由詩]最期のタバコ屋にて/梅昆布茶[2017年2月2日8時57分] 最期のタバコ屋で最期の女に出会い 最期の言葉を交わして いっしょに暮らそうかとも想う いつも最期に出会いたくないので のらりくらりいきている 挑戦状のないリングで闘争心のない犬と成り果てて 色を失した月が墜ちる ことばだけでは辿り着けない かたちのないものばかりと暮らしている 人生は華やかではないがそこそこ おもしろいとおもっている 最近はかたちのないものを集めているが 収集した彼女はしっかり 現実的な 最期の かたちなのかもしれない ---------------------------- [自由詩]風街ろまん/梅昆布茶[2017年2月7日11時04分] 風には色がない 想いにはかたちがない 自身のすべてを解ってもいないくせに 何かをひとに伝えようとこころみるも 手応えひとつ得られず 脱け殻となって 風化する前にもうちょっと 生きてみたいとおもう 正確なものは滅多にないが でもそれが生命というありかたなのだと 時間には目盛などありはしない すべての時計が刻むあゆみがそれなりの価値をもつ それぞれの風の通り道を宇宙が通り過ぎてゆく 森の消失した曠野にムラの瓦解した街にも いつもある傍に召集令状みたいな請求書 3LDKの二間が空いても家賃\45,000 Lineの向こう側風邪で寝込んでるらしい君のスタンプ 何度目かの自己破産にて負債がいきる証かとも思う 部屋の隅に置いたガスストーブで僅かの暖をとる純粋労働者たらん こころには区別がなくて色も滅多に着いていないが ちびた鉛筆を舐めてもう少しそのスケッチをしていたいと いつか淡彩で色をのせたら 君に見せてあげたいだけなんだが 風が吹いていた 街は瞬いてたし 夜は意外とみじかく結審して 断罪が確定するだろう 読み返すこともない時間と 相変わらずぼくは変なおじさんだけれどね。 ---------------------------- [自由詩]Love&Peace&Kitchen/梅昆布茶[2017年2月27日21時06分] インスタントラーメンと目玉焼きぐらいしかつくれなかったが いつしか肉ジャガが美味しくつくれるようになってしまった かぼちゃの煮物と筑前煮と筍の土佐煮にきんぴら 変化は世の常ではあるが妻と離別し 母も他界し息子3人からは音信もない 逼迫する生活の中で老いながら学んでゆく 個の経済学と上野千鶴子的社会学 人間は急には変われないがしかし 常に変革を追い求め得る存在でもある 自身のパラダイムを組み替えることは至難の技ではあるが 地球儀(いまではGoogleearthか?)をくるくる回してみると そこには眼にみえないほどの無限の母のレシピが貼り付けてある 保存瓶に整列した梅酒やピクルスや誰かのハートや国籍のない手紙 歴史の外の世界にあらたに棚を設け自分の中で並べかえてみる ひとの生業は様々で良い それぞれが尊厳をもって生きることはとても素敵だ 僕は今日も未知のレシピを探しながらかつ老いながら歩いてゆく たぶん身体の続くかぎりは走り休み息を整えながら転がり続ける ときどきシフトするが僕は母のレシピを毎日つくってゆく すべてと僕の大切なものを食するためにそれが生きることだと 教えてくれた人の為に ---------------------------- [自由詩]Police/梅昆布茶[2017年5月24日12時41分] コトコトと煮物を煮る 人生にはそんな要素が必要な気もする アンテナを高く張ってトレンディなことも必要なのかもしれない 誰もいっぺんには多くのことはできないから 天才でもないので特に高みを目指そうなんておもわないが 空疎なリア充なんて要らないともおもっている からっぽに生きて骨になって死ぬこと 僕の骨を犬が咥えてどこか遠くの犬の聖地にでも 棄ててくれれば幸いだが 僕たちは自分の速度で人生をあるく 誰も間に合わないかもしれないスタイルで だからね君が気にいってるんだが 気にいった物を捨て去る程に人生は寛大でもないから だったらいつまでも死ぬまでも抱えてゆくさ ゆきつけの居酒屋 初恋の幻影 こんな物を抱えながらも あえて生きる価値をこっそり捜している 鴨の長明先輩ごめんなさいでもありがとう 僕はこれからも 僕のなかのちいさな事件を取り締まる 素敵な交番のお巡りさんでいたいと思うのです ---------------------------- [自由詩]僕のレストラン/梅昆布茶[2017年7月20日9時46分] ぼくたちは知ってゆく ありのままではいられないのかもしれないと 人生でたったいちど編んでもらったマフラー 誰もほんとうのレストランを知らない バイク乗りであまり街歩きもしなかったし ボーダーでたぶんきみの好きなワインレッドとグレー 毛糸がふとすぎてまったく実用にはならなかったが 生きることを忘れて時々生きている 誰もほんとうのレストランを知らない 何もない大地に 乾いた足跡を残せれば良いのかもしれない 天才や富裕な人々がいて僕はあまりもちあわせがなくて でも66キログラムの質量と粗雑なメカニズムが組成だが エアコンが不調なので きょうを3台の扇風機でいきのびてゆく 世界が鏡で覆われていて 複製の思想が蔓延して 印刷文化の近代化に まにあわなかった作品展を いつか開催しようか まだ世界は変わるが それでも僕の不思議をたいせつに 老いてゆく 僕のレストランは知り合いのシェフでもなく 空っぽの間にまには空が晴れていること きみのポケットにちいさな夢が入っていること つまづいて迷っていたり桟橋をさがしている漂流物 誰も訪れないレストラン きょうももつ煮を煮込んでいる サーカスのふるい道化師はさってゆくけれど 誰もあたらしい空を知らないからさがしにゆく きょうもあすも ---------------------------- [自由詩]竹輪のうた/梅昆布茶[2017年8月4日12時39分] 僕は竹輪が大好物で 性格も 真ん中がからっぽで 夏場は風通しも良いが冬は寒い いまだに大好きな彼女には文無しの飲んべえだと 思われているのだが残念ながら ほとんど当たっているのでとても悲しいのだけれど せめて短いbluesでも歌って挽回しようとおもうのだが 彼女は音楽を聴きもしないでただただ神様にいのってばかりいる 崇高で頑なでかわゆい娘?だがえらくてごわいのだ もうこの歳になるとつけかえの効く表情なんて求めないのだけれども でもねいつか笑っている君がいちばんこの世で 素敵なものかもしれないって伝えようともおもっているんだ 最近ファンになったボリューミーなbodyで世界でいちばん肺活量のある diva の名前は秘密。。ではないのでこっそり教えてあげるから あとからささやかなみかえりくださいね ベス、ハートっていうんだけどみんな知ってた? 俺だけが遅れていたのか浦島太郎だったかのどっちかなんだけれども 頭がいかれても生きてはゆけるさ だって現フォだけでもこれだけ 素敵な詩人達があつまってしまうのだから いつか革命を起こすなら現フォという旗を 振って闘うだろうとおもう1970年のころのように 人生も音楽もときどき風をとおしてやらないと アナクロマニヨン人とかいわれてしまうのかもしれないので まあそれでもぜんぜん平気だが ちょっと冷や汗はでるが きょうも竹輪の真ん中から外の景色をのぞいて それをつまみに相変わらず飲んでしまう僕でしたが ---------------------------- [自由詩]趣味で生きているんです/梅昆布茶[2017年8月9日19時15分] 趣味で生きているんです 死ぬこともできるかもしれないが くだらなくとも 生きてゆくことが せいいっぱいの趣味なんです まだまだ生命活動を続けたいと こころが言っているようなので 誰もにぎれない操縦桿で自らバランスをとる 生命体でありたいのかもしれません それもときどき半音フラットするぶるーすのような 上昇や拡大を志向しないくぐもった自由みたいに 価値観のちがうだろうひとにも出会いますが なぜ違うのかとか考えるのが好きです できない 何もできないわけでは無いのでしょう あなたはいうんだけどもう限界 助けてって 僕だってときどき 辛うじていきているとおもうのです いつも限界のあたりをうろうろしている 徘徊者も世の中にはいるものです 僕はその類いですから ---------------------------- (ファイルの終わり)