ナンモナイデスのおすすめリスト 2021年2月1日20時53分から2021年2月24日19時21分まで ---------------------------- [自由詩]夢の夜空/ひだかたけし[2021年2月1日20時53分] 夢の夜空に星々は 巨大に不穏に輝いて 渦巻く星雲が三つ四つ 眩めく明るさに発光し それぞれの存在を鮮やかに 闇のスクリーンに穿っている 夢の夜空はやがて刹那 一つの艶かしい発光体となり せりあがる歓喜と恐怖とに 打ちのめされたこの私は 意識が異様な気に充たされ 透き通ってゆくのを感じている この上ない孤独と浄福のなか 何処までも何処までも透き通って 私が私から遠く隔たっていく その無限の距離感を 眩暈しながら傍観している もう一人の私が居る ---------------------------- [自由詩]願い/ひだかたけし[2021年2月3日22時51分] 知覚感覚が 空の彼方を震えさせ 海の底を掻き回しても それがいったい何だと言うのか 僕には大事な夢がある 胸震わせる予感がある たとえ旅路が終末でも 置いていけない憧れ持ち 五感の海を越えてゆく それは全く確かなことだ (間違いのない一つの意志だ) そうしてあの美しい 神々の浜辺を垣間見て (また一日を追い越して) 静かななぎに横たわり 明日に夢を飛ばしている 小さな僕が此処に居る ---------------------------- [自由詩]よみがえり来たるもの/道草次郎[2021年2月4日11時33分] 失語です たんぽぽ珈琲みたいな時間です シロツメクサと勾玉(まがたま)です 万雷の拍手とおく 幕開けしないオペラのひとくさりなのですから 枝振りのかたい椚(くぬぎ)は あたかも心理深窓の環礁でしょう それは とうめいな葦(あし)や茅(かや)やらの友 煤けた窯猫(かまねこ)の涙ともいえなくはなく 陳情に来た流れ星 それはそういうものの中に有り かつ そうしたものの捨てる改悛の まるで仏塔(パゴダ)でもあります ---------------------------- [自由詩]人生と信/ひだかたけし[2021年2月4日18時53分] 永遠からすれば 一瞬に過ぎない この今を 落ち続けている この俺は 奈落の底まで 落ちて行く 後少しで 叩き付けられる 俺の体が 叩き付けられる 時間は普通に流れている 空間も以前と変わらずそこにある にもかかわらず変容している 俺のなかでは否応なく すべてが猛スピードで変容している 永遠からすれば 一瞬に過ぎない この今を 落ち続けている この俺は 奈落の底まで 落ちて行く 後少しで 叩き付けられる 俺の体が 叩き付けられる 絶望的なこの瞬間 時間と空間が溶け 深淵が口を開く 境界の壁、 越える 越える ただ 信 ---------------------------- [自由詩]記憶喪失/ひだかたけし[2021年2月7日20時00分] また夜が来て まだ私は生きていて 堆積した記憶の回収不能 後頭部辺りから凹んでいき 何一つ思い出せない 何一つ思い出さない )モノクロームの響き充満し また夜が深まり まだ私は息していて 記憶喪失 のまま 隆起する大地のパノラマを 一心不乱に見つめている   ---------------------------- [自由詩]メタモルフォーゼ/ひだかたけし[2021年2月8日18時56分] 歌声が聞こえていた 夢のなか 濡れるようなヴィブラート 君の弟だと紹介された いがぐり坊主に白のTシャツ 別世界の住人みたい 僕たちはすぐに打ち解けた 萎れいく花々 目醒めてみれば 終わりも始まりもなく ただ変転する事象たち 見えるかい、見えるかい? 君に今 見えるかい? 僕たちはすぐに打ち解けた 別世界の住人みたい いがぐり坊主に白のTシャツ 君の弟だと紹介された 濡れるようなヴィブラート 夢のなか 歌声が聞こえていた いつまでも、いつまでも 歌声が 聞こえていた ---------------------------- [自由詩]異郷に揺れて/ひだかたけし[2021年2月9日18時47分] 銀輪の 跳ね返る 光の束 眩しくて ガクンと揺れた 視界の先 道行く人の 後ろ背に 未知悠久の 時、踊る あゝ何もかも 渦巻いて 異郷となって 迫り来る この懐かしい 光景は 内なる他者の その覚醒 捉え難い その感触 この道の途上にて 出逢い忘れた その憧憬 いづれ時はやって来る その時のため、その日のため 光充ちるこの未知に 異郷に揺れて歩み入る ---------------------------- [自由詩]から ガラ/ひだかたけし[2021年2月10日19時33分] から だった 前進しようと思えば未だできたが から だった 寝ても覚めても あんまりカラカラと鳴るばかりで もう嫌気がさしちまった (なのに夢の空はまた 淡い淡い紅に染まり 何故だか雨上がりの虹までかかり こんなに寛いで息して居るのは久しぶりだ) 進めば進むほど から になる 足掻けば足掻くほど カラカラと鳴る それでもな? 懐かしい憧れが 思い出の予感が 響く光の余韻が この壊れかけの かけがえのない供物に 未知未来から到来する限り ガラガラと濁音で空元気 前のめりで進めとな ---------------------------- [自由詩]イキテイル/ひだかたけし[2021年2月11日19時09分] 訪れる 時はじんわり 湧き出づる そうして私は橙の 脳裡の懐かしい光に包まれ 生きている、生きている くっきり浮き立つ輪郭と 物という物が発散する 確かな響きに包まれて 活きている、活きている )回帰して )歓喜して 独りの只中 噛みしめ踏みしめ この一瞬の 久遠に在るという感覚 イキテイル ---------------------------- [自由詩]〈根源悪〉の原体験(改訂5)/ひだかたけし[2021年2月12日13時19分] 薄暗い 漠然と広がった 空間のなか 台形の ノッペリとした 大人の背丈半分程の 鉛色の工作機械が 等間隔で何台も 一列に並べられている 大きな金属音があちこちから 互いに呼応するよう 規則的に響き渡る 人影は全く見当たらない 三歳の私は 並んだ工作機械の一番奥隅で 両耳を手の平で強く塞ぎ 背をできる限り丸め うずくまっている 私は 自分の存在が ナニカに気付かれてしまうこと そのことにただひたすら怯えている と いつのまにか工員が一人 機械工場の入口に立っている 工員は 灰色の作業服姿に つばの付いた 灰色の四角い作業帽を被り 背が高くマッチ棒のように痩身だ 私はうずくまり目をきつく瞑っているのに 彼の姿やその思念がつぶさに分かってしまう 彼の注意は 最初から自分に向けられている 彼は私の存在に気付かないふりをして 刻一刻と私に向かって近付いて来る 逃げなければ逃げなければ! 私は恐怖に大声をあげそうになるのを必死に堪えながら 立ち上がろうとする が そこから動くことは決してできない ふと一斉に 響き渡っていた金属音が止む 私は思わず顔を上げる 〈彼〉が工作機械の上から私を見下ろしている 〈彼〉のつばの付いた灰色の工員帽が見える が 工員帽の影になった 〈彼〉の顔は 夜の砂漠のように茫漠たる闇で その奥からギチギチギチギチと 執拗に歯軋りを繰り返すような 異様な擦過音が響き続ける   * 「わっ!」と叫び私は目覚め ベッドから上半身を起こし 荒い呼吸を繰り返しながら 思わず後ろ手を付く ト 眼前の 灰色の漆喰壁 襖張りの白い引き戸 ガ 豆電球の仄か黄色い明るみの中 浮き上がるようにして 在る 日常当たり前にあったものが 今や剥き出し露骨な匿名性として 冷たい無機質な虚無の塊として そこに在る 私が呆然として その光景を 凝視していると 次第に ソレラガ ウゴメキハジメル )辺りにいつのまにか響いている )ヴゥーという低いモーター音と共に ト 唐突 ソレラが 無数のザワメキトナッテ 一斉に立ち上がり 一気に私の中に 雪崩を打って 侵入して来る このままではじぶんがじぶんでなくなってしまう ジブンガカレラニ奪ワレテシマウ! 私はもはや夢も現実も錯綜した混沌のなか じぶんの名前をひたすら反芻しながら 半狂乱にナッテ脱出口を探す 逃げなければ カレラカラ逃ゲナケレバ!   * 気付くと私は、廊下にうっ伏している 両手を握り締め荒い息を吐きながら )どうしたの、たけし? 急に頭上から声が降って来る 母親のいつもの優しく落ち着いた声 途端、私は理解してしまう )この人にはボクの恐怖は絶対分かってもらえない 同時に、 救いようのない絶望感が私を貫く 肉を魂を貫く絶望が ---------------------------- [自由詩]在るものの開け/ひだかたけし[2021年2月12日18時23分] 今宵、 白い部屋に 在るもの在るもの 自らの輪郭を鮮明にして浮き立ち 回流する澄み切った夜の空気に すっかり馴染んで留まっている 横たわっている私もまた寛ぎ 在るものたちと繋がり合う、 揺るぎない今の内に在る 時の進行は止めようもなく しかも不断に 時の開けは到来する 時の減速と不在化、時の垂直な切断 その時私たちは永遠を垣間見る 途方に暮れた名無し人として ---------------------------- [自由詩]筋の光を、見ろ。/道草次郎[2021年2月14日9時09分] そう、 おっきいとおっかない だからさりげない水草のひとつまみ このボートもあんまり 湖の真ん中へは遣らないでおく。 麦わら帽子を制える君を 想像で支えられはすまいが。 そう、 こんなキッチュな呟きは 巻きタバコなんぞに詰め 二十世紀へでも焼却してくれ。 科学をおもうこと ある意味ではそれだよ。 けどやっぱり結局人は人に焦がれ また今朝を捉える。 ---------------------------- [自由詩]夕べの一瞬/ひだかたけし[2021年2月15日17時35分] 開いた本の頁が ほんのり茜に染まる頃 太陽は傾きながら爆発し続け 西空はやがて色彩渦の奔流となる わたしは本から顔を上げ 地上の夕べの目眩く一瞬を 遠退く意識に刻み込む 夜闇が忍び込むその手前 爆発し続ける色彩渦の奔流に 宇宙が沈黙のうち叫んでいる 青い青いどよめきと 聖なるその手を地に伸ばし   ---------------------------- [自由詩]闇夜/ひだかたけし[2021年2月15日20時06分] 繰り返し 欠伸と不安のうねり、 繰り返し 安定剤と躁鬱のうねり、 あるモノあるモノ 切迫し また夜が来て夜深まり 私の宇宙を横切って 闇夜の混沌充溢し 指揮系統の不在  恐怖に次々と感染し 今宵もまた 匿名の闇に呑まれていく ---------------------------- [自由詩]荒れ地/ひだかたけし[2021年2月16日19時04分] 鈍い痛みを抱え 月も氷るこの冷夜 紡ぎ出される救済の 余りの味気なさに 呆れては ぽつぽつと辿る 情念の 小さな鏡に反射する 忘れ去られた純情に 身悶え七転八倒する 消失した記憶の轍 虚脱した想いの堆積 あゝ進めば進むほど 蒼然とする この荒れ地に 溢れる涙を埋めていく 滔々と降る宇宙から 溢れる涙を解き放つ ---------------------------- [自由詩]うつくしい歯の神話/ひだかたけし[2021年2月16日21時12分] 腐乱した犬の うつくしい歯が その人の口から語られた時、 男根たちは騒然となり 子宮たちは安らいで 世界の終わりを迎えていた ---------------------------- [自由詩]思い出/ひだかたけし[2021年2月17日18時50分] 青い空に浮かぶきざはしは大地に伸び 雪に埋もれた彫像は白く染まり震え 剥き出しの枝を掠める風たち 光のなかを泳いでいる すべて 沈黙した遠い森の遥かな思い出 ---------------------------- [自由詩]20210217/Na?l[2021年2月18日11時34分] うんこしたいなあ。うんこした。何もしていないのに筋肉痛。悲劇ばかり好むあなたは甘ったれと言われ続けてきたのかな。鬱病になってから鬱病になる前の記憶がない。統合失調症。思い出そうとするとある部分ではいはいここまでですよおて引っこ抜かれる。面倒臭い。ザ、フィルター。ま、別にいいけどね。今は通院もしてないし、薬も飲んでないけどどうなんだろ。それが治ったと言えるのかなあ。そうね日常生活に支障があるか。そういうことか。やはは、ずっとだよ。でも痛えのはやだなあ。 ---------------------------- [自由詩]讃歌/ひだかたけし[2021年2月18日18時51分] 増殖する欲望が雨降りに濡れていく 無数の情念が沸き立ち煮え立ち 底無しの暴威を露わにする 雨はいつしか雪に変わり 燃える欲望を彫塑して 小高い丘の十字架に張り付け どよめく人々を凍結する 残された者たちが思い描く夢に 精霊たちは跳躍し 「人間の本質が 遥かな果てにまで流出する」* 宇宙の讃歌に導いていく *ルドルフ・シュタイナー『遺された黒板絵』より ---------------------------- [自由詩]無垢と復讐/ひだかたけし[2021年2月20日20時38分] 開けた窓から雨の匂いが流れ込み 濡れていく遠い森のざわめき始めて 貴女の声は透明な水底に沈んでいく ああ、 こんなに澄んで囁き交わす時ばかりなら 詩を書くことすら要らないだろうに 僕はそこに微かな私怨を差し入れ 復讐したつもりで言葉を綴る むしろ詩は一つの復讐なのだ 束の間垂直に立つ永劫の時への この限られた肉体への繋縛、 終わりも始まりもない世界に 私たちが始まり終わることの 無垢無能な抗いのための抗い 開けた窓から雨の匂いが流れ込み 濡れていく遠い森のざわめき始めて 貴女の声は何処までも透明な木霊を響かせ ---------------------------- [自由詩]無題/空丸[2021年2月21日0時50分] 空がある 雲はない 宇宙飛行士が今日の仕事をしている   * 独り今日に留まり 呼吸に委ねる 凍りついた世界に 小さな穴をあけ 釣り糸をゆっくり垂らす   * 僕が来た道に横断歩道はあっただろうか。 君はぼくをちゃんと渡れただろうか。 雨の日に投函した手紙は、 晴れの日に届いただろうか。   * 少女が十字路で空を見上げている。 上空の戦闘機はどこへ向かうのか。 明日、君はどこを歩くのだろう。 まだ資本主義を歩いているのだろうか。   * 何年生きたのだろう。 川辺のベンチで、 白髪の老婆が、風にあたっていた。 何もなかったように。   * ひざっこぞうを陽にかざし、飛行機雲を一本ひく。 西瓜の種をどこに飛ばそうが自由だった。 あの頃はどうでもよいことなど一つもなかった。 遊び疲れた子どもはくるくる回りながら子宮に帰る。   * 何人かの思い出の中にぼくがいて適当に処理されているのだろう。 白黒の縁側で笑っていた。 後ろ姿は朝に向かっている。 最終ページは書きかけのまま。   * 知らない街を歩く 足音高く 但し気付かれないように 恋の始まりのように 戦場のように   * 私をデザインし 街角に私を置いて 景色を変える   * 死体から死が遠ざかる にわか雨   * 見上げても答えはない だから空があるのだろう 庭先では 雨があがったようだ   * 波が粒になり 余韻が薄化粧して 時の 奥へ奥へと誘う 発見された涙の化石   * 朝を迎え 未知も既知も溜息のように吐き出し 標識を作る   * 宇宙がどのようになっているかいつか科学は突き止めるだろう 宇宙がなぜ在るのか誰も永遠に分からないだろう ---------------------------- [自由詩]初春/ひだかたけし[2021年2月21日13時45分] 虚空は青 穏やかに 紅梅咲く 野の道を 歩めば春 肉感の 季節は巡り 憩う心 ---------------------------- [自由詩]願い/ひだかたけし[2021年2月21日20時01分] 海はいっそう青くなり 白い皮膚を浮き立たせる 歌う女の眼差しが いつしか濡れてどよめいて 開ける銀河の流れ出す 此岸と彼岸の境界で 眩暈しながら佇立する 手繋ぎ只居たかった 手繋ぎ只見たかった 願う女の眼差しに 海はすっかり凪いでいる ---------------------------- [自由詩]夢〇地球/ひだかたけし[2021年2月22日18時41分] 宇宙空間から見た地球の青 半円を描き広がっている  薄明かりの空のなか 僕は娘と手を繋ぎ 進んでいく 道すがら それを見た、目撃した  深く濃密な光芒放ち 浮き上がるように渦を巻き 宇宙空間から見た地球の青 半円を描き広がっている  薄明かりの空のなか   * 真昼の空、俄に暗くなり 見上げれば、 青い青い地球 巨大に浮かんでいる 凝視しながらわたしは 驚きの余り震えている  存在していることの只異様 青い青い地球 ぽっかり浮かんでいる   * あゝ窓ガラス越し 物凄い空の青が広がって 自分が何処に居るのか 一瞬わからなくなる 地球、いや宇宙 そうだ、此処は地球という 宇宙に浮かぶ場所なんだ まぁるく廻る星なんだ それにしても凄い青、 眩暈しながら 地球に座る ---------------------------- [自由詩]夕景未知/ひだかたけし[2021年2月23日20時31分] 茜の斜光の残像が 余韻響かせ揺れ動き 赤胴色に燃える富士山が 傾く夕陽に落ちいくとき 私は覚えずひざまづき 褪せて青澄む天仰ぐ あゝ秘匿された未知なるものよ おまえは今日もヴェールに覆われ 深い闇へと沈んでいく 幾数億もの死を呑み込み 幾数億もの生を吐き出し この循環する世界を貫く 眩暈するよな高貴さで 深い眠りを守護するため 彼岸の国へと帰っていく 茜の斜光の残像が 余韻響かせ揺れ動き 赤胴色に燃える富士山が 傾く夕陽に落ちいくとき 沸き立ち充ちるこの世の未知 現象する界を抱きしめて 歓喜の涙で濡らしていく ---------------------------- [自由詩]熱砂/ひだかたけし[2021年2月24日19時21分] 有刺鉄線をいじっていたら 異常にこんがらがって溶け始めた 俺の熱のせいか、指先は既に燃えていた  閉じ込められたまま閉じ篭もったまま 砂漠に墜ちたプロペラ飛行機 赤いいきもの達が列をなす 奴らの格好の餌食だ 砂漠に墜ちて 奴らの縄張りに )俺は独り爆発しそうだ )おまえに逢いたかっただけなのに )俺は独り破裂しそうだ )おまえにー むしゃむしゃ食べられる 溶けた有刺鉄線ごと こんがらがって 砂漠の熱流だ 原初の熱だ 奔放なノイズが 貴様らを溶かして 歪み捻れたまま生き残る  閉じ込められたまま閉じ篭もったまま 砂漠に墜ちたオンボロ飛行機 赤いいきもの達は今や黒焦げ 生の尻尾と角だけ俺が戴く おまえへの土産物だ もしも未だ おまえが生きているのなら 俺の涙よりそっちが好きだろう  閉じ込められたまま閉じ篭もっまま この俺は  奇妙に鋼鉄クリアな この砂塵ノイズの群れの 一部になりたいだけなんだ ひたすら疾走し乾き切って歯軋りし 必ず凍結した出口を見つけてやる! ---------------------------- (ファイルの終わり)