鈴木ぽろの梅昆布茶さんおすすめリスト 2014年4月4日16時51分から2021年8月27日6時06分まで ---------------------------- [自由詩]夕暮れ/梅昆布茶[2014年4月4日16時51分] 誰もが夕暮れには傾いて見える 家へ酒場へあるいは虚空へと 夕暮れに姿勢がいいのは 電信柱と案山子だけなのかもしれない 僕はきみに傾いてゆきたい いつかきみの傾きとぶつかるまで ---------------------------- [自由詩]カート・コバーンに捧ぐ/梅昆布茶[2020年7月18日11時59分] 人にかける言葉の 優しいひとを選びたい 選んでどうするのかと 問われても明快な答えもないが そうなんだ僕たちはそんなには曲がってはいないはず 規定するあなたがたの定規はどこまでも国家にすぎない 自分の足で測定かつ測量しようではないか ぼくたちの尺度で重量であたらしい君の単位で ---------------------------- [自由詩]柔らかな疎外/梅昆布茶[2021年8月13日19時49分] 水源と柔らかなことばにめぐりあう 船の舵取りは水辺の花を想いながら いくつになってもできないものはできない 今更のようにはぐらかして過ごそうか 永くゆっくりと関わってゆく事は大切だし 固く結ばれて解けないほどの不自由も たぶんほんとうは大切なのだろうと 嫌いな人間は少ない方なので助かるが ただしつけこむ奴は大嫌いなんです 環境との接点は少ない方が良いのですが 仙人願望とは無縁の今日に転送されて 僕は世界の卑小で愚劣な汚穢であり たまには優秀なこもんせんすみたい 自身を阻害するものは自身なのでしょう 僕を超えてゆくのも自身ならば僕にまかせましょう もう社会へ参加できる日々も少ないとおもうのです きみと会える力があるうちに逢いたいのです ---------------------------- [自由詩]発掘幻想曲/梅昆布茶[2021年8月27日6時06分] 哲学者と詩人と新宿のホームレス もしも資質があればなんにでも 応用数学者と宇宙物理学者あるいは ドビュッシーとツトム・ヤマシタ こんな問題意識で生き伸びても 脳力もないのに戸惑うだけ 僕の前に道はある 孤独なランナーは 空虚で退屈な日曜日の 小公園のちっちゃなブランコで 女の子にお手玉を教えたり 生きることは累積とちっちゃな進化と 何かを発掘する作業場なのかもしれない すべての孤独とぼくはリンクしていたい すべての孤独を感じたいのです 山好きの仲間が死にました 未明の東北自動車道路で 大型トラックに追突して山へ還りました 僕もどこかへ還りたいのです それはジュラ紀の草食竜の発掘現場かもしれません ---------------------------- (ファイルの終わり)