ひだかたけしの次代作吾さんおすすめリスト 2016年12月27日2時59分から2019年10月8日1時11分まで ---------------------------- [自由詩]しみ/次代作吾[2016年12月27日2時59分] たましいの背中に ひとつ ふたつ しみがある ちきゅうが 完全なる球体では ないように たいように 黒点が あるように つきに 海が あるように くるまの ハンドルには あそびが あるように 五円玉に穴が  空いているように 心にも 穴があくように みじんこの 背中に 羽が 生えているように 言葉が 雨だれ式に 左に 進むように 橋 トロルが がらがらどんに 蹴散らされるように やぎの兄弟が 草を食むように その目つきのように はるめる ほんとうのことを 串刺しにして 海が ふくらんで さらっていくように 夕暮れどき 染まる うすいブルーがきれいで 向こう側 ポピパペポ鳥が飛んでいく ベランダの洗濯物が 風に揺れていやいやを するように かわいた風に吹かれて おしるこが あくびをするように 心のきしむ音で 踊ろう 朝がくるまで しみだらけの羽を たたんで ---------------------------- [自由詩]白湯の水割り/次代作吾[2017年1月1日22時58分] 体温があるということは、 熱があるということは、 誇張なく 命というのは燃えているのだな、 という実感が、 白湯の水割りを飲みながら、 胸を貫いていった。 火がとろ火になっても、 いつか冷たくなる瞬間まで。 こんな当たり前のことが、 なぜ今まで、 わからなかったのだろう。 白湯の水割りが少しずつ、 冷めていく。 生きているとき 生きていることは むずかしい 血が流れていること忘れて、 海が見たいって。 ---------------------------- [自由詩]地獄/次代作吾[2017年1月25日1時56分] 道に落ちている手袋はひとつ 多摩川を越える小田急線から見える夕日は とてもきれいで 息をすることも忘れて 形を忘れるためには めるけりあ めるけりあ たすかまめる ろーてん ろーてん ---------------------------- [自由詩]立春/次代作吾[2017年2月5日1時24分] 立春の日 わたしは何も見ていなかった 空の青さも 道端のサムシングも 自分も すべて が通過し 何も心に残らない 右足を前に出し つぎに左足を前に出す 一瞬一瞬を生き延びている 苦痛の根源がここにある 一冊の名著だって気休めさ 明日になれば また陽はのぼって 無慈悲に西へ沈んでいく なんという暴力だろう 春が来るなんて グーの手で あっちの方向へ 押し出しておきたい 抜けがよくなったらおしまいだ 抜けがよくなったらおしめーだ。 ---------------------------- [自由詩]かなしみのふち/次代作吾[2019年8月18日23時34分] 覆水盆に返らずなんて言う 盆があるだけ良い あわてて水を掬いにいったら 盆を膝で割ることもある かなしみのふち 小さなことが気になって 大きなことがどうでもよくなって 大きなことに気分が悪くなって 小さいことにつまづいて かなしみのふち 常に落下しているとしたら 今いるこの一点はふちになる やじろべえ ぜんぜんうまいこと言えてない 詩になっていかない そうゆうふちで かなしみはポケットから はみ出してるぐらいのもので あんまりたいしたもんじゃない そうゆうかなしみのふちで 鏡を見て 変な顔をしてみたり お酒を飲んで 換気扇の下でおどったり 動くなぁって 動いてるなぁって ---------------------------- [自由詩]のいちきれすきころてんする/次代作吾[2019年9月20日0時04分] のいちきれすきころてんする せいしんめっきんはわんだーにて ろってんのぽいしんは のうてん いや、のうまんの うてんで うまうまして にんげんのほんいとして それはゆるされないような ゆるされるような しょうがないような むしろそのほうがしあわせなのでは まであって しかしそーすると じこのじつげんのおもみが ふほんいにあたまあげてきて それもまたらくのきわみ ちょっとないわーの世界 よーは 頭おかしいのはびょうどうの のがなけりゃはやいものがちの やったものがちの その のいちきれすきころてんするそんざい ひゃくぱーの みたいに ひらがなら多いとそういうとくしゅ効果 あめが降ってます 降らせてます ひとはかんけいなんて ゆーけれども まーまーニュースみてたりすると 自分はなにしとるんじゃろうと おわらせるひととおわるひとと おわらせられるひとと それいがいのひとと どこにもおらんではないかと それでものいちきれすきころてんする世界 だったらどーする? どーする? いやーちょっとコンビニ寄っていいですか まいしんのろってんで イヤホンからはなんだろう おんりょうはご随意に すてっぷふめればええが 右足がでて つぎに左足がでる つまりそーゆーこと できるところまで ちゅーかまーまーできてる できるからまたややこいぬーばーれいく そんなかんじで ---------------------------- [自由詩]もっと私に詩を書かせて/次代作吾[2019年10月8日1時11分] 玄関の前で斜めになってカメムシが死んでる 斜めになって題名を叫んでいる 詩は叫ぶものとは 言いたかぁないが 耳に突き刺さる 詩は突き刺さるものとは 言いたかぁないか 聞こえるものは しょうがないじゃないか ---------------------------- (ファイルの終わり)