虹村 凌 2006年6月7日10時34分から2006年9月19日12時11分まで ---------------------------- [未詩・独白]まんだらけ/虹村 凌[2006年6月7日10時34分] 人殺しカレー饂飩 銀行強盗とろろ蕎麦 強姦ラーメン 地獄で狂った様に咲き誇る真っ青な紫陽花 天国で狂った様に咲き誇る深紫の沈丁花 超悶絶 絶倫 倫理 理科 科学マドモアゼル 超悶絶 絶倫 倫理 理科 科学マドモアゼル 勝俣セクシュアルマター素股 お前は誰だ お前は誰だ お前は誰だ お前は誰だ お前は誰だ お前は誰だ お前は誰だ お前は誰だ お前は誰だ お前は誰だ お前は誰だ お前は誰だ ほんだらけ うつくしま福島県いわき市めひかり大作戦 それはまんだらけ ソープダラケ 痰カス ---------------------------- [散文(批評随筆小説等)]さよふなら。今は微塵も君を愛して何か居無ゐよ/虹村 凌[2006年6月7日22時50分] なついあつの日に僕等は出會つた 其れは僕乃顏が崩れ始めた頃だつた 萬國旗乃スカートしか記憶に無ゐのですが 彼乃時君乃御尻に指が觸れた乃は覺ゑて居るよ 佐藤ヲ入れ過ぎた冷珈琲ヲ流死込Me 僕はずつと横顏ヲ眺めて居たのだ 會話乃内容はDVであつたと記憶して居る ドメスティックヴァイオレンス コスメティックヴァイヴレエタ ドメスティックヴァイリンガル コスメティックヴァイヴレエタ 揉み消す煙草乃火と吸ヰ殼は丸で銀色乃灰皿ヲ磨く樣に 僕乃眼乃前にだけ置かれた灰皿は少しづつ美しく成つたのだ (臺詞)「御母さん其の拳銃を僕に御呉れよ。 幾ら撃ち拔ゐても足りや不なゐんです。 如何程彼を憎んで居るのか分から無ゐ譯では無ゐでせう。 僕は幾度とも無く裏切られ蔑まれ嘲笑されたのです。 さあ早くその銃を!さあ早くその銃を!さあ早くその銃を! さあ早くその銃を!さあ早くその銃を!さあ早くその銃を! 早く寄越すのです!寄越すのです!早く寄越すのです!寄越すのです!」 (銃聲) ふゆいさむの日に僕等は再會 其れは僕乃顏が崩れ落ちた頃だつた 狂つた情と殺意しか記憶に無ゐのですが 其乃時君乃唇にそつと觸れたのは覺ゑて居るよ 甘く炒め過ぎたポツプコオンヲ食む 僕はずつと唇を貪つて居たのだ 會話乃内容はIEであつて覺ゑて居無ゐ インターネットエクスプローラ インポテンツエクシビジョン インターネットエクスプローラ インポテンツエクシビジョン 揉み込む其乃乳房と乳首は丸で紅蓮乃欲ヲ煽る樣に 僕乃眼乃前にすら晒け出された乳房はどんどん醜く爲るのだ (銃聲)(銃聲)(銃聲) (悲鳴)(銃聲)(斷末魔的絶叫) (銃聲)(銃聲)(バタリ) (銃聲)(悲鳴)(銃聲) (斷末魔的絶叫)(銃聲) (臺詞) 「暑ゐ夏乃日に僕等は番つたのです。 君は僕乃魂ヲ殺し僕は君にそうする許可ヲ與ゑた。 僕は君乃身體を欲し君は僕にそうする許可ヲ與ゑた。 私は世界が變はると信じて疑わなかつた此乃行爲は、 私に世界が永遠に變わら無ゐ事ヲ教ゑて呉れた。 次に何時遭ゑるか判らぬと言ふのにも係はらず、 僕も君も情熱なぞ持ち合わせて居無かつたのだ。 嗚呼!何と言ふ絶望!嗚呼!絶望!絶望! 僕は崩れ搖れ動く君を可愛ゐ等と云ゐ、 我が友人乃君で或る君ヲ寢取つたのである! なのに君が僕にした仕打ちは!僕が君にした仕打ちは! 嗚呼!何と云ふ絶望!嗚呼!絶望!絶望! 嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼!」 なついあつ乃日に僕等は別れた 其れは僕乃顏が再び組織化された時乃事 君乃無き聲と喚き聲しか覺ゑて居無ゐのですが 其乃時は未だ好きであつたと今でも誓つて言ゑるよ 「さよふなら。今は微塵も君を愛して何か居無ゐよ」 (銃聲) (バタリ) (僕は何乃爲に死ぬのだろふ) (矢張り死ね無ゐ) (無垢離) ---------------------------- [散文(批評随筆小説等)]遺書(ショート&ショート)/虹村 凌[2006年6月9日13時39分] 私は、もう一時間もこうしてパソコンの前に座っている。 書こうか、書くのを止めようか、迷っている。 しかし既にこうして指を動かして居るという事は、 私自身の意志は書く事を選んだのである。 私の意志は、今、死に向かって動いている。 何故なのか私にはわからない。 金が無い。 バイトが決まらない。 稽古に出られない。 舞台に立てない。 雨が降っている。 昼飯が喰えない。 体中の筋が痛い。 理由を数えれば、誰かを殺す理由を見つけるように、 簡単に出てくるモノなのだと、今初めて気づいた。 私は将来が真っ暗な訳でも、華々しく輝く訳でもない。 今現在、不幸のどん底に居る訳でも、幸福の頂点に居る訳でもない。 確かに私は、漠然とした不安、焦燥感、恐怖に駆られる。 果たして生き残れるのか。 私は使える人間なのか。 私は見放されやしないか。 そして私は、同時に漠然とした安心感、安定感、幸福に包まれる。 私は今現在、何の苦痛も無く生きている。 自由を求めるまでもなく、自由を得ている。 そして愛すべき人達がいて、彼らは私を愛してくれている。 全てが未確認ではある。 しかし私にとってはそれでも充分なのだ。 ただ、この何の変哲もない状況にあるからこそ、死を選びたいのだ。 何も雨が私をこうさせた訳では無い。 電車が来ないから死にたいのでは無い。 起きたら虫に変身して居た訳でも無く、毛唐であったり、 広大な大宇宙で戦闘を繰り広げていたり、雪国であったり、 横で寝ていた者と魂が入れ替わったり、神のお告げを聴いたり、 此の祖国に絶望した訳でも、詩の世界の未来に絶望した訳でも無い。 私は祖国を愛し、コケにし、欧米を愛し、コケにし、 詩を書き、コケにし、生きる事を愛し、コケにし、 常に二つの感情が入り乱れているのである。 誰かが、ナイトクラブやストリップクラブは、 世界で一番綺麗な場所だと云った事があった。 酒、女、金、全ての欲望が入り乱れ、 リズムが加わり、光が其れを照らし出す。 世界で一番美しい光景だと云う。 確かに美しいとは思うが、一番美しいのは、人間の奥底に潜む、 この醜き精神や思想のマーブル模様であると私は信じている。 混じりけの無い、他人の干渉出来ない、純度100%の模様。 それが、私を死に向かわせるのである。 敢えて繰り返し云う。 私は、平凡と云う平原又は海原の真ん中にいるからこそ、 私は目の前に或る死のスイッチを押したいのだ。 幸福の絶頂に居る時に、果たして人間は死を選択出来るのか。 私は其れは不可能であると考えている。 人間は欲の深い生き物だ。幸福の中に居るとき、誰が死を選ぶのか。 絶望のどん底にいる時、多くの人は死を選択するのかも知れない。 月曜日の朝に、サラリーマンが飛び込み自殺をするように、 苦悩や恐怖から逃れたい一心で、死を選ぶのだろう。 しかし私は、どん底にいる自分を、死で縛りたいとは思わない。 ならば、頂点でもどん底でも無い、真ん真ん中に居る時こそ、 死と云う選択肢を最も良く見られる状態では無いのか? 私はそう信じている。 私は此の世に生を受け、両親の元で21年間生き、 様々な人間に会い、刺激を受け、情報を遣り取りし、 仲間に出会い、裏切られ、愛し愛され、憎み憎まれ、 私は幸福で不幸な人生を歩んで来た。 全ての関係者や発生した事象に感謝している。 私はここで指と止めたいと思う。 指と止めた後取る行動は、云うまでも無いだろう。 最後まで読んでくれて、有難う。 また何時か会いましょう。 今世か、来世か判りませんが、また、会いましょう。 又、会いましょう。 私は絶望的な気持ちで、冷たい彼女の遺体を抱きしめた。 彼女の髪の薫りは、彼女直筆の遺書と同じ匂いがした。 ---------------------------- [自由詩]白い歯、贅肉、衝動/虹村 凌[2006年6月11日3時20分] 俺はお前を苛つかせただろうか 俺はお前を悩ませただろうか 二度と心の底から笑い合う事は無いだろう 二度と約束をする事も無いだろう お前の所為で俺は… 言ったって仕方無い 俺は真実かどうかも知らない ただお前の言葉より彼奴の言葉が信用出来ただけだ 二度とそのハイライトのマークに似たケツの穴から 大それた言葉を発するんじゃねぇよ 動くんじゃねぇよ 喋るんじゃねぇよ 息するんじゃねぇよ お前の為の言葉を吐く事だってバカバカしい 時間の無駄だぜ 時間の無駄だぜ 頼むから悶え喚き苦しみ死んでくれ そして後悔してくれ 俺の前に現れた事を 俺と知り合った事を 俺にした事を 発した言葉を 動いた事を 息をした事を 精子を出した事を 生きた事を 死ななかった事を 生まれた事を 頼むから後悔してくれ そして泣き喚け泣き叫べ 到底出る事の出来ない暗い闇の向こうへ そして一生死に到達出来ずに悶え苦しんでくれ 全てを後悔しながら 手遅れの中で それでも俺は報われない ---------------------------- [自由詩]少年よ/虹村 凌[2006年6月23日22時29分] 過去に縋らずに歴史を知るのだ シドは死にカートも死にキースも死んだ パンクは死にグランジも死にロックは既に死に絶えていた 少年よ 死んだ英雄に何が出来ると言うのだ 彼らが残したモノはまるで現代では通用しないモノばかり 君たちはいち早く学校なんてものを卒業して 目覚める事が大切なのだ 「カートコバーンは死んだ」 「シドヴィシャスは死んだ」 「キースムーンは死んだ」 「チェゲバラは死んだ」 「坂本龍馬は死んだ」 少年よ 過去に縋らずに歴史を知るのだ 過去の英雄に縋らずに現代の英雄を目指せ 彼らは既に用済みのボロ雑巾なのだ 彼らは糞袋でしかないのだ 少年よ 死んだ英雄には太陽の光さえ当たらないのだ ---------------------------- [自由詩]Night Bird01/虹村 凌[2006年7月15日0時39分] お前が傍にいてくれりゃ 何も言う事は無い夜 缶珈琲+煙草=詩 ---------------------------- [自由詩]ぼくはヤンキー/虹村 凌[2006年7月18日9時16分] * 新しい少年達はペンを捨て剣を持った 不純異性交遊に興味を失った 去勢病院への復讐を誓うのだ ** 彼は彼女にパンツを穿かせずにデェトを楽しんでいた 彼は彼女にブラジャーをつけさせずにデェトを楽しんでいた つまり私は両方とも装着させずにデェトを楽しんでいた *** とりあえずクラッシュします **** 右手に煙草 左手にはジッポ ズボンの右ポケットにナイフ 左ポケットにはメリケンサック 上着の右ポケットには穴の空いたコンドーム 左ポケットには原付の鍵 長い詰め襟 長い裾 太い袖 ボンタンTHEニッカボッカ パパママごめんねぼくはヤンキー ***** 公衆便所 駅のホーム 公園の茂み マンションの階段 商店街 あなたなら構わない 何処であろうと構わない ****** ジャキノフィンヤプシ お前がお前がお前がお前が ジャキノフィンヤプシ 理想とかけはなれてるから ---------------------------- [自由詩]女子高生/虹村 凌[2006年7月19日17時58分] 女子高生 化粧をしない 髪の毛はいつだって黒い艶 口紅だって持ってるけれど いつも鞄の奥底に眠ってるのだ 女子高生 ガムを噛まない 小さなあめ玉を口を動かさずに 静かに静かに舐めるのだ 女子高生 ブラウスの釦は一番上まで締まっている 胸元をはだけるような真似はしない スカートだって膝丈以上は上げないのだ 女子高生 買ってはみたもののタンスの奥にしまってある 長い長いルーズソックスを履けずにいる 何時だって紺色のハイソックスと決めているのだ 女子高生 変装までして買った黒いレースの下着は 矢張りタンスの奥底にしまってある 勝負時を夢見て今夜も眠るのだ 女子高生 女子高生 女子高生 女子高生 女子高生 女子高生 女子高生 女子高生 憧れの女子高生 ---------------------------- [自由詩]魁・女子高生/虹村 凌[2006年7月19日18時20分] 女子高生 制服の下はボンテージ エナメルが常にギシギシと軋むのだ ---------------------------- [散文(批評随筆小説等)]欲望図鑑・女子高生編/虹村 凌[2006年7月19日20時40分] 今日、渋谷で献血の帰りに、ケバイ女子高生を見た。 今時珍しくも無いと思うのだが、 どうも美しくない。 ぱっと見る限り、顔の造形は決して悪く無いのに、 何故其れをわざわざ拙い方向に彩るのだろうか? 矢張りコギャルと言うのは好きになれない。 大城ありす(AV女優)のコギャル姿は可愛かったがな! しかし、友人某の言う通り、 コギャル姿じゃない彼女はもっと可愛かった。 ケバい化粧を落とすと、大抵は可愛いコギャル。 残念だ。非常に残念で仕方無い。 「ブスと言うのは、顔の造形が拙い事を言うのでは無い。 自分を美しく見せる術を知らぬ、哀れな者の事だ」 誰の言葉か忘れたが、こんな言葉がある。 コギャル好きの方には悪いが、俺は好きになれぬ。 美しく無いと思うよ、コギャルコギャルココココギャル。 抱けもしないのに言うのはなんだが、 抱きたいとも思わなくなった今日この頃。 と言う訳で女子高生二本立て。 http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=82062 http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=82064 こんな女子高生なら良いと思った。 ところで、スケバン刑事は良いなーと常々思う。 ツッパリは男女問わず好きだ。 今や都会では絶滅危惧種、危惧類生命体だと思うが、 親父の実家等にはまだ存在する。 私は観察だけに徹しているのだが…。 ヤンキーは嫌いだ。 理由は、不良とヤンキーの違い。 己に規律を課すのが不良であり、 それすら無いのがヤンキーである、と俺は言う。 そこに魅力の違いがあると俺は思うのだよ。 だからツッパリは好きで、ヤンキーは嫌いなんだよね。 悪いのはまだ良いが、悪そうにしてるのはタチ悪いもんね。 あまり女子高生とは関連性の無い話ですまんなぁ。 あ、まぁそう言う事でスケバン刑事・サキは好きなんだよ。 喧嘩に強く、情に厚く、性格は熱い。 いいね、これぞツッパリってヤツですよ。 そして美しいときたら、そりゃ三平じゃなくても惚れますよ! まぁ神恭一郎にゃなれぇし、 スケバンもいなくなった今じゃ、どうしようも無いけどね(笑 女子高生の魅力は何であるかと言えば、 矢張りその制服なのである。 私はマニアじゃないので、ランキングやレア度はわからぬが、 その女子高生と言う響きと制服の魔力はわかるつもりだ。 ナンチャッテ女子高生すら許してしまうその魔力は、 学ランには遙か及ばない。 (個人的にはサラシ&学ランな女子は好きだが、 それはまた別の趣味なので、今は置いておく) また、人に依っては、靴下などに魔力を感じよう。 否定しない。俺もそうだから。 ここまで言ったので明記しよう。 私の夢は「世界制服」である!! (多種多様な制服で世界を埋める気なので、 これも今は割愛させていただく) 女子高生の制服、それは若さの証である。 女子高生の制服、それはRPGで言う無敵の防具である。 女子高生の制服、それはRPGで言う無敵の武器である。 そりゃあ紫煙堂某も、起きたら帯だけだわな!(内輪ネタ 女子高生、それはたった3年の間の生物。 何十年もある人生の中で、たった3年の刹那さ。切なさ。 女子高生の魔力は恐ろしく、恐ろしい。 しかし、女子高生は素晴らしい。 女子高生と言うだけで素晴らしい。 あぁ!素晴らしいが故に恐ろしいのだ! 美人局。 援助交際。 卒業前の女子高生に手を出すだけで犯罪なのに! 恐ろしい女子高生は、女子高生である事で反撃するのだ! 無力な彼女たちは、恐ろしい復讐を企てる! しかしこれらの犯罪は一向に減る事は無い。 恐ろしい女子高生、それ故に魅力も尚更素晴らしい事になる! 女子高生嗚呼女子高生女子高生! ともかく、女子高生は素晴らしい。 ---------------------------- [自由詩]東京タワーのテッペンから/虹村 凌[2006年7月24日0時02分] ばら撒くばら撒くコンドーム 舞い散る舞い散るコンドーム 穴空き穴空きコンドーム ラーメンの味を思い出せ 梅干しの味を思い出せ 線香の匂いを思い出せ 女の匂いを思い出せ ラブホテルの匂い忘れちまった でもアスファルトが雨に打たれる匂い 何処に行っても覚えてるぜ ションベン小僧! ---------------------------- [自由詩]ロブスター/虹村 凌[2006年7月24日0時10分] 真っ黒い茂みの向こうの秘境 兄弟しかしらない魔窟 向こうに見える小高い丘 遙か彼方に見える山脈 頂上の家 ラブホテルのクーラーに吹かれて ---------------------------- [自由詩]主人がオオアリクイに殺されて一年が過ぎました/虹村 凌[2006年7月27日9時31分] 彼は混ぜるな危険と言う注意書きを無視して オレンジジュースと牛乳を混ぜた結果 真夜中にオオアリクイがやってきて 耳の穴から脳みそブチュルブチュルされて あっと言う間に死んじゃいました 粉末ローションと野菜生活を混ぜた所 素晴らしく良い具合の量と栄養バランスで とても健康的なセックスが出来ると思っていた矢先の事でした お風呂場には今でもボトルが転がっています 私は一人お風呂場に佇んで 脱衣所で倒れている主人を眺めています 主人がオオアリクイに殺されて一年が過ぎました 主人の身体にはうっすらと埃が被り 時折ドロリと動いております そう言う訳でそろそろ貴方の精子が欲しいと思い こうしてメールをさせて頂いた次第で御座います 垂直落下式対面座位で構いません 主人が!主人が! 嗚呼… ---------------------------- [自由詩]キスはお前の方が下手なんだぜ/虹村 凌[2006年8月5日21時35分] 親父に関するエッセイを書こうと思ってやめた だってお前の声が聞きたいから 何時まで繰り返せばいい? 脈の無いコミュニケーション 脈の無いカンヴァセーション 赤剥けるまで繰り返すマスタベーション キスはお前の方が下手なんだぜ お前の吐息の匂いなんて忘れちまった 髪の手触りなんて忘れちまった 全然思い出せない部屋の温度と匂い 埃と黴が入り交じった汚い空気の部屋で 手を繋いで寝転がって 今まで続いちゃったんだ セックスをする為にお前の家に行ってビデオを見たんじゃない なのに俺はお前をキスを交わしてまさぐり合った セックスをする為にお前の家に行ったって言うのに 俺はお前がゲームをする姿を眺めて 手の中でペットボトルのお茶をドクドク言わせてるだけだった キスはお前の方が下手なんだぜ 「ごめんね」って言いながらキスする女を 愛おしく思ったんだ 愛おしく思ったんだ ---------------------------- [散文(批評随筆小説等)]親父/虹村 凌[2006年8月6日0時00分] 我が家独特。 テレビでゴン中山が「テレビのリモコンをチャンチェと言う」 と言ったのを見てから、我が家でも言うようになった。 ちなみに我が家では炭酸飲料を「しゅわっぷす」と言う。 ウチはパンに納豆をのせて喰う、と言うとキモがられる。 納豆に卵黄を入れて混ぜると、トロトロで美味いんだぜ。 でも要注意、トーストにしてからのせろよ、納豆は。 焼く前にのせた時の味は保証しないぜ。 でも揚げた納豆って美味いんだよな。 強力な換気扇が必要なんだがな。 一回家で揚げ納豆やったら、三日くらい家が納豆臭かった。 納豆の喰い方。 納豆を器にあけて、ネギと辛子をのせる。 醤油を入れる前に、右回し15回左回し15回で混ぜる。 醤油を入れてから、右回し15回左回し15回で混ぜる。 …と友達に言ったら「細かいなー」と言われた。 親父直伝だー! 照れ隠しで納豆の話。 親父はすげぇ奴だ。尊敬してるよ。尊敬してるよ。 言った事は全て完璧にやる。あぁ、全てやってしまうんだ。 出来なかった事なんて無いんだ、俺の親父には。 小さい頃、ディズニーランドに行く約束をしたんだ。 でも親父は仕事が夜遅くまであって、母親に 「もしかしたら、行けないかもしれない」って言われたんだ。 それでも俺は、YesNo形式の絵を描いて置いておいた。 翌朝、起きてそれを見ると、 「ディスニーランドに行ける」Yesって書いてあったんだよ。 今でも覚えてる。無理をしてでも、全部やってのけるんだぜ。 今だって学費を払って貰ってる。だから言う事は聞いてる。 ピアスあけない、墨入れない、風俗行かない、 バイク乗らない、髪の毛染めない…とか色々。 古い親父なんだな。 挨拶しないで家でようとして、30分説教されたり。 挨拶については五月蠅い親父だ。基本だから、な。 最近、そう言った面での親父の教育方法は正しいと思った。 年上に対しては敬語で喋る、とかな。 フランクだけど、敬語で喋るだけで社会で生きていけるんだって思った。 親父の教育は正しかった。そう思う。正しかったんだ。 絡み酒とか心が狭いとかせっかちとか、まぁ色々と欠点あるけどな。 親父の言う事はいちいち最もで、正しくて、反論出来ないんだよ。 まぁ反論する事は許されなかったんだが。 親父の言う事は正しくて、全てだった。 力で抑えつけられて、反論も反撃も出来なかった。 全てに駄目出しされて来た。 俺は馬鹿でチョンでクソでカスな奴だって言われて来た。 打ち込めると思った演劇だって、小さい頃から 「端役が似合う」って言われ続けて来た。 俺は何が出来たのだろう。何が出来るのだろう。 親父は俺の将来を心配していたのだろうけれど、 俺の夢は小学生の時に潰された。 駄目だと言われ続け、馬鹿だカスだチョンだと言われ続け、 モノカキに成りたいと言い続けてきた俺を罵倒し続けた。 何も続けられなかったと言い放った。 親父は、出来ない人間の事がわからなかったんだろう。 俺は何も出来ない人間だった。 算数も理科も社会も国語も。 一生懸命読んでた本だって、駄目だって言われた。 俺は空手をほぼ6年続けた。 剣道を5年続けた。 何かを書く事を7年以上続けてる。 親父、これでも俺は駄目なんだろ? 生きていけない。飯を食えない。わかってるさ。 一生を警備員で過ごすのか、バイトで過ごすのか、 そう言われると身も蓋も無い。だけど。 親父が、俺を心配しているのは判る。 きちんとした職業を得て、自立して、飯を食える人間に成って欲しいんだって、 常にそう思ってる事は判る。知らない訳じゃない。 親父は子供を産む気は無かったそうだ。 俺はこの世に生まれる事すら危うかった人間だったんだ。 母方の祖母との話し合いの上、俺と妹が生まれた。 俺達は、生まれてこなかった可能性が大きかった。 それだけで、何か生まれて来て良かったって思うんだ最近。 でも罵倒されてコケにされて駄目出しされて否定され続けて来た。 剣道で三段取った時だって、一応は褒めてくれたけど、 「でもまぁ昔の3段に比べたら大した事無いよな」って言った。 冗談なのか本気なのか、俺はわからない人間だった。 親父の言う事は全てだと思ってた俺は、冗談には聞こえなかった。 親父は一度も俺を認めてくれた事が無かった。 留学する時だって、 「トフルで500点取ったら認めてやる」って言ってたのに、 実際に俺が500点取ったら 「まぁ、まだまだだな。俺だって余裕で取れる」ってさ。 母や妹が言う様に、冗談にも聞こえなかった。照れ隠しにも聞こえなかった。 あぁ、親父は一度だって俺が誇った事を認めた事が無かった。 叩かれて伸びると思ったのだろうか。 否定されて伸びると思ったのだろうか。 幼くして叩き込まれてきた親父の言葉は、俺に叩かれて伸びる事を忘れさせたのだ。 悔しさから、惨めさから、失意の底から這い上がった時、 待っていたのは何時も、何時も俺を迎える暖かい言葉じゃなかった。 俺は生まれるべきじゃなかったのか? アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、神経性繊維腫。 それでも育ててくれた。学費を出してくれた。 なのにどうして、認めてくれなかったんだ。 どうして否定し続けたんだ。 解せない。 親父の言葉は、今でも私を縛り続け、何かを止めさせる。 この一点だけ、あなたの教育は間違っていたと言いたい。 どうでもいい事を褒めないでくれ。 俺が誇った事を、どうして褒めて呉れなかったのだ。 親愛なる我が父へ、いつの日か。 ---------------------------- [散文(批評随筆小説等)]続・親父/虹村 凌[2006年8月6日22時09分] 俺は抗う事をしなかった。 踏み外す事をしなかった。 アウトローとして生きなかった。 親父に何がなんでも反抗しようと思わなかった。 それより親父が恐かった。 最終的に俺が頼るのは親父であって、 親父無くして俺は生きていけない。 だから親父に反抗出来なかった。 もし俺が抗い、踏み外し、アウトローになっていたら、 今頃はどうなっていただろうか。 親父に殺されていたかも知れない。 決して大袈裟な話では無く、真実味のある話として。 親父の脅し文句はいちいち俺に恐怖心を植え付けてきた。 (今日は寝る。明日以降、続きを書く) ---------------------------- [散文(批評随筆小説等)]続・親父の続き/虹村 凌[2006年8月11日22時14分] 俺は前回、「親父に恐怖心を植え付けられ、反抗をしなかった」、と書いた。 俺は中学生に上がる前位から、親父が居なければ生活出来ない事を知っていた。 そして親父は筋の通らない事を一切認めない事を知っていた。 だからもし私が少しでも道を踏み外せば、 即座に私を見放し、とことん墜ち零れて行くか、野垂れ死ぬのが関の山。 もしくはヴォコヴォコに殴られて病院送りか死ぬかだ。 真面目な話をしているのだ。 古風な親父は、何も認めないのである。 もし俺が喧嘩で勝てるような親父だったら、状況は違っただろう。 ハゲで貧弱で情けないメガネのクソ親父だったら、 喧嘩で勝って、俺はアウトローな奴になっていただろうと思う。 今はそうならなくて良かったと思う。 しかし実際の親父は、元野球部員で腹筋が12個に割れていた記録を持つ体育会系で、 どうでもいい事だがベンチで甲子園出場経験者で、 俺が中学生の頃はプロパンガスボンベを余裕で運ぶ程の体力を持ち、 俺よりゆうに15センチ以上、体重は40?以上違う相手なのだ。 格闘技経験者ならわかるだろう、この差がいかに大きいか。 「1?違えばその差は死をもたらす可能性すらある」 と極真の大山巨匠は言った(筈だ)。 40?なんてありえねぇ差だろう。勝てる喧嘩じゃねぇ。 俺は親父に反抗する事の愚かさを反抗する前に知っていた。 そして負け戦を望んでしてのける程の度胸は無い。 無難に生きていければ良いのだ。そう考えていた。 「自分が間違えて無いと思ったら最後まで戦え」と親父はいったが、 それをさせなかったのは親父だ。 徹底的なまでに俺は間違え、出来ない、駄目な奴だった。 そんな俺に親父は言い続けてきた。 「このままじゃお前はアウトローにしかならない。どうするんだ?」って。 どんどん俺は追い込まれてゆく。 親父は俺にアウトローになって欲しくないのは理解出来る。 しかし、親父の言葉は俺を責め続け、俺は戸惑い続けた。 今でも俺がツッパリや不良に憧れに似た視線を持つのは、 昔俺がなりたかった姿だからなんだと思う。 しかし憧れは憧れのまま、俺は成長した。 反抗期を迎える事もなく成長した。 反抗期が何か知らなかった。 もし俺が反抗をしていたら、何かを分かり合えたのだろうか。 …否、それは無いだろう。 俺と親父の考えは180度違うのだ。 50年間生きてきた親父の考えを、 21年間しか生きていない…親父の半分も生きていない俺が変えようがある筈が無い。 諦めでは無い。事実だ。 親父「自分が正しい」と思っている。全てにおいてそう思っている。 俺はそうは思っていない。それどころか「俺は間違った人間である」と思っている。 俺が「正解」である例はかなり稀なのだ。 親父は俺から自信を奪い去った。自尊心すら削り取った。 笑ってしまうぜ。 それでも、21年間も生かしてくれて感謝してるんだ。 学校に行かせてくれて感謝してるんだ。 だけど、やっぱり納得出来ないよな。 コメントに、「母親が俺に優しかった分、親父は俺に厳しいのかもしれない」的な、 そんな返事を書いたけれど、どうなんだろう。 確かに母親は俺に優しく、甘かった。 その分、親父は反動で厳しくなったのだろうか。 乳房に埋もれて眠りたい。 ---------------------------- [自由詩]微笑みハンター/虹村 凌[2006年8月13日2時22分] 夜間歩行 夜間歩行 昔ほどの新鮮さを無くし ただ暗い夜道を歩くだけの行為に成り下がった 愛が全てだと信じていたあの頃は 夜道の全てが新鮮だった 金が全てだと思う人間に成り下がった 最早煙草や街灯や公衆電話ボックスは手がかりでは無く ただ光を放つのみとなり 無惨な缶珈琲の残骸が点々と転がっているだけだった よぉ!誰かセックスしようぜ! 口をついて出るのはそんな言葉ばかりで それが本当に言いたい事なのかもよくわからず 半分も吸っていない煙草を揉み消す よぉ!誰かお喋りしようぜ! マグロ漁船に乗っかって 稼いだ金で世界を歩き 最後は戦地の真ん中で 地雷を踏んでサヨウナラ 夜道に微笑みは転がっていない 夜道に微笑みは転がっていない ずっと昔に見た夜道の微笑み 酔いどれ天使達のギター 頭を抱える中学生 引きずられていく娼婦 そして夜間歩行夜間歩行 ソフトクリームを食べながら ---------------------------- [自由詩]アーリーバード/虹村 凌[2006年8月28日11時29分] 陽も昇らぬうちに 何も知らない街に辿り着く 深夜の高速道路をタクシーで飛ばして 何も知らない街に辿り着く 都会生まれ都会育ち それでも摩天楼は苦手だ 窓にともる一つ一つの光が ひとつひとつのドラマが 余りにも冷たく 息苦しくなる錯覚 摩天楼なんてなくなればいい 冷たい空気と共に吸い込むタール 赤く燃えてゆくニコチン 立ち昇る煙は一瞬 何かの姿を描いて消えた 重たいスーツケースには 押しつぶされそうな希望と 巨大な不安が詰まっている 開けたら最後 まるでパンドラが開けた箱みたいに 収集がつかなくなりそうで うつむいて煙草を吸うだけ 通り過ぎる人の影が 一瞬見違えて 思わず顔を上げてみるけど やっぱりそこには誰もいない 何も知らない誰も知らない何も無い街で 摩天楼が殺しに来る錯覚 摩天楼に殺される錯覚 そびえる摩天楼はまるでいきり立った陰茎 這い出たトンネルはまるで君 ---------------------------- [自由詩]暖かい暖かい暖かい幸せ/虹村 凌[2006年8月28日11時48分] 真夏の太陽の届かない遮光カーテンの向こう 効き過ぎた冷房に身を震わせて 羽毛布団の中で君と抱き合う幸せ 暖かい暖かい暖かい幸せ 高校生の頃に冬の真夜中の路を 当ても無く歩いて歩いて 道しるべみたいな自動販売機で買う 暖かい暖かい幸せに とても良く似た 暖かい暖かい暖かい幸せ 震える指先を絡めあって 吐息までも絡めあう 馬鹿げた幸せが 何よりも暖かい暖かい暖かい幸せ ---------------------------- [自由詩]馬鹿と煙は高いところが好き/虹村 凌[2006年9月4日10時40分] 摩天楼に殺される そう思った それは綺麗な女とセックスをする夢を見る三日前だった ---------------------------- [自由詩]煙草男と風穴女/虹村 凌[2006年9月4日10時51分] 足元には陰毛の様に黒々とした謎の植物が繁殖していて いちいち気をつけないと靴が脱げそうになる 時折、瀕死の老人の様な顔をした赤ん坊程の大きさの飛蝗が飛び交う 精液の様に濁った池の中からは 熊のような蛙がニヤニヤとこちらを見ている 空にはジャンボジェット機程のカラスが飛び交い 死肉を漁ろうと言うのか、数は増える一方である 目的の館の中からは一向に向かえは来ず 私は仕方なしに煙草に火をつける 足元を野太い蛇がすり抜けるが気にする事は無い 私はそう言って側に立っていた全裸の女を抱き寄せた 今更気づいたが彼女は上半身が無い 正確に言えば上半身が風穴だらけで向こうの景色が見えるのだ 私は羽織っていたコートをかけてやり 短くなった煙草を投げ捨てた それは葬儀の参列のように長い蛇に当たり 私は目をきつく閉じた ---------------------------- [自由詩]不思議ハウス/虹村 凌[2006年9月5日4時10分] その部屋のドアには いつも鍵なんてかかってない 何を見るでも無くつけてあるテレビ 壊れかけのVHSプレーヤーの中から 半分だけ顔を出しているアダルトビデオ 埃をかぶった少し古めのDVDプレーヤーは舌を出している 知らない曲を奏でる最新式のステレオ 多すぎるデータの所為で動きの遅いパソコン ロクな物が入っていない冷蔵庫は低く唸る 知らない誰かが入ってきて 勝手に冷蔵庫を開けて 適当にドリンクを取り出す 横にドカッと座って 「これなんの番組?」 「ニュースだけど、音消してるからよくわかんない」 そんな会話を垂れ流す 天井からぶら下がるプロジェクターと その威厳に申し訳なさそうにしている裸の白熱灯 知らない誰かは出ていって 残された空き缶は汗をかいたまま座っている 手も洗わず電気も消さずに うずくまって眠る 目が覚めると知らないだれかが おいしそうな匂いのするご飯を食べている 適当に綺麗に見える食器を出して 一緒に朝ごはんを食べる 知らない誰かは二人分の食器を勝手に洗って 食後の珈琲を飲んで出て行った 昨日汗をかいていた空き缶は とっくに消えてしまっていた 随分昔の事だけど 天国のドアや階段を探していた事があった 知らない誰かがやり残した掃除をして 知らない誰かの洗濯物を取り込む 排水溝に詰まった数々の煙草を 無理矢理水で流して部屋に入る そろそろ出かけなくちゃ 玄関先に転がっている 知らない誰かの靴が数足 かすかに聞こえる遠慮気味なベッドの軋み 知らない誰かが湯船でぶくぶくしている音も聞こえる さぁ出かけなくちゃ 知らない誰かにさようなら その部屋のドアには いつも鍵なんてかかっていない ---------------------------- [自由詩]土曜日の午後九時/虹村 凌[2006年9月6日11時50分] 土曜日の午後九時 町はお祭り騒ぎで 行きかう人々で溢れてる 夜の風は何処までも冷たく 人々の隙間をすり抜けて 煙草の煙をかき混ぜてゆくよ 何度も肩をぶつけながら 駅まで向かう 誰も知らない街で 誰も知らない街で 知らない人に肩をぶつけては 誰かに似てる気がして 振り返ってはまたぶつかる みんなを知っていると思ったら 誰も自分の事を知らなかった 自棄になって自販機を壊そうとして壊せなくて 誰かが警察を呼んで逃げた 土曜日の午後九時 ずっと泣いていた あるだけの持ち金をかき集めて そっと靴の中に隠して行くよ ブルースハープをポケットに入れて行くよ 空の手提げ鞄を提げて駅まで行くよ 重い手提げ鞄を提げて行くよ 土曜日の午後九時に 駅まで迎えに行くよ この街を出るんだ 帰る場所があるから 安心してこの街を出よう 土曜日の午後九時に 電車に飛び乗って遠くまで行こう 土曜日の午後九時だから 遠くまで行こう (煙草の吸殻が増えていく) 土曜日の午後11時 そっと電車に乗った ---------------------------- [自由詩]二機目の飛行機が突き刺さって赤く丸く膨らんで滲んで弾けて広がったんだ/虹村 凌[2006年9月11日12時23分] 薄暗い部屋で手探りで煙草の箱を出す胸元 百円のライターが照らし出す赤く丸い空間 摩天楼の数々の窓から差し込む微弱な光が 舞い上がる煙を照らすよ 臨時ニュースが始まった テレビではニュースキャスターが 貿易センタービルの前で叫んでいる 濛々と立ち昇る煙の向こう側 二機目の飛行機が飛んできて もうひとつのビルに衝突したんだった 誰かが隣で眠っている気がして眼を開けたけれど 実際は枕が転がっているだけで 離れてみればすぐに会いたくなる 友だちいるかい?画材はあるかい? 製作は進んでいるかい?いい絵はかけているかい? アメリカンドリームはまやかしだったけれど アメリカンナイトメアは本当だった ビルに深く突き刺さる飛行機が赤く丸く膨らんで 滲んで弾けて広がっていったんだ 薄暗い安ホテルのベッドで眠りたい 薄いシーツに包まって ひっそりと息を殺して 背筋を丸めて胸に顔を埋める 頭の中では何度でも 二機目の飛行機が突き刺さって赤く丸く膨らんで 滲んで弾けて広がっていくんだ ---------------------------- [散文(批評随筆小説等)]雑考/虹村 凌[2006年9月11日12時55分] 日本時間では既に九月十一日を迎えている。 こちらでもあと30分も無く、9.11を迎える。 あの日、俺と祖母の暮らしている家に母が来て、 飯を食い終わった俺は、プロジェクトXを見ていた。 いや、酒が入って寝ていたので、正確には覚えていない。 確か、NHKの何かを見ていた気がする。 母親に起こされ、臨時ニュースを眺めていた。 ニュースキャスターが何か叫んでいる。 状況がよく把握出来ないが、アメリカのとある高層ビルに、 飛行機が突っ込んだと言う事だけは理解出来た。 見ていると、キャスターの背後に、機影が見えた。 瞬く間に其れはもうひとつのビルに突き刺さり、 真っ赤に膨れ上がって弾けた。 今でもこの事は鮮明に覚えている。 俺がいる状況とはあまりにかけ離れた現実。 突然に突きつけられた事柄。 細かく堕ちてゆく影が人であると判断するのに、 其れ程の時間はかからなかった。 まるで映画の1シーンのように、 其れは美しく飛んできて、真っ直ぐ突き刺さったのだった。 *** 例え知らない人間であっても、 誰かが死ぬと言うのは悲しみを禁じえない。 *** おじゃる丸の作者、犬丸氏が自殺した。 *** 生きると言う事は、他の生命体を殺すと言う事だ。 誰かが死ぬと言う事は、他の誰かが生きると言う事だ。 誰かが死ねば、食い扶持が増え、しのぎが回ってくる。 知らない人の死に対して涙を流すのは、 懺悔の気持ちなんだろうか。 それとも迫り来る死と言う事実への恐怖なのか。 誰かを社会的に抹殺、あるいは肉体的に殺す事に、 多くの人間が怯え、嫌がり、顔を背けるだろう。 人間だけは、そう簡単には殺せない。 蟻の触覚を契り、飛蝗の足を捥ぎ、 蝶や蜻蛉の羽を攀じる事は出来ても、 人の手足を切り落とし、眼を潰し、口を塞ぎ、 睾丸を握りつぶしたり子宮を破壊する事は躊躇う。 正当化する訳じゃないけれど、やってる事は同じなんだぜ。 それには多くの人間がとっくに気づいている。 学校では教えてくれない事。 生きるって事は誰かを殺すって事だ。 それを本気で実践しているのが任侠道家業の人かな。 気づいているから、出来る仕事。 弱い人間に付け込む弱い人間。 誰かが死ぬ事を喜べ、とは言わない。 俺が死んで喜ばれたら、そりゃあ切ないってもんだ。 俺は惜しまれながら死んでゆく英雄に憧れるよ。 故・金子氏になりたい訳じゃないけれど。 俺が死んでも笑っていてくれ、といえない。 泣いてくれるか?涙を流してくれるか? 顔を背けるのは、事実からか事柄からか。 *** 終戦記念日に、我々が黙祷を捧げるように、 NYCでも、黙祷を捧げる人間達がいる。 捧げない人間もいる。 *** 終戦記念日は祝日じゃない。 9.11も祝日じゃない。 祝う事の出来ない、それでも何かを考える日。 *** 神々がいる限り、我々は地球が滅亡するまで、 戦争を止める事が出来ないだろう。 それでも、一部だけ切り取れば、仲良くできるんだ。 小さい輪を広げられないんだろうか。 繋いだ手を伸ばして、もうひとつの手で、 誰かの手を握る事は出来ないのだろうか。 差し伸べることは出来ないのだろうか。 *** 誰かを殺して生きる限り、無理かも知れない。 つないだ手とは逆の手には、ナイフを隠しているから、 もう一方の手を出せないのかも知れない。 今の俺には、よくわかんない。 ---------------------------- [自由詩]ショート&ショート/虹村 凌[2006年9月12日12時15分] 僕は駄目な人間である。 中途半端なチンピラだ。 と、ヤクザの出てくる映画を見る度に思う。 人に優しくできなくて、人に冷たく出来なくて。 ねぇ。 *** ショート&ショート。 意味も哲学も無い映像群。 *** きっとこうなる。見えているよ。 質問の答えは何時だって不明確だ。 学校じゃ教えてくれない事が沢山ある。 沢山あり過ぎる。 ミトコンドリア。 マトリックス。 そんな事を知りたいんじゃない。 何時だって質問は見えている。 啼いて啼いてチンピラになりたい。 いや既にチンピラなのだ。 アウトロー。親父に捺された烙印。 アウトロー。アウトロー。 俺はアウトローにもなれないよ。 質問の答えは何時だってうわべの優しさ。 *** ショート&ショート。 意味の無い映像群。 *** さて。 ---------------------------- [自由詩]処女膜/虹村 凌[2006年9月17日14時59分] 何時か刺されて死ぬ気がしてならない 僕の脳味噌は寂しさで 実際の活動力を更に半減させて お世辞にも美しいとは言えないあの子を 加藤ローサにして見せて直ぐに眠りに堕ちた 鷲掴みにした乳房は加藤ローサの乳房じゃない 指先を擽る陰毛は加藤ローサの陰毛じゃない そして僕は処女に傷をつけ 怒れる誰かの凶刃に倒れるのだ 処女膜が破られることは無かった 40歳になってお互いが独身だったら 何時か結婚しようと勝手に思う ---------------------------- [自由詩]かでなれおん/虹村 凌[2006年9月18日6時00分] 奥歯が抜け落ちるほど激しく殴りあった後に 擦り剥けて血が滲んだ手で握手して また殴りあって抱き合った 近所の定食屋でカレーうどんを仲良く食べた 口の中を切りまくったので沁みる それでも涙を我慢してカレーうどんを喉に流し込んだ 定食屋の古いテレビにかでなれおんが映った よくわからないけれど凄くセクシィで素敵な女性だった 隣の男はブッと噴き出し 鼻の穴からカレー汁とうどんを出していた 気づけばこの鼻の穴からは葱とニンジンが飛び出していた 定食屋のおばちゃんは冷静にタオルを投げてよこし 俺達は互いの鼻の穴を掃除しあった ---------------------------- [自由詩]翌日妊娠/虹村 凌[2006年9月19日12時11分] Chips and pops make me high and high Chicks and Cops make sick and sick Dude, I know you will messed up cuz, Chicks and pops makes you high and sick Sir, I know you gonna fuck the shit up in soon You need some testicals my man Sir, I know you gonna pass the shit out in soon You need some testicaks my man Well, do ya punk? Still stayin conservetive? Burn the shit up my man. Beat the shit up my man. Rip the shit up my man. Waste it, Refuse it, Crash it. You will be cool tonight. Make it punk, make it rock, make it jap. Make it chunk, make it suck, make it Jap. あーもぅ中出ししたら翌日妊娠とか、 何言ってるのか全然わかんない。 何でそういう事言うの? Okay kid, you are suck, you are wack, you are punk, you are not human being any more this useless shit. What are you so happy about kid? Just jackin off and go to bed. I know, you are the man. Thank you. ---------------------------- (ファイルの終わり)