石川湯里 2012年9月18日22時35分から2017年12月24日21時03分まで ---------------------------- [自由詩]ほんわさん/石川湯里[2012年9月18日22時35分] ほんわかさん ほんわかさん 上見たり 下見たり  ディンディディディン ディンディンディン 綿帽子ふわり ほこりをかぶり 四条畷で うどんをすする ひまはない ---------------------------- [自由詩]むらのだいぶつさん/石川湯里[2012年10月10日0時40分] むらのだいぶつさんは くさい からだの全身に うんこをちりばめたように くさい むらのだいぶつさんは そばかすも くさい うんこがぎっしりつまっている ようだ むらのだいぶつさんは くさいうんこでできている それでもおおくの見物客が むらのなかじまさんを 一目みようとやってくる くさいうんこをちりばめて くさいうんこにくされながらも ---------------------------- [自由詩]十六夜と君/石川湯里[2013年5月27日23時39分] 僕がここでこうして生きていることの証を この世のあらゆる生命に臆することなく伝えたい 少なくとも近所のいきがっている連中だけは絶対に許せない いつでも何人かでつるんで中身のない会話を垂れ流し そうこうしているうちに日が暮れて 夜になって 深い悲しみから逃れようとすればするほど 潮騒だけ遠ざかって取り残されてぽつん いっそのことカラオケに行ってしまえたらいいのに できるだけ長く歌い続けられたらいいのに 喉がかれるかかれないかのぎりぎりのところまで ここでこうして生きていることの証を 明日につなげたいあしたになったら 喉がひりひり痛むだろう それでもかまわない今日という日を無駄にしないために 僕は地獄のそこから何度でも這い上がってみせる 君のこと好きだから 君はなんていうだろう 仮に、僕が君のこと好きだからって言いながら 地獄のそこから這い上がってきたら 伝わるだろうか 伝わらないのなら こんなことしない方が良いかものしれない そんなことわかってるよ そもそも君は僕がどんな思いで 毎日を生きてるか想像してみたことはあるか 想像してごらん きっと見えてくるはず もしも何も見えてこなかったとしても どうか自分をせめないで その時は、友達からはじめるといい 結論を急ぐことはないさ 潮騒が遠ざかっていく いっそのこと埋め立ててしまえたらよいのに あの月を 割ってくれませんでしょうか ---------------------------- [自由詩]ツキノワグマだよウサギさん/石川湯里[2013年6月5日22時56分] ツキノワグマだよウサギさん アライグマだよ子犬さん ミンミンゼミだよネズミさん アフリカゾウだよキリンさん カンガルーだよお猿さん レッサーパンダのカラスさん モンシロチョウだよ亀さんだよ タヌキもいるよ ---------------------------- [自由詩]獺祭/石川湯里[2013年6月7日23時40分] わけがわからなくなったら 焦らないこと 騒がないこと 何度でもやり直せること 俺は車を走らせ栗東でおりた 毎度のことだが一号線が渋滞していたのでわき道へ出ると 無数の飛び出しぼうれいが徘徊していたので 顔面蒼白になりながら湖岸を目指した 追っ手を振り切り烏丸半島あたり 水面に浮かぶ蓮に接吻すると 奴隷になった気がした 世の中のうなぎ共は ぶら下げた一本刀を抜くこともなく一生を終える いや、抜くことがないと言ったらウソになる 毎日のように抜いてる人も多い でもちょっと持て余している気がする 伝家の宝刀さんよ 抜けるもんなら抜いて見やがれくそったれが 伝家の宝刀さん「いやだよ自信ないよ。抜いたらきっと笑われるもん。」 マチが間違えて眠ったら 起こさないよう 静かにそっと通り過ぎること 何度でもやり直せること 彼らにも相応の美学があったの太郎 俗世間に酸化し中身を腐らせ いつしかゾンビのようになり ピンクの花をつけました そして俺の怒りは頂点に達しました ああ世界よふざけんなよ 鉱物は結晶し輝き続けるから 人々を本気にさせるのす 夜になったら てめえでケツに泥を塗ってやりてえ てめえの両手で ケツに泥を塗ってやりてえ ---------------------------- [自由詩]鎧灯/石川湯里[2017年12月24日21時03分] 私にとって 行列は 皺(しわ)のようなものだった 黒く そして蒼く 一段落のきれいだ 打ち付けられた 山肌に雪崩れる そこが しずかだ 気になって来てみると 最後まで 深く沈みこんだ ---------------------------- (ファイルの終わり)