るるりら 2018年2月13日17時23分から2019年12月22日10時36分まで ---------------------------- [自由詩]おもてなし妖怪2018/るるりら[2018年2月13日17時23分] お控えなすって ご当家の 軒先の仁義 失礼でござんすが お控えなすって 障子より目玉だけ出しておられる お坊ちゃんお嬢ちゃんも お控えなすって わたくし生国は 大海原 水界のはてに発します そこのお嬢ちゃん いま 小声で「おばけ」と おっしゃいましたか そんな本当のことを言っちゃあ いけません ま 「おばけ」と わたしのことをいう人も おりますが ああ奥さん そうですか?奥に入れと? ありがとうでござんす  あいやー では ここに座って、つづきを話させていただきやす そうです。わたくしは ただの鯨の身でございやす 今の姿は 御覧のような色白ですが もともとは 黒ろうございました 黒い巨体を翻し 色めく水毬をかいくぐり 悠々ぱしゃりと海面を叩いたのが 昨日のことのようです 当時のわたくしは 詩がない一介の鯨でございました びゅぅびゆぅと 空が鳴き ぐわんくわんと波のうねるその狭間に かすかに ん〜 ん〜と 仲間の鯨の声が聞こえました。 人間のみなさまに解るように翻訳すると 悲し気なその声は海面一面に 油が浮かび  ちいさな炎が落ちてきたかと思うや否や あたり一面 火の海になったという知らせでございました ん〜ん? ん〜?と 必死に詳細を聞こうとしたのですが 聞けばきくほど 戦局の残酷非道さに聞いているだけで鯨骨が軋みました 巨体自慢の仲間のほとんどが 一瞬のうちに姿も形もなくなったばかりか すべてが煮えたぎっているというのです  たすけてくれという他の声の主のほとんども 鯨界でも有名な横綱として名をならしたモノたちばかりなのです   詩がない あっしも みなを助けたいと ちらとは思いはしたのですが  オキアミどもの群れがいつもとは違う方向に全力疾走で逃げておりまして ついつい 喰い気にかられて オキアミの後を泳いでいきましたら 調査捕鯨船のみなさまと ご縁があったのでございます いやー あぶないところでした。海の藻屑となるところでした 気がつくと この身は 透き通るような身ではないですか?あぁよかったあ このように うつくしく刻まれて食卓に上がっております 鯛のお頭つきの隣の小鉢が、わたしの席ですね。いやー めでたい ---------------------------- [自由詩]私のなかの/るるりら[2018年4月25日13時26分] グレーチングに足をとられて 突然 目の前の女性が転んだ 最強の赤いピンヒールは 雪の中では 通用しない 美しさが万全なら どんなことも快調な街が ひっくりかえった 蛭みたいに艶やかな唇が 泥雪の上に重なっている つかまりますか?止まり木になりましょうか? 声をかけようとしたら こちらも すってんころり 馬鹿馬鹿しいくらいに 顔が地面に近い さあ踊れイグアナ 人生まずは、立ち上がれ 私の中で丸の内線が球状になり 無数の線路が透明な球の中を駆け巡る 新宿の本社に行かねばならない さて、どうやって 街の人はヌケガラ 光輝く交通手段が遮断した ねえ私の中の中野 答えてよ 新宿へ行きたいのよ すこしの距離だというのは本当なのでしょうね 私の中の中野 私の中の東中野 私の中の中の中の ※ 書き換えスレッド参加作品です。https://po-m.com/forum/threadshow.php?did=196983 以下の作品の書き換えを行いました。 https://po-m.com/forum/thres.php?did=196983&did2=152 どうぞ みなさんも わたしの詩を好きに書き換えてくださいませ  ---------------------------- [自由詩]即興ゴルゴンダ三部作【嗚呼  夢よ うつつよ】/るるりら[2018年4月26日17時46分] 【チンダルのはしご】 ●●●●●●●● ●●●●●●● ●●●●●●われ ●●●●●かい無 ●●●●つまりは ●●●てがかり無 ●●いままで苦労 ●るてんする悪口 よるの終が無い心               【2019年に起きたこと】  2019年印象的なできごとをかいつまんで書く 一月 アルビノの不死鳥が発見された 二月 各駅停車で、春に向かった 三月 祝 奈落を卒業 四月 ブリキの森と紙の古城とウルサい湖畔の魔法を会得した 五月 詩集「回遊魚」発刊 恋のぼりがハタメク 六月 福沢諭吉氏と懇意となる 七月 ゼリー色の夏を堪能 八月 そこかしこに愛があふれていた 九月 オーロラに包まれた 十月 ホスピタル・サーキット開催 十一月攻撃はいつも後ろからはじまった 十二月嗚呼 揺れる なまざしだった 【嘘つきの休日】 口、 虚に つき ご注意ください 目、やみつきにて しんこきゅうなさいませ ぜんぶ すてて よいのです はだかんぼうが ほんとうです はだかのこころは 満月のようです 闇の水平線から 浮き上がる月が 光の道を まっすぐに私の足元に降りてきています ねぇやさしい 口虚つきさん  あらあら お口が虎に なっちゃってますよ  耳をやすませてあげましょうといって あまがみしますと ほうら 心臓は 夢のような潮騒になりましたとさ ********************************* ただいま即興ゴルコンダ仮開催してます。 http://golconda.bbs.fc2.com/ お題は「2019年に起きたこと」デス。 申し遅れましたが、 なお「2019年に起きたこと」は、わたし自身の過去の作品群の題名から ほとんどの行が構成しました。即興ゴルコンダ(仮)に提出してくださった言葉も多数あります。 「回遊魚」って詩集は、ほんとに出せると良いです。 ---------------------------- [自由詩]蛸の触手は【悪魔の舌】か【天界の下】か/るるりら[2018年5月13日1時20分] 闇にすっかりなれたのか それとも 朝がきたのでしようか あまたの光の柱が  行間からまっすぐに 立っています 言葉は 今朝の朝靄のように低い場所に流れます  言葉が 祈りとはかぎりません限りなく   言葉は あてどないない旅をしつづけます    言葉は あの日の煙のようなものです 高い場所にも登ります     言葉は きな臭く饐えて息も絶え絶えに吐かれて それでも      言葉と言葉のあまたの行間のすべてから きんいろが現れ       言葉は 光柱をすりぬけ家屋の床下にも届きます        言葉を もぐらが みみずが 聴いています          言葉が 床板と床板の隙間にも降りていて眩しいのです あくまで          言葉が 悪魔の舌にも光を運びます 闇の中が一番光を感じるのです           言葉の悪戯な足跡に ふるえてるのは だれですか            言葉が 暗闇を欲するのは 光のせいです  蛸を 目の神だと言って ある男は 生涯、蛸を口に運びませんでした 男には娘がいました言葉のすくない男でしたが 蛸を舟の上でたとき 男は蛸と 見つめあい言葉でない言葉で、会話しました 医者は 娘が失明すると言っていたのです 男は まんじりと視線を離さない蛸に どうぞ娘の視力を奪うなと言いました 言葉ではない言葉で男は蛸と約束しました 生涯 蛸は喰いませんからと言いました 娘に多くのモノを見せてやってください 娘に 光がありますようにと 言いました 蛸は目の神様でした 蛸は様々に身をよじり見据えて 言葉を超えて、男の心の奥底を見ていたのです 網に掛かった蛸を神だと感じている言葉には 力がありました 大海原に放たれた蛸は 凧のように 言葉で天界と下界を 自由に泳ぎ歓喜し 娘にそして 私自身に光が与えられて 言葉で 誰かとなにものかがいたる場所で結ばれ 闇の中でこそ かすかな光の音が生まれ 輝かしい鐘として鳴り響く 今、 まさに ***** 【petit企画の館】/蝶としゃぼん玉での企画【祝言】として書きました。 該当コーナーと 内容が多少ちがってます。 ご愛敬として 手作り感覚の経緯も残してみました。https://po-m.com/forum/thres.php?did=320890&did2=670 ---------------------------- [自由詩]かんじる?  /るるりら[2018年6月5日11時47分] 【なにもかんじない】 まるで レストランのパラソルが風であおられたみたいに ツツジの花びらが一斉に 空に浮かび上がると のこされたのは雌蕊です  少女のままのこころです はなびらを失った代わりに 天女の羽衣を纏う日を 夢見ているのですから 少女でありましょう あまあと が します フックのような おとめこごろ あめで ぬれているのか なみだ で ぬれているのか 雨の中の つつじの花芯は 寂しく尖り せいいっぱいに 上をみあげています 青年が あまおとのむこうから歩いてくるのを みつめていますが てのひらに光る時計ばかり気にしている青年なのです はなびらのない花には 目もくれず 意味ありげに創作された初々しい言葉に 青年の心の臓の拍動は高まるばかりです つつじの花芯が 揺れています 幽霊の塔のように こころを寂しく尖らせています 花にまさる花が てのひらの機械の中になんて あるはずないじぁないですかと言わんばかりに 揺れています     あまおとの中  うつむいてスマホを見ている青年のうしろで つつじの精は フックのような横顔で ついには 人の姿に変化して佇んでいますが 青年は すこしも気が付かないので ありました                【ちょっと かんじた】              鋼鉄に成ろうとしている胎児が              自らの形が さだまらぬままに              ときに人魚のように なまめかしくも              なめらかに溶けつつ 真っ赤に燃えているが              ガス抜きを知らない              マグマだったら いつだって君みたいに怒りに燃えているさ              活火山がある村の川に              炭酸水が湧いていて              笑える              空できいていると              焼けつく鉄の上に うちつける雨音のようだ              光が水の中で泡となるのが垣間見れて                ちょっと いいたくなる                あいしてるよ 【とてもよく聴こえる】 かたつむりは三年ほど眠り続けることができるそうな 石の上に座る人として三年のはてに 半ば目覚めて  かたほうは まだ目を閉じている  かたつむりの瞼が すこし開いた視界では   すべての自然物がもつ曲線のために 苔が雫を宿して かすかに震え おごそかに謡っている   なにげなく碧き苔として謡う花々の ひっそりと したたる わずかな      命 水が集まり滝音になるかのように 多くの命の声 歓喜の轟音が 全身を巡る 坂本乙女のような みまもりの役を 果たしてくれた誰かの隣で たったいま  竜馬のように たちあがれ   ※ 書き換え連詩スレッド参加作品です。 https://po-m.com/forum/threadshow.php?did=196983 ---------------------------- [自由詩]背後霊が水を汲みに行く/るるりら[2018年8月21日9時04分] 背後霊の手は長く 千手観音よりも多い ただ 多ければ良いという ものでも ない 人間の役に立つのは 人間の手と同じ数 つまり 二本の手がもっとも便利 背後霊にもイカのような触腕がある いびつな形の贈答品を持参するとき 着物の超絶技巧結びにチャレンジしているとき 雪山で遭難しかけたとき 二本の触手が伸びて手助けをする あるときは 傷ついた心に巻き付き包帯となる また ある時は さえないサラリーマンの首元で 目には見えないが蝶ネクタイとなったり 背中をまるめがちな少女の心にとりついて 少女の心にしか見えない真っ赤で大きなリボンになったりして  人間に 希望を 芽生えさせる そして背後霊は 夜な夜な ながい手で水を汲みに行く 人間のためにではなく 背後霊自身が潤うための一杯の水 透明な水が しみわたる ※即興ゴルコンダ(仮)時間外投稿作品 http://golconda.bbs.fc2.com お題は、ぎわらさん。 ---------------------------- [自由詩]ラ・ラ・ラ族/るるりら[2018年8月30日14時17分] お義母さま あきの こごえです 朝風に 精霊バッタの羽音が そっと 雫を 天に すくいあげています 何が終わったのでしょう もう はじまりはじめの空 むかしむかしの反対のはじまりのはじまり めちゃくちゃダンスを夢中で踊る子供らの真似をしたがる 私のからだは重いです けれど 私と共に たふたふと生き物のように動くものがあります 天女の羽衣が 頬を そっと かすめました 透けて見えたのは しろいレースのアンブレラをさした少女のような貴女 素足が 五ミリは 浮いています あなたの お父さまがいらっしゃいます どこへも 逝かず 六歳のままのあなたのそばに ずっといらっしゃったのです ゲンバクのことを人々が忘れると だれかが言っています わすれられるものなら忘れたら いい 口にしたくなければ 口にしなければ いい とてつもないひかり ただただ臭かった廣島の町 着ていた服どころか皮膚までも 剥ぎ取られて 食べるものもなく 彷徨う人々 毎日毎日 煎餅布団と寝た貴女は しつこいくらいに いつも わたしのふとんが ふかふかであるように心配してくれた 高窓から さしこむ光に 綿毛が舞い上がるように 浮いて かろやかに歌うのは 少女のままの貴女 うつくしい裸族としての朝 わたしも空をとぶ ---------------------------- [自由詩]東の国の眠らない夜/るるりら[2018年10月21日21時25分] ひんがしのくにのね 群らない夜は だれもか大勢の中で たったひとり 回遊魚のように 周回する深夜バス 満員なのに みんな たったひとりきり だれもが どろりととけた目をして 混雑した車内の中で ひとりきり ねてもさめても 大勢のひとがいて いつまでも眠らない夜を走るバスは ふたつのライトを真っ赤にして 海の底をおよいでいるのに誰もきがつかず 朝をめざしてはいるけれど だれもが時間を捨てました ****** 即興ゴルコンダ(仮)参加作品です。題名は、社町迅さんです。 http://golconda.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=5933773#12638548 ---------------------------- [自由詩]よしっ/るるりら[2018年12月1日8時40分] 走れ! ---------------------------- [自由詩]よしっ。いや、ちょっと マテ。 /るるりら[2018年12月1日8時49分] めざめると同時に 自由の女神になっていた すっくと立ち 右手を挙げ 情熱の象徴を高らかに天に示し 頭の中に声が響いていた「走れ!」 いや、ちょっと待て 忘れられないぢぁないか あの家の事を わたしは おそるおそる鍵穴に鍵を入れた ぢぁりと鈍い音がして穴は開けられることを拒んでいる じぁあ家に入るのを止めようかと 後をふりかえると 今来た門柱までの距離には 私が なぎたおしたヨモギがうなだれて 悲しそうだ なにもせずに帰る気か  深呼吸し  ドアを開けることにした  扉の ぢぁりが、がちゃと開くまで力を入れた  が  扉は おもいのほか軽い  孤独死寸前で近所の人に報告された家の主は 今頃、病院だ  なぜ 食べるものも食べず衰弱したのか  詮索したいのは やまやまだが  痴呆なのか銀行印や保険証などのありかさえ覚えがないらしい  鍵を借りて、この家の主の貴重品をさがしに来た  かみ かみ 紙 カミ 段ボール カミ  ふんわりと かるく 紙でできた箱と箱  天井まで積み上げられている無数の箱を指でつつくと、ゆうらり  幽霊のように動く埃の館  この家の家主を証明するものを探さねば  彼女は、保証されるのに値するのだ  引き出しを開けると 引き出しの中が直ぐには見えない  衣類文具や生活雑貨 全部のひきだしの中身の上に  広告紙がおかれて 中身は遮断されている  すべてのものが繭ごもっている 冷蔵庫の食品のすべても個包装され  なにがなんだか分からないが昭和の日付のメモも有るから すべて捨てる   ワカラナイ   うごかない時間が                  ユックリ揺レテイル   カワラナイ   保存された時間が死んだまま   シッカリ動イテイル     なにやら光った!保険証通帳印鑑の発見だ!これで 家主を証明できる!  彼女は れっきとした 私の叔母様だと証明できた  おばさまは、わかったようなわかってないかのような透けたような微笑で  ありがとうと 言った  そのようにしてやっと安心し  ねむった   誰かであるかと保証がされている あなたとわたし                             そして、たった今 めざめると同時に  すっくと立ち 右手を挙げ 情熱の象徴を高らかに天に示し 頭の中に声が響く「走れ!」 坂道を駆け上がれ 山の間から朝日がでた  ひさしく走ったことのない重く冷たい両足が足元から照られ血が通う 自分の体重を両足に感じつつ「走れ!」 ---------------------------- [自由詩]あ/るるりら[2019年1月8日18時54分] うん ---------------------------- [自由詩]新月/るるりら[2019年1月9日8時25分] 新月が穴のように開いている 月が巡ってくることをいのる いにしえの民のこころもちで 月の定めた晦日の夜に凍えて 聖なる薪としてくべた雑記帳 お気に入りの日記帳が炎と化すあの感じ 大切な人が私と結びつけていた写真を無造作に捨てたと知った あの感じ 筆圧の強い字ではちゃめちゃに書いた文字が涙の飛沫で溶ける あの感じ ふくみのふくらみを 口にすると朽ちてゆく みもだえたすえに 決心する すきなことをすきなだけしているつもりで すきなことがなにかをわすれ 穴のように開いている 新月 満天の空に ぽっかりあいた穴のよう 或るはずの天体は 時間と空間のなかに まっさらを示し わたしをふくらませようとしている みたそうとしている  わたしは いつも みたさそうとする月の力を裏切りながら きょうの新月と対話する すきなことをすきなだけするという軸ではなく できることをできるだけしていく軸で生まれ変わりますから だから月よ  明日の わたしを 満たしておくれ *********** http://golconda.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=5957127#12689686 即興で詩を投稿するサイトに投稿した作品です。同じ題名で詩を書き、みなが認めた作品を書いた方が 次の題名を示すサイトです。本作品の課題は、みうらのばでぃすきー様が 2019/01/01 (Tue) 18:42:00に出しておられます。 しかし、どなたの御投稿がなかったようです。大幅に指定時間をすぎましたが、今朝 本作品を投稿させていただきました。 ---------------------------- [自由詩]シティ/るるりら[2019年1月15日16時41分] 線路はどこまでつづくのか トンネルの向こうに 白い世界が見えるが ちかづいてくると どうやら画布だ トンネルの出口は大きな世界地図で塞がれている 列車は べつだんなんのアナウンスもなく 地図に突入してゆく 息をのんでおもわず目をつぶるまぎわに つり革の人の革靴の足に力が入り すこし屈伸したのを見たと同時に 風圧とともに画布の破れる音がして世界は広がった なんという地平だろう なんという明るさだろう しばらく列車は陽気に前に進んでいたが ふたたびトンネルにさしかかった トンネルの向こうに 白い世界が見えるが ちかづいてくる こんどの画布には 日本地図が描かれている 列車は とりたててさわぎたてるものもなく 地図に突入してゆく もう呼吸をあらだてるほどのことではない  すこし余裕ぎみに窓の外を見ると 風圧とともに画布の破れる音がして なにやら故郷の文字を確認した気がしたが、はて  日本のことを忘れた なんという水平線だろう なんという清々しさだろう 列車はより一層加速して またまたトンネルにさしかかった 列車の中に短い音楽が流れたあと アナウンスが入った 「いつも ご乗車ありがとうございます。 この列車は、あなたの心の中に向かいます。 つぎは こころの中 こころの中」 バシュという音がして列車は 自宅の家の近くの駅に止まった 遮断機があがり 家路に向かう 突き当りの家には 薔薇が咲きそうだ 今日は見慣れない車が止まっている  車体番号には【遠くから来た】と書かれていた。 表札をみると【薔薇は蕾】と、立派な明朝体で掲げられていた。 はてと思いながら そのお隣の表札を読んでみると【地域猫在中】と書かれている。 なんという名前の猫だったろう みんなちがう名前で呼んでいるはず 家にたどり着く前に 隣の人とすれ違って 聞いたことのない名前で私のことを呼んだが まちがいなく不思議なその名前が私の名前だということが、分かった *************** 即興投稿板参加作品です。 お題は、はさみさんです。まだ まだ 時間ありますよ。 http://golconda.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=5961091#12698062 ---------------------------- [自由詩]ゆび /るるりら[2019年1月18日20時54分] 水面の雲がながれるように 素足で湖の上を歩きたい  つめたく 人をさす ひとさしゆびのことは 忘れてしまいたい わたしは くつしたをぬいで はっとする わたしの あしのひとさしゆびは だれのこともゆびささずに まえだけを見つづけてくれていた 人をゆびささない ひとさしゆび 私を にくんでおられる あの方も きっと 持っていらっしゃるに違いない指 ひとささん指 ---------------------------- [自由詩]みつまたカノン/るるりら[2019年3月18日17時28分] A 光とパッションで あい わず ぼおおん おもわず ぼんぼぼん 三叉路のような枝先に 咲いているのは紙様の花 花の名は みつまたで なぜだか知らぬが いにしえの人は紙を梳いた 枝が三つに分かれているから みつまた 紙に神がやどりますようにと 咲いている B はる一番の すっぱだかさで あい わず ぼおおん おもわず ぽんぽん ボールのように咲いてます 三つの枝の先で みつまた咲いてます 春は三叉路分かれ道 思考は みつあみ なぜだか知らぬが いにしえの人は紙に書いた 現在を過去を未来で書いて 花笑う わかれても また別の形で会いましよう C 仄見える あなたのビジョンに たまゆら ゆれて 風光る 雲足の速さのままに髪を梳かし 結んでは開いて手を打って また開き ひろがっていく こころ映えは 春霞 もう悩むのはやめ歌い始めました  AからBへの歌を歌い  BはCの歌を聴いています CかAと重なってきたらカノンです ほら耳を澄ましてみて                    はるが おんがくのように ながれている ---------------------------- [自由詩]ほね/るるりら[2019年3月22日9時28分] もしも 三人が しゃれこうべになったら 三人は親子だと すぐにわかる  なぜなら 同じ頭の形してる。 と、言われ ハチマキ姿のタコの絵のような 立派な おでこを 三つ つきあわせて 婆さんと母さんと娘が、声をたてて笑った あかんぼうの髪の毛は ゆでたてのトウモロコシのヒゲのように やわらかく 繊細に おつむを守っている 新米の母親と お婆さんとが 交互に おつむをくりくり なでるほどに  ずいぶんと違う性質の三人なのに ほねは とても似ているのが おかしい 皮膚のようなものを除いてみるスケルトンな眼識を与えられ 本質的に同じものをもっているというだけの ほねたちの わかちがたい ふくよかな笑い ******* http://golconda.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=5978980#12741981 即興で詩を書き合う 即興ゴルコンダ(仮)参加作品。今回の題名は、こうだたけみさんの出題です。 ---------------------------- [自由詩]かわるもの、かわりゆくもの/るるりら[2019年4月1日15時15分] むかしむかしあるところに大正という村で育った少女がいた 彼女は いつしか百歳を超えて 「敬老会に行っても 最近は若いモノばかりで つまらん」と言い 八十を超えている若い衆が ぐっと笑いをこらえた むかしむかしあるところに昭和という町で そだった少女がいた 「最近の若いもんは 車ばなれしてて つまらん」と いいながら どこかしらない美しい世界に いつまでも少女のように憧れていた むかしむかしあるところに平成という街に そだった少女がいた 彼女は 万葉集におさめられているという梅の話を いにしえの言葉のまま覚えようとしていた そして いまも すべての少女たちの すこし赤らめた頬が 春霞の向こう側に かすかに見えている ********** 即興ゴルコンダ 参加作品。お題は こはらあきさんです。 http://golconda.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=5982233#12750585 ---------------------------- [自由詩]ある春の日  (二編「ぽつんとしてる」「Anemone coronaria」)/るるりら[2019年4月13日17時56分] 【 ぽつんとしてる 】 石垣に咲いた たんぽぽ ぽつんとしている 杉木立の山道で 電柱 つん、と 立つ ガードレールの下に大きくなれないままの大根の花が  それでも りっぱに 両手を広げて咲いている んぅぅぅぅん ひろがる春の陽気に のびをする おてんとさんさんありがとさん おてんとうさんが ぽつんとしたものを そっと つんつんと つついてる ん。ひざしの感触が全身をつつんでいる 雲が流れ 風がよそぎ ぽつんと ぽにょんをくりかえし しずかな こころで あるきだす  【Anemone coronaria】 脈を打つような 真っ赤な色彩の 一輪のアネモネ 石と石の隙間の 細い茎の先に蕾 炎のようにゆらぎ やわらかな花弁を 覗いてみるけれど 花の中までは  みえません 小指の爪より ちいさな花はブラックホール 見えているということの奇跡 はてのない波動を ただただ 発しているのか それとも あかるさの奥で すべてを終えようとしているのか *********************** 即興ゴルコンダ(仮)参加作品http://golconda.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=5985582#12759940 【 ぽつんとしてる 】は、るるりらが題を出しました・ 【Anemone coronaria】は、 みうらのばでぃすきー さんの出題です。みなさんもぜひ参加しましよう      ---------------------------- [自由詩]それとはなしに/るるりら[2019年4月20日0時39分] さいごの さくらが さよふけて まんげつ まんまん みちている ほおづきのような ともしびを つなげて うたを うたいましよう 去ってしまいそうな 桜のいろを きえてしまいそうな かおりの時間を 若葉も きっと もっている やがて 落ち葉となったとしても 桜の気配は することでしよう さくらは さいごのさいごまで さくらのまま その葉は大地に かさなりかさなり 朽ちて葉脈だけとなった冬の日は レース編みのような繊細さで いとけない生きもののために やみから悪意を濾すのでありましよう さくらは さいごまで すなおなままに たとえ枝を もぎとられ炎に焼かれたとしても えもいわれぬ恍惚の燻製となって たましいに そっと かたりかけるのでありましよう それはそれは それとなく 天にものぼる やさしさで http://golconda.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=5987074#12763924 即興ゴルコンダ(仮)投稿作品 ---------------------------- [自由詩]くだる/るるりら[2019年5月8日10時08分] 【さかくだり】       あの懐かしい橋を渡れば 蛙のひしめく道がある いきものを ころさないように 体が傾むく川下にむかって 足をゆっくりと あるく  あの懐かしい橋を見下ろせば 大雨の日に流れていた大木が見える 身を乗り出して声を立てて笑いながら 激しい濁流を眺めてみると大人は怒る あの懐かしい橋のむこうで こどもたちは 喧嘩して仲直りもせず こどものままで いまも 住んでいる きょうもあの子は言う 「おまえんちの家の前の空き地は むかし なまくびがならべとったんど じゃけえ おまえんち のろわれとるんじゃ けけけ」 妖怪のような いたずらを 風のように じようずに うけ流すこともしないで こどもたちは いまも あの橋のむこうに 手を取り合うこともなく 住んでいる 【さらに くだり】 花のようでありたくて 親指と親指とをあわせて 小指と小指とをあわせて あわせた手のひらをひらいて花をかたちづくる 無骨な十本の指を 天にむけて ひらけば 指が エナジーを放つ 縄文土器のように 焔立つ 平成 という時代は  ほかのどの時代とも違って 時系列に古い順番に並べるのが 今の私には まだ難しい たとえば 平成土器は このような土器ですよと見せることはできない だが、小渕さんが たからかと掲げた あの 平成 の ボードを 逆さにしてみる。と  まるで縄文土器のようぢゃあないか 無骨な十本の指を 天にむけて ひらき 平成も知っているこの指が まるで縄文土器のように無骨なエナジーを放つ 平成の文字は まだまだなまなましいエナジーを放っている わたしは無骨な指で土器のような形をおもいながら わたしは しずかに花になる こどもたちは いまも あの橋のむこうだ 手を取り合うことがなくても 花のように 住んでいる ---------------------------- [自由詩]十三夜月のくるぶし /即興ゴルコンダ(仮)に提出したものを改編/るるりら[2019年5月21日10時22分] 即興で詩を楽しむサイト 即興ゴルコンダに 題をwillさんが だされたものです。時間ぎりぎりまで ねばったのですが、時間内に書けたものは私としては不完全燃焼だったのです。すこしは自分に満足したくて、結構な改編を行いました。元の拙詩は ↓こちらです。 http://golconda.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=5995518#12788721 *********************************************************** 十三夜月のくるぶし るるりら きみの間違えた瞬間を忘れない 間違え方が愛おしい なのにどうして正してしまうのだろう 正すことで 間違えた時空間を自分だけのものに きみの ブルーを じぶんだけの ヘブンブルーに ここは つきぎめ駐車場だからね つきごくぢぁあないから なにかをカッコよく きわめた場所ぢぁあないからね 満月になると決めポーズ? 縁石の上を平均台のように歩く 月の高さ しらんぷりのプリエ くるぶしの位置を きゅっと あげる 猫がとおる くるぶしの位置が さりげに すごく高い 真似をするとポケットの コインを落としてしまった 十三夜なのにツキのない十三歳                                    なめています                                    肉球で                  おでかけです                       ---------------------------- [自由詩]きっと はなせる/るるりら[2019年6月3日1時19分] 目が覚めて一番に 口にした言葉は くちなし 薫り ゆたかな色彩の白 しずくを 湛えた光沢の葉 無垢を 口にするときの ふるえる くちびる くちなし きょういちにち なにを はなすことだろう なにを 話す  なにを 放す 町が動きはじめる いらっしゃい いらっしゃい 店は 品を自慢し テレビがスマホが 自信たっぷりに 優れた人や物を教えようとし そこかしこに昨日をコピーしたかのような言葉が あふれようとし 昨日のままに すべてを押し流そうとする すこし くちなしになったら きっと 花せる しばらくは なにもいわず 耳を かたむけ 昨日とは すこし違う口調で はなせる きのうとは ちがっている友に 昨日の蕾が そっと ひらくかのように はなす きのうとは ちがう季節の風に 身をゆだねながら おもいを はなす  ---------------------------- [自由詩]猫族の村会議/るるりら[2019年6月24日18時09分] そらみれど どぅん そらみれど どぅん 猫耳の人々が東屋で会議をしている かれらは起きている時より 眠っているときのほうが会話が弾む ニャアぢゃなく尻尾で話をしているのだ 音階の高低を描く微妙な尻尾のうごきだと思うと どぅん と、みな同時に尻尾が すっかり垂れるのだ 今年もまた またたびの葉が白いですな どぅん そらみれど 山を覆う またたびの白い葉 どぅんむ 白い葉が翻ると黒鍵と白鍵のようですな どぅんむ 祭り日には きっと またたびは豊作ですぞ 必ず盛り上げましようぞ どぅん どぅん ほら 合議が交わされた ※ツイッターで毎日、題名にそって書いてみましょうという試みです。 ♯ドレミ詩 ---------------------------- [自由詩]病葉堆積/るるりら[2019年6月25日9時05分] 遊びをせんとや生れけむ けむけむ遷都のものがたり たりたりたりぬかたりてるか あまいみずを きよめたもう こどもたちが むかしから伝わる唄でお手玉遊びをしている。 おとなたちは 同じ歌を労働歌として歌っている。 かれらは、誇り高きインシュリン族の民である。 かれらはランゲルハンス島で生まれてこのかた 常に降る蜜のような雨が止むのをみたことがない。 甘露なる川は 土壌を肥やしもするが腐らせもする。 川が清さを保っているのは インシュリンの民が 雨を生成し世界を清めているからなのだ。 かれらの力で、いつもは 清く流れる河が いちど 氾濫すると、土壌に病をもたらしながら  激しく蛇行し荒れ狂い すべてを破壊し  美しい自然体系はすっかり機能しなくなるのだ。 川が氾濫したあと 水位が下がると おもいがけない歴史を垣間見ることがある。地層だ。 かつて海を悠々と泳いだ古代魚が 地層の中で生きている 恒星と通信していた植物の物語が 活きている すべての歴史の上に 甘い雨は降り続け、浸食する。 そして甘露の雨がすべてを育んでいる。 インシュリンの民は 今日も甘すぎる雨を清め 今日も すべての生きとし生けるものの住処たるこの地を 神のように統治する都人のことを想うのであった ※ 冒頭の一行は、梁塵秘抄です。 ※ 即興で詩を楽しむサイト 即興ゴルコンダに 題は「わくらばたいせき」と読むのだそうです。こうだたけみさんが出題されました。 http://golconda.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=6005917#12814622 ---------------------------- [自由詩]本と雨のはなし/るるりら[2019年7月2日12時54分] いかがおすごしでしたか ほんと おひさしぶりですね あなたのことを 得体のしれないエネルギーだという人の話を ほんと何度もききましたよ 人々はあなたに出会うと ほんらいの姿を取り戻すだの心洗われるようだの わすれていたものを ほんきでみつめることができただのと称賛して居ますわ とうめいにんげんのわたしが 本だのに掲載されるきっかけは 雨の日しかないと思うのですわ私の本体が水にあたることで輪郭が現れますもの 写真でも映像でもだめよあなたが本手を得ているのですスケルトンの私を描いて メジャーにおなりなさいな 本でしか私が人に知られる術はない じゃあじゃあと滝のような雨 本性があらわれるのは驟雨のときのみですわ 今は全身に雨の律動バチバチ 翻弄されてはなりません 刹那をのがしてはなりません 翻訳するのです素直に無と向き合うのです 忙しいひとが涙をながす時を失ってしまいそうです 翻意を促すのです だめ 傘をわたしに かざしてはだめ わたしに触れようとしてはだめ ほら 雨がないと みえなくなったでしょ でも あたたかいわ あなたって ********************************* http://golconda.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=6007805#12819892 ※ 即興で詩を楽しむサイト 即興ゴルコンダ(仮)参加作品です。 ※題名は かんなさんが お出しになりました。 ※現在 この題名でやってます。そこのあなたも ぜひ参加しましょう! ---------------------------- [自由詩]八月の汽水域/るるりら[2019年8月1日16時54分] せいれいの かいせい と、囁いていたのはつけっぱなしのTV それでも、精霊の快声に呼ばれたのだ 海をめざしていいんだよ 腹の底まで真っ黒い私は唇も塩分の味がする生きたままの生醤油だ 生臭い生き方を超えたきがする の は まずい 間違えている まずは川をめざそう その先の海にかえろう  真っ黒な私を海にかえそう はじまる八月を下れ せいれいの かいせい say せいれいの かいせい *************************** http://golconda.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=6016863#12843822 即興ゴルコンダ(仮)というサイトで この題名での即興詩。 ---------------------------- [自由詩]まるでシカク/るるりら[2019年8月4日11時20分] 死角がない人を全能という 視覚がない人を盲人という 月の裏側に着陸した資格を 死角はそれで狭まったのか 視覚の拡張現実が伸びたと 月に尋ねて見るきはあるか 四角く仕切られた魚礁の魚 死角なく水がゆきわたると 月の力に導かれ全ての海を 視るためのレンズがひらく 四角い枠を飛び越えて在る 死を越えたつながりは蒼空 死角がないものは海底でも 四角四面の不自由の中でも 視力をまるで失っていても 月の力をたよりに歩いてる 資格があるとかないだとか 四面楚歌に貶めたとしても 空は四角には区切れない 海はすべて繋がっている ------------------------ http://golconda.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=6017686#12845787 即興ゴルコンダ(仮)というサイトで この題名での即興詩。 題名は こうだたけみさんです。 ---------------------------- [自由詩]たいふう/るるりら[2019年11月30日23時54分] 私のメールボックスに詩編をくださった方がいらっしゃいます。今年は災害の多い年でしたが、いつも通っておられる教会も被害をうけておしまいになった方から、一遍の詩が私のメールボックスにとどきました。 たいふう        白鳥美紀 わたしのいっている かみさまのおうち おおきなまほうのいたずらで たいせつななかまたちがみんなたおされてしまった きおくのなくなった ほん ないている つくえといす きれいなこえの ピアノが こえがでなくなって かなしくてかなしくて うえをみたら 十字架が ぴかりとひかった ************** この詩を頂戴して わたしは どのような声かけをさせていただくべきかわかりませんでした。ですが、この詩をいただいた翌朝 わたしは海の夢を見て 朝を迎えました。 穏やかな海でした。 ※これから書くのは、そのときにおもいついたことです※ ************** たいふうのあと       真清水 るる その十字架のそばを 船がゆれています よく見渡すと 十字に光っているのは 海の上の太陽でした 朝日が海にうつりこみ その光は わたしの足元までまっすぐにのびています ひかりは しだいに さらにあかるくなってきます 流木が 立派な机におもえてきました ポケットにあった 貴重な紙もあります  うしなうことのない かがやきが わたしをつつみこんでいます               ---------------------------- [自由詩]だから会いたくない/るるりら[2019年12月22日10時36分] 光に照らされ 透けて見える川底 流線型の魚影が うつくしい フォーメーション 薄雲が川に陰りを与えると 失われた魚の影 代わりに現れたのは 鱗の煌めく魚たち わたしは、だれとも 会いたくない 美しい魚影を見ていたかった あふれんばかりの 光の中で ときおり 融合しあう魚の影を 影を、慕って いたかった ****************** http://golconda.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=6062041#12969449] 即興詩の試みのサイトへの、参加作品です。 題名は、こうだたけみさんです。 みなさまも ぜひ 即興を こころみてほしいです。 ---------------------------- (ファイルの終わり)