梅昆布茶 2016年4月12日12時38分から2016年6月26日9時42分まで ---------------------------- [自由詩]えーと。。/梅昆布茶[2016年4月12日12時38分] 頻繁に人にであうでもない この生活にあまり不満はないのだ ベランダの脇の雑草がどう伸びようと 有る意味僕のそとの世界のできごと 疲れている意識もなるべく解消しようと 優しい母や鬼嫁も懐かしく いつもきみを牽引している言葉が欲しい 拙かろうとすくなくとも君なんだな 酔っぱらってばかりはいられないので 21世紀の最初の精神病患者としては ただしい狂気のありかたに したがうしかないのです ---------------------------- [自由詩]新学期/梅昆布茶[2016年4月18日11時45分] 我が身にはこれからも あまりゆかりのない言葉 新学期 なぜだかわからないが 断固として幼稚園にも行かず 日々放浪していた僕にあたえられた 小学校という世界の箱庭で やっと社会性というバッジを 胸に着けて ちいさなカヌーで 支流に漕ぎだしたんだ そしてだんだん 河の浅いところと深いところの 流速のちがいや それをつなぐ光や時間が 変化すること 自分の感情によっても ことなるサインを明滅させつづける 入学式 誰とも並んだことがなかった 整列の意味もわからず 函館の小学校の児童として まっすぐ生きようとしていたのかもしれない 新学期 いくつになろうとも欲しいものだ だから勝ってにつくっても まわりが認めてくれないので いつも没になる でも 自由につくる 新学期 いつかどこかで 入学式 そんな人生も いいかもしれない ---------------------------- [自由詩]空へかえるマニュアル1/梅昆布茶[2016年4月19日3時52分] 道はつづいてゆく 途切れながらも果てしなく 途次の三叉路で 焼きそばの匂いにさそわれて この街道に至る 次の五叉路では 上海の娘が待っていて サイレンのように 髪を偏西風に靡かせて 崩壊する地球を 眺めている春日に 夢は浅く 過ぎ去った恋も ちっちゃなお皿にのせて 血の池地獄に映える あの空へ 還らなければならない 通りがかりの 鴉に問う 一枚の紙の 表と裏で 書いてあることが違うのです 君はどうおもうかと 答えは明快で ああ一緒に呑み込んでしまえばいいさ 答えのないものを追い求めても あんまり生きる糧にもならないからね 前提にこだわりすぎて 生きることを忘れるなよ 摂理からは逃れられない 拘束を解く道具を かぎりなく発想してゆく 生命そのものが 冷徹な摂理から逸脱した ものなのかもしれない 藻掻きながらもやさしく過ぎてゆく日常に 空に還ってゆくまえに またちょっと寄り道でも しようかとおもっている ---------------------------- [自由詩]それではまた。。。(上海蟹のうた)/梅昆布茶[2016年4月27日23時29分] 本を読む。(ほんとはいつも数頁でアウトなのだが) たぶん脳のどこかの マッサージぐらいには なるのだろうな 「ヴェニスの商人」 「こころ」 「愛と死」 「二十歳の原点」 「旅の絵本」 ドストエフスキー ゲーテ トーマスマン ルークスカイウオーカー トールキン 上海生まれの彼女の すべては分かっていないかも知れないけれど 人はとにかくわからないまま 恋したり結婚したりもするもので とりあえず今日は 生きることを撰んでいるわけです それではまた。。。 ---------------------------- [自由詩]私は何者でもない。/梅昆布茶[2016年4月28日0時12分] 世界でいちばん大好きな君に 上海美人の君と 玉川温泉に行こうとおもう 蘇州は水の世界 上海のなんとか空港は海のそば テレサテンの空港を しっとり歌うきみは 僕の恋の予感を お世辞で褒めてくれた 新宿は南口がおおきく変わって 詭弁を弄する都知事をよそに きみに巡り会う為に人波を彷徨う 東口のみどりの窓口で待っている君は 眼がおおきくてでも知的な中国語の講師 きみが好きみたいだ ぼくのうたはきみに届くだろうか レミオロメンのうたのなかで ぼくは一億人のなかから君を撰んだとあるけれど でもぼくだって60億人のなかから きみをえらぼうとおもっている 男はいつも通り幼稚で そして哀しい生物 神話をもとめても得られなくてもがく よくホームセンターで売っている べたという熱帯魚みたいに孤独なんだから ---------------------------- [自由詩]実験工房にて/梅昆布茶[2016年5月3日12時29分] 実験工房にて 神学を爆破する導火線に 火をつけてみる 解体工房にて 蔓延するヘイトスピーチの 舌の根を根絶する スナイパーロボットと 遊ぶ あの建物は もう誰もいないのに どうして建ってるんだろう 僕は誰もいないのに どうしてここに 立っているのだろう 滑り台からひそかに すべりおりてくる 僕の三つ子の魂を 待っているのだろうか もうなにも 持っていないから 新しいことができる 実験室で やっと 愛とかいう 迷惑な成分を 合成することが できるのかもしれない ---------------------------- [自由詩]使命/梅昆布茶[2016年5月5日11時12分] 束縛されない生なんて一時も無い 愛しきれたひとなんていなかった 孤独は平気だが 孤立しては生きてゆかれないから 哲学書を逆から読む 偏ったじぶんの人生観の途上で ニーチェや仏陀に出会ってかってに恩師とおもう 神秘主義ではないほんとうの素敵な謎を 奇蹟ではないあたらしい地平線を 支配されない束縛しない ただ死にむかって生きる自分を肯定しながら それでも最期の瞬間まで夢を紡ぐ ひょっとして こんなことを 使命とおもっているのかもしれない ---------------------------- [自由詩]基準/梅昆布茶[2016年5月6日20時36分] 世界はさまざまなかってな基準に充たされていて 世界の涯からから零れ落ちるそれらの反響が 夜空に谺しているようなそんな夜だ でも僕の基準をきみと決めたから宜しく頼むからね それにしても僕はきみのなにを知っているというのだろう 理由も無くかってに基準を選択することが 僕の生の証だとしたらそれもいいだろう たいがいの物事はさしたる理由もないものだ 僕の基準をたしかなものにするために また会ってみようとおもっている いつもふらついてしまう船のように 風のまにまに海路を見出そうとしている 僕の中の日常としての孤独に もう一度逢いに行こうとおもうのだ ---------------------------- [自由詩]窓から見える曠野/梅昆布茶[2016年5月7日20時21分] あるとき哀しみがやってきて 壁紙を引き剥がし読みかけの テーブルの上の本を引き裂いてゆく 暗幕で覆われた部屋には夜しかない そう曠野はいまこのこころに映る風景なのだ それでも半額のシールの貼られた 総菜弁当をレンジで温めながら 生命はなにかを維持しようと歪み 撓みながらもかたちを保ち続けるものだ 喜びばかりが陳列されているわけではないショーケースには ところどころにぽっかりと空洞のように穴があいていて 僕らはかつてそこに何が並んでいたのかさえ もう思い出せないだろうが いまはそれでよいのだろうとおもっている その部屋はいつまでもとっておくわけにはゆかない 望もうと望むまいとにかかわらず常に模様替えされてゆくんだから でもときどきあの部屋の佇まいを思い出すことがあるんだ ---------------------------- [自由詩]孤独の断章〜アレンジメント/梅昆布茶[2016年5月10日8時42分] 孤独はいまも継続中だ それが常態となってしまえば たいした痛みも感じないものだ ときおり非日常にきみがやってくる それは僅かな恩寵でもあり かすかな煩悶でもある きみは花をアレンジメントする もう心の探り合いなんて要らない 単純な美しさを夢想している それは天の星の配置のように 緩やかな時の解れのように この素敵な世界のやさしい 地図なのかも知れない これはただの夢だとは わかっているつもりなんだ 孤独ってしぶといぼくたちの根幹なんだから あたらしい娘とであうような顔をして ちょっとO型にしては繊細な上海生まれのきみと 吟遊詩人にもなれないし 友情だけでも生活できないし 新宿の北海道メインの居酒屋で 僕はかってに北方のジムモリソンみたいな シャーマンを呼び出して きみのアレンジメントに少しだけ 自分の花を紛れ込ませる もうドアーズみたいには いきてゆけない時代だし だれもいつも混沌をなかなか 整理できないでいるみたいだ リザードはちょっとだけ 冷たい床をさわって そしてじぶんの生活にもどる そんなようなことだ ---------------------------- [自由詩]迷宮/梅昆布茶[2016年5月16日11時34分] 届かぬ手紙を携えたまま僕たちは彷徨する どこかの洞窟の壁に刻み付けられた 忘れ去られた古代語の詩と 生きるということの目印をもとめて 新宿東口の地下街は果てしなく荒寥に染められて 彼方此方に過去と未来という地上への穴が ぽっかりと霧のかかった口をあけているが どれがほんとうの現実につながる連絡路なのかは 未だに誰も知らないまま無数に人の頭が流れてゆく 豊かさとは専有するものではなく 共有すべきものであることを マルキストでもなく それを普通におもう自分でいつまでもありたいものだ いつも美しい物だけに囲まれて生きる訳にはゆかないだろう たとえ汚物に塗れ頭が七つに割れ眼球を刳り出される痛みが生きることの一部だとしても なぜかまたふたたびこの迷宮に立ち戻りたいとおもうのだ ---------------------------- [自由詩]AI/梅昆布茶[2016年5月16日11時52分] サインインできませんか? あなたのAppleIDをおわすれですか? あなたにIDは必要ですか? このメールに返信はできません まちがったパスワードです あなたは存在していないのかもしれません AIに感情は可能ですか? レプリカントのレイチェルは よっぽどましな女でした アンドロイドは電気羊の夢をみるかって? 僕にもいまだわかりませんが。。。 ---------------------------- [自由詩]平和に捧ぐ/梅昆布茶[2016年5月18日12時51分] ぼく雅羅櫛 きみ観瑠奇異上意 異星人が過半を占める地球で どうやら宇宙は愛の摂理で 成り立ってはいないようだ 老後の資金なんてもう要らないし どうせ星になるんだからなあ でも日本列島はまだまだ面白い 房総半島で花を愛で伊勢エビを喰らう お台場海浜公園の夜景 吉野熊野のなんとか美術館には 僕がお見合いして振られた 澄子女史の画が常設展示されているらしい いつか見に行こうか 随分物事が仲介を経ずに流通する時代になったものだと思う もちろん好きな世紀だ 分断され差別され陵辱され見捨てられて でもちっちゃな革命を起こす君が好きだ 上海蟹は河の蟹であんまり食べるところがないんだって 彼女はそう言いながらズワイガニを口いっぱい頬張る 平和なひとを好きになって 平和な世界に貢献して 平和に死ぬ これが僕のたったひとつの望みなのかも知れない ---------------------------- [自由詩]愛撫へのエチュード/梅昆布茶[2016年5月20日7時27分] どうも世の中は愛撫に肯定的ではない 君の乳暈的世界で僕は日夜トレーニングを怠らないが 硬骨魚は自分の砦と離島に棲むのが好きだ でも女は快感を要求しボンネットが揺れるだけ 柔らかな肉の隙間の襞に愛は溢れるのだろうか? 中川イサトがたぶん1960年代だとおもうが 僕と君のラブジュースとかいう曲を発表して すぐに発禁になった記憶がある 低次元は低次元で生きる術もあろう 時代のなかで意義有る低次元 時代を喰らう権力という低次元 もちろんどちらにも加担せずにストーンズのアンジーを聴いている俺 酔いどれたままでは生きてゆけないのと同様 覚醒したままではそのうち気が狂ってしまうだろう 逸脱したままの西武新宿線の浮遊車両は 幻想の沃野を夢見てひた走る ただインターステラーな夢を追いかけて ---------------------------- [自由詩]蔦屋のなかのタリーズにて/梅昆布茶[2016年5月22日20時32分] 蔦屋のなかのタリーズで 本を読む君に恋する このあたりには哲学書や詩集を読む 女子なんぞめったにいやしない でもちっともキャッチーではない眼鏡っこの君に惚れたのは 僕が非効率な耽美主義者であるだけの些細な理由にすぎない 高嶺の花に惚れてしまったただのジャガイモにすぎない 百合の根になろうとしてあがいたのですが ハノイに一週間ほど戻ると言って微笑んだいつも可愛いアンちゃんは 戦争は少し憶えているし米兵もまだいるよってまた微笑む 君たちは国籍を問わずとうがたった頃突然いい女に生まれ変わるのだ そして本当の性と生のバランスをしるのかもしれない 戦場カメラマンにもなれなかった僕はだれもうつしとれないそれを 言葉で模写してでもきみの着物を一枚ずつ脱がせてゆくのだ 刹那の愛の成就へのベクトルは 天の一つの星を指して黄金の矢となり ちっぽけな隣人愛や人類愛を説く 素敵な嘘つき達の尻を蹴飛ばして飛び去ってゆくものさ ---------------------------- [自由詩]白い月への路/梅昆布茶[2016年5月24日7時36分] 有機的な汚れを拭い去られ 白い月はやはり月なのだな 手の届かないほどよい宙空に ふんわりきりりと存在している ちょっとした手順の間違いを 指摘されそうなでもやさしく 流してくれそうなそんな月なんだ すべてを管理するゼウスの管理簿にはない 白い月がきょうもどこかを照らしている ---------------------------- [自由詩]祝祭日/梅昆布茶[2016年5月24日7時50分] 祝祭は終わった撮影が終わるように ビジネスが始まってる街に雪が降る もうインディアンは見失ったブランケットを捜さないだろう トンキン湾に展開した第七艦隊は着弾しないミサイルを満載して 君のお尻の膨らみと同様な世界に 生きている喜びを噛み締めながら 僕はまた矢印の方向へ行かないで 君とのスケジュールを組みながら 祝祭日をまた紡ぎ始める ---------------------------- [自由詩]君へ/梅昆布茶[2016年5月28日12時01分] 緩やかな流れに触れたいと想う 雑多なものをすべて洗い晒してしまう水のちからに ただ流星の軌跡をおいかけて その先の消滅を想う ときに走りときに休みときに泣いて やはり今がいいとおもってしまうのがいつもなんだが できれば流れのなかに身をおいて ものごとを考えたい 僕がなにか考えたい時は ほっといてもいきているから たぶんだいじょうぶ きみができること せいいっぱいやって そしてあえると よいかななんて 思っているのです ---------------------------- [自由詩]ふたたびスケートボードに乗って/梅昆布茶[2016年5月31日18時39分] 恋人たちは喜びをわかちあい 老人達はバックギャモンに余念がない 子供達は無垢に世界を徘徊し 大人達は株価のチャートに気を取られ 僕はといえば太陽に労いの言葉をかけて しけた煙草に火をつけて君をけむたがらせてばかり 入管法違反の僕はいつのまにか日本人に成り済まし 何食わぬ顔で近所のおばさんに挨拶している 金欠になると一日五百円生活をはじめるのが恒例で いつも僕の脳内はもの悲しい祝祭に満たされ えせ吟遊詩人はいちばん安い言葉の部品を組み立てて ニーチェとシッダールダの3Dモデルを売り出そうと目論んでいる この素晴らしい世界でただしい狂気を実現するために このながいながい下り坂を ちいさなスケートボードで滑り降りてゆく 言葉だけは裏切らないこの素敵な世界を ---------------------------- [自由詩]死者の書/梅昆布茶[2016年6月6日20時14分] 初めて君に遭ったとき 君の瞳によぎった喜びの表情を 俺は見逃さなかった 人生で与えられる物は少ないが 創造という風をいつかつかまえることができたら 上出来な人生といえるだろう 醗酵しない人生は 水面に稀薄に拡がる油膜のようなものだ 孤独は魂のきらめきを高めるが ときに愛のベクトルをコントロールできかねて 人は堕ちてゆく 渋谷駅前の雑踏で俺は夢をみる それはそれは薄汚い夢でも それだけは俺の物だ 俺の頭はすくなくとも今朝は澄み切っている いつも腹ぺこのハイエナではないんだ きみを愛することも出来るし貪ることも 俺は君に永遠に届かない 長い長い手紙を書こう それは歴史書であり哲学でもあり 死者の書でもある愛の詩にすぎない ---------------------------- [自由詩]愛おしき女たちへ/梅昆布茶[2016年6月7日20時43分] 久しぶりに売れない女流詩人の友人からメールが来る 詩を書き始めて11年目だそうだ ちなみにぼくはまだ3年目ぐらい 僕の大好きな感覚的詩人 いつか詩集を出したいと言っている猫好きで鬱病持ちの人だ はじめて池袋の朗読会につれていってくれたのもこの人 現代詩フォーラムの詩人も幾人かいて あおばさん とある蛙さん たぶんnonyaさんもいたかも あおばさんとだけ並4ラジオの話をしたとおもう 池袋トライという地下のクリエイティブスペース 彼女は服部剛さんとか関西の詩人とも交流があって まったく詩人なんてなろうおとおもってもいない僕にも 新しい世界をひらいてくれたひと もちろんいまでもまったく詩人ではないが その人と渋谷文化村のフェルメール展を観た さっさと絵の前を通り過ぎる僕 じっくり作品の背景の説明に見入る彼女 細やかな女性の感性についていけない自分をおもった 以前に女流画家の浜田澄子さんとも 新宿で待ち合わせて 南口の沖縄酒場で話したことがあるのですが 音楽や僕もいた横浜の話で盛り上がって 帰りにホームレスのおじさんとちょっとなかよくなって 財布を盗られたのは僕です 次の日仕事は遅れる 免許証はない 散々なインプレッションだったのです 澄子さんは美しく強くロックンロールする人 でも髪をアップにしたら和服が似合うような美人でもありました アンビエントと青を主体にコラージュする作品は たぶん大和路美術館だったたっけ 常設展示だったと思う (たぶん続く。。。) ---------------------------- [自由詩]女が男を恋するとき/梅昆布茶[2016年6月9日2時11分] 男は女に幻想を持ち 女は微塵も持たない 男が絶望したとしても 女は決して心中したりはしない 少年だった頃に すでに月から降りて来る物を 知っているんだ君たちは 三角ベースで野球をしたように 滑り込む君の宇宙は 最近はコンビニのように便利になって 疎通しない意思もなくなって でも女の剛さはかわらないんだ でも最近の男は随分脆弱になったものだが ここからジャンル小変更。。。 ゆく川の流れはときどき絶えるが 恋心は絶えはしない あほも雨後のたけのこのように剛く生えてきて それでもまた生えてくる あほと恋は同じか? もちろんだが どちらも世界の原動力なのだ ドラえもんだけが 一番冷静な東京都知事なれるのだ いしはらって誰だっけ 舛添って? 僕の友達は随分死んでしまっているので そのかわりに言ってしまおうか 母性はいつも理知的で歴史を引き戻す力がある 父性という短慮がいつも通り平穏を覆すそれって歴史? 僕はいつも考えている 女が男に恋する時のことを ちょっと逆説的に ---------------------------- [自由詩]祝祭日/梅昆布茶[2016年6月9日11時07分] 撮影が終わるように またビジネスが始まっている街に雪が降る もうインディアンは見失ったブランケットを捜さないだろう トンキン湾に展開している米国第七艦隊は何処にも着弾しないミサイルを満載し ぼくは日常を一夜干しにして売りに出す いつか大好きなイスタンブールで雑踏に紛れてみたい ドストエフスキーは博打が好きだった たけし先輩が教えてくれた 僕は彼の貧しき人びとを読んでいる そしてニーチェの言葉をいつもくちずさみ 自殺したコバーンのようには死にたくはないんだ せめてデビッドボウイのように すべてにバイでときどきハイで 機嫌の良い爺さんになって死んでゆく 詩人としての決意を問われると 僕は詩人ではないと答える だってただの妄想している雑文屋に過ぎないのだもの ---------------------------- [自由詩]柔らかな恋人たち/梅昆布茶[2016年6月12日10時07分] ひとはいつも希望の輝きと絶望の淵を内包している 自我というがんじがらめの石ではなく 自己という関係性の中のやわらかな今を生きている僕 僕の好きなひとに結婚を断られた たまに会って食事ぐらいはいいというのだが 彼女にとってはさほど魅力的ともおもえない僕がいて でもちょっと楽しんでそれ以上の求心力も無くまたね!って 自己は変革できるものだ 定義はよくわからないが 自我という言葉が嫌いなんだ 人間を固定する必要などないし 世界のすべては変化だし それにやわらかに対応できる あなたこそがあなたなんだと いつもおもっているし 僕もそうなんだから 僕はしつこくプロポーズするかもしれないが これからは根比べだ だって一瞬一瞬に因果律が働いているなら まにあわないかもしれないけれど こまかく得点して いつかあなたの視野のなかに 入れるのかもしれないんだ でも日々の精進ができない僕は せめてこの一瞬をきちんと あなたのために用意できる人間でありたいと おもっているのです ---------------------------- [自由詩]コロッセウムにて/梅昆布茶[2016年6月14日9時41分] 細胞が代謝するように 世界は常に変化してゆく 愛されようと愛されまいと その変化はかわらない そのなかで安定した日常を 維持しようとする本能と知恵が 文明と文化を支えているが 等質を認め等価を求めてしまう 組織や人間関係や国家が 僕らの首を締上げてきたことは よく憶えているはずだ 淀んでもいけない 腐敗してはならない 無防備にも走れないが いつも整備された良いエンジンが 単車の魅力なんだとおもう 僕の疲弊した実験室は 壁は落ち愛も削がれ コロッセウムの中では ダイダロスとヒーローが死闘中だ 僕が欲しいのは愛と時間と静謐に他ならない ---------------------------- [自由詩]風信びより/梅昆布茶[2016年6月17日20時37分] 貴女の母国の言葉を教えてください いつまでも話していたいから 貴女の好きな花を教えてください 部屋いっぱいに飾り付けてみたいから 貴女の好きな小径を教えてください ときどき散歩に誘ってみたいから あなたのこころに吹く風の色は鈴蘭の 小花をゆらしいつかわたしの山脈にも吹き渡るでしょう 岬から遠望するきらめく海はきっと 貴女のこころへと繋がっていると思うのです 尊敬するあなたへまた手紙を書きましょう 僕がたいせつに思っているすべての物事 雷鳴や雨の匂い 苔生した田舎家のたたずまい ニーチェのあまりに詩的な箴言の美しさ キリストの哀しみと仏陀の平安 そんなこんなを気儘にふみにします 貴女に届くでしょうか 届かずともどこかであなたの心揺らす風になればそれでいいのです 人世は一陣の風あるいは驟雨にすぎないのですから ---------------------------- [自由詩]ドレッシング/梅昆布茶[2016年6月18日12時00分] 僕の部屋は詩と光で満たされ 君という音楽が遠くから流れてくる 部屋干しのジーンズがぶら下がり 台所には洗い物が山積みなんだ 愛用のマックもコーヒーやスナック菓子の砕片で 薄汚れてはいるがときどき良い詩をたたいてくれる相棒 僕はいつも君との距離や世界との乖離を歌にする 音楽屋はたいがいが詩人だ 言葉に詰まると楽器を手にするそして なにかを埋める為の歌を歌う訳さ 人生にドレッシングは必要だが 本来の素材の味わいを知らなければならない 孤独が宝石だということを世間は秘密にしている 過去の賢人だけが教えてくれる真実だ 洗濯物みたいに乾いてひからびてゆく愛なんてもう必要ないこと いつも自分をジェネレーターみたいに廻したいものだ でも真理につき合うのもちょっと疲れるわけだが それでも君のポケットの片隅に僕の夢の欠片が忍び込んでいて それが歌い始めることを 期待している訳なのだが ---------------------------- [自由詩]未来へ/梅昆布茶[2016年6月19日17時44分] 夢に責任を持つこと 君の夢はそんな曖昧でやわなもんだったのか 過去に価値をもとめてはならないのだろう 人生とはつねに現在進行形のその先にあるものだ ---------------------------- [自由詩]メトロポリスの夢/梅昆布茶[2016年6月24日9時32分] 陰翳図鑑を紐解いてみる きみはどこにもぶんるいされていないメタフィジカルな亜種だ 世界のどこを掘ってもきみのような奇蹟に会える訳も無い ちょうど僕が98回目の神経衰弱を患っている時にきみに出会った この素敵な惑星をジョーンズ氏とともに調査しているきみは心理学者だ マダガスカルの陸トカゲのようにきみの舌はいつもちょろちょろして ぼくの部屋ではこんどオリンピックが開催されることになって この部屋の知事の僕がリオから大会旗を持ち帰ることになるので 舛添さんごめんなさい くつろいでいる女子ほどこの世に美しい物はないが メトロポリスのオートガイドの船にのって僕たちは酔っぱらってる もう電気羊は夢を見ないだろうが僕はいつだって夢見ている きみの陰翳 きみの子宮 そしてきみの迷宮 ぼくはいつかダイダロスになりたいとおもっているわけだ ---------------------------- [自由詩]超人的現代語辞典/梅昆布茶[2016年6月26日9時42分] トッポギ (突然六本木に行くこと。) 韓国のお餅ではない。 うっちゃり (うっかりぽっちゃりしてしまうこと。) 相撲の決まり手ではない。 ネット用語はどんどん進化しているようで とてもついてゆけない。。。 ---------------------------- (ファイルの終わり)