梅昆布茶 2013年7月31日15時53分から2013年8月24日14時24分まで ---------------------------- [自由詩]君よ憤怒を糧にたちあがれ/梅昆布茶[2013年7月31日15時53分] 僕は今日は怒ってないがいつか拳振り上げて立ち上がろうと思っているんだ 何にって 僕にもよくわからないんだが 何か僕に巣喰う不条理とか それは俺がお袋の熱いあそこからうまれた証なんだ 女はみな熱い下腹部を持つ そんなのあたりまえだろ 匂いたつ夏の夕べのなんとかってなもんだ ぼくのはいきり立ってるだけだけどね ハイビスカスを髪にさして君はトロピカルフルーツ とびきりさ 僕の第六弦が切れるとき 僕の裏拳が炸裂するんだ 明日を呼んでも返事がない だったら俺が返事を返す 元カノがいまさら寝ようって言ったって もうあの馬鹿女はたくさんなんだ 僕は明日の僕をいきるんだからさ 楽しもうぜ 自分を革命するんだ 股を開くのはまだ早い それは密室でやってくれ いつものように 今日も空は晴れている 夜は無駄に長いし 僕は君の締まりがだいすきなんだなこれが 今夜もぶっ飛ばそうぜ アクセル全開でね ヘイベイビー ---------------------------- [自由詩]薄明/梅昆布茶[2013年7月31日16時05分] 仄かに月は翳りようよう薄明が始まろう 短縮された歴史はこの一点に凝縮する ストレンジデイ 僕は 獣になっていた フロイトに精神分析されている夢をみる そう僕の中の彼女を苦しめてはいけない 僕は自立しなければならない 君は愛を貸してくれるかい? ---------------------------- [自由詩]海馬/梅昆布茶[2013年7月31日16時18分] 海馬が海を欲しがる 海馬が馬を欲しがる 僕は君を欲しがる 非常に脈絡がないが整合しているさ 君の内臓を貫いて心臓へ達する もちろん致命傷だ それが僕の返礼 海馬は賢いんだから 海馬は透明でインクの匂いがする世界 それが好きなら訪れてみてくれ それではまた ---------------------------- [自由詩]深海魚/梅昆布茶[2013年8月1日22時47分] 深い深い海の底に僕の故郷がある それは静かで暗い世界 すべてを押し包む沈黙が支配する 僕は光のサインで話す 君の眼に僕の言葉が映るだろうか ひらひらゆらゆら僕は泳ぐ 強大な水圧のなかひらひらゆらゆら僕は泳ぐ それは自由の代償に与えられる重圧だ 簡単なルールでは自由など謳歌できないのだ 暗黒の世界で感覚を盾に生きる 遥かな天上の世界には太陽が輝き 風が吹き渡り 車や飛行機が往来する そのすべては僕からは遠い 別な宇宙の出来事みたいにね 僕はただの深海魚 ひらひらゆらゆら僕は泳ぐ ずっと自由を追いかけて この水圧のもとで生きてゆく そして命をまっとうするだろう 愛するこの暗黒で ---------------------------- [携帯写真+詩]セピア色の時間/梅昆布茶[2013年8月2日1時04分] 写真の裏を見ると75年8月とある セピア色の時間が流れている 若き日の自分と対面する 少しは成長してきたのだろうか 自分に問いかける かなり厳しい時代もあったがなんとか生きてきた あと何年生きられるだろうか セピア色の時間が流れてゆく ---------------------------- [自由詩]茫洋/梅昆布茶[2013年8月2日16時10分] 海原は果てを知らない だって地球を何周したって終わりが無いんだもの 地球は平面でその果てに大瀑布があるって そっちのほうがよっぽどスペクタクルで面白いが 空は蒼くその果ては悠久に続いている 僕たちは何に繋がっているのだろう 物事の基本は変転生滅であろうが それでも生きているうちにその一部でも眼におさめておきたいと思う 草原も果てを知らない 植物は人間の手の届かないテリトリーにも旺盛に繁茂する 大きな地形では部分は地球のほんの一部だ 地球や宇宙や生態系にやっと生かされている筈 それを忘れなければ それに感謝をもっていれば たぶん大丈夫だろうな 宇宙も地球も人生も ただ茫洋 そうぼうようが僕達の人生 酔生夢死ともいえよう それで十分 僕はそれを愛して生きてゆくさ ---------------------------- [自由詩]テシ坊のこと/梅昆布茶[2013年8月3日16時25分] テシ坊が死んだ たまたま声が聞きたくなって携帯に電話をかけたら彼女が出て 去年亡くなったという 東京の西葛西に住んでいた頃膀胱がんになった 煙草もやめて摂生していたのだが その後名古屋の家賃一万五千円なりの市営住宅に一人で住んでいたが 彼女はどうしたと尋ねたらどこ行ったかわからんという返事 でもどうやら戻ったらしい テシ坊は大学の同級生 彼が卒業できたのはきっと僕の代返のおかげだ よく彼のマンションで徹マンしたりジョニ黒飲んでJAZZやROCKを聴いたものだ 当時からモテる男で僕とは対極的バイトに明け暮れていた僕とは雲泥の差 早々と年下の子とくっついて子供もできた まあじき別れたけれど 病気とはいえこの歳になると知り合いが少しずつ欠けてゆくのは 当たり前ながらさびしいことである また一人僕の大切な友人が星になった まあ僕だって時間の問題だが ---------------------------- [自由詩]シュールな月が零れる夜に/梅昆布茶[2013年8月4日0時00分] 風が身の幅を寄せて悲しみを吹き渡る 蒼白な月はちょっと捻じれて孤独をうたう 僕たちは崖っぷちを降りたらしばらく水平を保って喀血する 航路を失った船は喪失を柔らかく受け止めて輝き 水路は鍵のように曲がって船を阻む 日々の慰安は容易くながれ去ってしまうが ねえ天使は今だって夢を見るんだろうか そのさびしい夢を食べてみたいんだ 仲間を募って東北を救済したいんだまじで 朧月は僕の神経をさいなんで照り映えるおお立派なもんだ 僕はぎりぎりでシュールに歌う なにもやめられないだってシルバームーンが昇っているんだもの ---------------------------- [自由詩]ショッピングモールへ行く/梅昆布茶[2013年8月4日9時42分] しょーこ姉さんとショッピングモールへ行く 彼女の誕生日プレゼントを買いにそいでもってお昼にパスタでも食べようかって 姉さんといっても年下だが今年はダイエットするんだそうな ジョギング ウオーキング ジム だからトレーニングウエアをプレゼントしようと思っている いまさら嫁に行く魂胆でもあるのかな もちろん僕はもらわないが 昨日も遅くまで彼女とカラオケに行っていた なんだかいちばん姉さんと遊んでいる モトカノからも会おうっていうメールは来るが なかなかスケジュールがあわないし 僕はこんな生活でいいのかな 気楽といえばそれまでなんだがなんだか切迫感がないなあ 家のローンを抱えてた頃はこんなことしてられなかった 土日もバイトしてたもの 今は子供たちも皆成人して養育費の負担もないし こんな気楽でほんとにいいのだろうか ひとりは孤独でもとても自由 ただこの代償になにを支払ってゆくのだろうか 孤独死それも怖くは無い どうせ死ぬに決まってるんだもの いまは世間や他人の干渉が嫌だと思っている わがままになったのだろうか でも必要なときに誰か居て欲しいという想いは変わらないのだ 歳を経るにつれ人間ってわがままになってゆくものだな そう僕も立派な頑固爺になりたいとおもっている ---------------------------- [短歌]日曜日の午後の歌/梅昆布茶[2013年8月4日16時49分] ショッピングモールの雑踏にきみの面影ほのかにうかぶ ラヴェルのボレロを聴きながらこの日常の主題をおもう 奥田民生の描く自由とさすらいそれを模範に生きてみたい 彼女にみたててもらったハットいつものキャップも捨てがたいのだが 賢治の星はぼくの星ただひたすらに生きよと願うこと ---------------------------- [自由詩]銀河の鳥/梅昆布茶[2013年8月4日18時26分] その鳥には名前が無い 永く忘れていたのかも知れない その馬には乗り手がいない あまりに荒々しいから その石には角が無い ずっと転がってきたから 僕は銀河の鳥の名前を知りたかった 手製の宇宙船で食料と水を積み込んでTERRAを出発したんだ 宇宙図鑑にものっていない銀河の鳥 その種類や生態は誰にもわからない 神のみぞ知るその鳥の名は遠い昔神が名付けたもの もちろん宇宙もある有機と無機のバランスで成り立っている それを媒介するのが銀河の鳥なんだ 僕たちは飛翔しときにワープする 時空のしきいを超えて それは何千万年にも及ぶ旅 僕らの魂が軽やかさを保つために 言葉は虚無を冒瀆し続けそれは詩となった 女神の天秤は公平に死をもたらすもの 時間と距離の相関は永遠の課題だが 僕の手製のタイムマシーンをネットで買ってくれ でも心の問題は解決できていないけど アイルランドの片田舎に育った僕だが宇宙は僕の庭 ガーデニングを天職だと想ってた いま宇宙のガーデニングに飛び立つ そうボブディランのように転がる石のように風にふかれて 僕はアイリッシュトラディショナルが大好きだ それは森羅万象 宇宙に通底しているんだもの もうアンドロメダの個々の星がしきべつできる距離に達した 星人のテレパシーも感受できる きわめて友好的みたいだ やがて銀河の鳥の情報も入手できるだろう 君にも教えよう この宇宙のささいな秘密を 君だけが宇宙なんだ 銀河の鳥は君だって 帰るところはわかるだろう そう 銀河の果ての第三惑星なんだ ねえ 銀河の鳥よ ---------------------------- [自由詩]やもめの星/梅昆布茶[2013年8月6日17時53分] 流しにうず高く洗われぬまま放置された食器 とりあえず洗濯はするのだが部屋干しのまま畳まれることはない 読まない新聞が玄関に散乱している 居間の一角は得体の知れない整理しかけの古本がうず高い 灰皿はどれも吸殻で山盛り ベッドは万年床で夜勤なので昼間は寝ていたりする 安酒のビンや缶がきままに転がっている 部屋の中を小蠅が飛ぶもちろんゴキブリも出てくるが 一番恐ろしいのはここの住人だ 自由気ままに詩と称して駄文を綴り酒を飲み 妻と子に見放されたことのうさをはらそうとしている 教養も蘊蓄も無くただ棒のような詩を書く たまにスクット起き上がって奥田民生のさすらいなどを 下手なギターをかき鳴らして歌う もちろんゾンビではない 普通のしょぼたれた親父である あまりこういう生物を想像しないでくれ 子供の教育に悪いから やもめの切なさはわびさびに通ずるのかもしれない あまりお勧めはしないがやってみたい人はやってみたらいかがかと やもめの星は物悲しい 自身を捨てた痛みもあってでもしょぼい 奴隷として故国と引き裂かれたブルースが 僕に歌えるだろうか 誰が聴くのかわからないブルース 僕はいつも君の必要なものを考えて行く さいごまであるいは破綻そして融合 主題はぼくたちだったりして やもめのきらきらとした星たちにささげる やもめは美しい まるでかもめのように ---------------------------- [俳句]真夜中の句集/梅昆布茶[2013年8月8日21時25分] 夜の光沈黙の歌冷たい道 お月様風にながれて一人旅 ふち子さんちょこんと座るマイコップ 愛しさを花びらにかえて月の夜 宇宙の種をはこんでくるのか流れ星 空虚なる心を照らす月をもとめん 天の川ささぶね流す想い河 ---------------------------- [自由詩]八月の子供たち/梅昆布茶[2013年8月8日23時18分] かつて夏の日に幾千万の蝉たちが空へかえった  その日の灼熱はすべてを焼き尽くした 八月の焦土 大きな鳥の影が空を覆いポトリと卵を落とした 破壊と悲惨の卵 子供たちを奪い去った卵 何の大義名分も意味ないんだ子供たちにとっては ただ夏の日をたのしみたかっただけなんだもの いま空から子供たちの歓声がかえってくる 僕たちもかつては八月の子供だった だから空から降ってくる哀しみがわかるんだ じんじんするような青空を  涙のでるような夏の空を思い出してみないか ほら子供たちの歓声が聴こえる きっと水遊びやとんぼ捕りや それに宿題だってたまっているにちがいない かつてぼくらは八月の子供だった あのじんじんするような暑くて眩しい 夏の子供だったんだから ---------------------------- [自由詩]遠く雑踏を離れて/梅昆布茶[2013年8月9日17時38分] 華やいだ季節が過ぎて 気がつけばまた一人 一番確かなことは 誰も僕の内面を知らないってことさ まあお互い様だけどね 君は僕と違う橋をわたる それぞれ別の国を夢見ている 行きずりに眼と眼が合っただけ それだけさ 大理石の城はいらない 月の見える小さな部屋が欲しい 抜け殻のような僕を横たえるベッドがあればいい 壁にシャガールの絵を貼ってラフマニノフの曲を聴こう 届かぬ熱い指を月夜の川面で冷やすように 真夜中に僕は蛹になる そしてある月の良い晩に孵化するんだ そう夜の翼で君の夢へと飛んでゆく 僕は蜉蝣 透き通った翅で 柔らかに空気を揺らす 君の吐息に吸い寄せられてゆく 哀しい昆虫なのだから 夜のしじまを旅する者たちよ願わくば想いを伝えてよ 季節は過ぎ花の香りも変わって行くのさ あなたの心は何処にあるの 明るい日差しのなかで 一緒にめざめることは出来ないの ダージリンの香りのする 鳶色の朝に  ---------------------------- [短歌]短信/梅昆布茶[2013年8月12日0時49分] しどけなく綻びたる君の肉体をもてあましてはまた闇に還る 届かない手紙を書いてはまた破る君に伝える夢の断片 閉じられしノートに綴る短信を誰に伝えんこの夜の深さを ---------------------------- [自由詩]いとしの身体器官/梅昆布茶[2013年8月13日0時10分] それは精緻に造形された官能の器官 僕は甘い夢をみている 君かどうかなんて問題じゃあないんだ その器官が好きなんだ 限りなく蠱惑するもの 熱く潤うもの 淫らな小宇宙 僕だけのマスコット 褐色のビスケット 濃厚な味わい 完全なる実在 あなたは何故にそこに在るのか それは僕がたべるためなんだ もちろんね ---------------------------- [短歌]かなしき玩具/梅昆布茶[2013年8月13日3時02分] 弄ばれしものまたひとつこぼたれてかなしき玩具と呼ぶ ---------------------------- [自由詩]澄んだ水に/梅昆布茶[2013年8月14日1時02分] 小魚の様に無心に生きる 花びらの様に綻びる 風の様に巡り 夏の様に燃えさかる 春の様に流れ 雪の様に舞う 歴史の様に積み重なり 光の様に消滅するのだ その姿は見えない 誰にもさわれない 湧き上がってはまた散り散りに散華するのだ 陽光の中にある気配 とめどなく乱れ飛ぶ想い すべてが拡散してゆく 流れる 流れて 流れる様に しなやかに崩れてゆくので 憂鬱な秋の落ち葉の様に 毎日毎日同じ色をしている 小鳥の様に唄ってばかりいるんだ素敵だろう アイルランドの緑の夏に イングランドの森に アイスランドの火山のふもとに 明滅する街の灯りに 離れてゆく君を想う 小さく口笛を吹いて 澄んだ水にキスをする すべての鐘を夜どうし鳴らすんだ すべての警鐘を すべての絶望を 澄んだ水のように ---------------------------- [自由詩]千の丘を下る/梅昆布茶[2013年8月15日23時37分] 哀しい村を過ぎて丘を下る 教会の鐘が鳴る午後 マリアは涙を流す 礼拝堂は空虚で まるで僕の心みたいに 遠近法を失っている 君の庭園はとても静かだ 静謐という名の永遠 遥か高みを鳥が横切ってゆく 悲痛な歌をうたいながら 母親たちは子供をあやす 聴き慣れた子守唄に載せて 千の丘を下る 夜の瞳を覗く 星の無い夜に歌う 千の谷を超えて 君に会いに行く 千の風にふかれて 愛を失う 饒舌な夏が過ぎたら 君と語らいたい 幾千の夜が来ようとも 変わらぬ褥で休もうと 寡黙な冬には毛布にもぐって 暖めあおうと 誓い合おうと思うんだ 秋には枯葉を拾い 透明な風に沿って流れてゆく 光の中を 春には土筆とともに 土の下から新たに生まれてくるのだ 千の昼と 千の夜に 君と出会う そんな命が 欲しいと思っているんだ ---------------------------- [短歌]夜間飛行 星のまにまに/梅昆布茶[2013年8月16日1時44分] 僕は壊れたラジエーター星間飛行もままならぬほしのまにまに愛と彷徨う ひかり差す君の右手を握りたくて闇に左手売り渡す 愛人とエデンの園をさがしに行くそれは太陽系の第三惑星 この街でかぜにさすらうそのままにいつの日か僕もエイリアン 二重星僕と君とが光りあう銀河の果てのこの空間で 星間の暗黒物質そのままに黒い心が染み付いてゆく 夜半の月か細く白くそらにあるそんな想いを君に贈ろう こんな夜は流星群を見に行こう丘の上のベンチに独り 時空の果てのこの街で君と出会って恋もする 夜間飛行星のまにまに手を取り合って宇宙くらげになってしまおう ---------------------------- [自由詩]3Dプリンターの悲劇/梅昆布茶[2013年8月16日15時14分] 僕は君をスキャンしてもう一人君を作ってしまった とても素直で良い娘だ ちょうど昔の君みたいに 3Dプリンターは存在しないものは作れないんだ 僕はまた恋をするだろう 3Dの君に そして携帯用に12分の1のスケールの君をつくった 何時でも会えるんだ 君は僕の車のダッシュボードでいつも微笑んでいる天使 どの娘が性格がいいかなんてまだよくわかっていないんだが いずれにしてもどれも君だ みんな幸せにしたい そう君は竹久夢二の物憂いマドンナに似ている 鬱病でニンフォマニアで分裂気味の君だけど 僕の夢だった でもそう何人もの君は愛せない とても迷っているんだ 君は何時でも僕の女神 ずっとそばに居て欲しい そう僕だって3Dプリンターで作られた 君の車のダッシュボードに居る12分の1のスケールの ただのマスコットなんだもの ---------------------------- [短歌]はぐれうた/梅昆布茶[2013年8月18日4時03分] Gからはじまる朝テンションコードのうえで踊るコーヒータイム 断裂の金属弦のはじける悲鳴うたが終って反転する夏 ジョンレノン忌 愛こそはすべてを歌う夜 ニューヨークの夏は優しい アスファルトの焼ける匂いオイルの煙のたなびいてさすらう車輪は何を夢見る アンドロイドの淹れるコーヒー飲みながらただただ君との未来をおもう 星新一のショートショート読む昼下がりふと永遠にふれた気がして 尾崎豊のハートを持ちたいとただ憧れる馬鹿な親父だっているさ ジェリービーンズの色とりどりのポップス聴いてちょっとつまんで恋もする カナディアンアイランド ナイアガラのサウンドを浴びながら ただ君を想う はぐれうた中島みゆきの憂愁をいまさら歌おうとおもう夜 ---------------------------- [俳句]爪きり/梅昆布茶[2013年8月19日1時40分] またひとつ哀しみに満ちた爪を拾う またひとつ絶望で破れたこころを拾う あなたの夢は何色ですか ---------------------------- [自由詩]夢見る人/梅昆布茶[2013年8月20日15時50分] 僕は夢見る人が好きだ 当然僕もその種族だろう ただ夢を見ながらも 自分と正対できたらいいと思っている 夢を見る自分を受け入れ それでも夢を夢となずける強さがあれば 毎晩暑苦しくて 真夏の夜の夢さえ なかなか訪れないが 夢を見るなら 大嫌いなあいつは そばに寄せないように 夢見る自由は 時に自分を縛りつけさいなむ そうさ心の表裏なんだもの 夢を定義しないで すべての実現しないものの大陸なんだから ひとついえること ぼくは夢を含まない人生を 選ばないだろう たとえそれが徒労であろうとも そう 僕は 死ぬまで 夢の友で  いたいと思っている ---------------------------- [自由詩]長すぎる夢/梅昆布茶[2013年8月21日8時44分] 夢を見た 巨大なイベント会場での婚活パーティー 何故だか三人の息子達とタッグを組んでいる 現実には親父と息子が婚活で共闘するなどということは有り得ないが夢だからまあいっか たぶん会場は本来ミュージアムらしいのだが 解説員の説明によると 建物の 一角には時間軸の断裂が有って ここの一階と三階では時間の位相が違うのだそうだ どおりで同じ人物が着るものや髪型を微妙に替えて何度も登場するわけだ きっとその位相とやらのせいに違いない でも女性達のなかにあの人がいたなんてね その世界では有名人 金のあるやもめに喰らい付くヒルのような女だ もちろん世界で一番同席したくないタイプの輩ではあるが でも夢の中で僕は彼女と寝ていた 夢だからまあどうせ軽薄短小な僕のことだから許してくれたまえ ほんの出来心なんだ ---------------------------- [自由詩]黴/梅昆布茶[2013年8月21日17時10分] 黴 家へ帰って早速チューハイを冷蔵庫からおもむろに取り出して さて昨日の枝豆はと見るとなにやら白いものが付着している 黴の生えた人生 ふと自分のことを思う 人に期待もされず人にも期待しない 何も足さない何も引かない すべては無常 夕刻迫夜想 須成色彩暮色 セイレーンは嵐に歌う 思索は深い杜へとたどり着く おいおいおらの酒飲むなっていつも言ってたべ 死んだ親父が言う ねえ一緒に飲もうねって なっちゃんが言う モトカノだが 最近また 性的交渉を 迫られているのだが ダヴィンチはこういうときどういった数理的計算をするのか 西海岸で待っているスーザンに 伝えねばならない -------------------------------------------------------------------------------- 上記のテキストは送信されませんでした。 ---------------------------- [自由詩]人生は不思議だね /梅昆布茶[2013年8月22日18時31分] もし僕が君の瞳になれるとしたら どういう世界がうつるんだろうか もし君の心が盗めるとしたら どこに隠しておこうか 僕は身に余る沢山の夢を持っていた 海の向こうに新しい地平線が見えていた 僕は君の大切な涙を忘れはしない いつの日かどうやってかは分からないんだが 風にのって 海の上を行く 僕は君のことが分かり始めたようだ 昔々世界には夢が棲みついていた 野生の夢は死なないさ  次元を超えてやってきたジプシー 永遠の申し子 旅しながら歌いながら 家にかえることも忘れて こんな雨の午後 君がハローって言ってる 理由はどうあれ 僕はすぐに たいくつしてしまう でもさマイダーリン 君は僕のほとんどなんだ 人生のスクリーンには何が映るのか 君の唇からはどんな言葉が滑り出すのか サテンの夜に 届かない手紙 すべての美しさは 君に収束される だから 君を恋しつづける 銀の笛なんだ だから祈り続ける ---------------------------- [自由詩]人生は回転木馬/梅昆布茶[2013年8月23日15時48分] 時にゆっくりと或いは急に速度を増して上下する人生 君は金の木馬に僕は銀の木馬に くるくると廻り続ける 音も無く それはやがて闇に溶ける 美しい二人の風景だ まるで回文のように行ってはもどる 古い柱時計の長い振り子のよう いつの間にかキャンドルは燃え尽きようとしている 僕の人生の もうさよならを言う時間になってしまったんだ たった一回だけの 僕の綴った人生は遊園地のようににぎやかだった 様々な人が行き交い 言葉を残していった 夜には雪が降るだろう もうクリスマス 僕も空のサンタに成れるかもしれない それともぼやけた六等星 それとも小さな翼を震わせて 君の夢を訪れるの 夢の門出にまた夢を見る 言葉に出来ない唄 或いは想い 僕は回転木馬フェチ くるくる廻るのがすき  ---------------------------- [自由詩]不思議な朝/梅昆布茶[2013年8月24日14時24分] 不思議な朝 その日君は小鳥となって僕の庭から飛び去った もぬけの殻の僕は夜通し泣いていたのだ 君と暮らした日々が心地よい音楽のように蘇る 僕達はアダムとイヴのように睦まじく暮らした そして真夜中にはレコードを廻してワルツを踊ったものだ いま僕は空っぽの褥に顔をうずめて君の香りを探し出そうとしている 病院のベッドに眠るように静かに逝った君の頬の白さが蘇る でもまた会えるよね 僕だっていつかはそちらへ行くのだもの きっとね ---------------------------- (ファイルの終わり)