梅昆布茶 2013年4月14日3時36分から2013年5月3日17時13分まで ---------------------------- [自由詩]感性の幹/梅昆布茶[2013年4月14日3時36分] 止まらない世界は僕らを圧迫する 時間は切り刻まれて疲れている それでも安息を求めてやまない魂は 慰安の色をさがす 世界を認識し感じるのはこの皮膚 本当は政治や経済で色分けされた世界なんて 納得はしていないんだ ただその違和感を指摘してゆく為には 感性を鍛えなければならないのだろう 学問や教養も大事だが それを受け止める幹がほしいとおもっているんだ ねじ伏せられた個が どういう風に息を吹き返すべきか考える それは人が徒労でなく生きること きちんとした光の中で前を向けること だから感性の幹を作ってゆく そんなふうに生きている ---------------------------- [自由詩]抵抗勢力或いは反発勢力/梅昆布茶[2013年4月14日4時49分] すべては権力を握った側の都合の良い呼称 そんなものありはしない ただただ人民があるだけ それがこの世界だとおもう なにもかんがえないできみとくもにのろうね だれもじゃまはしないじぶんのこころいがいは 宗教はいらない こどもになってもういちど やりなおしたいが 戦闘力は温存しているが 少し疲れたなあ TVの黄色い声に反応してしまう まあいいさ ゲバラは死んでないさ むっちゃ鍋作って何日もっとも食ってるさ 君の曲線は誰も描けない きみだけのもの 本当は組み合わせが必要なんだ いつもそれで文化は文明は 試行錯誤それがいいのかもしれないが いまだって機械でだいたいのものは創れるがでも 心だけは創れない そのディティールはね 抵抗は抵抗でいい 流れに逆流するのだったら 言葉を持たなければ 人に伝えるための でも伝わらない言葉をいっぱい抱えていて それでもやってゆく それが僕の 最終的な スタンスだと思っているから ---------------------------- [自由詩]花盗人/梅昆布茶[2013年4月15日23時05分] 零れ落ちる花弁を無碍に季節の風が運んでゆく ちょっと絡めただけの指先が愛しくて 君の名前をそっと呼んで見る 僕は花盗人君の唇を奪うろくでなしさ 君にあずけたこころはいつか返しておくれ 爛漫の春を一花ふた花と指おれば 琥珀の時間がせめぎ合い 置き去りにされし花一輪 誰の為にか咲き匂う から紅の命まで刺されとばかりに歌いましょう 零れんばかりの宵の口 きりりとと結んだ花手毬 ---------------------------- [自由詩]丘のうえのちいさな雲/梅昆布茶[2013年4月16日12時40分] 僕たちは丘のうえのちいさな雲を思いだす 比企丘陵のなだらかな起伏のうえにそれはほっこり呼吸していた 風が窓辺を訪れて遥かな便りを伝えてゆくのだよ 荒川を挟んで大宮台地と対峙するかのように遥か秩父高原あたりまでせり上がってゆく台地 ときに渓谷や森林や或いは川越藩の御用米を生むひろびろと光を反射してつづく田圃には いのちが漲っているだろう あの窓からは遠く雪を戴いた谷川連峰や日光の連山 そして筑波の峯さえも望めたものだ 妻と別れ家も人手に渡った もうあの雲を思いだすこともあまりなくなったが あの窓を広い空につながった光の通路をときどきは思うのだ 既に成人してしまった子供達と シェルティのクッキーや雑種のシロ 飲兵衛の僕とめっぽう気の強い妻と なんだかほんわか暮らしていたものだ ときどきはもう一度あの小さな窓を開け放って 野の花の匂いのする空気を胸いっぱい吸ってみたいなんて 思うこともあるんだ ---------------------------- [自由詩]無常の風のまにまに/梅昆布茶[2013年4月16日19時27分] 君の耳もとを吹き渡る無常の風を 僕もしっている ただしそれは知ってしまえばとても優しい すべての不条理は無常という雨のなかさ 積み残された問題のすべての回答がそこにある 降りしきる哀しみでさえも過ぎ去ってゆくものさ そう変わらないものは無いのだよ 重ねた手の温もりは一瞬の燃えあがる炎のように 焼き付いているがそれだって いつかは失われるもの 永遠は無常という雨のなかさ 僕たちは無常の風に吹かれて生きているさ ---------------------------- [自由詩]噛みしめる/梅昆布茶[2013年4月18日22時23分] 適当に流さないで噛みしめること 爽やかにカリッとでもいいからとにかく流さないで 自分の実体験として受け止めたい 目を逸らさず血肉の経験となることを願って噛みしめるのだ たとえ停滞に見えようともそこにも醸成される何かがあるはず エラーはあるがエラーだって人生の味付けだ それは踏み越える為の立ち止まり 自分を流さない為の歯止めだと思ったらいいさ マイナスだって捨ててはいけないのだ プラスだって勿論身につけとこうや 天空はそんな営みなんて関係なく営業しているさ 万物流転は彼らの特技だ 空虚だってそれを噛みしめること たぶん無駄にはならないのだと思う 無常のなかにだって楽しみはあるさ 逆手は得意なんだが ついつい滑ってしまってここにいるがまあいいか 噛みしめる滑らず噛みしめる 僕にはけっこう難しいのだが ---------------------------- [自由詩]恐れを生きないで/梅昆布茶[2013年4月19日2時30分] 光を見つめる 自分のなかの 誰にも放てないもの あなたからもらったものが 沢山たまっているんだもの ゆっくりわらって欲しいんだいつもみたいに そんなの問題じゃないから あなたがあなたで 僕が僕で 世界は世界なんだ 回転する装置は メリーゴーラウンドにすぎないさ 船酔いに似た 灯りに気づいたらそれでいい 夜ではないこと 優しくもないが気休めでもない確かな場所 それはいま此処 あるいは彼 それとも彼女 ボーダーラインの先のあたりに 僕らの遠近法の消失点があるさ そう光や音が歪んだあたりだ 死滅もしないが浮かびもしない 涅槃なんて名付けないでほしいな そんなに死んでないし 影があるものだけが実体があって 影のないものを愛せるんだ そうだれもにも規定できない 明日は予想できない 愛は生成するもののなかにさ 微笑んですわっているみたいなんだ ---------------------------- [自由詩]貝殻/梅昆布茶[2013年4月19日6時42分] ねえ言ったよねとじないでって 偽らないでって ほんとうにだれもいれないの 体だけなの さびしいのは僕も同じさ 君がいたんでるぐらいに まあいいか もう好きでもない そんなのさんざんくりかえした かたちだけの人生なんてねえ ぼくはもういいと思ってる あなたがなおらなくてもぼくは生きてゆくさ よりしたたかに 悪女なんてそんな程度だったんかい ---------------------------- [自由詩]主旋律/梅昆布茶[2013年4月20日15時30分] 人生という背景に流れる雑多な出来事が奏でる 輝いてやや重苦しいときには燃え上がり それは言わば副旋律の舞踏 略奪者は戦利品の花嫁を娶る 血みどろの殺戮の季節のあとに 戦士はしなやかないきものと暮らす 日々の軽やかないとなみ そこにある慰謝を味わえばいいさ ただそれだけで満たされてゆくものさ 君が主旋律を幸せに綴る日々を祈っているのだ 世界は伴奏にすぎないさ 君が歌わなければ世界はうたわない 君に微笑みがなければ世界は暗いのだ 君のもたらすものが主旋律さ だから今日も歌って欲しいんだ 命や風の詩を 時や森や泉や涙や 空や鳥やこころの響きを 風にのせて欲しいんだ ---------------------------- [自由詩]獲得数/梅昆布茶[2013年4月21日6時48分] なにも棄てずに走って来てしまったさて なにを獲得できたのかな あいつも去ったこいつも彼女も だってそれらはぼくのコレクションではないから すべてを捨てようとも思ったさ でも無理 ぼくだけはどうしても残ってしまうんだ とりあえずは残り物から始める 残ったものは純粋かいやそうでもないな 打算の濁りが身体中にこびりついているぜ あいつとの夜とか 君との仲違いとか クレヨンのように柔らかく描けたら 消しゴムで消すように 修正できたらいいとも思うんだ 数ではないと質なんだと思っていても 世の中は数を優先するさ くだらない優先権だ だからぼくは獲得しないことにしたんだ なにもいらんし 君も 切なかった想いも 切なささえも切り取って捨てる 獲得数なんて関係ないんだ 只々自分の正直さに見合ったあなたが見えるだけなんだ 世界はあまり正直ではないかもしれないが ぼくが運営するちいさな世界は タメ口や策略ででもやっぱり獲得してゆくのさ いずれマジョリティになって欲しい 君やぼくや彼彼女も ぼくが一緒に暮らしたワンコとかそんなもんなんだろう 特別でない日々と何気ないものたちに乾杯! そう 獲得数なんて まったく関係ないんだ ---------------------------- [自由詩]命や/梅昆布茶[2013年4月21日10時39分] だれも結べない だれでも結べる 信頼できること 不信が台頭してそれでも 無理やりロープで結んでしまうんだ 核になるものが欲しい いつも綱引きばかりじゃ 地面が見えんし ぼくはなにを復刻しようと思っているのか よくわからないんだけど あたらしいものが大好き 古き良きものも そっとしててもいいんだ 優しく暮らそうや 俺っていつも腹ペコなんだな だからぼくは問題を食べてしまう 嚥下してそして見えるものを待つ 大好きなでも大嫌いな 振れ幅のなかで生きるさ ---------------------------- [自由詩]妄執/梅昆布茶[2013年4月21日22時05分] 粘りついている私 張り付いて剥がれない 経験なんてなんだろう 一回性の事実 誰も愛せなくて こころ焼き付いて 悲鳴はいまさらあげないが 次のことを思うんだ シャボン玉を吹いてさ 大切なものを切り売りしてね それでも生きてゆく恥ずかしさって ---------------------------- [自由詩]こころのかけら/梅昆布茶[2013年4月23日1時47分] 空気いれが必要なんだぺしゃんこのぼくのために 君はうしろに乗って流行り歌でも歌ってていいよ 僕もすっかり日暮れてしまったさ 目抜き通りをフラフラ歩く ぼくは探し物なんてしてないよ君以外には 豆腐屋さんの角を曲がって三軒目の家なら昔住んでたとこだし 君の目と目がちょっと離れてるなんて思ってみる 空き地にグローブを忘れてるんだ もうバッターはいないさ スコアボードがくるりとひるがえってゲームセットの時間だ ああさようなら また会えるよねきっとね ---------------------------- [自由詩]夜の翼/梅昆布茶[2013年4月23日10時41分] 地上の灯りが胸を刺し魂は飛翔を続けて まるで未知の惑星系を探索するように浮かんでいる 永劫の時の打痕と蓄熱された空間 斜めに切り取られた過去の累積をトリミングしてみる 太陽が眼に焼きついて沙漠は渇いたままに ながく伸びた影を吸い込んでゆく 夜はその小さな翼を震わせて地上の安息を図り 多くの物静かな浮遊物で満たされているが 無数の契約は履行されないままに白いサテンに覆われてゆく 夜の翼は低い羽音でハミングする なにも知らぬげに 無垢の闇を纏っている ---------------------------- [自由詩]小欲知足/梅昆布茶[2013年4月25日11時12分] 天真爛漫 千差万別 右顧左眄 言語道断 快刀乱麻 不即不離 支離滅裂 春眠暁を覚えず 昨日のことも忘れて 天衣無縫 稀有壮大 小欲知足 小欲知足 小欲知足 ああいつかそうなりたい ---------------------------- [自由詩]姫と爺の物語パート2/梅昆布茶[2013年4月25日17時12分] 爺のモットーは清廉潔白公明正大 姫のモットーは人生は遊び女盛りを飲み尽くせ そう姫は酒豪でもある 一升二升はお茶がわり 姫とサシで勝負して死にかけた男は数しれず だからいまだに嫁の貰い手が無い そこで爺がいつも 一計を案じるわけだが 世の中そんなに易くは運ばぬもの 返り討ちにあった屍が累々と 積もるばかり 姫の遊び好きは城下でも有名で 評判の若侍と飲み歩いたり 人気役者の玉三郎を野球拳で素っ裸にしたり 源氏物語を真似てわけのわからない恋愛小説をものしたり 爺の頭痛はいつになってもおさまらぬのであった ただし姫にも美点は多々あるのだ 抜けるような美肌に茶目っ気を含んだよく動く瞳 才気煥発 姫は口から先に生まれたらしい 武道は女ながら柳生新陰流の免許皆伝 言わばスーパーガールの日本版みたいなもんだ なんだか姫の輪郭だけで物語が終わってしまいそうだが まあそれもいいかもしれない あまり硬いことは抜きにしましょう そのほうが生きやすいかも知れません だから 続く。。。 かもしれない ---------------------------- [自由詩]饂飩/梅昆布茶[2013年4月25日17時49分] ときどき饂飩を無性に食べたくなる とくに関西風のダシの効いた薄いいろのスープが好き それにお揚げと葱をのせていただく 幸せな饂飩の世界に恋してしまう親父約一名 ときどき蕎麦も無性に食べたくなる とくに硬めの十割蕎麦が好き やはりもりかざるがいい ワサビを効かして葱や茗荷 紫蘇白胡麻なんぞ乙でいい ああ幸せな蕎麦との出逢い ラーメンならつけ麺も良い 八丁味噌と砂糖胡麻に チョッピリ辛子 勿論葱もいいさ またとても幸せになってしまいそうだ おしなべて食べ物で幸せになれるぐらいの人生が ちょうどいいのかとも思う 枯れてきているのかもしれない ---------------------------- [俳句]紡ぐ/梅昆布茶[2013年4月25日21時09分] 風は積み重なって時を紡ぐ 人は愛しあって涙を紡ぐ 国家は浪費して誰かが私腹を紡ぐ ヒルズ族ってなんなのさ時代を紡いだって? 村上ファンドを思い出しなよあの卑しさを 成功者だって言い張ったって器がしれちゃってるし 情けない男どもが紡ぐバブリーな社会 牛馬を知って人間も知る 半島の北ではいまだに大政翼賛会か 革命者は密かに闇を紡ぐ ---------------------------- [短歌]jazz短歌/梅昆布茶[2013年4月25日21時44分] クールストラッティンってあの女性の足が良いんだよね ビッチェズブリューってちょっと僕にはアグレッシブでねえ クリスタルサイレンス彼のピアノが冴え渡る アトランティスってマッコイタイナーの大陸だったんだな アールクルーのダンスウイズミーはオーリアンズより良いかも MJQクラッシックも良いんで無いかい マックスローチの不屈の闘志ドラミングの神様か 至上の愛はコルトレーン下世話な愛は僕だった ケルンコンサート透明な抒情が懐かしい青春 奇妙な果実場末の偉大な歌姫の声が沁みるさ ---------------------------- [川柳]給金直し/梅昆布茶[2013年4月25日22時13分] いつ給金がなおるのかわからないまま五月場所 わからないまま彼女の態度を噛みしめる 大阪の道頓堀で初デート保母さんだった彼女懐かし 弘前の桜素晴らし僕だっていつかほんとにチョッピリ咲きたい サラブレッドでは無いけれど駄馬ぐらいは働けそうだ 気遣いを忘れた頃にやってきた一番怖い妻の顔なーんてね アイドルの話持ちきりで僕も乗るでも僕って浮いてるかもなあ年齢で セレブって昔いたな香水とか札びらとか自分の代わりにそんなものを出す奴 おしっこ漏れそう恋もなさそういっそのことうんこでもしようか 柔らかく優しいイメージ壊さないようにそっと毒針研いでいるのだが ---------------------------- [自由詩]愛しのツインテール/梅昆布茶[2013年4月27日2時30分] そよ風が四月を渡ってゆく ぼくの探し物は君に決まっているだろう 公園のブランコに座っていた 同じリズムで揺れていた ツインテール いつか大人になってゆくんだけれど しろいブラウスの胸がとても眩しかった 瞳のなかを雲が流れて 季節はめぐってゆくのさ 君がツインテールをやめる頃 ぼくは君のそばにいるだろうか それともポニーテールかショートカットの娘に 恋しているのだろうか 君の冷たい頬に触れるのは ちょっとひび割れた唇に触れるのは誰なの 僕じゃ駄目なの でも今は僕のツインテール 愛しのツインテール どうかそのままでいておくれ そよ風のツインテール ---------------------------- [自由詩]交差点/梅昆布茶[2013年4月27日20時51分] あらゆる人種が人生が交錯する つまづいている僕 恋をしているあなた 人生は様々な糸が絡まって見えるが 案外単純な因果律の集積なのだと思うが ICチップはブラックBOXではあるが 完璧に計算された複雑構造でもある 僕らの青春は いや僕の青春は 感情の相克と社会的要請 価値観の獲得 性の彷徨 言わば尾崎豊の 十七歳の地図だった アンダーグラウンドのものに憧れ ときに頽廃も辞さなかったが ただある誇りだけが生きるよすがだったのかもしれない 文化は日々生成して次の世代のサブカルチャーが生まれるのだが ぼくはビートルズとストーンズの時代から 吉田拓郎やアンドレカンドレだった井上陽水の時代を肌で齧った 忌野清志郎が高校時代からのヒーローだった 何が健全なのかわからない時代には自分を信じるしかないから ただし暖かく自分を育んでくれたものへの今更の憧憬がよぎる それでいいんだと思う いつも誰も救えない状況はないと思っている ただし救われて自分の軌道を選べない人間に関しては無駄だったが 無駄でも命には残るのだろうな 僕の生きる意味はこの言葉に集約されているのかもしれない。 まあ良いさ まだまだ闘うだけだ ---------------------------- [散文(批評随筆小説等)]第三の場所/梅昆布茶[2013年4月28日11時23分] だいたい普通の人は家と職場の往復でなんてよくおっしゃる。 それが第一の場所と第二の場所。 では第三の場所とは? それはこの現代詩フォーラムであり街の図書館や書店でもあり行きつけの飲み屋さんや ボランティアの仲間や趣味の仲間ぶらっと出た一人旅。 それはすべて好奇心や探検そして センスオブワンダーに満ちている。 そう第三の場所とは既存のものがあってでも新しいものがやってきて 次のものを生成してゆくそんな雰囲気を醸し出す場所。 TwitterやFacebookなどSNSもコミュニティや世界への窓だろう。 もと彼女の長女が中学生になった。 この四月に家族になる予定が流れてまだ他人ではあるが 中古のパソコンとインターネット環境をプレゼントした。 今は毎日Youtubeなど観て喜んで使っているみたいだ。 僕は第一の第二の場所は勿論第三の場所を最も愛する人間かもしれない。 いつもpazuというアジアン居酒屋のカウンターでマスターやお姉さん達と 音楽論人生観詩論くだらない話で盛り上がって二日酔いになっているが。 僕にはどうも第三の場所が不可欠みたいなのだ。 ---------------------------- [散文(批評随筆小説等)]本を贈る/梅昆布茶[2013年4月28日20時34分] 他人に僕を説明する必要がある時は本を贈る。 くどくどと説明するよりもいきなり感性をさらす。 かっこよくいえば多様な遺伝子を持った自由な人間になって欲しいから。 僕が贈る本は トルーマン・カポーティ 遠い声遠い部屋 ガルシア・マルケス 百年の孤独 クリフォード・シマック 都市 レイ・ブラッドベリ 火星年代記 コリン・ウイルソン 発端への旅 アルボッムレ・スマナサーラ 怒らないこと まだまだあるがこれくらいで また次回。 ---------------------------- [自由詩]君と話したい/梅昆布茶[2013年4月29日0時31分] 君だから話したいいつまでもすべてを 玉葱の皮を剥くように何重にも纏ったかなしみをすべてを 春なのに風はまだ冷たいんだ暖めて欲しいから 僕は自由なんて要らない君のそばにいたい 奸計は風に流してしまおう愛は繰り返すものさ 市場では売ってないものなんだ君からしか買えない お金は役に立たないし約束だけが大切な通貨 ダイヤモンドもいらないただ粗末なターキッシュブルーのブレスレット 長い間僕は待っていたそんな太陽をそよ風を優しい指先を だらしのない僕を矯正する光なんだものそばに居たいんだ 時間は何ももたらさない哀しみしか僕は立ち尽くす だって明日は君を失うかもしれないから僕は臆病者さ いつもそうだった愛するものは立ち去る儚いものは愛 堅固なものなんてないのさ愛でさえも もしも明日が買えるなら小さなバスケットに仕舞い込んで 君と逃げ出すんだ今日という日から足速にね ギターを持ってゆこう歌ぐらいなら歌える あるいはすべての歌をうたうことだってできるはず 君と話したい恥ずかしいことだってやましいことだっていっぱいあるんだが 君だから話したいんだ君だからね ---------------------------- [自由詩]五月の音/梅昆布茶[2013年4月30日7時40分] 新緑がこころに刺さる季節は君と手を繋いで歩きたい 野辺の花を愛でながら世界をいとしく思うことだろう 背に負った荷物も軽くはないがそんなものこの五月にくらべればなんでもないんだ 大地からの息吹が五体に沁み渡るようにお日さまの歌を聞くようにゆっくり歩く 長い間ため込んでいた小骨たちを吐き出しながら五月に溶けてゆく そっと五月の音に耳を傾けるとそれは命の慈しみのリズム 僕や君の心臓の鼓動なんだよねだからもうあの日みたいにさ泣かないで 僕たちには繋ぐ手があるハグだってできるんだ 五月を胸いっぱいに満たしたらもうそれだけで上を向けそうなんだね だから五月の音を一緒に聞いて欲しいんだ 五月は一年でいちばん優しい季節なんだから ---------------------------- [自由詩]えごいすと/梅昆布茶[2013年5月2日10時25分] 与えるふりして奪うえごいすとよお前の美学を教えてくれ 鏡をみて対峙するのは簡単だえごいすといつもの手口で泣いてみろ 自由を持たないえごいすとただ粗末な己れも知らずに意気揚々と勝ち名乗りでもね 言いにくいんだけど謙虚と自由はセットになっているんだぜ いつまでも手垢まみれの縫いぐるみをだきしめていればいいさ俺はべつに興味無いね 粉飾した自画像を飾ってればいいさ空っぽの部屋に 猫なで声のえごいすと最近は詐欺もうまくなったんかいもう俺は騙されないがね ああ素敵なエゴライフを夢見る地獄を満喫するんだ今 その通り えごいすとは他でも無い この俺さ ---------------------------- [自由詩]自由幻想行/梅昆布茶[2013年5月2日23時20分] 柔らかな春光に制限のない自由をもらう 棘のない世界 風を吸い込む この世界を命名したものを想う いや名前さえも要らないそのまま感じればいいさ 本当は物事に境界はないのさ 便宜的に物事は区分けされる 言語なんてこの世界のおまけかもしれない こころだって言葉では言い尽くせないだろう わかったと思ってるだけさ 僕らは答えのない旅をするんだ 答えは君のこころだってわかってるだろ 人の答えは自分の答えにならないし だから曖昧でもいいんだ それが答えだ 共同幻想だっていいんだ優しく生きようや 幸せに真理は要らないんだ きみのこころこそが真理だから アンダルシアの風を ダブリンの夏を イスタンブールの雑踏を ニューヨークの湖畔に オンタリオ州の道端で 君の好きなところで 君のこころに逢いたい だってさ ホモサピエンスはアフリカの母から生まれ 世界をわたり歩いているんだ 地球から言わせれば地衣類さ でも愛を育み生きてきた それでいいと想う 奢るなかれ地衣類よ それでも生きてゆく ---------------------------- [自由詩]魔法を信じるかい?/梅昆布茶[2013年5月3日14時41分] アリスのレストランで君と午後のお茶を飲むんだ 素敵だろう 君に書いた手紙のなかにある恋の呪文 それを唱えて欲しいんだ 表通りは賑やかに人並みが通過して行く さあ恋の呪文を信じるかい? アリスのレストランで君と午後のお茶を飲んだら 世界は微笑むのさ 君が僕を選んでくれたなら きっと幸せになれるさ だから早く呪文を 夢見る僕のために 恋の呪文を唱えて欲しいんだ 君は魔法を信じるかい? アリスのレストランで君とディナーをとる 君は相変わらず魅惑的 こんな素敵な宵なんて久しぶりなのさ だから早く呪文を 恋する僕のために 恋の呪文を唱えて欲しいんだ 君は魔法を信じるかい? 君と僕だけの魔法を ---------------------------- [自由詩]爺と姫の物語パート3/梅昆布茶[2013年5月3日17時13分] 最近姫が西洋音楽をはじめた ヴィオロンとかいうキーキー言う楽器だ まわりは大変迷惑千万昼寝もままならんし爺は疲れ気味だ 琴かせいぜい三味線ぐらいでいいと思うのだが 姫の西洋かぶれは止まらんしラッパの化け物のような蓄音機とか言うもので ベートホーフェンなる音曲を黒い円盤状の物で聴いてばかりいるしまさに 西洋お化けのようでせっかくの美貌も鬼気迫っておるし 爺の悩みは深まるばかりで隠居もままならぬ 西洋流の譜はおたまじゃくしのようで爺には分かり兼ねたし 音色も節も伴天連のけばけばしい品のないものに思えるのだった いずれ太鼓驟や音曲の連中を密かに焚き付けて何か企む気配 爺はとうてい気が休まるまい ああ世も末 そう言えばこの前まつこと名乗る怪人が江戸市中に出没してスマホとかいう 小さな機械で怪しい通信を繰り返し果てはたいむましーんとかいうキテレツなもので去ったらしいが 世も末化け物の自由に闊歩する江戸はこれからどうなるのか そう言えばまつこは猪瀬だけは喰えないとか言っていたらしいが 爺の私見では石原こそ前世の化け物世の破壊者んなのだが 本当の爺は一本気で勿論そんな未来は知らない オリンピックの花と花な〜んて時代はもっと先の先 鼻血が飛び散るリングで 姫が闘う日も近いかもしれないだってさ姫はね密かにワンセグとかいうちっちゃな機械 なんせタイムマシンの原理で電波とやらを時代に飛ばせるそうな でプロレスにはまっているらしい 既に姫はねミスマッチの塊の気高い日本のヘレンケラーいや違うマリーアントワネットでもない シンディーローパーでもなくてマックスローチそう不屈の闘志なんだね 爺の悩みは続く 多分永遠に 姫がね いる限りはね ---------------------------- (ファイルの終わり)