チアーヌ 2005年2月22日0時33分から2005年4月18日16時41分まで ---------------------------- [自由詩]宇宙船/チアーヌ[2005年2月22日0時33分] わたしはあなたを抱きしめて殺す わたしはお腹を撫でながら泣く ぼろぼろと泣く 両手に涙がたまったので 涙をお腹に擦り込む 気がついたらあたりは大河 汚濁した黒い水 さぶん わたしは潜る 宇宙 漂いながら一点に吸い込まれる ぐるん 初めて聞いた音 覚えてる? ---------------------------- [自由詩]メロンナイト/チアーヌ[2005年3月1日21時17分] からだじゅう メロンだらけ まくわうり詰め込んで 生きる日常 愛してますか わたしのこと 不安でたまらないときは メロンナイト メロンナイト メロンナイト ---------------------------- [自由詩]こんなに良い日の最後/チアーヌ[2005年3月1日22時12分] こんなに良い日の最後 洞穴からサンショウウオが顔を出す 夢を見て 最後にとても幸せな エンディングシーンのはずが わたしが「これは夢だ」 と気がついたとたん ダメになる ---------------------------- [自由詩]おひさまのひかり/チアーヌ[2005年3月2日11時44分] ぴよぴよ うまれたよ あさでもひるでもよるでもないじかん まいにちあかるいの たべるものはいつもたくさんあるの たべると ぼくはすぐにふとるの めきめきとおとをたてて からだがひめいをあげるの またひとまわりおおきくなったよ おともだちとあいたいのに あえないの ぴよぴよ ぴよぴよ こえがするのに あるひ がたん ふうけいがかわったよ びゅんびゅんはこばれてく どこにいくのかな はこのなかはくらい はじめてくらくなったよ でもね すきまから おひさまのひかりがみえたよ ---------------------------- [自由詩]恋人の目の前で/チアーヌ[2005年3月3日22時40分] 結婚しよう スキップしながら 手をつなぎ ダブルベッドを買いに行こう 黒い下着身に着けて 純白のドレスを着よう アネモネの花ぶちまけて パーティを始めよう あなたが見ててくれるなら わたしは幸せよ ---------------------------- [自由詩]生命の木/チアーヌ[2005年3月4日16時43分] もう子供じゃないから 無心にがんばるなんて できない ピアノも 何時間弾いたって 大して上手くならないことを 知ってしまったから 弾かない 誰かを 愛すれば愛するほど 虚しくなるから 愛さない 身も蓋もなく言っちゃえば 生きてる意味なんかないんだよ でもね お天気の良い日は 暖かい午後の公園で そよ風に吹かれながら お弁当を食べよう 夕暮れになったら そっと大きな木の下へ行き 寄りかかって座り 日の沈むのを見よう わたしは これからも 生きていたい ---------------------------- [自由詩]そこまで/チアーヌ[2005年3月7日19時54分] 沈めば沈むほど明るい場所へ近づいてゆくの 暗闇をかきわけてわたしは沈んでゆく ---------------------------- [自由詩]霊歌/チアーヌ[2005年3月9日10時15分] 日が翳るとき すべての空が囁く 悲しまないで 悲しまないで 仕方が無いから 日が翳るとき すべての花が囁く 悲しまないで 悲しまないで 仕方が無いから 日が翳るとき すべての夜が囁く 悲しまないで 悲しまないで 仕方が無いから 日が翳るとき すべての沈黙が囁く 悲しまないで 悲しまないで 仕方が無いから ---------------------------- [自由詩]ほんとうに抱きしめるとき/チアーヌ[2005年3月10日13時19分] ほんとうに抱きしめるときは少ない いつもは適当なの 腕や体の温かさは変わらないから 大丈夫 ---------------------------- [自由詩]メリーゴーランド/チアーヌ[2005年3月10日19時17分] メリーゴーランドの輪の中に 入りたくて 足をばたばた 地団駄踏んで 泣き喚いてた でも メリーゴーランドは 側で見ていたほうが ずっとずっと良かった ---------------------------- [散文(批評随筆小説等)]わたしの感想 5/チアーヌ[2005年3月11日22時07分] 前回からの続き、がんばりたいと思います。 わたしだけがポイントを入れている詩について感想を書いていくこの試み、とにかく最後までやろう!と思っています。どこが最後と思うかは難しいですが・・・・。 「錬金術」松本kさん http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=13975 なんだか妙に説得力のある詩。ペットボトルとか、借りたマンガ本が妙にリアル。説明っぽい感じが少ししちゃうのが気になるけど、もっと表現に工夫があれば、もっと面白いのかも、と感じました。 「プレゼント」喫煙変拍子さん http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=14058 これは、わたしの頭の中でひとつのイメージが浮かびます。わたしは酔っています。なんでもいいのです。何かに酔っているのです。普通に考えたらお酒かな、でも古代の怪しい薬かもしれません。わたしは巫女です。巫女なので捧げられます。神輿にのって、深い深い火口湖に沈んでゆくのです。笑いがとまりません。 「あの娘は両生類」菅井亮('A`)さん http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=14121 最初の2行はあまりよくわからないのだけど、あとの3行に惹かれました。難しいので理由はよくわからないですが・・・・。3行がいいとしか言えない。 「純愛の想像図」イナイさん http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=14326 これはなんだか、さりげなくよいです。一昔前の「ニューミュージック」歌詞風のセリフ回しなのに、なんだかとぼけた感じさえする。妙な空気。この詩を人にしたら、「不思議ちゃん」。 「再会メドレー」菅井亮('A`)さん http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=14568 また菅井さんだ。想像できないようなできるようなシュール。説明難しいですね。わかるからいいっていうものでもないみたいです。わたしにとっては。 「通り魔通り」松本kさん http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=14592 あ、また松本kさんだ。 この詩はタイトルからしてなんとも言えない気分になります。で、中身はというと、これがまたシュール。一本調子で、工夫のない感じで、淡々と朗読してほしい。感情はいらない。 「オレンジな透明」anneさん http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=14927 この詩はちょっと不気味です。 最初は普通の共感から始まるのに、読み進むとイメージが変わっていく。最後の字をあけているあたりもなんだか変。でもそのせいで印象が残った。 「パイロビジョン」oldsoupさん http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=15044 わたしはこれを、全部英訳して(ドイツ語でもいいかな)、アンビエントかプリープテクノに載せて歌詞にしたらいいだろうなあーと思いました。かっこいい。 「眠りたい、ただそれだけ」智之さん http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=15470 これはよくわかる・・・。で、なんだか癒されるのは、すぐに詩に同調してしまうからです。眠る前に読む詩集に載せたい。 ---------------------------- [自由詩]昼下がりの売買/チアーヌ[2005年3月15日20時33分] クリーム色の日差しの下 ふたりは体を重ね合うの 永遠の淵には 白いノート すべては飲まれてしまったの もう何も残ってはいないの 白いノート 濡れてる 「わたしの心はもう売ってしまったの」 「僕の心も売ってしまったよ」 「誰に?」 「誰に?」 ふたりは手を繋ぎ 永遠の淵を歩くでしょう ---------------------------- [自由詩]三日月のよる/チアーヌ[2005年3月16日22時31分] アスファルト道路のかたすみ しゃがむと子犬の目線 暗いところ 暗いところ 選んで 何も見ないの 三日月のよる ---------------------------- [自由詩]落下/チアーヌ[2005年3月17日23時08分] 笑いながら 人と別れて 生垣に吐いた 犬みたいに土を 被せようとしたけど そのとき夜が落っこちてきて ---------------------------- [自由詩]緑色の花/チアーヌ[2005年3月22日13時42分] 緑色の花が咲く とても緑色 とてもきれい 永遠なんてないから 今日もお花はきれい 緑色のお花はきれい ---------------------------- [自由詩]詩/チアーヌ[2005年3月24日10時35分] とても新しい 墓石に刻まれた文字が 読めない わたしの名前が 書いてある はずなのに ---------------------------- [自由詩]捕食/チアーヌ[2005年3月29日18時12分] わたしは大きな空を飛ぶ 見えているものは何も無くもしもぶつかれば死ぬ 背の高い草は鋭い葉先を持ちわたしの肉を突き刺す この程度では死なないけどまもなく卵がわたしの胎内で増殖するから うえええええええええええ ああ産まれそうなのは実はわたしの卵ではないのかもしれない いつ産み付けられたのか わたしの口から出てくる小さな芋虫わたしを食い破って 一本 二本 触角が千切れていく 空に 土に住み暗闇を這い回る わたしの形をわたしは知らない 柔らかく暖かい胎内に包まれた記憶 流れるようにたくさんの足で潜り込むねぐら 匂いがするほうへいけば ぶちゅぶちゅ音を立てて何かを食べている黒いもの わたしは迷うことなく近づいてそいつを飲み込む ぶちゅぶちゅ音を立てて そろそろ卵を産まなくちゃいけないから ぶちゅぶちゅ ぶちゅぶちゅ ぶちゅ ぶちゅ ぶちゅ 出会いは必然で どこかでわたしはあなたを知っている わたしは大きなお腹を抱え 秋の空の下で捕食を続ける 空を飛ぶやつらは食べるところが少ない 動きの鈍いヤツは片端から捕まえる 足りない 足りない 足りないよう もっともっと食べなくちゃ わたしは出会いを待っている わかっている あなたが必ずわたしの元へ現れること ほら 来た あなた あなた わたしを見つめてる わたしの大きなお腹 ねえもう日が暮れるわ 寒くなるわ 毎日 少しずつ わかるでしょ あなたはわたしに近づいてくる そうだよ 僕だよ 知っているよ 君は僕を求めてる どうか頭から わたしの腕があなたを抱きしめる ぐちゅぐちゅ ぐちゅぐちゅ ぐちゅぐちゅ ぐちゅ ぐちゅ ぐちゅ おはよう いってらっしゃい 愛してる ---------------------------- [未詩・独白]職業病/チアーヌ[2005年3月30日21時19分] 気がついたら 誰を見ても ママになってた 道に迷った人がいれば 「かわいそうに、いま連れてってあげるね」 転んだ人がいれば 「あらあら大丈夫、泣かないで偉いわねえ」 寂しい人をみたら 「よしよし抱っこしてあげる」 お腹が空いた人がいると 「あらあらおっぱいね」 あれ? なんだかおかしいぞ これは職業病だ! 気を取り直し 考えを変えてみた ほら大事なものを壊して 泣きべそをかいている人がいる わたしはママじゃない ええとママじゃなかったらなんだろう 「あらあら壊れちゃったのね、おばちゃんに貸してごらん」 がちゃんがちゃん がちゃんがちゃん がちゃ ---------------------------- [自由詩]スウィートルームへ行こう/チアーヌ[2005年3月31日10時31分] スウィートルームに行こう 悩んでないで キャッシュじゃなくても カードでいいよ いろんなことに 悩んだら スウィートルームに行こう お金がもったいないだなんて そんなこと言ってたら いつまでも抜け出せないよ 考え事をするなら スウィートルーム リセットしたいときは スウィートルーム どうだっていいことは どうだっていいのだと 納得するには 自分の部屋じゃダメ 何もかも失くしても 大したことはないんだよ 失ってごらん 砂みたいな生活を 必死に繋ぎ止めるような 寂しい作業は今すぐにやめて 失ってごらん 失ってごらん 楽になれるよ だから スウィートルームへ行こう いつだって大丈夫 大抵 空いてるから ---------------------------- [自由詩]醜い期待/チアーヌ[2005年3月31日11時02分] 女だったら ほぼ誰でもいい 面倒くさくなくて うざくなければ だって忙しいから 一年契約の 派遣の女の子に 毎年手を出してる そういう噂 大した自信だね 断られたことないの? ないかもしれないね わたしもついつい 流されちゃった 恋愛なんかじゃない わかってるよ だいじょうぶ 欲しいものなんかないよ とても寂しいとき 携帯番号の最後の数字 押せなかった いつも する前は結構優しいのに したあとは冷んやりとして もう他の事を考えてるみたい 別に邪険にされるわけではないけれど 恋愛なんかじゃない わかっていたけど なんだか疲れちゃった もう少し優しくしてくれるかも そんな期待は 醜いだけ 一年の予定だったけど 半年に変更した 派遣だから問題ない ついでに携帯も変えた 最後の日家に帰ったら すごくほっとした 安らかになった もう考えなくてもいい 期待しないでいい 寂しいときは 何か楽しいことをしよう というかもしかしたら もう寂しくならないかもしれない ---------------------------- [自由詩]朝五時のゴミ捨て場/チアーヌ[2005年3月31日22時38分] あなたが求めている 融合を 与えてあげたいけど それはムリなの 外側があるから ねえほんとは そんなものはないとしても 現実には 溶け合えないでしょ 夜の片隅で 小さな小さな二人だけの空間で 抱き合えたとしても それは体温を確かめあうだけ それだけでもいいと 諦めつつ思うけど だから あなたの思う融合は 与えてあげられない 一度だけでいいから 溶け合いたいね 何もかも超えて 朝五時のゴミ捨て場で 夜が明けていくのを眺めて この世で生きるのはつらいことばかり 何千年も前から みんなそんなことは知っているよ 出会って別れて また出会って別れて 繰り返し繰り返し 生きることに流されるよ ありえない永遠は 朝五時のゴミ捨て場に だから わたしとあなたは 夜明けを一緒に過ごす 溶け合えない 悲しみだけを 生きる糧にして ---------------------------- [自由詩]なぞる/チアーヌ[2005年4月3日23時21分] なぞる ことしかできないんじゃないかな あなたの窪みに合わせて 指先でゆっくりと なぞる あなたの言葉の輪郭を 胸の中の悲しみを 胃の腑を なぞる すると 何かが うつってくる わたしの中に 入り込んでくる 自分で望んだことなのに わたしは 取り出そうと もがく ---------------------------- [自由詩]メール/リトルネロ/チアーヌ[2005年4月6日16時11分] メール メール大臣 反メール メール子 にわかには信じがたいことかもしれないが、育児の最中に、自宅の電話線を抜いている主婦は多い。同時に彼女たちは、インターホンのスイッチも切っておく。これはなぜかというと、子供の昼寝の時間帯に大きな信号音が鳴り子供が目を覚ますことを警戒してのことである。だから、子供を持つ主婦同士は、お互いの事情を汲んでいて、昼間にいきなり電話をかけたりはしない。そこで登場するのがメールである。メールは メール菜 (仮)メール メールごはん メ ー ル メール憲法 トーマス・ウェストランド・メール卿 だからそういうことではなく、そのメール何が書いてあったのか、それだけが問題なのである。そのメールの提出をもしも拒むということであれば、極刑もやむえない。まぁ、それもよかろう。アーネットが斧を磨き明日の用意をしているようだ。今夜のうちに良く考え、メールをプリントアウトしたまえ。明日の朝、一番鳥が鳴くまでにメールが用意できなければ、お前は断頭台の露となるだろう。 メール症 メール師 メール漁 非メール メール伝説 そのメールのために一体何人の人間が苦しんだことか。しかし僕はどうしてもそのメールを手に入れずにはいられない。青白いパソコンの画面に神々しく立ち上がるそのメールは、手に入れたものだけが読むことができ、けしてプリントアウトできない。ダウンロードを重ね、ウィルスにやられ、一体何台のパソコンを無駄にしたことか。このメールが隠されているという噂を聞き、何度糞みたいなゲームをクリアしたことか。しかし答えはそこにはなかった、そのメールは、海外のサイトまで行かずとも、身近な場所に隠れていたのだ。メーテルリンクの青い鳥を覚えているかい?僕は、僕は、なんて無駄なことをしていたのだろう。幸せはこんなに身近にあったのだ。ああ、メールが点滅している、まもなく消えるのだろうか。どうしてなのだろう、涙が止まらない。 ---------------------------- [自由詩]お花見/チアーヌ[2005年4月10日13時33分] お花見 桜の下は ゴミだらけ ゲロだらけ 夜になると 涼しい風が吹き 山のようなゴミが 散乱していくよ 積み上がっていくよ その上で 知らぬ顔をして 優しい顔をして 聖なる花は 音も無く咲く そして音も無く散る ---------------------------- [自由詩]どんなに雨が降っても/チアーヌ[2005年4月10日13時54分] どんなに雨が降っても 傘なんかささないで 道端にうずくまっていたい 夜がある ---------------------------- [自由詩]恋をしたうさぎ/チアーヌ[2005年4月10日14時47分] 恋をして 寂しいうさぎは 死ぬだろう ごはんがいらなくなって 起き上がれなくなって 垂れ流しになって 汚物にまみれて 死ぬだろう ---------------------------- [自由詩]ハーメルン2丁目のコンビニ深夜2時/チアーヌ[2005年4月13日20時51分] コンビニで深夜2時おにぎりを手に取ったわたし ラップにくるまれたそれはお赤飯のおにぎり 2つカゴに入れて白い白い床を 歩いてレジへいく 出口は透明なドア 住宅街の中煌々と明るいコンビニの 外に ハーメルンの笛吹き男が 立っていた わたしは自動じゃないドアを開ける 笛吹き男はそこにいる 笑いながら わたしはコンビニのポリ袋から おにぎりを取り出す お赤飯のおにぎりを 笛吹き男に 差し出す わたしはおにぎりのラップをはがす ぴりぴりと小さな音が夜に浮かぶ 笛吹き男はおにぎりを持ったまま微笑んでいる わたしはそのおにぎりを 喉に詰めながら 2口で食べてしまう 笛吹き男はおにぎりを食べない そしてわたしに差し出す わたしはそれも食べる とてもとても 飢えていた だから おいしい 男が笛を吹き始めた メロディーはd-moll 深夜の住宅街を踊りながら 笛吹き男は進む わたしも踊りながら追いかける 悲しいメロディーなのになぜか 楽しくて楽しくて 楽しくて 気がついたらわたしの後に たくさんの女の人が続いてる みんな笛を聞いて 家を出てきたんだね もう帰らなくてもいいんだよ 楽しいね 楽しいね もう街は遠くなったね どこにでもあらわれるコンビニの前を通り 今日も深夜2時おにぎりは売り切れた 3時半の補充を待つばかり 笛の音は心地よくわたしたちを誘うよ 踊りながら行こうよ 誰も知らないところまで行こうよ もう誰もいないところまで行こうよ 笛吹き男と 一緒に ---------------------------- [自由詩]コーヒータイム/チアーヌ[2005年4月14日17時35分] コーヒーの海を 泳ぐ魚の群れ ごっくん飲み込んだら 体中の血管を 鰯が逆流し始めた もうすぐ心臓に クル ---------------------------- [自由詩]あなたのはなし/チアーヌ[2005年4月16日0時04分] あなたはひとではない あなたにはかたちはない あなたはどこにでもいて あなたはどこにもいない あなたはいるけどいない あなたはいないけどいる あならからとおくはなれて わたしはひどくさみしい ---------------------------- [自由詩]楽園の匂い/チアーヌ[2005年4月18日16時41分] 春の夜は楽園の匂い 夏の夜も楽園の匂い 楽園の匂いは花とココナッツと夜の匂い 大好きな人の体の匂い 体がふるえちゃうくらいイイ男の匂い ふらふらとしていつのまにかしていたいの 考えるのはキライよすてきに擦ってちょうだい 充満する頭クラクラ楽園の匂い 窒息しそうなほど楽園の海はドロリ 水の中にはたくさんのドア ---------------------------- (ファイルの終わり)