榊 慧 2012年6月20日21時23分から2016年1月7日8時42分まで ---------------------------- [散文(批評随筆小説等)]幸せになれ。/榊 慧[2012年6月20日21時23分]  音楽を聴いて不安をごまかしてる。けれど不安は次々とおりてきてわいてきて俺は枕に顔を押しつけておお…おお…おお…ああああ…とうめく。本も読めない。不安が勝って。こわい。つらい。ふあん。  俺の自己なんて意味はなくただ不安と死っていう確定的なものと不安と不安と不安、だから俺が詩を書いたりするのは自己表現ではない。誰かの代わりに俺があなたの絶望引き受けるよ、っていうスタンス。俺、絶望に関しては一流だから。だれにも負けないから。今も心臓めちゃくちゃ痛いしね。動悸とまんないしね。不安で不安で不安が俺を殺そうとしてるのわかるからね。家から東尋坊への行き方までしらべちゃったよ、今日なんか。絶望してる人は一回俺のところまで。絶望押し付けにきて下さい。俺が代わりにその絶望ずっと、一生、抱えていきますから。  俺の絶望?それは世界ですね。現実のすべてですね。生ですね。生まれたときからです。ずっとです。それらは俺をなんとかして不安という形で殺そうとしてるんです。わかっていても不安が強くなると死ぬしかないねってなるんどすけど。だから君たちの絶望も俺はもらいますよ。投げて下さい。キャッチします。ああ不安。不安だ。  生まれたときからね、「お前は数々の絶望を感じて生きろ、絶望に絶望しながら生きろ」ってもう決められてるのね、俺。なんで俺なんだろうね。俺も知らない。不安。俺、一回絶望したらその絶望を流せないんだ。どうやっても離れてくれない。心臓痛い。それでも俺じゃない世界が愛であふれてるといいな、 ---------------------------- [自由詩]踊り子/榊 慧[2012年6月21日11時52分] 踊り子、つま先で回り脚を高く上げる 踊り子、線香花火、落ちていくだけ 踊り子、夏の星になぜ届かないの ああ マーメイドになれるなら、 この両脚、切断して 海の星を探して、 振り向いてって言ってる少女の願い事を叶えるのに 踊り子、若いうちしか恋が叶わない 踊り子、パトロンは若いものにしか興味がないって知ってる、 踊り子、紙風船 さみだれは夜が入っていって色が無くなるその空間、 あんず色の口笛吹いているランボーがもうやめろって 浅い夢を見るな、 この踊り子はマーメイドとしか会話ができないってやっと気付いた朝 気付いた、踊り子だったんだと自分が これから先このままだと信じてた このままだと信じてた ---------------------------- [自由詩]マーメイド/榊 慧[2012年6月22日15時28分] マーメイドは普通じゃない マーメイド、夜の海でしか泳げない、 冬は寒いね。 夏がくるね。 マーメイド、弱ってる、マーメイドが弱ってる 泣いている踊り子がいた。 マーメイドは話しかけた。 うまく回れないから捨てられるって踊り子が泣いている マーメイドはこう言った 「わたし海とか湖で泳げないの。」 私の変わりに海で泳いでごらん、 くるくるくるくるたくさん回れる。ね? 踊り子は泣きながら聴いていた。 「それでも不安なら私の肉を食べさしてあげる。」 「マーメイドの魔法。」 マーメイドは弱ってる マーメイド、弱ってる マーメイドは待っている なにもない日本を マーメイドは絶望した人たちに 「わたしの代わりに夜の海で泳ぎなさい?」 って、魔法の青磁色した鱗をわたす。 マーメイドは、 微笑みながら人が泳ぐ様子を見てる 夜の岩の上で。 マーメイド、弱ってる、 「抱きしめてくれないといや。」 ---------------------------- [散文(批評随筆小説等)]栄螺が食べられない夜/榊 慧[2012年6月24日21時50分]  泣いて泣いて目がでめきんみたくなってて洗面台で下着姿で意味不明なダンスを、原始的なダンスを、無言でダンッダンッダンッダンッダダッダッ…頭を振り乱して、揺さぶる。体重は思ったほど減ってなくて、戻りつつある。どうでもいいそんなこと!  「悲しいなら気のふれたフリをすればいいさ」  胃洗浄したい。ドーナツ気持ち悪い。なんであんなまずいものみんな行列してまで買うんだろう。有名な海外からの支店らしいけど。それ食べたせいでずっとキモチワルイ。  (普通だろうと普通でなくても異常でも恋愛は恋愛に変わりないだろ)  野生の枇杷の実を食べた。さわやかだった。  眠剤飲んだ。  浪人生の友人にさよならと電話した。  レディオヘッドを聴きながら今は身体を激しく振り乱している。ヘッドホンが外れかかる。このビートで生きていきたい。けど死にたい。消えたい。:だれかおれをころせ:足元の布団がぐちゃぐちゃだ。ここは母親の敷き布団。マーメイドは散らばった。  身体を揺する。踊る。踊り子なんかじゃない。昔はクラシックバレエやらされてたけど。おかげでなよい。踊り狂う。ラアーウンドラアーウンドラアーウンド…だんだんだんだんだだだんだアーイアーアーアーアーアーイイアーダウンダーダダーアースリープペアレンツー…メーイビー…ファンキクレイジーメーイビー…  来世では一緒になろうね。ごめん。泣いている。  アーレンウォー…エビシーン、エビシーンー!英語わかんね。別れのあとには新しい出会いなんて欲しくない。さらば ---------------------------- [自由詩]20120624Sun/榊 慧[2012年6月26日17時09分] それが単純な答えなら、 「愛などない」 それが単純な答えなら、ぼくはラズベリーになろう それも間違いないさ。 わすれてみよう 涙ぐんだ水晶にそっと白い布を掛ける。 死んだおじいちゃん、ごめんなさい 「俺は弱虫のろくでなしになりました」 風呂にも入れない 学校にも行けない 脚は痣だらけ、 気のふれたフリをして深夜暗い道で横たわる。 アスファルトは濡れていた ラズベリー果汁の入ったラズベリー色の飴玉 ぼくはそれになって ひとの口のなかにはいりたいよ ---------------------------- [散文(批評随筆小説等)]別にどうだっていいこと/榊 慧[2012年7月9日18時15分]  真夜中に息をしていた。  左の耳がどくん、どくん、とうるさかった。心臓の音はビートを刻んでいた。しんどかった。だがべゲタミンAは飲みたくなかった。以前は五錠飲んでも平然としていたが今は四時間後くらいに寝入り、翌日ずっと身体も頭もうごかないのだった。それはいやだった。合計二日連続で今日で徹夜したことになる。明日もだろうか。俺は普通の身体をしているので夜は眠り朝はシャッキリと起きたい。理想。というか身体、一般より結構よわい方なので。特技は救急車に乗ることです。とかね。六月だけで計三回乗ったよ。  一回目の救急車は腎臓がなってなんたらかんたらなって激痛で早朝に大阪駅で倒れて。二回目は自殺して。三回目は二回目と同じで自殺して。そのときはパトカーもきた。で、なんやかんやされて(三回目の救急車のときの自殺は煙草を二本食べ、一日絶食していたので嘔吐もせずたぶん致死量に達していたのだけれど医学の力的な、)生きています。が。なにか訪ねたいことがあるようなのでそこの君、前に出て発表しなさいな。  閉鎖病棟の(その病院では)保護室という牢屋みたいなところでしばらく。二回目でした。そこに入るの。何も持って入ってはだめでトイレとして使う穴が床と壁に二つ。一人。常に誰かに見張られている。やたら偉そうに話す男の患者とかの声がひびいてくる。そいつは出入りが自由な保護室にいるらしい。隙間から俺の様子をのぞいてくる患者。性別は見分けられないこちらからじゃ。そいつも出入り自由にされてる奴。俺はいっとうひどいというかなんというかなところに入れられたわけだった。  生きる権利ってなになんでしょう。俺、知りません。  いつのまにか七月になっていたらしかった。  真夜中に息をしていた。 ---------------------------- [散文(批評随筆小説等)]あの/榊 慧[2012年7月11日21時17分]  死ぬしかなかったので、一回目はやり方に失敗したと思い、致死量を調べて自殺(自殺未遂となりましたが)したのです。  …今でも本当は何も食べずにへらへらすごして野垂れ死にしたいです。食欲ははっきり言ってないんですけど食べないと医者が怒るから食べないといけないんで食べてます。じゃあ医者に行かなきゃいいじゃんね。俺もそう思うんだけど薬もらわないと、とか。だって薬飲んでてこの状態だもん。小三から自律神経失調症になっていろいろなんやかんや。小五からはじめて幻覚ないし幻視がみえるようになった。いつどこを見ても視界の右斜め上あたりにぼやあっとムンクの叫びの絵が映るのです。俺は美術が大好きで図書館も好きで通ってましたので色んな本(そのときはその年齢らしい児童小説なんか読まなかった。社会のことに興味があった。小三〜小六は。)を読んだ。画集も大きい本を抱えて、自転車のかごには入らないから図書館の机でおじさんたちに混じって見つめていた。から、ムンクの叫びがどういう絵かはすでにそのとき(本物は今も見たことはないけど、)知っていました。周りの叫びが聞こえてきてる。そういう解釈でした。  徐々に弱っていって、そんで仕方なく弱って死ぬ。それが、 ---------------------------- [散文(批評随筆小説等)]自殺依存/榊 慧[2012年7月17日20時37分]  大嫌いだお前なんぞ。  生きていくのに邪魔な古傷があってだから俺は夏でも長袖で。そんでダンスをおどるんだ。あいつを殴るダンスを。ぶっ殺してやりたいよねー。「うぜえんだよ!」  足が痒いのでかいていたら皮膚がやぶれたそんな日に限って見つからないグローブと充電器。ソラナックスを三錠噛み砕いてあいつを殺しにいきたいそんなそんな生き方をしたい。愛とか心とか身体とか、うざいんだよっつって。どうせ才能ないですぅー的な。お前に言われなくとも、ちくしょうちくしょうちくしょう死ね死ね死ね死ね死ね。  「みかんを凍らせたやつだけを食べたい。」  ジャスティスが無いんだよジャスティスが!なあジャスティス?だだだだーん。「OKコンピューター」コードはK-0303。愛してるってガソリンに接吻して頭から被った。ベンジンのにおい。学校ではキハツって呼ぶんだ、火って黄色くって青くって黒くってそんですこし赤いね、ああ二階の床が落ちてきたね、昔あそこで俺とかあさんととうさんとで寝てたんだってさ。そろそろいくね…ってい夢。ずっと夢。ゆめゆめゆめめめmmmmmmm  クリープ。蛆虫。人は誰しも小便と大便の排出口の間から生まれてくるんだ。きたない。  あ  い  つ。 「死ねばいいのに。」  エラー,K-0303はガソリンを浴びて父親のライターをくすねなさい.  エラー,K-0303は死ぬしかないです.  エラー,君は死ぬしかないですって言われました.  エラー,ぼくもそうおもいま・す.  エラー,死ぬしかないです.  P.S.急いで,  死のうと思います。 ---------------------------- [自由詩]カラカラマーメイド/榊 慧[2012年7月19日21時08分] いいよおかしくなって いいよ今日はおかしくなって いいよ今日は死んだって 「わたしは唇にパスポートを咥えたマーメイド」 爪先立ちのマーメイド。 頭からカラカラ 生きてる、意味、カラカラ 爪先立ちのマーメイド 火にあぶられてうろこが光る、 頭からカラカラ 死んだっていいよ今日は死んだっていいよ 爪先立ちのマーメイド マーメイドなんてほんとうはいない頭のカラカラ 「青い並木を咥えてる」 「ありえない夢みて咥えてる」 頭、カラカラ。 「わたしはむかし音楽だった」 剥がれたうろこ光る数枚 「現実を愛せないから死ぬんだって」 誰も見てはくれないカラカラ 爪先立ちの、マーメイド いいよ今日は死んだって いいよ今日は殺して、(懇願) 冷たい夢みてる いいよ今日は死んだって 殺したって、壊したって、 冷たい、壊させない。 いいよ今日は死んだって、殺したって、 君の後ろに立っている、 ---------------------------- [自由詩]僕のいない朝は/榊 慧[2012年7月22日18時04分] 僕のいない朝は かすかな風の音のように、 「わたしは決して幸せを含んだ思ひに出遭ふとは考へてゐなかつたけれど」 予感する酵素 僕のいない朝は 「空しくわけようとするぼくたちのまなこが繋がれてゐる」 非情のともだちとあそんでいるように。 あおくてきれい、 「指揮官たちの特攻」 「終戦を知らないまま」 飛んでいく氷の柱とプラムの種 なにも変わらないものがあるということと、 僕のいない朝は よるべない虚無。 ---------------------------- [散文(批評随筆小説等)]お前にわかるか/榊 慧[2012年7月30日0時24分]  よるべない虚無。 「もう生きていたくない」 と言語化しろといわれたので言語化してみるがやはり「もう生きていたくない」のであった。生きていることが苦痛なのだ。六歳から生きていることが苦痛だった。人は生来マゾヒストなんだなと中学生のとき思った。苦痛なことをみなやるからだ。しかも、継続的に 。ひょっとしたら俺だけ?そんなわけないよな、だってこんなにも「生きていたくない」んだもの。  「よるべない虚無。」  愛するとか死ぬとかどうでもいいっていう世界にいきたい。俺は生きていたくない。もう。金輪際。壁に足を打ちつける。痛い。痣ができる。痣だらけ。  ぽつり。「死にたい」ねえほら、伝わらないでしょ?わかろうともしないでしょ?「死にたい」よ。なんてね。で、なんてね。すべての重さから遁れて生きれてならどんなに幸福かしれない、阿呆かもしれないが幸福かもしれない、けれどそれができないから俺はもう生きていたくない。うしろ向きは生まれつきです。うしろとまえとがわかりません。まっすぐ歩いたことがないから。まっすぐ歩けたことがないから。暗い夜のうちに/みずうみまでも覆ってしまう、「よるべない虚無」。その救済について、の、アンサーは見つかりません。死ねばいいのにっていうやつとかいるからね。  眠れない:よるべない虚無によって。  なんの眠剤飲んでもねむれません。なんの薬飲んでも病状が良くなりません。こんなときに電話をかける相手がいません。アンサー:「さっさと首を吊れ」。親に死にたいって言語化しろって医者に言われたから言語化してみたら、シカトされたし、よしうん死のうって親父のベルト結んでガレージで首吊ってああ視界が白い花火みたいだっ思ってたら親にベルト勝手に解かれた。何してくれるんだ。死ねって言い続けたあなた方の為にも死のうと思っていたのに、ちょうど俺も死にたかったし生きていたくなかったし、ほんとちょうどよかったのに。「カワサギがとぶぜ黒いハイウェイ。」  よるべない虚無で今夜も痣をつくる、よるべない虚無のアンサーのないカワサギは殺さない。 ---------------------------- [自由詩]口紅/榊 慧[2012年8月20日6時12分] コンディションが成功していてこそ神の存在証明が成り立つこの世界 っていうのはおおげさ? だってあんたらちっとも走らないだろう ショッキングピンクと黒のバッグで平気に闊歩していたおれさま もっと濃いピンクのバッグに変えました 赤もあるぜ、 サプリメントなんて捨ててしまえよ あんたにはきっとなんにも見えないだろうけど そんなに言うなら博愛主義を唱えてやるよ あんたにはきっとなんにも見えないだろうけど オーバードーズしないで歩いてやるよ ヤスパースも吃驚な現代ってやつ? パンより米で 酵素が足りない 血液が薄いらしいけどぜんぜん痩せちゃいない 指揮者がいない! ふらふらした短歌 意味がないとだめなのかい くさの花 マネーも傷も足りてないんですおれ、 買い物依存症 素敵なカメレオンねあんた あんたにはきっとなんにもみえないだろうけど オレンジの口紅を塗っていってやるよ ---------------------------- [散文(批評随筆小説等)]20120831/榊 慧[2012年8月31日14時58分] 2012/08/31 14:53  家の洋服という洋服、下着、タオル、布をめちゃくちゃに投げつけ、広げ、収拾がつかない状態にしたのち取り押さえられ、そのとき傷口が開き、なおも取り押さえられ、格闘した。そのご家中を水浸しにした。  全ては、8月30日午前5時に突然、脈絡なく届いたの二通のメールにより、耐えていたものが耐えきれなくなったためである。みせしめにこんな命死んでやろう、そうしたらあいつも目をさますだろう、と。  近江神宮の宮司さんの推薦により、短歌界では五誌に入る結社に入ることが決まった矢先のことでした。  鬱の低空飛行で風呂にも入れず、しかし何年かかろうと技術を身に付けて真面目に生きてやると決めた中でのことでした。  今家中を水浸しにした際に自分も水浸しになり、しかし面倒でそのまま布団に入っているところです。  さようなら。現在ヒモの嘗ては俺の恋人だった君。お前は最後まで最低な奴だったと言えば、喜ぶんだろう? さようなら、あんたにはなんにも見えないだろうけど。 ---------------------------- [短歌]真冬/榊 慧[2013年1月22日5時01分] 冬の田の真白い雪をほおばって意味ないことをしているおのれ ---------------------------- [散文(批評随筆小説等)]バウムクーヘンを食べながら/榊 慧[2013年1月29日22時13分]  ギターを掻き鳴らして歌う青年と少年が死にたいらしい。けど俺にはどうでもいいそんなことっていう世の中に絶望とかしないむしろ飯の種な人間が多いよねってスルメ食べながらテレビ見てるお父さんに殴られた夜。  あなただけとか生きていけないだとか言ってやらないよっていう女の子に生まれた私は別の理由で自殺する。君がいないからとかどうでもいい爆ぜろ死ねくたばれ。愛すべきものは死、すなわち詩、もしくは哀憐… 死に晒せばいいのだ、なにもかも。  どいつもこいつも自分も。あなたわたくしそいつ。大地が求めた男。なんていないけど。俺も男だけど。どこらへん?あのへん。っていう性別認識と早起きの彼、「愛すべきものはない」みんな死ね死ね死ね死ね死ね。死ねって言いたいだけなんだよみんな。かわいそうだね。  ワン・ツー・スリー・ゴー。「お父さんお母さんごめんねぼくグレちゃったパパママごめんねヤンキーなりたい。夜道にマフラーきかせたいんだ ノーヘルでバイク乗りたいんだ 二ケツしたいんだ。」  あいつも自分もどうでもいいわ! ---------------------------- [自由詩]星/榊 慧[2013年2月4日17時34分] 眠れない夜のために 知らない夢をひとつ 吹きわたる夜のねこに接吻を 皮膚病の排泄物 とろける果実のキャンデー。 ---------------------------- [自由詩]雪降る音は遠い/榊 慧[2013年4月2日21時14分] 約束の上 汚い復興、羊の数をかぞえて。 積み重ねた崩れ落ちた 滲んだくらいのダイヤモンド なかんづく相対死するほどの 黒い洋傘と英霊は時雨になった 憧れてた世界は現実的に生きているオレンジのノートは過去、 あの人、 「約束を破った」世界。 星と半月と海と雑踏の夜 ドライフラワーの欠片。 揺れ揺れて 目をそらした 赤とんぼがとまっている日 木枯らしが泣いている日は 遠い人が作ったモヒート 誰も気付かないもののけ 雪解けを入れて滅した人魚の日々。 「メスカリン」 ---------------------------- [自由詩]君/榊 慧[2013年4月8日11時12分] ロディアのノートに火をつけて、 火をつけて、 火をつけて、 火がつかない夜は 僕の小指を噛んで食んで一緒に濁流に行こう 「百億個の太陽を君と一緒に抱きしめた。」 「百億個の太陽は俺だけを燃やしてしまってる。」 「君の精子と俺の精子は百億個の太陽で、そう、燃やされた。」 「砂漠になった」 「砂漠になった」 学習しろよテスト受けろよ試験に受かれよ「俺のノートはあげない。」 指先 ゆびさき、 ゆ、び さき、ゆび、さ、 言葉の歌もいらないあいあいあいあいあ 誰の歌もいらない、 「ノート、ページ、めくる、右手」 「それが揺れるだけ」 (地下鉄に轢かれてしまえ。) ---------------------------- [散文(批評随筆小説等)]隣で死んだように眠っていた横顔は/榊 慧[2013年4月9日12時55分]  俺にも誰かと付き合うという機会はあるもので、大抵相手のその寝顔を見ながら夜を明かした。俺は眠れないことが多かった。  寝たいか。と、問われればイエス。  俺を殺せ。が、アンサー。  ゆううつが山ほど降って山ほど落ちて積もってる。「アイスをいくつ食べれば消える?」昔の科学者達は陽気だったのかそうでないのか俺は陽気な科学者になりたかった、無邪気で罪のない(ように見える)科学者、に、なりたくて春。象牙の塔。:象牙の塔には死んだ春しか住んでいない:  ……信じてはいけないよ。さわると雪が寂しがるから。地上のものはやがて地下へ浸透してゆく、しかし地上にしかないもの、それもあってちらりちらりと揺らめいて身籠る。大きすぎて欠けるものを俺は知らなかった。(上を見れば、蛍光灯が眩しいのです。)    誰もが当然のように受け止めて消えた(当ての無い何かが、)。古い知識ですら煩わしいのだ、こんなことになるとは誰だって思わないだろう? 悲劇的浄化に浸りたい夜だってあるんだけれど俺は目を閉じても眠れなかった。なぜかいまでも終わる気配は見つからないまま地獄はその交差点を右に行ってみてそしたら、  確かめる。呼吸を止めてもなにも変わらないけれど俺は呼吸を止めたままいつか眠れたときの夢の中で彼の人のくちびるにふれる。ちらりちらりと揺らめいて身籠ったのはどちらだ?どちらだ?身籠りたいのは?目を覚ましても気だるいだろうから俺は目を覚ませない振りをしている、止まってしまえ。俺が悪いなら逃げさせてくれ。……迫ってくる。息が荒い。さわるな。「殺したりも、する。」誰を?  何かがつけた影に傷つけられて、光る、隣で死んでいたように眠っていた横顔は過去でしかない、右手の爪を立てて裂いていく。動かない。裂く。「過去。」矛盾。 ---------------------------- [短歌]似合わない/榊 慧[2013年5月30日13時04分] 百均でキキララグッズを買い占めたい マイメロディもキティーちゃんも ---------------------------- [自由詩]「金だせや」/榊 慧[2013年7月29日2時18分] 日付変更線の相対死する朝に 僕はSTUFF 「また会おう」 朝また会おう。 ひばりは飛べない園に AGE. 「そういうしつけの悪い子はいるとおもいますよ。」 ほとんど手紙が来ないのです、と、泣言、戯れ、 相対死する朝に許しを請え ---------------------------- [自由詩]フューチャー/榊 慧[2013年7月29日3時21分] 象の柄の蓋をしている赤い色の練り香水、 透明の香水。 「ありはしないと思いながらきらり」 アラウンド・フューチャー。 ジャスミンの効能を数え上げて寝て死んで起きると朝、 (思い出さない) (ありとあらゆる) (アラウンド・フューチャー。) ---------------------------- [自由詩]虐殺する者/榊 慧[2013年11月26日20時37分] 使いにくい中古の中国製ノートパソコンを持っては籠もる俺は間違いなく取り残されたこども. 作法を教えてくれないかって 作法って、 ポカリスエット含んでから君に話しかける「ボリューム足りない?」 こどもは歩く. 君はなにも纏わないで逆立ちしてはこちらを見るけれど答えられることができやしないそんなものを煩わしげに捨てろ! 平均年齢十七歳の彼らのいとしいいとしい恋人。 わたしは彼らの虐殺者、 急激なスピードで落ちる夜にも 若さのあらわれの 舞い落ちるさまざまなキラキラ。 くたびれた服 猫の踊り場にて. ---------------------------- [自由詩]H2O/榊 慧[2013年12月29日8時56分] まっくろな まっくろな あおかった 世界中がブルーに染まってた 海になる。 じゅじゅんだ叫びを 置き去りにされた まっくろが ころがっていて 浮き沈み 変わっても えいえんに止まらない 衝動が 信じたい 信じたい おのれも 噛り付いた 世界中がブルーに染まってた きれいだと思った、 素面の箱にただひとつ あいしてる、いまでも、真夜中、あおかった きれいだと おもった このまま飛び降りもあおくなって バタフライ さようなら。 かじかんで、 紅玉が好きで うかべた海になる ---------------------------- [散文(批評随筆小説等)]貝殻虫/榊 慧[2015年8月29日14時14分] ゆきゆきて。みてーな感じで夜が明けたのは幻想で眠れないまま私は午前四時を認識する。ぬるついた顔面、なにも期待できない台風、消散したアイデアと期待。 「生命という認識に意味はあるの?どれもこれもただの道具でゴミではないの?」という疑問を抱いてはいけませんといわれた過去を捨てきれないので現在いろいろ悲観しております。恐れ入ります。 「生命に意味などないよ」 そのとおりじゃないの? 愛、ラブ、ラブ&ピース、ピース、そして研究室。愛なき世界じゃだめ?と愚問にされる人類もいるという認識。認識の認識による破壊行為、そして月桂樹を思っての行為という名の暴力。貝殻虫を駆除しようとするわたしは世界の脅威に他ならない。暴力がきらいだといいながらも貝殻虫を殺戮してしまうわたしの両手をだれか撃たないかなあと思って貝殻虫をこそぎ落とす。ばかじゃねえの。ばかだよ。死ねばいいのに、わたし。幼い自意識ははやく淘汰されるべきなのに、なぜ、なぜ、なぜわたしの暴力をゆるすのですか神様。死ね死ね死ね死ねって思うことすらせず貝殻虫を死なせるわたしの認識。だれも幸せになりませんようにって思うことすらせず夜が明けたら私は死にたさを認識するだろう、みんな死にますようにって、その「みんな」ってどういう価値基準で選んだ範囲? いくつかの不幸は仕方がないの? この世は広いから? いくつかの不幸は仕方がないの? 貝殻虫を殺戮するわたしは「正常」? どうして? どいつもこいつも自分を含めて呪うしかないな、の、「どいつもこいつも」の選定基準はなに?  真摯に素直に殺戮をくりかえす。 貝殻虫にわたしは恨まれて呪われるだろう。 ---------------------------- [自由詩]花と星と呪い/榊 慧[2015年8月29日14時29分] なにものでもないけやきを伐採 わたしの血はながれないでほしい いろいろ恨むことをゆるしたわたしは どの花もゆるせなくてころされた 嘘偽りないものをさらす日々 恥しかない 生きても生きてもなんにもおどれない わたしは戦場にすぎないと、 それがやさしい物言いなら 不思議な 星に 不思議なもの が 存在して それが不思議とふえたりも して 不思議なこと に 連続していって だから 不思議 に 終わるのだろうって 私は私による要因で 誰か と くらべた 美醜などは 少なくとも このとき 問題でない 永遠に階段で 永遠に永遠 を 重ねてシーシュポス的な ふざけ方 を さらすわたし あなたがたはなぜそうも攻撃的なの? って さいごまで訊けないわたしをのろえ ---------------------------- [自由詩]散って野/榊 慧[2015年9月25日12時08分] 「車窓より」 つばめが飛んでいる 枯れた木の上 民家がすき間をうめるように 直角平行の、 この時期田んぼは茶色、 僕が死んでも。 象牙の塔 俺か世界か、 俺と世界。 外、立つ半透明の霧が言う、 「死ねるぜ」 目線は飛ぶ飛ぶ 俺と世界の、 台形 の 上、 ひとり、 坂だ あわい坂だ 青磁色の 白っぽく枯れた 植物ら の 植物ら、 を 土となるまで 野である。 ---------------------------- [自由詩]星をとりかえす/榊 慧[2015年9月25日12時24分]  大嫌いだお前なんぞ。  生きていくのに邪魔な古傷があってだから俺は夏でも長袖で。そんでダンスをおどるんだ。あいつを殴るダンスを。ぶっ殺してやりたいよねーってマゾッホ気取りのエトセトラ、男、「うぜえんだよ! 」  足が痒いので掻いてたら皮膚がやぶれたそんな日に限って見つからない撲殺グローブ・充電器。ソラナックスを三錠噛み砕いてあいつを殺しにいきたいそんなそんな生き方をしたい。短調の曲だけを聴いて躍ってタランチュラで死んで黄昏て。さようならブルース。愛とか心とか身体とか、うざいんだよって。いらないんだよって。どうせ才能ないです的な。お前に言われなくとも、ちくしょうちくしょうちくしょう死ね死ね死ね死ね死ね。マッハで飛んで空とひとつ、わかる? わかってたまるかお前なんかに。  「みかんを凍らせたやつだけを食べたい。」  ジャスティスが無いんだよジャスティスが! 飛び出した円盤模型妄想も、でも冬は空から恋文「OKコンピューター」あの星には一度行ってみたい。コードはK-0303。愛してるってガソリンに接吻して頭から被った、ベンジンのにおい学校ではキハツって呼ぶんだ、火って黄色くって青くって黒くってそんですこし赤い鳥、(なぜか今日は写真なんか撮らない気がする)ああ二階の床が落ちてきたね、昔あそこで俺とかあさんととうさんとで寝てたんだってさ、そろそろいくね……っていう夢。を みてるよ君。って夢。叶うはずさモヒートの青、ゆめゆめゆめめめmmmmmmm  ……クリープ。蛆虫。人は誰しも小便と大便の排出口の間から生まれてくるんだ。きたない。  あ  い  つ。 「死ねばいいのに。」  エラー,K-0303はガソリンを浴びて父親のライターをくすねなさい.  エラー,K-0303は死ぬしかないです.  エラー,君は死ぬしかないですって言われました.  エラー,ぼくもそうおもいま・す.  エラー,死ぬしかないです.  P.S.急いで,  死のうと思います。 ---------------------------- [散文(批評随筆小説等)]「アディオスしたい欲求が不満です」/榊 慧[2016年1月4日15時30分] 「女郎なんかしているから。金を買ってやったのよ。」  私はやりたくもなんともない。憤り。一月上旬の空気の乾燥で唇の端が切れて痛いと声をあげるこんなことしか言うことができない人間はただそれまでの人間でそんなのを抱いてやる世界観。何かが嫌いだってね。知らねえよ。  執拗に繰り出されるサーカスみたいな所詮異端児にはなれない思い上がり自傷患者みたいな。女が嫌い。男が嫌い。人が嫌い。世界が嫌い。自意識が嫌い。言ってもどうにもならない。  死ねババア。  死んでやる死んでやるって喧しく唱える私は消えた。不自然のなかで。不必要な言語を吐いて自分に自分でわざわざ泥を塗る日々。「他人を変えるのは行動だけなので私は死ぬという行動を選びがちというだけに過ぎない」「わかるよ、私も、なんか私が宇宙人みたいだなって思ったことある。文章を書くの、私は体力いるみたいで、要は怠けてるんだけど、書くのを持続する力が無さ過ぎてなんにも書き終えられないの。」なんにも書き終えられない日々、書き終えられない人生! って誰かが叫ぶ。それは私。爆笑。  まだらな肌の色した私が鏡にうつる。今日も私は私を私だと自認できたけれど満足できなかった。当然だった。言葉足らずで言葉が過剰な私は今日もスタンダードになっている無理をして不条理。疲れた。アディオスしたい、アディオス。しかし日々は連続していてそれは私にも理解できて人生って連続だしどいつもこいつもくたばらない。マジ死ねって気分って言われる。アディオス。  スルメを意識集中させて噛んで噛み切るブラボーわたし!ガラスペンのガラスのペン先を洗ってきれいにするブラボーわたし!けれどそれらはまやかしだ。  消しゴムを彫りながら考えていたのはテロり方。私は盛大なる自爆をしたい。誕生日に通っている精神科を急遽たずねべゲAを処方してもらう。当直医の先生の眉毛を見るように私は意識をもっていく。飛ぶ意識、飛ばされる意識、殺し合いにならねえな!なんでかな!殺し合いにならないのは不思議だな!  つぎの日、日記帳を買いにいけなくて唸る髪の短い女はアディオスできなくて死のうとしてた。   ---------------------------- [散文(批評随筆小説等)]強いていうなら/榊 慧[2016年1月7日8時42分]  このB級の指先で合成の調整の声を断絶したあとの日暮れでジョージ・コックスを汚す。なにも仕留められない、仕留められない、消毒液を浪費しては自己嫌悪/ユニクロからのメールマガジンを読んでTシャツが見当たらない夕方を浪費して四列シートの夜行バスに乗る私は生き永らえることができやしない。 否定性の劣化を止めたくて炎。汚れたベンジンに着火したら汚れた炎? 死んで詫びてさしあげます。さしあたってはこちらで血を流してください。左手の中指の指先の部分の皮膚が一番傷んでる、そういうわたしをわたしは好きになれないまま今度もまた春がくるんだろう。好きになれないものたちをゆるすことができるのか? わたしはなにをゆるせば満足していただけるんですか? わたしはなにをゆるすべきなのですか?  死んで死んだ自殺直前日記。髪をギャツビーの脱色剤で脱色する。キューティクルは当たり前に死ぬね! 愉快だね! ゲッタグリップのエンジニアブーツを昨日修理に出しました。わたしはまだ生きていやがりました。胸糞悪いです。  剪定されない山茶花の木を悼む。人間というものになりたくない。  誰にも彼にも嘘、嘘、嘘! 虚構を重ねて生きているだけの鬼畜! わたしは殺意をころせなかった。その時点で敗北だった。見向きもされなかった。だがそれがどうしたというのだ、わたしはそもそも人間さまであったというのか? おこがましいね!  キウイフルーツを握りつぶしてころしあいして死ぬ以外の選択がありません、かみさまお腹がすきました。朝焼けをにらんで雑草を踏みそれを謝るわたしゴミクズ。わたしの城には栄光は近寄らなくていい。涙、涙の紙の本。おまえなんかに誰が見向きすると思うのか! はいそうですねごもっとも。わたしはもうだれとも関わりたくないと毎日毎瞬おもうのに、わたしは人間にみえるらしくて人間らしく関わってしまうけだものです。黒いセーターとジーンズ、人間のように見える容姿。なにもかもがきらいです。わたしはなにものにもなれないし当てはまらないのですぐさま飛び降りて身を捨てたい所存とやら、です。 ---------------------------- (ファイルの終わり)