唐草フウ 2016年7月14日9時21分から2020年5月25日4時53分まで ---------------------------- [自由詩]ナイトシーズ/唐草フウ[2016年7月14日9時21分]   夜が終わりかける頃に 突然迷子になったきがして  膝を抱えた幼子が 母の帰りを待つような   糸口のカギを持って出てきてくれる 森の中のリスを待ったようにして  だけど現実は 鏡を見ながら思いがどんどんあふれてくる   どうしようもないこと 先のこと  ぽつぽつと、 さみしさは埋まらない     そんな種をまき続けて   ポッと、ひょんなときに芽を出す     思い出した時に    ひとりの夜明けにつながる 安らかに寝息を立てて眠りたい 眠りに入るまで やさしく見つめていてほしい ときどき そんな夏のはじまる夜 ---------------------------- [自由詩]これから/唐草フウ[2016年9月17日7時05分]  おとといまでのわたしは、 体の中に竜巻が PEAに似たよな太陽のかけらが グルグルと細胞に滲み入っててました そんな気がします  酷暑の中 わたしの腕はずっと 燃えつづけた ああ。ああ。  あ、き、というだけで 足のつま先から 熱がするする奪われていきます そして新しい季節との境目に 戸惑いの これからのことなんて わかんない わかんない・・・ そう呪文しておけば ほんとうの先が安牌な気がしている それだけ    叫びたいことがあっても 海際では 聞こえてしまうので 遠くから見つめるようにする 見つめる、だけです ---------------------------- [自由詩]ふっと/唐草フウ[2016年10月16日19時45分] 眠りにつく一瞬で 大粒の雨が降る それは幕の下りる拍手カーテンコール スタンディング、、 電波送ル勇気 ・・・伝播ローディング 十字架をこっそり胸に守りながら ここにきて 攫われるコール 1人ボート、オール そしてスコール 誰も見てはいないよ 瞼をしめる まつ毛を占う 生きていたのかいなかったのか 仕かけられて 闇がほらひざかっくん ---------------------------- [自由詩]ちりばめて/唐草フウ[2016年11月9日3時45分] 生まれ出る暗闇を スリッパで歩く 冬の イルミネーションはもう、海に沈んでしまっていた ほしの形をあしらった 知恵の輪を あつめては ほどく 少年の眼 それを見つめているたくさんの女たち 眠る暇がないほど 押し迫っているのは 舟の時間か それともともに千切れ倒れるまでのリミットか 例のストールを巻いたまま 外へ出て 帰りを待っている どこに帰るかもわからない あなたの棲む家 わたしのことも きっとわからないだろう 薄暗い朝 デッキからわたしは 海へスリッパをけり飛ばした ありったけの ---------------------------- [自由詩]しずく/唐草フウ[2016年12月17日4時45分] おだやかになるべくあたたかいきもちで いきてゆけますように そんなことを誰にでも発信し続けている エゴのしずくをふりまいて 誰でもいいわけじゃないけど 誰かに言われてはっとすること 「元気?」のひとことで 胸のモーターが回りだして 頭のスポンジからにじみ出る、また所在無いしずくが、うれしかったこと ほんとうは、とても 風だって好きで冷たくなったんじゃない 答えることのない本当の気持ちを聞いてみたい 気もちになる 哀しい反応にも ばれる笑顔で寄り添ってしまいたい そういう夜のしずくに包まれて 朝を待つ ---------------------------- [自由詩]フトウ(よる)/唐草フウ[2017年1月24日5時00分] しんしんと細い雪が 透明な肩に着いては じんわりと広がり どこかにとけていく もう我慢しなくてもいいんだよ と、いう時間になって わたしの大切なところが痛みだす 時は止まったまま あなたは歩き出さなければ、と 舟を曳く どこへ行こうか 真顔で言うから 舟だと歩き出せないよと教え たどたどしく引き返す 砂のティーシャツに花火 燃やしても覚えている 喘鳴の火の粉が舞う やさしかったものは星になりやすいんだってね 握りしめた拳はあまりにも遠い 冬の空だった ---------------------------- [自由詩]マスク/唐草フウ[2017年2月12日6時17分] こん夜 つけて寝るためのピンクのマスクがある かの女はいま どんな心の中の秒針を回して 何を燃焼し拍動し続けているのか 考えたりする 答えはどこにもない 海にも空にも星にも そしてここにある 花にも たたかいごとが好き 火種を拾うことも好き そして嘘も大好き やけぼっくいは捨てたり拾ったりもする 車窓に見える景色の先 アイライナーの筆の先 死角のあるブロックの先 感情をあるふりをする  感情を消すふりもする 悪いことを悪いと言いながら 悪いなんてちっとも思っていない 一日のごみは夜空に捨てて ”あんもくのりょうかいのじゅもん”を解いて寝床へと消えていく ほんの少し残っている精一杯のやさしさについて 考える かの女の立ち尽くす陰のあしもと か細く所在無い声 その奥に秘めた悲夢 を装った、 アップデートできないままの 上書きできないままの 被弾した服のやり場を 答えはどこにもない 星の中にも布団で泣いても 検索をしても出てこない そしてわたしはこの口を抑え守る ピンクのマスクを耳にかけて ---------------------------- [自由詩]チムニー/唐草フウ[2017年3月20日6時21分] そうだなあ と ふかす 何ごとに関しても そうだよねえ と 啜る 時間をそしゃくするごとに そういうことが増えた、 何もうまれてはいない 何もかもが産まれて、空までたちのぼっている 孔のなかに埋れている むすんだ組紐 だれかが四六時中ほって 層が崩れて ぶつかる・・・! (わたしの夢のなかで 高架下の電車へ飛び込んだあのひとは いま、生きているだろう わたしのことなど知らないで たぶん、いっしょう) そういうこともある と 括ってしまった時 心につめたいお湯が ともしびごとサーと勢いよく排水されてしまった ---------------------------- [自由詩]タペストリー/唐草フウ[2017年6月9日4時24分] 梅雨になって 雨がすきな 人もきっと そばにたくさんいるだろうけど いまは 青い空がすき 心が浮かび流れていきそうな どこまでもファルセットが続きそうな 目を閉じてね 何色でもいい、無地だらけの中に もたれる つつまれるのは 無音の笑顔で 手持ちぶさた 扉を右に 左に回す 開けることはないドアの あなたに逢うことのないドアの 今日もあの ガードレールに 花が添えてあるところ ひと時さらわれる また過ぎ去る ・普段・ ・モノクロームな幻夜・ ・白くおおきな国に頬が照らされるとき・ ・夢・ ・記憶の意味・ それぞれのかけらを行き来する コラージュ まだ夏になるには早い 眠っているには惜しい 青い空が現れる時まで 繋げては、手放してる 細い星の色の紐たちを ---------------------------- [自由詩]瞳夏/唐草フウ[2017年8月20日5時21分] (ねむっているように、うつろに開いて  よこたわっていても、私には見えてる) 瞬きで合図をくれていた 感情もなぜかくみ取れた そんなにあふれていたんだね 枕元にたくさん落ちていたよ  心配しなくていいよ  瞳孔(ひとみ)のおくにある望遠鏡  たくさん景色を見て夢の旅をしたね  こわいやみの色・怒りの火  そのうち静まる、静まる波がくる 「おーい、だいじょうぶかぁ」って 、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、 瞬きで過去を落とし流している いまをまっすぐ見つめるために 風とともに塵が入る痛み このくらい全然たいしたことない 足元には気もちの夕立が激しくたたきつけるけど 肩まで落とすわけにはいかない  一日がとても重くつづく  知らない赤ちゃんのまなこのなかに  きらきら大きな星がいた ---------------------------- [自由詩]ほろほろ/唐草フウ[2017年10月21日7時09分] 思い出を 思い出さないようにと思いながら 今朝も起きて食べて現実と歩いている 寄せるしろい 腕が 知らない世界へさらいに来て 巨大なしろい フォークが ざざざ、と遠のいて それをじっと 見ている こころに触れるとあぶないよ すべてを知ろうとしなくていいんだ 膝で立って 砂が泣く あいなど、なくていい この小指をいま、 あなたとつなげられていれば その少しの皮ふだけで 眠られるのなら たくさんの、しろいスカートのフリルが 優しそうにゆれて迎えに来て つやのない 白い髪が しっしっと追い返すように 掃いてくる それを じっと  今は 乗り越えるも飲み込まれるもない ただ現実と時間とともに歩いている カラフルもモノクロもない 造っているわたしの中で こぼれながら ---------------------------- [自由詩]t4u/唐草フウ[2017年12月11日20時19分] 寒い夜も 夜にも そばにいてくれる ただずっと黙って 次の涙と光を待っている 必要な情報も 必要じゃない情報も すべてこの目と耳と手が 躰が 掴んで吸い込んでしまう その中で気をつけながら 言葉の血液浄化装置のなか ぐるぐる ろ過しながら  滞らないで、流れるように でもね たくさんの不純物 あああ 今をいきていくには とらわれることも必要で いつもいつのときも 纏わりついてくれる わたしから出た 棄てたもの 棄てるから 新しく掴める それは人生とか明日とか会いたい人とか 着てみたいワンピースの色とか 静かな夜も 夜にも そばにいてくれる 未来に連れてって 心など置いて、どこへ行こう ---------------------------- [自由詩]いとなみの川/唐草フウ[2017年12月27日8時55分]   川が近づいてそっと入っていく 金属くさい くさい 私と その鎖のつながりあるところまで この世が終わるなら私ひとりだけ終わっていいと いつも思っていた        いつも思っていた どんな流れでも私は魚になったようでなれるわけはない 手のひらは鰭と化すようで一瞬のうちに骨になり砕けていく 御免ください お待ちしています 誰を? 私の知らない川のなか (いいえ知っているはず なぜならばここは) 奥底で招き引っ張る手はきっと幻視だろう くるくるくると回ってる 「あなたはいい人ね」 いいえ私は夢の中 誰かのラップフィルムになっていただけです 温めたり冷やしたり包んだり便利だっただけです 終わってしまえばただの紙の芯 ふやけて 誰かここから釣り上げて 針が見つかればよろこんで咥えます ただ難しい演出家のひとじゃなければいい かんたんに息を絶えさせないよと言わない人 流れが解決してくれるよとは言わないで 川なのに波が誘っている 波の中に個が 子が たくさんいる 本当になりたい姿への切り札たちだよと手を振っている 私はもうその中へ入って掴む程の気力がなく 釣り上げて打ち上げられたまま 意識の滑り落ちていくのを待っている   ---------------------------- [自由詩]夜へはこぶ/唐草フウ[2018年2月1日14時09分] ( 通過します 流れます ) 月の音 しずかに 越えて 角から変わってゆく 白が舞って 瞳が生まれる    また生まれかわって チャームがふりかえったり いまの形 どんな温度 茂った 森をとじて 飲みこむ 時をはきだして  午後のこと  おしえて  うしろのボタンの位置みたいに こすれた あしの窓辺で かげがつんざく  しらない  しっていて てんめつ すぐそこ ピンクとブルーの 待ち針たち また出会える   出会う 止まれば きまぐれに 噴霧する 名残惜しそうに 交叉する 閉めたチョコの中 ---------------------------- [自由詩]こたえのない曇りの日に/唐草フウ[2018年2月19日14時48分] 紙を破いたら 鳴りやむことを知らない 何度も何度も波が 静脈から動脈に往復する 黄色の傘を置いて 小さな傘を置いて 歩いてきてしまった わざと忘れてきてしまった 日常は全然ゆるしてくれて だれも知らない顔たちは咎めない 帰ってきたわたしは折り返しの照明スイッチを付ける ペタと座ってぼおっとする 飛び越えた水たまりのことを あの傘のことを 思い出さない日のことを ---------------------------- [自由詩]三月の花摘み/唐草フウ[2018年2月24日3時19分] もうすぐ日がめくれ いくつか数えた頃 かの女はバラをたくさん落としてきたが もうプロポーズされることがなくなったからと 時ごと綿毛に包んで 夏の来ない春に明け渡そうとしている かの女はいくつかの いのちのしぶきを 空へと見送った 立派に働いて でもずっと 何が欲しかったのか むすめだったころは 薄い手紙を交換するだけで 温かく 解りあえている気がしていたけど 口紅の色は違うのを今は選ぶのだろう 制服の紐はもうとっくに溶けている たがいに わたしたちにはまだ 大きな芯がある でもそれは椿のように 花ごと落ちる日が突然来るかもしれない きこえのいいものだと思われるけど それはうつくしいものなの いつまでも ---------------------------- [自由詩]/唐草フウ[2018年3月11日17時39分] 約三時間前にサイレンが鳴った そのあとやけにテンションの高いリサイクル業者の声が一帯を過ぎる テレビをつけて相撲中継 七年経った 母は画面に正座で向かったまま 頭を垂れて舟をこいでいる ---------------------------- [自由詩]うらうら/唐草フウ[2018年4月11日3時53分] いちごみるくのいちごとみるくをぱっくり分離した色の 花は散っていったけど 四月のバリアに張り付いて流れていったけど またね ありがちなころがる嘘につまずきたくて、 だけどおとなの誡めや諦めが雪崩れてくるから 例えば卵の中に わたしが入ったら あなたと二人で入ったら おかしいな 何て書いたかわからなくなった 東風に消えた寝息 想像が春に侵されて 深さのない池の水面を泳いでいるよう 泳ぐよりも浮かぶ あっ 今年の葉っぱが映って 後ろ髪が緑に沁みこんだ ---------------------------- [自由詩]緊張と弛緩/唐草フウ[2018年6月10日21時03分] ひとりで ずっと待っていた 帰省先で亡くなった男性が住んでいたアパートの 部屋の畳は思っていたよりきれいだったが 乾拭きをして ちょんと座って ひとりで 届くのを待っていた 荷物がまだ中途半端な部屋で ひざをかかえて、いつまで待てば来るのか 眠たくなって 眠気をこらえながら まだカーテンのない窓をあけて空を眺める 飛行機雲がふたつ地平へ落ち 晴れの顔を白いなみだが歩いて ふやけていった ひとりだけの部屋で わたしはかたくなに縛っていた意地を 静かに少しだけ ほどいていた ---------------------------- [自由詩]Kodo/唐草フウ[2018年8月4日5時11分] * 私がひとり降りた夜 バスは静かに荒く息を吐き出しながら また次の者を乗せ降ろしして それ自体 拍動しながら もう 見えなくなっていく のこされた私は 安堵を荷物に 歩き出す 足元には まだ、 * りんごが ぼとん と 手から 落ちた 地面の 振動 赤く 噴き出す * 温かい掌に とつぜん氷をつかんで握りこむ 溶けていくほど おたがいの別れを どきどきと感じている * 白い躰のあなたを 肌の色のある私は もろうでを開き ぎゅっと密着する 私の中に あなたの水脈が広がり うねりながら 攪拌(かくはん)していく あなたは一定の規則正しいリズムで 動いて 動いて 干からびたカナブンのように 突然終わった まだ私のからだにある心音の余韻、                                 鼓動 ---------------------------- [自由詩]Air/唐草フウ[2018年8月19日5時03分] コの字の形をした控室に ルームロッカーが並んでて 中身だけ抜き取られたように ハンガーが各自一本ずつ整列している その服を着て出たのか それとも初めっから 誰もいなかったのか 少し高いところにある窓が 少しだけ開いていて そこから侵入するものは 光でも雲でもなく 握手した手のような しめっぽい熱気だけだった ---------------------------- [自由詩]あさに おわる/唐草フウ[2018年10月3日6時33分] うそみたいな ねいきを立てて みるく色の おひさまのはーぷに なでられて しずかなおとが きこえます とおい とおい そらの つまさきまで 「こんにちは」 底で息してるほうが 楽だときづくとき うかべるものは 剥げていく わたしの 胎脂 とんとんとん かたんかたん きそく正しいさみしさに きょうも なれてしまった ---------------------------- [自由詩]わたしの冬/唐草フウ[2019年1月8日13時12分] ひとの形をしている友は 寒い寒いくにへ行って そのまま凍えて雪になった ひとの形をしていない友よ くちは利けずとも まだ わたしの隣にいてくれる友よ 心臓などなくても 温かい友よ 冬の雲を見ていると しずかにオルゴールの音が呼んでいる しずかにしている空の奥から 寂しいとも恋しいとも発しない声だけが降ってくる 急にのどを潤したくなって 自販機に駆け込む 押してわたしに出てきたのは 「冷たい」手の模型だった ---------------------------- [自由詩]シークレット・ブーケ/唐草フウ[2019年2月5日20時51分] きみはどこに向かって 帰ってしまったの それともまだ 帰り道のとちゅうなの 迷っているのなら この手を見つけてほしい ぜったいにぜったいに 離すもんか きみのことをおもえば 上を向いて泣くしかできない ねむった穏やかな青空から 雨が吹いてくる きれいなピアノのきょくを 一緒にひこうよ まだ、思い出なんて わたしたちは一生未完成だから ---------------------------- [自由詩]待たない/唐草フウ[2019年4月27日21時25分] 晴れた日に雨靴を 履きたい気持ちを 雨の日に思いきり 傘ささずぬれたり 開いてしまったら また閉めればいいじゃない ひとつしかないのファスナー そう思い込む のだった 何の誓いだろう ふさがったら 開ければいいじゃない ガチガチの儀式 わらわれることを 失ぱいすることを 売れるということ レベルということ また届かないベンチに きたない花びら置いたけど 気に入らなくなったら 棄てればいいじゃない おわりがひとつだなんて 私が決めたの 刹那に焦がれすぎまして あきらめた触覚 ---------------------------- [自由詩]太陽が来る/唐草フウ[2019年6月7日21時44分] 声という声を泳ぎ切った星は 「優」という島に行きついて そこからも笑いながら 切りすて別れあう どっちつかずなため息は 底のない海に 小さい赤いシールになって貼られた そこに何も変化はなかった それでも かすかな粘着力が どうしを寄り添わせる ことはできた くりかえす 月の先は どんな刃先よりも鋭くて ときどきそれに 処された そして、また 施された ― ― ― (時) ― ― ― だいじょうぶだよ にげていいよ つらくないよ おかねはらわなくていい なにもいらない じきにたいようがくる たいよう くるから ね ---------------------------- [自由詩]風を縫う(なつ)/唐草フウ[2019年9月2日8時13分] まっ黒くて 長い長い肢が きょうも 地面から 抜ける 親不知の速さで (季節 だ)(季節 だっ た ) (った)(ったーーーーーーーんn   湿り気を編み込んだ 道から熱の帯びる日は 蒸れた頭から ぽー としてしまうから 焦燥感を待つ 換気扇が星のように遠い 乾びに燥った 汗さえ拭くのが追い付かない日の 青空が 噴火して 泣きたそう 大きな大きなタオルがないから 青く発してこらえているの? いつでも あなたは そこにいるのに 分類しようとする 分別してしまう 遮断して開放する 見て無視する わたしが 毎日同じでないように 月日の 吐息を集めたら こうならないかって、いう じゆうけんきゅうをしてみたくて 針に糸を通して 外に出ても どこにいても この作業は 一向に終わらない、んだろう あなたは止むことがないからだ (まだ、季節)(いっぱい、季節)(あと何個も、季節)(Re:じゃない) まっ白な ミルクでまなこがいっぱいになったら あなたは手を振る、んだろう それまでは ---------------------------- [自由詩]青い地図/唐草フウ[2019年12月21日19時52分] 流氷の底につながってる ぶらっくほおるの隅っこに ちょこんと震えながら 持っていたのは 青一色の地図 そういやいつから 陸も山も ひとも消えて 感情だけあふれるようになったの だろう 両手を広げて その地図を見つめる 青いなみだが さかさまにおちて 空へと還った アッとふいに 手を離した 流氷の底につながる ぶらっくほおるに 座り込んでいる いっとうの白くま そこへすべり込んできたのは ペンギン わたしとあなたを むすぼう こころの海に 境界線はないよ ---------------------------- [自由詩]けずりぶし/唐草フウ[2020年3月17日0時11分] わたしはさいきん けずりぶし いえ、最近じゃなく 常時そうなんです ふりかけられては 振り落とされては そこが あつかろうが さむかろうが おどっている おどらされている さて、どっちが しんじつ どっちも 粘るきみに あこがれて からまれてみたいけど きっと逃げたくなって 風に吹かれたくなって 吹きとばされて 踏まれたくなって 削られたしんけいの ひとすじに わたしがいる ヒラヒラとして フヤフヤとして さて、そのひとすじに 意志はあるのか やさしいあなたは なじりながら突いて問うね それどころじゃなくても 教えてくれないの 知っているよ ---------------------------- [自由詩]グッバイ、バニラ/唐草フウ[2020年5月25日4時53分] その蜜をかけて わたしのすきなバニラの エッセルスーパーカップに 全部にかけたいけれど 大きいので 内の蓋を少し開けて 半分ね 地面を舐めている 落とした自分のを 命になりかけ損ねた花のを 煮えきれたらきっと 何かしら旅に出るのでしょう そういうことにしないと あけ口から切り離す イラストが飛び出して また一つの、ミッション 手を貸す、手をかける そと蓋を閉めると まだ指をくわえる 帰りたくない あの感じ (やっとこんな時になって  欲しいことばが分かった  ずっと言ってほしかった  郷を離れたとかじゃない) ---------------------------- (ファイルの終わり)