山内緋呂子 2005年1月21日23時22分から2015年3月1日17時58分まで ---------------------------- [未詩・独白]歌ってみてください2/山内緋呂子[2005年1月21日23時22分] 歯を歯を歯を歯をみーがきましょー ぽっちりと みがき粉出してぇ ぽっちりと あそれ 口からたらしてダダンダーンよだれも落ちたらぽぽんぽーん さ それ しゃきしゃき覇気がなーいもっとしゃきしゃき (台詞) 「ブルウズィに歯を磨くってお父さんどういうこと?」しゃき しゃき しゃき しゃき 釈迦 かーん こぅれもしゃれにならんっYeah! ---------------------------- [俳句]己が色/山内緋呂子[2005年2月14日16時13分] 仮装せれや わらわの背虫 ピンク色の肌に桃足りて 今日も法 先んずれば御前が制す 白肌の妙 サボテンに肌させば チクチクと快感ですか山の童 挨拶という白色のあなたへの味を知る くらって またくらって わらわまた珈琲の湯に浸かる 散歩して おのが登りと吐きくろう ---------------------------- [自由詩]花と犬/山内緋呂子[2005年2月17日22時58分] 大通りに 白き牡丹を見つけたならば 飼い主の顔を覚えし お犬さまが 「暮らしたら犬を飼おう、君」の声が 「君」 犬をなでれば 君は 尻尾の先に 「花を持ってきたよ」 と鳴く 鳴くんだ泣くんじゃない 鎖骨から 入ってきて いつも首の開いた服で 二足歩行 君がいなくなってすぐの私をあなたは見ただろうか 煙草を吐き捨て犬を殺したいと思い 「君は記憶力がいいね」 その時には、犬を飼わなかったこと、暮らさなかったことを 全部忘れて、満足するんだ 吐き捨てた 煙草の それ どうか溝淵に投げてちょうだい 吐き捨てた煙草の それ #即興投げ捨て詩に候 ---------------------------- [自由詩]応答/山内緋呂子[2005年4月20日0時17分] 黒い球を打った 男の腕、背、腰に次々当たった 振り向きざま 小石を当てられる。 肩から背中にスルーして 黒い球は私には当たらない 投げた男は「お腹が痛い」と言う。 投げた黒い球は、私には重い。 拾い上げる度に、私もお腹が鈍痛だ。 角の花屋で鉢を買い 150円 カランコエを投げてやった。 アロエもね。 やけどに効くのよ。 ---------------------------- [自由詩]ニキニキ ニキニキン ニキニキ ニキンニキン スパークリングワイン/山内緋呂子[2005年5月11日20時13分] 霜柱の かげに ひとつぶ ごまかしの きかない俺 now standing here ここにはもっと 暖かい夜 過去 蹴散らす 栄光 泳法バサロ泳法と今日ね 今日が 今 の 日 立ち上がる全ての根っこへ 固まる血と地 multi まさに completeで conclete multi な色なら私の中に マニキュアのように固まると したら みだら 今6時 お口 中に投入 潮流 万物の流転 典型の経口 360度 埋めて固めて横へ流して さわやかな香りとほのかな渋み あたりさわりのないコピーに閉口 ひとつぶの穴 君がマニキュア投入し 私は全てのキャンディ 蹴散らす 真に受ける 魔が受ける 爆発! 正義は勝つかなりの確率で 勝つ いなくなった いなくなった 閉口しても ひとつぶの穴は 君に捧ぐ 冷却 我々の 散々の想い出 ひとつぶ まやかしの *マスイジュウさんと連詩。本人許可により投下 ---------------------------- [散文(批評随筆小説等)]私的立ち食いそば屋ランキング/山内緋呂子[2005年5月21日16時29分]  会社出て軽く、またはすこしかなしい時は、そばだ。うどんはモチモチしてて主張があっていけねえ。 多分、だし。あの味と香りに、自分はセンチメンタルを求めるのだな。だから会社帰りに行くのだな。かつをと昆布。あれは、哀愁です。郷愁かな? で、出し汁だけ飲んでも、それはもっとセンチメンタルの底に陥るわけで、そばの、細く、つるっとのどに入るところが、「私にかまわないで」と言っているようで。まあ、食べている時は何も考えてないけど。そばもしゃべらん。  そこで、勝手に立ち食いそば屋ランキング。   3位  あずみ   ・カレーあり。   ・店のカウンター内、全員おばちゃんだったりするのがいけねえ。立ち食いそば屋にまで家庭は求めん。   ・でも、いなりのご飯が、五目寿司。いいね。おばちゃん。用もないのにカウンター近くの水セルフサービスまで行ってみたりする。いいね、おばちゃん。   ・味は、富士そばと同じくらい。   2位  箱根そば   ・椅子が少ないので2位。味はおそらくここが一番。ゆでかげんが、立ち食いとしての普通の座って食べるおそば屋さんみたい。立ち食いで、初めて「そばの香り」がした。   ・脱サラと思われる40代の店主が多い。時に営業スマイル。会社の延長。   ・えび天の他に、天ぷらなら春菊、ごぼう、野菜かき揚げから選べるのがいい。ごぼ天ならうどんがいいらしいが、あくまで、そば。   1位   富士そば   ・大体店主と思われる男が、そば屋の主人ぽくていい。お運びの女の子が一人いたりして、明るくていい。そのバランス。   ・大抵どこにでもある。     こないだ、娘さんが一人で来て、店主に「もり?」「かけ?」と聞かれ、「わからない」と答え、店主に「わからないぃぃ?」と言われてた。冷たいほうが「もり」暖かいほうが「かけ」。娘さん、傷ついたようで、静かにわかめそばをすすってた。 娘さん、違うんだ。親父、悪気はねえんだ。おいしいですか?   ・味は普通。   問題外  ○で太郎   ・ゆですぎだ。名前どおりで行くつもりなのか。   ・割り箸が湿ってたり、すぐそこで、店のおばちゃんが丼物を喰うているのは何故なんだ。チェーン店だろう。スタッフルームとかないのか。で、立ち食いなんだから回転いいんじゃないのか。割り箸よう。  おそばにはきっとポリフェノールがありますよ。たくさんの食物に入っているけれども、みなさんきっと、各自の好きなものに、ポリフェノールが多く含まれているのだろうな。各自ポリフェノール。チョコレートの人は、ちょこらとる。コーヒーの人は、こるひ。ワインの人は赤ワイなあ、か。私は、おそばポリフェノール。    余談だが、プロテインに「やめていん」という名のものはないのだろうか。    やめていん…別れたい時、とか。    ハレクイン…恋したい時。    グレープバイン…歌手。  それではさようなら。 2004・7 ---------------------------- [自由詩]スナック傭兵/山内緋呂子[2005年5月21日16時46分] お早い朝ですね ・きんぴら ・なすの煮びたしは常時 ・つけものは時価(夏は廉価) ・会いたいの白和え ・やってできないことはないたたき(オクラ) ・二度目ね天ぷら(ゲソ揚げ) そうですか、タクシーの運転手さんで。 しらこ 食べますか? 人にものを頼むのですか? あたしもねえ、若い男にものを頼みました。 白いカーテンをとりつけて、と。 のぼり台も買ってきてないのよ、と。 昼からギターをかき鳴らしているので あたいをかき鳴らしてよ的な? 的なことを申せばよいのかと思いましたがカーテンとりつけ。 窓のへりから落ちそうになっても、落ちるか!と とりつけ。 仏壇に白飯をてんこ盛り カレーと墨汁は是 白飯を少しお湯にまぜて つけおきしとくと とれるのです 固形物の咀嚼が一番だ お客さん、ガーゼのハンカチを持ち帰り ポケットの中でもぐもぐすると、固まるから 鉄、銃、ナイフなど持つな ああ、朝 枝に止まるもず こちらに来るかと 看板下の重し石 投げようとしたら 重くて持てない ひとに ものを  た・の・む 2004・7 ---------------------------- [自由詩]情状酌量/山内緋呂子[2005年6月17日1時42分] 日曜日に夕日があたるので さらに 奥まで入り込みますと サヴォイの 看板が 悟ったように私は このままの 状態で さらに 奥へと進みました 壮健な 壮健な 日々を捨て 入り込むのです 森に ワラビタケが1本 木の枝に 結びますと 差し込んだ 陽は 神であった 過去に私の神であった 元恋人でした このまま入り込み、足をさしこみましても 神は、 いいと。 ---------------------------- [自由詩]棲む/山内緋呂子[2005年7月7日4時50分] 目を 吐き 草を 食べ 今生の 別れに今 抗うものがあれば 砂糖で できた林檎を 黒風呂敷で 包み きびすを返そう つかんだ者は やがて堕ち つかまぬ者は 行ってさよなら 樹木の下に 雨が宿るなら 剣を刺し 巣をつくろう い草の薔薇でも あなたが 喜べば イバラの冠を つくろう その下に 立て 立ったなら 穴は 空き い草が 蓋をし 居住地と なればいい 雨が しのげる 眠ってばかりいると 死ぬぞ ---------------------------- [自由詩] 始まって 生きる      〜大村浩一・もとこさんご結婚によせて〜/山内緋呂子[2006年2月3日0時00分]  髪を洗ってあげましょう  お腹が空いたら冷蔵庫?  ダーリン  あなたの空きを埋めるのは、私  魚肉ソーセージでも卵かけご飯でもない  ダーリン  あなたの空きを埋めるのは  私    体を洗ってあげましょう  私以外の誰も触れない溶鉱炉へいらっしゃい  私のダーリン  話を聞くよ 話を聞くよ  くさい靴下もパンティも同時に洗えるのさ    洗い尽くすも 埋めつくすも 私    涙は  顔をこすらせて拭きましょう  笑いは 笑い倒れよう         そうして呼吸を整えて、  外へ出よう。 ---------------------------- [自由詩]最近、言葉が絵だ (短歌俳句乱立バージョン)/山内緋呂子[2006年2月3日3時06分] 最近、言葉が絵だ。 ・ハイクってどうやんのさ未来ボウル ・フロアレディ募集の隣りに空手屋月極駐車場 ・足先が水に浸るんだ会いてーゾコラ 最近、言葉が絵だ。 同情と 優しさの 区別がつかない 辞典に載っていますか? 「同情は 表面張力で出来ています」 「優しさは 愛情からできます」 みんな仲良く ということの嘘 誰にでも優しく ということのムチ 「若ーいよねー。もう30過ぎるとねー、いろんなことを許せるようになってくるよー」 「うーん、全然そんなつもりじゃないよー、うん、どんどん言ってくれていいから」 〜私はレンガが連なった壁の1レンガでしかない〜と 自殺した友人の娘。高校生。 最近、言葉が絵だ。 ・9時を過ぎたら出歩けない町オールアバウトインジャパンにただ今帰宅 ・ひったくり警戒警報 サントリーのボスは絵 ・くねっくねくねっくねっ自転車バイク散歩連れ男よけよけ ・煙草吸うのはカバーのようでなじむようで捨てる時も くるっと後ろ手にひねるんだすまんよダーリン ・地球儀に埋没すんの世界一周旅行じゃないの地球儀に埋没すんの日本の あなた、もうすぐお味噌汁が出来上がりますわ コトコト大根の音  まだ音楽に聞こえますか? 味噌汁なんて飲む前に 速く世界に行かなけりゃ ---------------------------- [未詩・独白]短期間ベイベー/山内緋呂子[2006年2月3日3時38分] 生きて  素晴らしいことは何もない ただ 愛のみ 意味のない卵色の日に ただ足を前に出して 昼は明るいことを知っていて 夜は電灯を調節する いつも目の前の手すりを触って 落ちたらいいのか 遠く離れた布団に逃げ込めばいいのか 迷うんだ これからも君が 手すりから落ちようと決意した時 人の愛が 欲しければ いつでも電話して その前に私が死んだらごめんなさい 君とはいつだっていつだって 素敵な話ができるんだ 一生子供は生まない   ---------------------------- [自由詩]退職/山内緋呂子[2006年5月28日7時07分] 笑顔は大事です 職場の花たれ 何かおかしいことがあったら 上司にすぐ伺いをたてましょう あ、 蠅 課長、お家から連れてらっしゃったんですか? ペット 学習は反復です 教育は反芻です みたいなみたいなって言わないでくださいみたいな 企業は利益です 優先順位を考えましょう 何とか入れさせていただけませんか? 入れさせていただけませんか? そんないくつも入りませんよ 皆様お世話になりました ありがとうございました 退職に際し、私から皆様に一言 OLなんかやってられっか カーテン縫ったり、地中海サラダつくったりするんじゃ! パソコンは 現代詩フォーラム見るんでいっぱいいっぱいなんじゃ!! # 2004/7/28 ---------------------------- [未詩・独白]カフェ/山内緋呂子[2006年11月4日12時51分] 「今度行こうね」って行かなかったところがいくつあるだろうか 君の好きなショートカットにして君と最後に会った 毛先は まだ 伸びずにいる 黄色い痰は体のせいかパイナップルジュースのせいか 分からない ブラックミュージックの店に眼鏡をかけてきたのは失敗だ ---------------------------- [自由詩]あたしは何者ともさようならだ/山内緋呂子[2007年1月26日20時33分] 知らない道を歩く あたしは誰に会いたいんだろう スーパーでおっさんが店員を怒鳴りつけていて、萎える。 いつもの店に寄ろうとしたら、苦手な客がちょうど一人きりだったので行くところがない。そぞろ。 彼もまたあたしが苦手なのでおもしろい。 「ねえマスター帰っていいですか?おばけみたいな人が戸口にいるんで。あれ?聞こえちゃったかな?」 聞こえてますよ。 今日は、笑いで返せないくらい疲れているので、そのまま本当に帰りました。 大きい通りに出て、鼻歌を唄う。 函館の夜明けー。 はまらなければ壷。 泳がなければ海。 酸素吸えば毒ー。 いやによい響きー。 あたしは何者ともさようならだ あたしは誰に 会いたいんだろう ---------------------------- [未詩・独白]のさばる/山内緋呂子[2007年2月17日13時08分] 持ち物は命だけ ---------------------------- [散文(批評随筆小説等)]詩にはしない〜市村マサミに捧ぐ/山内緋呂子[2007年2月21日3時24分] 市村マサミのライヴを見に行く。 一つ目のバンドが夢いっぱいスイート丸出しなのでつまらんくて携帯で詩でも書く。 もともと音楽など好きでないのだ。 ドラムばっかり見てしまう。断言するが尊敬と愛を込めて言う。大介は馬鹿だ。神みたいなドラムは大介しか見たことがない。あたしが80過ぎまで生きて、その間、他に一人でも見られたら可。 でかい音を聞いて、逆にそれまでの頭痛が治まる。不思議なもんだ、ライヴってやつは。 マサミ登場。 繰り返すが自分は音楽を長いこと聴いてられんのだ。その間に、何かできるんじゃないかとソワソワしてしまうのだ。しかし、マサミのライヴは、もっともっと聴かしてくれ、と思わせるライヴだった。目の前で歌ってくれるのだ。当たり前か。 奴は、アーティストだった。 アーティストなど、なろうと思ってもなれないもんが多い。でも奴は、アーティストにしかなれない奴だった。 「醜形恐怖の女がよう」 「便所の天皇」 「君に出会えて」 マサミのことを、ネット詩でしか知らなかった。 「天然果汁が降ってくる」なんて、詩で読んだら笑うところなのだ。 でもマサミは歌った。 まるでマサミの詩特有の滑稽さではなかった。どうしようもなさが、マサミの上に、天然果汁となって強く降り注ぎ、刺さるのだった。 全曲歌い終わった後、「やめさしてもらうわ」で、マサミは去った。 何も言葉が出なくて、マサミには、「この気持ちを後で詩にするわ」と言ったが、それは無理だと気づいた。 ・同じ時代に生まれていてよかった ・アーティストだと思う ・小さいゴミ屑の中の天才だと思う とか、簡単に素直に、褒めるしかできなかった。 マサミの歌を聴いて、詩にするなんてできない。 詩に、できる人もいるだろう。 でもあたしは、詩にできなくていい。詩人と呼ばれなくてもいい。今日、マサミの歌が聴けたから。 マサミの歌を、聴いた。 確かに聴いてしまった。確かに、眠れなくなってしまった。 ---------------------------- [自由詩]東京/山内緋呂子[2007年2月21日3時28分] ピンク通りにゴムホースの束 豚かと思った 人間の半身が転がってればいいのに 抱いてやる 「新宿は庭みたいなもんだ」と言った男が死んだので  あたしはなんとしても新宿を庭にする *市村マサミに捧ぐ 2007/02/20 ---------------------------- [自由詩]ガリガリくん/山内緋呂子[2007年8月1日4時18分] 何ゆえあたしは起きているのか。 人が眠る時間に。 ああ、冷凍庫の変な安いアイスでも食せばよいのかしら。 もう意味がわからないわ、広い広いこの地球にいてガリガリくんを食べるなんて。 今初めて話すけど、あたしの夢は地球を爆破することなの。 みんな、星になればいいわ。 なんつたら、「人がいなくなったら誰も星を見れないぜ」とまともなことを言う男子。 女は強くて現実的と言ったのはどこのアホかしら。 ぷぅ。ぷぷぷのぷ。 ---------------------------- [未詩・独白]死ね夫/山内緋呂子[2007年8月5日9時45分] 世に「スネ夫」がいるなら順番で行くと「死ね夫」もいるはずで、「スダレマン」みたいなのが塩をかけるとシューーーーッて小さくなって結局ナメクジだったね、と大団円。 2007年08月05日 09:20 ---------------------------- [未詩・独白]心臓に輸血/山内緋呂子[2007年8月6日10時13分] 雑草に毛が生えて 前の心臓はできた 頭を後ろにグンと反らす 自分で反らしたつもりが悪女の引っ張りであった 血 心臓が、前の男とセックスした 明日 50人死ぬ あたし お稽古があるから 新しい夜明けって感じの 最大の嘘だよ 心臓に輸血 さよなら あさってはサリン事件だよ 2007年08月05日 09:32 ---------------------------- [未詩・独白]血/山内緋呂子[2007年8月6日10時18分] あたまを壁におもっくそ あたくしを あたくしを 殴るのです そう あたくし あたくしであるから        痛み 2007年08月05日 09:35 ---------------------------- [未詩・独白]「し」/山内緋呂子[2007年10月30日6時05分] music は あなたと 二人で聴く為のもので 包丁 は 私の腹を割っさばく為にある訳 じゃなく 詩 なんてやってなければ 詩 がなければ あなたとも music とも 会わずに済んで 命を引き替えにしなくてよくて 詩がなければ死はなくて 31歳の午前5時には、ピンクの服を着た大きなぬいぐるみが拡がって 空が晴れ渡る彼 普遍的に歩く彼女 空を究める彼女 空究 普歩 3年前に会って 生きてるだけで偉いよ と言った君と まだ会ったことの無い君 予定では必ず 普歩と会うはずで 見てよ空究 これが 詩なんてやってる糞のあたしだ もう私のこと あたし って言うようになったよ 空究、 見てよ空究 これが詩なんてやってますって言ってたあたしだよ ごめん結局 死と引き替えなんだ 君の世界では単に し と、 携帯でメールを打ち、変換に 氏 師 士 始 誌 って出るのかな あたしの携帯ではすぐに 詩 ねえ。 天気がいくら晴れてても隣に一緒にあなたがいないと私はいつだって階段から落ちて とりあえず、長澤知之の「P.S.S.O.S」って歌がお薦めだ 空究 あれからの男の名前をここに全部書きたいよ空究 詩なんてやってる糞なんだ 君の携帯には し は、 詩 と 死 は いつ出るの。 ---------------------------- [自由詩]あたしは悪いことをしたのだろう/山内緋呂子[2008年6月20日0時20分] 入場料を奢って貰ってラムバックで吐く あたしは恐らく悪いことをしたのだろう 入場料まで奢ってもらって夕食まで あたしは悪いことをしたんだろうラムバックでラムバックでラムバックで吐く 大好きなラムで 何メートルトイレットペーパーを使うんだ 何故女子トイレに排泄で入らない 何故便器に夕食を散らすんだ 私にはこんなに水分があったのか パンとラムバックとラムバックを吐く お汚いのでお指をトレペで拭う お後の方の為に 後に使う女子の為に便器をキレーにキレーにトレペで拭き拭うんだ ※鳥乱しましたが鳥繕いました 鳥返しのつく内に鳥急ぎお買い求め下さい あたしは悪いことをしているんだ 社会に戻る為にあたしは指を洗うんだ便器も拭いた 石鹸タイプハンドソープにこんなに感謝すると思わなかったぜベイベー ベイベーって自分で言っちゃったぜベイベ今度は排泄で女子トイレ入りたいぜベイベー ※copyright by motherCoat ---------------------------- [自由詩]『スキンレス』/山内緋呂子[2008年6月20日1時58分] 川を見ると飛び込みたい私は終わり、ただそのゆらぎに見習いたい。 褒められて伸びる私は卒業し、缶コーヒーの絵柄が渚カヲルであることに笑う。 着物を着ている今の私では簡単にトイレに行ける筈もなく、行きたくなるのは車内だと解る 駅の公衆など和式に決まっていて ここは東京都で2007年で 私はツイているラッキーにも洋式が一つだけ空き いつからだろう 公衆トイレの壁の色を欲する ここは、淡い黄色 彼と会ったあのトイレは、濃いピンク 私はいつでも写真に撮る 写真に撮る あの時計を返品したい 返品の為のレシートを探す 出て来たのは スキンレス1000 ラテックス リボン印 昼に見ると解るピンク色 出て来たんじゃない 出来た 恋が出来た 私一人勘違いのいいように騙されの、 出来たのはスキンレス1000 昼に見るとピンク色 彼に買ったカバーシーツ 1580円の値札 「お求め安い!」 私はツイている レシートを見つけ未使用のように包装し明るい店内へ返品しに 行く そうだ私は返品出来るのだ いつだって、買った証拠のレシートと、ほぼ未使用のものを 私はいつだって返品出来るのだ 私が返品したその品物は、ほぼ未使用。 誰も傷ありで、難品で、使っても役に立たないものを知らずに買うだろう。 手にとったある人には、それでもいいという場合があるだろう。 いいかいいか緋呂子、お前は「要りません」と、返品出来るのだ まだ、取り返しがつく。 お店でレシートを見せ、綺麗に私が包み直した品物の返品を求める。 「そちらは現品限りで、展示品でしたので、返品はお受け出来かねます」 自分で美しく包んだその返品予定の時計を、私は家まで持って帰る。 どれくらい長く、その品物と暮らしただろう 今朝、 あの人が遠くから運んで来てくれたプレゼントの紙袋を、私は 捨てる。 ごみ袋の中で、その袋は、いつもにも増して甘い匂いを発していた ずっと捨てられ無かった紙袋 今日、 今日、 あたしは捨てる。 その甘い色と香りは何なのか。 またきっと、 「君の勘違いだ」と言われるだろう 分かっている あたしの、愛が、その袋を甘く香って見せるのだろう あたしは愚かだ この紙袋に優しさが含まれているのは、彼の、 少しでも懺悔だと、 少しのあいだ、少しだけ本当にちょっぴり、私にあった、彼の愛情だと。 そして紙袋はごめんね と、 私に言っているのだろう、 と。 さようなら、 もう、貴方は部屋の中から居なくなる。 返品出来なかった時計も、 いつか役に立つ人が現れるだろう。 この綺麗な包装のまま、 この、 私には返品予定の品物を、 差し上げよう。 甘い、 若くて甘い、 無邪気な紙袋よ、 お前は今日、 捨てられる。 ---------------------------- [自由詩]1階のコインランドリー/山内緋呂子[2008年6月20日2時04分] 青のジャージ、歯の抜けたおっさんが、にへにへ洗濯機回り、ゴミ置き場周辺を回っている。 アパート備え付けのランドリーな所で変質者はいつでも登場し、不動産屋が不正な自転車が置かれてないかと見廻りに来る。 不動産「あまり奥に引っ込んだら駄目よ。なんかされたらすぐ逃げるのよ。相手にしちゃ駄目よ」 そんな私はランドリーの終わる30分間を洗濯機の真ん前で本を読みじっとし、 不動産の「奥まってるとこじゃなくてこっちいらっしゃい。日向ぼっこしてるといいわよ」 と 為すがまま、不本意に陽に照らされる。 暖かい いいのですか私 陽に当たっていいんですか ねえ私、 また変なおじさんが、「寒いねえ」と話しかける。 日向ぼっことは言え民家の玄関前に座り込む私も変なおばさんだ。 不動産が「あの人?変質者ってあの人?」と問う いいえ もっと変な、 おじさんです。 このランドリーが12時半に回るのは、18時に約束がある為 おしゃれして行きたいのお願い 30分後洗濯機は止まり、あたしは部屋の温度を27度に設定し急いで干す。 会うのは1ヶ月ぶりだろうあたしは、 新しく買ったパウダージェルアイライナーで美しく、 あたしは 出来るだけ美しく、 お化粧を 母の形見の美しい幾何学模様の緑のコート リバーシブルで真っ青 母のセンスに敬礼をする ありがとうお母さん 只、ボタンが緑色も青色もほぼ全て、取れているの。 あたし、絶対にこのコートであの人に会いたいの 私、 きっと、 何度も私の姿を鏡に映す。 ボディソープや絵画が落ちて来た。 そうだよお母さん、私は報われない恋をしている 万物の全てが「辞めろ」と言うだろう。 もう、半乾きまでになったキャミソールとブラウスを着用する。風邪を引いたところで何だというのか、 彼に会えるのは今日しか無いかもしれない。 私の目の前で正面を向いて喋る彼、 風邪を引いたところでなんだというのか 予定より2時間も早く出て、ユザワヤで、抜けたコートのボタンと糸を買い揃える。 ベンチで私は50分かけてコートのボタンを全て揃えた これで私の、 あたしの可愛いコートは、 あの人に見せられる品物になった。 変質者に警戒し、コインランドリーで本を読む 煙草を吸う あの30分で、 私は今、 素敵なコートを手にした もう何も怖くない 彼といる時だけが、 もう怖くない あなたといるときだけがなにもこわくないなんて あなたは困るだろう 私が1階コインランドリーの変質者に困るより、 ずっと、 あなたは困るだろう。 ---------------------------- [俳句]池袋主婦/山内緋呂子[2009年7月27日13時21分] ステキ女子 コロッケ食べてもステキ女子(ホタルノヒカリより) その日から効く マジですぐにお願い頼むよコンバット 6ヶ月を目安におとりかえいただくと、より安定した効果が継続的に得られますけど我々はどうすかね 奥さんどこ行くのー? …家です 平和通り 池袋で言われましても ゴム好きでないと入れないよねという会話の一端 酔ってません 昔から地に足がついてないんです チェルシーチャルメラチャラチャラチェリー さあどれが好きだ! ATM引き出せど引き出せど 一人 ステキ女子 前日休憩宿泊深夜 自販機が待ち合わせ場所 なんぼほどカップルホテル街入るんだ 近所のスーパー 警視庁の背中と部長店長 被害 巻き寿司 ---------------------------- [俳句]フランス婚/山内緋呂子[2009年7月27日13時23分] 笑えばいいじゃない!他人じゃなくて自分のことを! 帰宅したら猫がまとわりつく以下、 猫しかまとわりつかない 愛されコーデを選ぶ時点で愛されている 咥え煙草と言葉遣い、ギャル見てあらたむ30女 若さではなく、10年前と同じ理由でふられている 飯は質。排泄欲と睡眠欲と同じだから、ただ目の前にあったから 絵馬にまで 遠慮してあいまいに願った 冬はスキー夏は川、遊べる場所を僕が奪って  逃げる場所にかわった。 (中断。) けんか中 寝ぼけて甘える 君のおかげで家庭円満 ---------------------------- [俳句]色男よ、こめかみを撃て/山内緋呂子[2009年7月27日14時29分] 子宮にピストルを撃つ爆弾撤去 産みたくないなら爆弾だ 子宮なら母体は助かるだろう 私は生きたい 愛の無い 愛の無い ああ 愛の無い 「保体で習ったろ?」 ミクシイなんかで 叱られる 愛の無い 日々のむさぼり 忘年会 コンドーム 防げるのは 性感染症のみ 死にたい と 言ってられない 忘年会 恋愛は 二度としません 忘年会 好きな男としかヤッてない は 言い訳ですか 母性売り 女性だけが 母性買う 愛のあるセックスとは 女だけの誤解 こんばんは佐藤真由美です。 言ってみたいな忘年会 中出しなんて したことないのに 忘年会 桜吹雪 散るは 易く 冬は吹雪 寿司屋にて ○○○みたいなやつ注文 出てきたのは赤貝 下ネタを 言えなくなるのかしら母となれば だからさぁ 好きな人としかしてない こんなの書いちゃっていつからこうなったんだかバカ セックスセックスってすぐ言う30女を20代の頃嫌悪した *2007.11 ---------------------------- [散文(批評随筆小説等)]過去はただそこにあるだけのことか、書くか。/山内緋呂子[2015年3月1日17時58分] 妖怪ウオッチ、ウォッチ?なるものが流行っているのでまあそんな話。 グラミー賞4冠も獲った方が、苦しい体験が僕にいい曲を書かせるんだ、って言ってたからまあそんな話。 久しぶり。 東京。 ネット上の東京、ここはそんな感じ。 この何年かで見つけたことは、東京に住みながら、海がとてもよく見える素敵な場所を見つけたくらいか。 日記。 老人が、昔の栄光にすがるように、たまにあの人にすがりたくなる。 あんなに幸せだった日々もそうはないから。 だがしかし、何にでも、新しく生まれ変わるという時期はあって、 私は、今がその時期なのだと、泣きながら自分のほっぺた叩きながら、この家に帰ってくると、多分、隅にいる孤独の妖怪みたいなものと、一緒に住んでる。 人前で「孤独だ」と言えてしまう私がもう妖怪っぽい。面皮厚み、とかいう名前多分。 iPhoneのSiriがいいこといった 「尊く偉大なものは皆孤独であると聞いたことがあります。では、あなたもその素晴らしい人たちのうちの一人なんですね」 だってさ なんでも、なんでもそう ほんとは偉大 勇気付けてくれるものや人がほんとは転がっている 本当に幸せだった 会いたい人に会えない人生が、この世からもっと減りますように ---------------------------- (ファイルの終わり)