アザラシと戦うんだ 2006年3月17日18時34分から2010年7月7日23時05分まで ---------------------------- [未詩・独白]はは^2/アザラシと戦うんだ[2006年3月17日18時34分]   母は双子です   私には母そっくりな   伯母がいます   二人揃うと   朝はとても賑やか   ぴーちく   ぱーちく   さえずってます   「洗濯どうする?」  「干すからいいよ」  「納豆どうする?」  「ちゃんと小鉢に入れたほうが美味しいよ」  「ぴーちく?」  「ぱーちく」  「ぴーちく?」  「ぱーちく」   仲良すぎて喧嘩もしません   何で喧嘩しないの?   と私が聞けば   二人とも  「だって自分のことをけなしてるような      もんだから×2(ボタン同時押し)」  「ぴーぴっぴっぴー×2(ボタン同時押し)」   言います   愉快だなぁ ---------------------------- [自由詩]音声/アザラシと戦うんだ[2006年3月29日1時52分] 駆け抜ける 音  混ざり合う 声  雑踏に紛れ  あなたを探しています 忘却の果てに  かすれた ひくい 声 響く 消えて 仕舞わぬよう  繋ぎ留める 繋ぎ留めた  悲しげな 優しい 声 聴く 苦しくなって仕舞うから ねぇ ここに来て 抱きしめて 涙は 夜の 無音 に 溶ける ---------------------------- [自由詩]鈍行/アザラシと戦うんだ[2006年3月29日18時00分] ガタンゴ トン 漁港に 差し込む陽 水面の 強烈な色彩は  青 深い 青 ゴトンガ タン 流れる 風 一戸建て 時々 市営住宅  人々の思惑 息遣い カンカン カンカン 減速する 時の 周期的な 低音が 僕を段々 眠くする ゆらぎを感じ 息を吐く ---------------------------- [自由詩]台風/アザラシと戦うんだ[2006年4月5日20時12分] 今朝 気象情報を見ていると 季節はずれの台風が 接近中ということだった 今回やってくる台風は アザラシ台風 という名前が付いていた 中心気圧は850hPa 半径5メートル圏内は 風速50メートル以上の 暴風と ともに 大量の アザラシが 吹き付ける らしい このアザラシ台風 ピンポイントで発生し 片っ端から魚を食い散らかしていくので 魚屋さんは注意が必要だ 昼過ぎ 次第に雲行きが怪しくなってきた そろそろ奴らがやってくる 家の戸締りしっかりして 準備オッケー でも 大量のアザラシで 堤防決壊 ぷきゅぷきゅ言ってらぁー あははー まずい どうしよう にげろー  押し寄せるアザラシ 逃げ惑う人々 ぐはっ…!! 「azarashi-typhoon」近日後悔 ---------------------------- [自由詩]夜景/アザラシと戦うんだ[2006年4月7日18時29分] 海岸線に沿って 金色のビーズが並ぶ 波の音 車が走り去る音 耳元を掠る 湿り気を帯びた 海風が 体を なぞる 皮膚 舌 骨 髪 触覚が 敏感になる 風を味わう 揺らめく あなたと 一つになる 体を広げ 吐息が 融合する 夜空に 引き込まれ 二人 音楽を 奏でる 絶え間なく 瞬間を 描写し続けるには 足りなすぎる 時間  あなたのキスが 余韻を 残してる ---------------------------- [未詩・独白]寝ます。/アザラシと戦うんだ[2006年4月13日19時38分] 君を好きでしょうがないので、寝ます。 寝ることにします。 君の好きな歌を口ずさんで学校通ってるなんて、 言ったとこでしょうがないので、寝ます。 寝ることにします。 歌ってるだけで元気になってるなんて、 知られてしまったら赤面なので、寝ます。 寝ることにします。 ---------------------------- [未詩・独白]新生活/アザラシと戦うんだ[2006年4月30日20時08分] =下宿先から田舎へ向かう途中= 日暮里駅に到着 お昼寝してたお兄さん 降りそびれそうになりました   お兄さんは、どうしても降りたかったようで まず、縦に体挟まれる  ガシャン 次、持ってた文庫本を車内に落とす 体をスライディングさせ文庫本を取っている間 2度胴体挟まれる  ドタバタドダドタ  ガシャガシャーン やっとの思いで文庫本を取り ホームに降り立つ寸前、頭挟まれる  ガコッ 正味10秒 =田舎から下宿先へ向かう途中= 川沿いを夜リュック背負ってとぼとぼと歩いていると 放し飼いの黒い生物が クローバーをくんくん嗅ぎながらお散歩してました 「はっ」と気がつき飼い主さんをトトトトッと追いかけては またクローバー嗅ぎに夢中になり… よーく見たら 黒ミニぶたさんでした =昼飯= 川沿いで お弁当を食べていると 「こらーっ、こらっ、よしなさい」という男性の声に 何があったのかなぁと見上げた瞬間 犬が 犬が 私の弁当箱めがけて突進して参りました ズドドドドーーー 迫り来る わんさん 慌てて弁当箱に蓋をする 私 の足元に すかさずお座り 飼い主さん「すみませーん」と言いながら 犬 あっさり担がれ 退散 ---------------------------- [未詩・独白]光点/アザラシと戦うんだ[2006年6月9日19時28分] オレンジ色の光が 橋の頂点に向かい緩やかに移動する 三日月と夜行バス 溢れかえる光と涙 滲む風景は残像を作り、耳が、ノイズを拾う 幻のような佇まいの君と 目が合う 多分触れると 消えてしまうんだな だったらそのままで ---------------------------- [未詩・独白]派部呂腑/アザラシと戦うんだ[2006年8月2日15時10分] おいで!パブロフ!! ワン!!(しっぽバッタバッタ) パブロフは犬じゃない パブロフは人だ 待て!パブロフ!!…ヨシ! ワン、ワン!!(ふんが、ふがふが) パブロフは犬じゃない パブロフは人だ パブロフの犬を 日本人的に言うと …きの、すっ…ずきの、鈴木の犬 パブロフは犬じゃない パブロフは人だ ---------------------------- [未詩・独白]double rainbow/アザラシと戦うんだ[2006年8月29日17時26分] 信じてくれないかもしれないけれど 確かに あの夏の夕方 突風と海に落ちる雷 グレーの雲と青空の境 夕日が差し込み 完璧なdouble rainbowを作ったんだ 仲間と雨の中 外に飛び出して 大はしゃぎで記念写真を撮った パンデイロ、アゴゴ、 箸&小鉢でリズムを刻みながら over the rainbowを精一杯の想いを込めて 歌った あの人は居なくなっても 僕らの奏でる音の中に いつまでも融合しているっていうことを 忘れないよ ---------------------------- [未詩・独白]新手の告白/アザラシと戦うんだ[2006年9月7日23時35分] あなたの上腕動脈の拍動を確認したかったので、今度脈診させて下さい。 ---------------------------- [自由詩]☆/アザラシと戦うんだ[2006年9月25日23時00分] 海辺を散歩していると 王様が降ってきた 星を掴んで 冥土の土産だと 王様は差し出す 星は掌の中で静かに砂になった ---------------------------- [未詩・独白]鳩がいました/アザラシと戦うんだ[2006年11月18日17時51分] 午前7時45分 鳩は2個の卵を温めていました 孵化してしまうと困るので 回収する事にしました 土間箒片手に、ベランダへ 「そらどけ!ほれどけ!」 やりました 雌の鳩は 「1個だけ分けてあげるから良いでしょ」 と目で言いました 「ほら、もう1個ちょうだい」 「いやですよ。何が何でもあげません」 土間箒攻撃あれど 雌鳩、卵を死守 午前8時5分 ばさばさばさー ばさばさばさー 雌の鳩の居た所に 今度は雄の鳩が卵を温めていました そして再チャレンジ 土間箒片手に、ベランダへ 「ほれ、お前どきなされ!」 やりました 雄鳩、あっさり逃げました あれだけ雌鳩が死守してたのに 雄鳩、すたこら退きました 卵回収完了 8時10分 雌鳩帰還 「ぱっぽろー!ぽっぽろーー!!」 「卵ねぇー!雄もいねー!!」 15秒ほと叫んだ後 去っていきました 雌鳩は、 旦那を責めなかった ---------------------------- [未詩・独白]芋虫がいました/アザラシと戦うんだ[2006年12月25日17時06分] 柿を喰おうと蔕を取ると そこに芋虫が居りました 体をCの字にfitさせ くにゃん くねくね ぱたん くにゃくにゃ 愛嬌振りまく 素敵な身のこなし でしたが ゴミ箱へさようなら〜 ---------------------------- [自由詩]手順/アザラシと戦うんだ[2007年1月6日14時08分] うまい棒を並べてください 並べたいときは並べると並びます たぶん 天国まで積んでください 積みたいときは積むと積めます ヘブン 十万投稿記念企画参加作品 ---------------------------- [自由詩]遺産/アザラシと戦うんだ[2007年1月13日14時24分] 冬の暖かな陽光で 包むように あなたに寄り添う 旅立つ前に 残せるものと言ったら うまい棒半年分   半年待てば会えるの?と   今日もとてとてまた一本 もう私には会えない うまい棒が尽きた時 あなたの哀しみは きっと癒えるわ   哀しみにも喜びにも果てはなく   公園の空 見上げてうまい棒ぽとり ぽとり   今日のなみだはあくびのせい   明日はきみと笑いすぎで… 泣きながら 食べたらだめよ とてとて歩くのだよと 諭し 抱きしめる 昼下がり ---------------------------- [未詩・独白]間/アザラシと戦うんだ[2007年5月13日1時41分] 闇に流れ込む 冷えた空気 海辺に 忘れられた 硝子の破片 そこには只 自然だけが そこには只 自然だけが ---------------------------- [未詩・独白]trick motion/アザラシと戦うんだ[2007年5月14日13時48分]       Trick...             私は死ぬまで知らないふりと流されたふりをし続けるのだろうか 勝手に進む方向は 始めから終わりまで 争うように仕向ける人のシナリオ通り 同じ言葉に踊り狂い 恐怖に慌て 核心部分をとことん見逃し続ける 巻き戻して 巻き戻して ほら 足音をたてて もうすぐそこまでキテル 巻き戻して 巻き戻して     Trick...   歴史もボタン一つで便利なお任せ設定。自動的にあなたのお好きなパターンを繰り返させていただきます。副作用として真綿でじんわり首を絞められますが、ご安心下さい。あなたは「なんのことかよくわからなーい」と唱えていれば良いだけのことですから。 Trick...   嘘は繰り返すだけで果たして真実になるのか 自作自演と証拠隠滅 落ち込む時は 過去を振り返らない時 全自動洗濯乾燥機は ボタン一つで最後まで ズボンのポケットに入れたままの 紙切れを巻き込みながら 立ち止まる事を忘れ最後まで   自分で考え、動くことを放棄しないで 事実を照らし合わせて 光を 導け ---------------------------- [未詩・独白]「15才−言い訳」/アザラシと戦うんだ[2007年6月28日19時43分] 点描したゾウリムシが 紙に対して小さくてもいいと思うのです ゾウリムシは元々小さいから 「27才−言い訳」 とんがりコーンに指突っ込んで 爪! と言いながら食べてもいいと思うのです 似てるから ---------------------------- [自由詩]枷/アザラシと戦うんだ[2007年6月28日19時51分] 新種の君に 逢いたくなった 波は引力に導かれ おおよその生き物はSynchroしてる 僕らは元々繋がっている 逢いたいなぁという想いだけで 愉しい瞬間は揃ってる 取り払った枷と 向き合う 声は出てる? 泣きたい気分を 捩ることはない 繋がりは 変化しても 君の心が 平穏ならば それが いい 重ねたリズムが 生きてる証 向き合った枷が 泣いていたから 慌てて抱きしめた 枷は可愛くて でもさよならで 必ずまた会える ---------------------------- [自由詩]ごろごろ うねうね/アザラシと戦うんだ[2008年1月27日10時17分] 傍にゃ布 風力発電の日々で干す 遠く霧笛が 聞こえる 目の前を這う生き物の 吐く息と混ざり 無意識が 僕の体を溶かしてく 平原の緑 枕もとには夕日 ---------------------------- [自由詩]二月二十日/アザラシと戦うんだ[2008年2月20日1時52分] 自由は詩の中に携え 短い帯に書き記し歌う 川面に映る柳 写真に収め 空を仰げば 梅の散り際 君の文句も空し ---------------------------- [散文(批評随筆小説等)]戒め/アザラシと戦うんだ[2008年3月15日23時01分] 見知らぬ人から500円を手渡され「これでぬいぐるみを取ってきてください。」と依頼される。目の前にはUFOキャッチャーがあり操作を始める。1回目失敗。2回目、小さなアトムのぬいぐるみ、3回目失敗。4回目大きなアトムのぬいぐるみ。(いろんな種類のぬいぐるみがあって何でこればかりなんだろう。こんなにアトムいらないなぁ)と思いながら、とぼとぼ歩いていると道端に大きな猪の真ん丸いぬいぐるみがあった。これまた見知らぬ家族の持ち物だったが、こっそり大きなアトムと交換して階段をそそくさ駆け下りた。目の前に胡散臭そうなおっさんが立っていて私に話しかける。「この大きな猪のぬいぐるみは換金しますと70万円になりますね〜、如何なさいますか?」と聞かれる。途轍もなく後ろめたい気分で「…換金お願いします。」と答える。暫く待っているとさっきの家族が、私の置いていった大きなアトムのぬいぐるみを抱えて現れた。(もしかして、もしかしてあの人たちも換金しにきたのだろうか)内心ひやひやしながら様子を伺ってみた。「え〜、これはでっかいアトムですから〜130万円になりますね。」ががーん、そんなオチかよ、やっぱり想像した通りのオチですかよ〜と思って、目が覚めた。夢だった。 ---------------------------- [自由詩]高確率/アザラシと戦うんだ[2008年4月2日21時47分] 右には 点目にゃんこ 左には 点目ぶたさん 問:これらの ぬいぐるみに 囲まれていると 幸せなのは さて 何故でしょう? 回答率2人中2人 正答率100% 答:お前が 点目ふかふかキャラだから ---------------------------- [自由詩]鳥見病/アザラシと戦うんだ[2008年5月9日22時43分] 某公園の池 15?先に浮く物体を指差し 「あ、白い水鳥。なんて鳥だろうね?」 「あれ、レジ袋だよ」 ここでまた一つ 小さな夢は潰された 学校帰りの道すがら 物体の手前3? (あ、鳩が日蔭でおとなしくしてる)と思い 残り1?で(灰色のレジ袋)である事に気が付く もしかすると 鳥に見える病 ---------------------------- [自由詩]鹿の角/アザラシと戦うんだ[2009年10月14日15時58分] 鹿の角が 秋に削られるのは 実は 鹿の角は 木で出来ていて  埋め込まれている 角の種が 次の春が来た時に 芽吹く為なのです 削られた 鹿の角は 差し木され 鹿の木が 出来ます ---------------------------- [散文(批評随筆小説等)]加藤改め/アザラシと戦うんだ[2009年11月21日21時41分] ア「今度八丁堀に行ってくるよ。   それにしても…八丁堀って言ったらさー…なんだっけ?知ってるっしょ。」 妹「何を言いたいんだ、ねーつぁんよ。」 ア「えっと、えーと、江戸時代!」 妹「江戸時代って随分アバウトだなー。」 ア「にー、『なんたらかんたらー!』ってとーつぁんが言ってた。」 妹「もしかすると、火盗改めのこと?」 ア「あ、そんなんだった、そんなんだった。   飯食ってる時に唐突に『かとーあらためー!』って言ってた、それそれ。   でさ、加藤改め、何さんになるの?」 妹「いやいやいやいや。いやいやいやいや。   あのね、江戸時代にね、火付けや盗賊を捕まえる人が沢山いたんだよ。   それが火付け盗賊改め。短縮して火盗改め。」 ア「へー!加藤さんじゃなかったのねー。って…え!相当物騒なんだねー。」 妹「へ?」 ア「火付けや盗賊が沢山いたら。」 妹「おい、そこ、ちがー!捕まえる人だよ。そんな地域あったら危なすぎだって!」 ア「そっか、ごめんごめん。」 ---------------------------- [川柳]寝言/アザラシと戦うんだ[2010年1月21日2時54分] えねぇ ふえねぇ 数が 増えてかねぇの ---------------------------- [自由詩]言葉じゃないもの/アザラシと戦うんだ[2010年3月8日0時02分] どうしてそんなに泣くの?  最初の記憶 陽が暮れるのが悲しくて  お腹も空いていた  言葉も 言葉じゃないものも  受け入れられていた 狭かった胎内  さあ出発の時だよ 此処においで という声が背中を押す  私は大きな伸びをして 生まれ落ちた 悲しいのは何故だろう  温もりが離れて仕舞わないように  ただ祈る事しかできない 私の手はこの先沢山の人たちの記憶をインプットするだろう  愛情を育み精一杯生きる人たちを  暖かく見守る手を作ろう 具合悪い時も良い時もあるから  どうか諦めてしまわないで ありのままで ---------------------------- [自由詩]ざわざわするの詩/アザラシと戦うんだ[2010年7月7日23時05分] ざわざわする ほんとは 誰とも 繋がれないのではないかと ざわざわ する 自分のことで 手一杯で 優しくなれない ざわざわする 約束は果たされず 勝手なこと言って 浮いている ざわざわ する ありとあらゆる問題を しょい込み 簡単にはいかないと 自分に言って聞かせている人がいる それでも簡単にいくと考えたらいい 浮いて 浮いて シンプルに くじけないように ---------------------------- (ファイルの終わり)