ナンモナイデス 2021年2月4日13時23分から2021年10月16日20時40分まで ---------------------------- [自由詩]ああ…/ナンモナイデス[2021年2月4日13時23分] いい年して口喧嘩 ああ 馬鹿馬鹿しい、朝… 昼、青空なのに ああ 寒々しい… もういい加減にせえや ああ 三日目カレー… ---------------------------- [自由詩]生まれてよかったこと/ナンモナイデス[2021年2月6日13時35分] 自分は次の世、どこで存在しているのだろうか? また、同じ人格を保ったままなのであろうか? でも幸運であったのは、ウルトラマンと出会えたことだった。 ソクラテスを知るまえに、「正義」を知りえたのだから。 ---------------------------- [自由詩]なぞ/ナンモナイデス[2021年2月13日20時58分] 顎がいつ発生したのか、謎らしい。 顎がなければ、哲学者といえども 《ト・ティ・エーン・エイナイ》 とは発語できはしない。 アリストテレスは古典である。 《ト・ティ・エーン・エイナイ》 の意味はいまだに不明である。 ロスト遺伝子のように。 ---------------------------- [自由詩]灰色の空のしたで/ナンモナイデス[2021年2月18日13時56分] 鳩をひいた 寒風ふきすさぶ 灰色の空のしたで 平和の祭典など 鳩の世界にはない だったらどこにあるのか あるのはおれの世界でだ 鳩も死に 人も死に 俺が死ねば 永続に無化する世界でだ ---------------------------- [自由詩]やさしさ/ナンモナイデス[2021年2月19日13時38分] 「花こうてきたわ」 うちの者が、買い物から帰りいう。 カレンダーに目をやって、 月命日の日かどうか確認してみる、 けれどもそうではない… 「非常事態まだでてるやろ」 「しゃあからおかあちゃんに、  こうてきたたんやわ」 花瓶を握るこぶしも、 赤く冷たく。 ---------------------------- [自由詩]火星ツアー/ナンモナイデス[2021年2月27日13時41分] いつになく風の姿を追うことがある。 そんなこと気にしなくても、 若い子のスカートでも観察していればいいことなのに。 探査機がメクライモリでも乗せてりゃおもしろいと思います。 どうせ荷物検査なんていいかげんなんだから。 ---------------------------- [自由詩]弥生の春/ナンモナイデス[2021年3月3日14時00分] たらっと 鼻水がながれた コロナか 花粉か 風が吹き 雨が降った 疑うこともなく 春になった どうせ毎年 ろくでもないことが起きる それでなければ わたしの春ではない そうでなければ 春とわらえない ---------------------------- [自由詩]2011年の詩から/ナンモナイデス[2021年3月8日20時57分] 2011年の詩から フェルメールの少女 振り向いた君は 何を見たの 輝く真珠 珍しい果物 かわいい子猫 振り向いた君は 何を聴いたの 彼の声 風の歌 妖精の囁き 振り向いた君は 何を感じたの 恋の予兆 いいことがある… 嵐の前 窓を開け 外を覗いた瞬間 少女は銃撃されたのです    蒼いターバンが宙に舞っている 死んだ少女は 青い鳥になった    身体の拘束から「私」は解放された そうです 幸せを求めて彼女は ふりむいたのです 宇宙はひとつであるとは限りません 数学者でさえすべての方程式を 解く事は出来ないのですから 幸せを求める方法も 無限にあるのかもしれません かざぐるまが回っています かざぐるまを吹いていました 家に帰ろうと思います 生まれた家に帰りたいと思っています かざぐるまを吹いています 風が止んでしまいました 一人で帰ろうと思います カラを抜け出せずに干乾びてしまったセミが一匹 家の前に転がっていました 生まれた家は取り壊されていました また私の生霊が身体を離れてしまったようです 風が吹いてきました かざぐるまが回っています 木陰語り 眺めているんだ いつだったか  定かではないのだが ここに来ようと思っていた   木陰は涼しい 誰に尋ねることもなく あの日のように たどり着くことができた 私の遺伝子が組み合される ずっと以前から この風景を眺めては   思い出すのかもしれない 私が私でなかった日のことを 私の細胞だけが覚えている 安らぎについて また語り始めた… 未来を殺せ ただ永遠を見よ 当たり前だった日常 平穏な生活を 送っていた日々 あの暗黒の昼下りさえ 起らなければ 我々の魂は安らいでいたのだろう 我々の魂は震撼した 忘却していたのだ 全てを無にしてしまう自然の本性を 我々に出来ることは ひたすらに祈る事 全てを無化しようとしたものへ そして死者を 静かに弔うのだ なにの報いも求めずに しかし今も我々は怯えている だが慰めはいらない 涙はいらない 我々をこの暗黒から開放させる事ができるのか *「哲学することは 死を学ぶことである」 未来を殺せ 神を殺した時のように 魂を無化するのだ そして刹那の間に 永遠を見よ  *モンテーニュ 『エセー』 1・20  白い壺を眺めていると 白い壺を眺めていると 話し声が見えるのです 右側に君がいて 左側に僕がいる 白い壺を廻してみると 虹が聞こえるのです 左に瞳を近づけると青く鳴り 右に瞳を遠ざけると赤く鳴る 壺が黒くなりました 何か匂ってきました 誰かが壺に花をいっぱい活けたのです 壺は花の影にすっぽり隠れて終いました でも花なんて数日も経てば しおれてしまうものです そうすれば壺は また白さを取り戻すのです そしてまた誰かが同じ様に この白い壺を眺める事でしょう 私のように オオゲツヒメを食った奴は誰だ オオゲツヒメを食った奴は誰だ オオゲツヒメの 乳首にしゃぶり付いている奴は誰だ オオゲツヒメの 太ももを焼いて食っている奴は誰だ オオゲツヒメの おまんこを裂いて 卵巣をひきずりだして食っている奴は誰だ オオゲツヒメの 膣をえぐり取り出して 自慰に耽っている奴は誰だ オオゲツヒメを食った奴は誰なんだ オオゲツヒメの 大きなケツの穴に スサノオは腕を突っ込んだ そうしたら可愛い 栗が一個ポッコリ取れた スサノオは喜んで それを頬ばった 私が死んだら 私が死んだら粒子になる 有名な科学者は そう言っていたらしい 私が死んだら私の考えたモノになればいい 高名な哲学者は そう言っていたらしい 神は試された 無から有がつくられるのかどうか ヒトという生物を創造して それを試された ヒトは神の期待通り 思考に試行を重ねて 膨大な人工物を造った しかし神については 今でもヒトはなに一つ 語ることが出来ない 私が死んだら 神になってやる そうして 有から無を創ってやる! 永遠という監獄から現代を見つめている者たちへ 一位や二位が問題ではないのです 役にたつとか立たないとかが問題ではないのです 我々が求め続けなければ ならない価値とは 常に最高を維持するという事なのです 絶対知を知る事ができない 我々にできる これがささやかな抵抗なのです 人類は自由を理想とする神を 降臨させ続けなければならないのです そしてその神をひたすらに 疑い続けもしなければならないのです 得体の知れない闇の世界 物自体とはなにであるのかへの 歯止め無き挑戦 これが知の完成を希求してやまない者たちの いい訳であり本心でもあるのです あの水の匂いが忘れられないのです 水のにおいが好きなんです。 おさないころ蛇口を上に回して飲んでいた あの水の匂いが忘れられないのです。 水のにおいが好きなんです。 古池で魚を釣って遊んでいました。そう、あの時・・・ あの水の匂いが忘れられないのです。 水のにおいが好きなんです。 虹が見える、梅雨の晴れ間のあの霧の あの水の匂いが忘れられないのです。 水のにおいが好きなんです。 あなたに逢えたあの日の涙で見えなくなった風景の あの水の匂いが忘れられないのです。 ≪被災地の浜辺には海風が騒いでいる≫ ≪亡くなった人々の呻き声の様に≫ 遺服 遺体が着ていた 衣服や下着を洗うと たらいの底には 砂がたまる 洗っても 洗っても 黒い砂が 洗っていると 初老の婦人は つぶやくように 嘆いていた けれど 今日も 少しでも 身元がわかる 手がかりに なればと 祈りながら 泣きながら 衣服や下着を洗っている たらいの底には 砂がたまる 洗っても 洗っても 黒い砂が 2011年の孤独 遠ざかる あの日に呼びかける もう消えてしまった あの日に いつものように 詩を書いている 自分には いつか訪れる 自分の時間の消失について 深く思索する ほどの 危機が無い ハイデガーのように ナチの御用学者でも 後の世に存在する者達が その学説を優先し 評価するならば ごらんの如く 学説は生き延びている 世の常だといってしまえば 反忠臣蔵だ と討ち入ってやりたい 気もするが 危機感も何も無い 紅白でも見ながら 年越しソバを 啜れる喜びを 鼻水と共に 分ち合おうと 思う ---------------------------- [自由詩]詩集1/ナンモナイデス[2021年3月10日20時52分] 一億年後 人がいなくなって 空が青く澄んでいます ロボットだけの地上になって 考古学者もいないので 地下のことは また秘密になってしまった ようです 静かです ロボットたちは酒も飲まない 恋もしない 博打もしない 楽しみといえば 背中のソーラーパネルを 洗いっこすること ぐらいでしょうか 地球は以前とあまり変わりません オーストラリア大陸の北上で ユーラシア大陸の極東に 新しく巨大な山脈が 形成されました 止どまる時間 詩を見つめていると 私の時間は止まる 見つめざるを得ない詩を 見つめていると 今が消滅し 永遠な時が開かれる その中で心おきなく 好きな詩を楽しむとしよう 夜の短さなど 気にとめる事も無く 理想/特に怪物 喜びは 遥かに 遠い 無い ようも たとえ 無人称  ほほ 笑む 笑み 永―遠 無形な 六指 理解され 理想とする 種・族・系… 浄化サレル させて いや させると 遠―永 笑み 極限 lim n→∞xn グロ 生体 死体 グロ 語りえぬ 博物学者 主語は怪物です 小野小町は死体です フランケンシュタインの 切断 断絶 レーニンの眼窩上隆起 腕が 縮み肥大する 先天 後天 ミュータント 人工的な 敵対する自然 なぜ なぜ なぜ なぜ なぜ  なぜ なぜ なぜ なぜ なぜ  創造者と破壊者の愛 胚胎する時間 神話が分散するとき 怪物は復活する ポップダンゴムシ 公園で ダンゴムシと遊んでた 秋になると落ち葉が ヒラヒラ落ちて貯まるので おいしいそうな落ち葉を 探してゴソゴソ 這い回るダンゴムシを ダンボール箱で作った 迷路の中に入れてやる しばらくは驚いて ダンゴになっているが しばらくすると チョコマカ歩き出す 行ってはゴツン 退いてはゴツン を繰り返し なにくわぬ顔でゴールする それを見ていたホームレスが 俺が捕まえていた 100匹ほどのダンゴムシの 入った箱を盗んだ 厳つそうなオッサンで 怖かったのだが その後を尾行することにした 着いたところは公園の 裏のほったて小屋だった オッサンは落ち葉を集めて 焚き火をしていた 小屋の中に入って持ってきたのは フライパンだった 焚き火のうえにフライパンを置いた その頃夕闇にあたりが包まれた… 温まったフライパンに さっき盗んだ箱の中にいる ダンゴムシをほり込んだ しばらくするとまるで ポップコーンがはじけるときの様に ポーン ポーン という音がしだした オッサンはできたてホカホカの ポップダンゴムシを 一粒ずつ口にほおりこんでは 焼酎をぐいっと飲んだ 焚き火に照らされて 見えたオッサンの顔は 満月よりも満悦だった 5億年前の注文 5億年前 私は甲冑魚を NGC 4449銀河の 寿司屋で注文した 大きな銀河は 小さな銀河を食う 共食いを繰り返し 満腹し爆発した 星の雨がキラキラ降る 骨の無い傘を 広げると 甲冑魚が跳ねたので 刺身にして 食った 七日 七日で俺は生まれた 俺は七日笑った 七日で夢が死に 七日で目を殺した 七日に穴を開けると 穴は七日生きた 俺が穴を覗くと 七本の歯が見えた 七日で七日が終わり 俺は七日の墓を建てた 母からの贈り物 陶器の 小さな 入れ物に 小さな ショコラが 数個綺麗な紙に 包まれて 入っていた 母が「今日はチョコレートあげる日やろ」 といってうれしそうな 顔をした 私と兄の二人に 贈ってくれた もう27年も前のこと 兄と甘いショコラを 二人向き合い 瞳で見つめあって ニガニガしく たべた事を思い出す 私は未熟児で生まれた 子育ての心労からか その二年後 母は片目を失った オリンピックで世の中 華やいでいた頃の追憶 学校へ行きだしても 集団登校になじめず 挙句の果てには 狂言を演じ登校拒否 までやってのけ 一騒動をしでかす 小学生時代はかなりの 問題児の私であった おかげで成績は無いも 等しい有様だったのだが 作文や詩を書くと ほめられる事もあった そんな私でも4年も経つと 慣れとは恐ろしいもので 学校に慣れてしまうと 勝手に違う班に入り 登校するようになる 母の付き添いもいつしか 要らなくなった… 母は現在八十半ば 盲目で 股関節脱臼で片足が不自由 認知症が爆発する時もある それでもいたって元気で よく食べて 大きなウンコも出す 介護ベッドの手すりを持ち パジャマの下をずらし 年よりは若いお尻を 「ポン」っと一発たたき 「私十八よ」 といいながら用をたす 私はそのたびに 母のいぼ痔の肛門と 我々兄弟の生まれ故郷である 母の陰門を眺めている バラード 三連のバラードがすきです 時には静寂に 時には狂おしく 僕の詩につけてください 死臭の嗅ぐやぐ 永遠のバラードを ミモザを飲みながら… ストックキャラクターが だんだん消えてゆくね 寂しい事だ、 スター・システムを 維持していくには もう コリアスターか チャイナスターか インディアスターか でないと ダメなのか ミモザでも飲もうかな あの子 踊っていたよね 気分よく 若いから寂しくないんだな 僕らの 誰もが知っている ストックキャラクターが 何人無くなってもさ 月が綺麗だ 月光仮面なんかも 誰も知らんように なるんかな いつの日にか 踊っているよ 寒いのに ミニスカの中 見えてるよな ありがとうね 枯れたおじさんに 恵んでくれて 「クシュン」 風邪ひくよ あの娘に 思わずおじぎしちまったよ ミモサでも ないのに こんにちわ日本 今日も夕方のニュースで 孤独死をやっていた このニュースの次のニュースは 変態男の孤独な犯行の隠しカメラの映像のO・A 次はなんだったかなぁ そうこうしている間に いつものお天気おねえさんが かわゆく白い指示俸を魔女のように使いながら 明日のお天気予報を告げている… 一応この人たち皆 日本人なんですよね 先祖がここにいたからいるんですけども 戦争でやられても 原発でやられても 平気なんですよ この国の人々は バレンタイン来るのを心待ちにしている 恋人さんたち あなたたちがいるかぎり この国は続いていきますよ 権力者やエリートさんたちは あなたたちがいればこそ 君臨できるのですから 人間の地位や価値など 所詮相対的にしか決められないんですから それとも殺し合いで決めるかなんですけどね この国の将来なんて多分今まで同様いい加減でいいんです 真面目になんてもともとできないんですから 間違ってもイデオロギーなんてありません でたらめなマニフェストしか書けないのです くだらない日本語でね… 英語なんかでまともな文書なんてうっかり書いたら えらい事ですよ だませなくなるわけですから だから日本語でいいのです 日本人でもわかんないんですからね 節分黄粉 お寺の境内は 豆まきを待ち構える 人びとでごった返している どっちが鬼だか わからない形相で 老若男女入り乱れて 撒かれる 煎り大豆をひたすら奪い合う 〈福は内 鬼は外〉 取られず地面に 落ちた豆は 地獄の罪人の如く 情け容赦なく 人びとに踏んづけられる そのたびに 無慈悲な 野蛮さに抗議するように 癇癪も起こせない 癇癪球のような 豆地雷は ぽんぽん断末魔をあげ 破裂し合い ささやかな黄粉になる 星雲の爆跡を 思わせる 豆の成れの果てを 僧侶達は箒で 厄を掃き清めながら 黄粉を集め 後でそれを 花壇に撒いておく 春には綺麗に  花壇が華やぐようにと 祈りながら 1904 ツィゴイネルワイゼン     ロマの人が    ロバに荷を乗せ   音の中を  駆け抜けて行く ガイゲは G   C D E♭ ツィゴイネルワイゼン を奏でて    指の短い男が弾いて    首の長い女がうつむいて    世紀初頭の    陰鬱さ  ロマの人が   ロバに屍を乗せ    音の中を     消え去って行く           *ガイゲ            独語・ヴァイオリンの事。 落楽園 枝の 長針と短針が 愛しあい  時を 具現化すると  生き活き 飛びまわり 来ては去り 去っては来る  二匹の 黒い蝶が 失われていく  木箱の 中では  今を ひたすら 軟らかに 惜しむ ことなく  裂ける 〈蛹〉 が 秒 を刻む 自ら偶然でも 偶発でも かまわず  そうした 何者かに 拘束された  循環を 契約させられて しまった 男や女の 行き着く 楽園は ただ古臭い 宮殿に 招かれて  賞賛と羨望 を貪り喰う 事でも ないし  犯罪と逃亡の 繰り返しに 辟易して 国歌が 組織する 税立暴力団に 出頭し  二人仲良く 投獄される 事でも ない 安いホテルに 寝泊り しながら  屋上へ 向かう 螺旋階段を 二人で 昇る 寝ながら 泳ぐ鳥の 愛らしい  無防備な 本能の 透明性を 呪いながら  昇降運動を しなければ 自殺も出来ず 子供にまで 指を指される 生き地獄に  自ら転げ 堕ちてしまった 彼らを 救うものは おそらく  悪徳を 糧とし ケ虱のように 人の恥部の 淫らな血を 嗤いながら 吸い尽くす 世間では 真面目に 仕事を こなす そんな 精神科医にでも 無条件に 依頼して  狂人に 変体 されて しまう 以外に この世での 男と女の 楽園は たぶん どこにも 開かれて などいない のだろう と思われる 詩人とはそういう者 ちょっと真面目な詩を書けば 誰も読まない 少しエロい詩を書いてもそのようだ みんなオリジナルな 詩を望んでいるにもかかわらず 結局は平凡なありきたりの なんの思想も無く なんの叫びも無い 今だけの快楽を共有するだけの 矮小な詩を望んでいるかのようだ 一瞬きらめきすぐに忘れ去られる それがわかっていても 詩は書き続けられるのです いくら技巧的に優れていても 有名作家の詩であったとしても それは自分の詩ではないからです だから今日も私は 私の詩を書くのです 勝者の贋物さを嗤うために 勝ち馬に乗って有頂天の騎手が 振り落とされ昇天していくのを 嗤いをこらえながら 見送っている観客の 一人のような 秩序の破壊者で あり続けたいのです 詩人とはそういう者だ と思うのですが… ---------------------------- [自由詩]春心地/ナンモナイデス[2021年3月18日20時43分] 真新しいものの 誘惑に 戸惑っている間に いつのまにか すぎさられてしまうもの 春とはそういう事象 新しいノートや鉛筆が 揃えたくなる 鉛筆削りにたまってゆく 削りくずの香る ここち… ---------------------------- [自由詩]初期化できればいいのにな/ナンモナイデス[2021年3月26日20時59分] IMEがおかしくなりました  時々、というか たんなる発作 やむなく初期化いたしました・ あすはうちの兄の誕生日です 40年前に亡くなった 父と同じ歳になります まあ誰もがおもうことでしょうけども 老体も初期化できればいいのにな、と 他人事ではなく自分もそうなんですがね 兄はウクレレ弾いています  ♪昔の名前で出ています… ---------------------------- [自由詩]厄介/ナンモナイデス[2021年4月4日21時13分] 宇宙の境界には 無限遡及の風が吹いている 考えても 考えても 考えることすら 無化され続けられる頭 やっかいだ ああ どうしようもなく やっかいだ 知ろうとするということは 今年 散り去った 桜の花の総数など 誰が 知ろうとするだろうか… ---------------------------- [自由詩]今はまだ寒コーヒー/ナンモナイデス[2021年4月7日21時07分] なんもない部屋でうらうら ひえた工場のまえでうるうる 自販機で冷コころころ 香りは春風にのりうーうー ---------------------------- [自由詩]入学の式の思い出/ナンモナイデス[2021年4月9日21時05分] 凍えるように 寒い日となるようです 四月の二週目というのは 半ズボンでふるえていましたよ 小学校の入学の式では 輝いていたのは訓示する 校長先生の頭ぐらいで 体育館の中には火の気もありませんでした ---------------------------- [自由詩]20210531/ナンモナイデス[2021年5月31日20時44分] 他者の内心などかまうことなく、 自慢話を講じている自分がいる。 今日は暑く、気だるい日だった。 遠くの海上には、幼い熱帯低気圧… キャスターには黒い斑点バナナ。 ---------------------------- [自由詩]あいさつ/ナンモナイデス[2021年6月16日20時56分] みしらぬ女性に あいさつした 「知っていますよ  あなたの事は」 と彼女はいう ぬるっと 眼球が飛び出し アジサイの 葉っぱを はって 溶けた ---------------------------- [自由詩]投資/ナンモナイデス[2021年6月23日14時15分] いまや国民なんてやってられない。 政治家など投資家の下僕にすぎない。 オリンピックなんて投資する価値なんてない。 IOC バッハになんか投資なんてしてやれない。 パラリンピックなんて義肢屋の見本市にすぎない。 誰かおれの詩に投資してくれ! そしたら火星にいって凍死するから。 ---------------------------- [散文(批評随筆小説等)]「拝察」について/ナンモナイデス[2021年6月25日20時55分] 自分は天皇に関しては中立的でありたい。 がそんな自分でも、 昨日の加藤官房長官の吐きやがったコメントには ほんまに閉口した。 宮内庁長官はオリンピック開催に対しての陛下の憂い事を 記者会見で伝えているのに、 それを陛下のことばではなく、あくまでも、 宮内庁長官自身の発言にすぎないとぬかしやがったのである。 赤木ファイルも開示されたはいいがノリ弁当に変わらなかった。 アベ・スガ政権は彼らを支持しない国民や陛下までも無化して、 どこまで暴走するつもりなのだろうか… コロナが収束しても、台湾問題がまっている。 もし台湾で有事が起こればだれがノリ弁当をつくるのだろうか… ---------------------------- [自由詩]はいらいと/ナンモナイデス[2021年6月25日21時05分] はいらいと まちこがれた今夜も 雨模様ではありますが はいらいと 月に寄せて 星屑に寄せて たそがれたひと時を お楽しみください… はいらいと はいらいと といらいは 駆け抜けてみませんか… ---------------------------- [自由詩]願う/ナンモナイデス[2021年7月2日21時12分] 39年前の今日、この家に越してきた。 自分はまだ歩けてはいたし、 母も元気に家事をこなしていた… 今日、兄がコロナ接種にいった。 兄も父の享年の歳と同じ、66になった 幸いなことに、自分のおんぼろpcで、 2回目の予約もとれた… ひそかに亡母にねがった。 兄の接種がうまくゆくように、と。 ---------------------------- [自由詩]フロッグピット/ナンモナイデス[2021年7月9日14時06分] 理性的に生きている人なんて 地球上にはいない 自分とおなじように 欲望は果てしなく ひたすら楽観的な野蛮人ばかり 小さな液晶のまどから ひっきりなしに 逃避アルゴリズムを 見つけ出してはよろこんでいる ははは こっちは晴れてるよ あっちは違法廃棄物土石流… ---------------------------- [自由詩]夏/ナンモナイデス[2021年7月11日20時45分] 現実と現象には「私」が必要である。 夏になるには科学など不必要である。 「私」が「ああ、夏だ」と汗をかけばいいだけである。 ---------------------------- [自由詩]「告白」/ナンモナイデス[2021年7月20日13時45分] 「告白録」ていろいろありますけど… 人選する人たちって全然参考にしていない ということが証明されたようで ちくった人に金メダルでもあげてくださいよ O氏にたかりもうけた諸君  とくにNHKの悪行はどうしようもない なみだくん・こんにちわ^−^v ---------------------------- [自由詩]犠牲者1号/ナンモナイデス[2021年7月22日13時35分] たぶん、それは「ケハイ」 を感じることなので。 今朝、ごみだしにいくと、 セミが鳴いていた。 今年初めての音だった。 とおもいきや、 仰向けに飛んできたセミが、 地面に落下した! ちょうど足元だったので、 おもわず踏みつぶした… ---------------------------- [自由詩]ええかげんにも・恥すらないのか/ナンモナイデス[2021年7月23日13時18分] 今朝も管総理はファイザーCEOと会食をした。 森をまたもや功労者にするらしい。 ---------------------------- [自由詩]しょうむない勘/ナンモナイデス[2021年8月8日21時01分] お寺に電話する。月命日、断りの。 運よく住職がつかまった。 土曜のあさ、雇われ僧侶が来た… (matamoya boukyaku shiyagatta) お人よしの内のが断りもせず、家に入れる。 しょうむない勘だけはよく当たる。 いやそれは住職がぼけただけなのだろう。 非常事態宣言ボケのやつらの如く。 ---------------------------- [自由詩]すずしい夜/ナンモナイデス[2021年9月23日20時51分] 現象として 秋らしい すごしやすい夜 独り 古臭い記述を読む 妻を殺した哲学者か… なあに 21世紀初頭 政治家の無策で 何人殺されたのだ 独り 闇を吸う ---------------------------- [自由詩]白い頬/ナンモナイデス[2021年9月26日20時56分] 他者が駐車しているから 自転車をそこに おいていたらしい 用事をすまし 自転車置き場に戻ってみると 鋭利な何かで 「サドルをバッサリ切られた」 と突然ぼそぼそとウチのが 白い頬でつぶやいた さてたぶんエチカなど よんで見たって同じだろう 相手には関係ない話だから ---------------------------- [自由詩]おぞまし/ナンモナイデス[2021年10月16日14時07分] 完成した一日を私は見たことがない。 それを欲求するにつけ気持ち悪くなる。 どこまでつづくのか、この毛細血管内… ---------------------------- [自由詩]肉体的世界/ナンモナイデス[2021年10月16日20時40分] 未完了のまま死んでゆく自分にとって、 異性との恋はあたたかく感じるだけである。 どうせ愛まで昇華したところで、 いたるところ矛盾だらけの慣習がはびこる この世界内では、うつくしく成就はしないのである。 みつめるがいい・ほろびゆくだけの肉体を… ---------------------------- (ファイルの終わり)