ナンモナイデス 2020年11月14日21時06分から2021年2月27日13時41分まで ---------------------------- [自由詩]こころに詩/ナンモナイデス[2020年11月14日21時06分] 名声をえたとしても、 人類はほろびるだけである。 子孫なんて残せやしない。 親と同じく死ぬだけである。 詩を書けるのは自分だけである。 いい詩が書きたい。 こころに。あなたのこころを出せ! ---------------------------- [自由詩]希望/ナンモナイデス[2020年11月16日13時26分] いつか未来の空の下で、 人の生という事象を、 回顧してみよう、 などとおもっています。 多分何事も選ぶ世界など、 ということは忘れられ、 明るみの中で、 精神と環界が融合されて、 いるような、 もはや世界を意識せず、 開示されている自分。 復活・輪廻・進化など、 ただの言い訳に過ぎなかった、 のだと嗤う自分。 ---------------------------- [自由詩]民間製/ナンモナイデス[2020年11月18日21時14分] 民間製ロケットが無事、 宇宙ステーションにドッキングできたらしい。 ついてみたら定員がひとりオーバーしていたらしい。 地上はコロナ渦で目まぐるしく回っている。 宇宙飛行士たちは大丈夫だろうか… 『ソラリス』でもみようか。 ---------------------------- [自由詩]機械の気持ち/ナンモナイデス[2020年11月21日13時12分] 過去をつくる 慣れてしまえば 私の額から 表象を消せばいい プラグは抜かれては いなかった 電子は送られて なにかにいらだっている 亡霊となれない 機械たちに 羨望している ---------------------------- [自由詩]アルバイト/ナンモナイデス[2020年11月24日13時48分] がらんと、芯が 落ちた鉛筆。 そばにころがっていた、 ボールペンをアナトミア! 芯を、がらん洞化した 鉛筆の穴に異種結合。 ささっと、 代筆業再開す。 ---------------------------- [自由詩]平穏な人/ナンモナイデス[2020年12月3日21時09分] ゆかりもなにもない あぜ道を素足で歩いている 傍らにはばあさんがいる 表情もなにもわからない 妙なまぼろしの人 俺は俺でたぶん不定な人間でしかない いつも平穏をもとめている ---------------------------- [自由詩]無力感/ナンモナイデス[2020年12月4日21時06分] たかが60人の看護師すら 集められない大阪 都構想なんてやったって どうせなにもできゃしない 近しい未来の危機でさえ その回避する最低限の人員でさえ 確保していなかったのだ ひさびさの8個298円のたこ焼きはうまかった ---------------------------- [自由詩]見つけられた言葉/ナンモナイデス[2020年12月8日20時55分] 迷走しているのは私です。 つめたい冬の夜。 不明なことに、ときとして 名辞をしらされることがある。 ただの落書きにも… ---------------------------- [自由詩]枯木/ナンモナイデス[2020年12月9日13時26分] 柿木をみていると、 ふと、以前枯木があったこと をおもいだした。 おとうさんの髪型がとても 斬新でしたね。 吹きすさぶ疾風に 負けないくらい、よかったです。 ---------------------------- [自由詩]真実は語れない/ナンモナイデス[2020年12月16日21時05分] たぶん日記にでも、 記しておかないかぎり、 今日一日中・強風に際悩ませられていた、 自分の内部の不安といった、 真実など、一週間もしないまに、 忘れてしまうにちがいない。 真実を語ることはたぶんできない。 たとえタイムマシーンが実用化されても、 たぶん、そう…おもう。 ---------------------------- [自由詩]物干し竿に/ナンモナイデス[2020年12月24日21時04分] 子供のころ すでに菓子屋の罠にかかってしまった 父と子は いらい物干し竿に 長靴をつるすという 蛮行を行うようになった のち父が逝き 子ひとりとなっても あいかわらず 続けられている ---------------------------- [自由詩]2020年の掉尾/ナンモナイデス[2020年12月29日21時01分] 東証の平均株価が2万7千円台らしい 例のウイルスの変異種は増殖率が高いらしい 他人の悲哀を感じない人間がいかに多いことか ---------------------------- [自由詩]雑記/ナンモナイデス[2020年12月30日20時54分] 僕の枕には 「ピエールカルダン」のサインの 入ったタオルがまかれています 未だ現存の プラズマテレビには 「ピエールカルダンさん逝去」 と映っていました 死因はわすれました でもコロナではなかったようです 大晦日にはタオル新品にしよう とおもいます 「ヤマモトカンサイ」… たしかこの人も逝っちゃいましたね ---------------------------- [自由詩]2020年終わりの詩/ナンモナイデス[2020年12月31日20時47分] 人生の半分以上 自宅にいるじぶんにとって 2020年は世界中が 自分と同じ境遇に浸されたようで 人類の同胞として そのご身分にかかわらず 悲哀を感じざるをえません 私事ではありますが ヘルパーも半年あまり 回避中なので なまの女に飢えています 2021年も 「さだまさし」観てから 夢のなかで 童身にかえって お年玉でもせがんでやろうと おもいます 亡き両親に ---------------------------- [自由詩]2021みなさんお元気?/ナンモナイデス[2021年1月6日13時21分] だらだら続くながいくそ 腹痛で2021は始まった 東京では感染爆発で オリンピックどころじゃない はずだろうけれども だらだらニカイやスガは よだれたらして開催をのぞんでいる もーぜんと ---------------------------- [自由詩]黒いギター/ナンモナイデス[2021年1月6日21時12分] 注がれる 新しい時も 自然は無口 鏡の前にたった 自分のよう あかぎれで痛む指 指板は 切れ切れ ---------------------------- [自由詩]カタルゲーシス/ナンモナイデス[2021年1月13日13時55分] 夢からめざめたいのか 現実から逃れたいのか テリウム いつまでたっても 進化も退化もしない 不活性なテリウム 真冬だというのに 窓辺で寝入ってしまうなんて 約束の時間もすぎ… ---------------------------- [自由詩]例外。緊急の/ナンモナイデス[2021年1月13日21時21分] 権威者は、口が軽い。 権限を持っている。それだけで口が重い。 その関数によって開示する。 「生」と「法」の弁証法。 主権者のための政治の彼方へ。 それはたぶん逆説ではない。 ---------------------------- [自由詩]勝てやしない/ナンモナイデス[2021年1月19日21時21分] 自分はもともと オリンピックに興味がない しょせん人間の体力がいかに 劣っているか それだけのこと イルカに勝てるかい チーターに ゴリラに勝てるかい ウイルスにだって 勝てやしないじゃないか 人間なんて そのうちAIにだって 勝てなくなる そうなりゃ やっと絶滅する 人間なんて ---------------------------- [自由詩]ナニコレ/ナンモナイデス[2021年1月22日20時52分] 数式で「ブラックホール」をみても、 心は沈まない。 将棋で「▲7七金」をやられたら、 心はきんとんうん! ---------------------------- [自由詩]ローカルなニュース/ナンモナイデス[2021年1月26日21時02分] 母がデイサービスでお世話になっていた、 ホームの方がテレビニュースに出ていた。 PCR検査の件だったとおもう。 ホームはうちから10分ほどのところにある。 自分もリハビリをやろうとおもってはいたのだが。 きょうは夕方から雨が降った。 傘を忘れたひとも多かっただろう。 風邪などひくとえらいこっちゃ・・・ ---------------------------- [自由詩]哲学などいらない/ナンモナイデス[2021年1月28日20時53分] 1920年代も不安だった。 ハイデガーの哲学に希求した者たちも多くいた。 2020年代、世界は危機である。 でも日本はあいかわらずである。 イスラエルはいち早くワクチン接種している。 日本では国家予算にGOTOトラベルを計上している。 国会では相変わらずいねむり議員ばかり。 やはりこの国には哲学などいらない。 不安のない奴等には、哲学などいらない。 ---------------------------- [自由詩]英語嫌い/ナンモナイデス[2021年1月30日13時25分] 英語は嫌いである。 その言葉には倫理が内蔵されていないからである。 ---------------------------- [自由詩]苦言/ナンモナイデス[2021年1月30日13時49分] 「誇り」のために人を殺せない。 それができるのは「無知」なためにすぎない。 ---------------------------- [自由詩]ああ…/ナンモナイデス[2021年2月4日13時23分] いい年して口喧嘩 ああ 馬鹿馬鹿しい、朝… 昼、青空なのに ああ 寒々しい… もういい加減にせえや ああ 三日目カレー… ---------------------------- [自由詩]生まれてよかったこと/ナンモナイデス[2021年2月6日13時35分] 自分は次の世、どこで存在しているのだろうか? また、同じ人格を保ったままなのであろうか? でも幸運であったのは、ウルトラマンと出会えたことだった。 ソクラテスを知るまえに、「正義」を知りえたのだから。 ---------------------------- [自由詩]なぞ/ナンモナイデス[2021年2月13日20時58分] 顎がいつ発生したのか、謎らしい。 顎がなければ、哲学者といえども 《ト・ティ・エーン・エイナイ》 とは発語できはしない。 アリストテレスは古典である。 《ト・ティ・エーン・エイナイ》 の意味はいまだに不明である。 ロスト遺伝子のように。 ---------------------------- [自由詩]灰色の空のしたで/ナンモナイデス[2021年2月18日13時56分] 鳩をひいた 寒風ふきすさぶ 灰色の空のしたで 平和の祭典など 鳩の世界にはない だったらどこにあるのか あるのはおれの世界でだ 鳩も死に 人も死に 俺が死ねば 永続に無化する世界でだ ---------------------------- [自由詩]やさしさ/ナンモナイデス[2021年2月19日13時38分] 「花こうてきたわ」 うちの者が、買い物から帰りいう。 カレンダーに目をやって、 月命日の日かどうか確認してみる、 けれどもそうではない… 「非常事態まだでてるやろ」 「しゃあからおかあちゃんに、  こうてきたたんやわ」 花瓶を握るこぶしも、 赤く冷たく。 ---------------------------- [自由詩]火星ツアー/ナンモナイデス[2021年2月27日13時41分] いつになく風の姿を追うことがある。 そんなこと気にしなくても、 若い子のスカートでも観察していればいいことなのに。 探査機がメクライモリでも乗せてりゃおもしろいと思います。 どうせ荷物検査なんていいかげんなんだから。 ---------------------------- (ファイルの終わり)