st 2021年10月11日9時42分から2022年1月8日4時12分まで ---------------------------- [自由詩]かぐや姫の階段/st[2021年10月11日9時42分] 白く輝く 美しい雲の階段が 地平の彼方から こちらに向かってのびている ほんのわずかな時間だけ現れる 天空への道は 月へ帰っていった かぐや姫が 今にもでてきそうな気配で 青空を背に天空にかかる 物語りの中だけの つくりごとだと思っていたが 実際に目の前に 見えているから驚いた こんな雲の階段を登れたら どんなに気分がよいだろうと かぐや姫の物語に思いをはせて あっという間に消えゆく道を 時をわすれて眺めていた *****プロフィールに写真があります****** ---------------------------- [自由詩]日の出の雲に竜が住む/st[2021年10月15日9時48分] 日の出の景色は その日の気象条件で様々に変化し 一期一会の絶景という そこで いつものように この絶景を撮っていたら あかね色に染まる 地平線あたりに漂う雲が ごく一部だけ 高い空までのびていた この不思議な光景に カメラマンとしてのカンが働き 何枚かシャッターを切った 一体何だろうと 出来上がった写真を見たら 何と竜の顔が あかね色に照らされて クッキリと 雲の間から下界をのぞいていた じっくりと見渡すと その胴体までも見えてくる 水の神として各地であがめられ 神泉苑(二条城南)で空海が祈りを捧げ 善女竜王(清瀧権現)を呼び 雨を降らせたという話もある 水の神が雲に住むのは 考えてみれば当然の事 日の出の雲に竜が住んでいた いにしえの伝説は真実だった *****プロフィールに驚くべき写真があります****** ---------------------------- [自由詩]秋の嵐と虹とジェット機/st[2021年10月21日9時11分] 秋はまだ 始まったばかりなのに 冬のような寒さをつれて すさまじい嵐が吹き荒れる 山の天気のように 目まぐるしく変わる空模様 黒々とした雲が あっという間に通り過ぎ かと思うと きれいな青空と白い雲 そして まぶしい太陽が顔を出し 次には しぐれ模様の雨が降る そんな時 ふと空を見あげると 灰色の雲を背に 美しい虹が弧を描く あわてて カメラを手にし シャッターを切ったと思ったら 直ぐに虹は消え去って なんとか一枚撮れただけの 束の間の わずか数分だけの虹だった めぐるめぐる空模様 再びしぐれ模様の雨が降り おんなじ場所に虹が出る 今度こそはとシャッター切ると 何かが虹を抜けて来る ほんの束の間の虹を抜け 飛び立つジェット機を確認できた こんな奇跡のショットが撮れるから 写真というのはやめられないのさ *****プロフィールに写真があります****** ---------------------------- [自由詩]釣った魚からシボリとる/st[2021年10月24日9時10分] 釣った魚にエサはやらない なんて まだマシなほう デジカメの純正バッテリーや充電器の バカ高いのには呆れてしまう を 通り越して 怒りさえ覚えてしまう デジカメ本体が 凄まじい競争で利益が出ないから 買ってしまったお客から どうにか利益を得ようとする 姑息なやり方で 激安の互換バッテリーや 充電器の値段をみると 3倍から5倍以上となっていて あまりの高値に驚いてしまう 本体の競争が激しいプリンターなども バカ高いインクで儲けている さらにズウズウしいのは 激安の互換メーカーの邪魔をして ソフトで識別して使えなくしたり メーカーに圧力をかける事もあるらしく なりふり構わずのスサマジイその行動 デジカメメーカーさんへ一言いいたい 中古で数万円のデジカメに そんな高値の純正品の出番が あると思ったら大間違いだ ---------------------------- [自由詩]太陽を射抜く飛行機雲/st[2021年10月26日3時23分] 朝早い 日の出から間もない頃 まだ 昇りきらない太陽目指し 2つの飛行機雲が まるで 太陽を射抜こうとしているように 長くながくのびている 流れる雲より高く 気持ちよい秋晴れの青空のなか さぞや 爽快な気分で飛んだであろう本体は まさか 太陽を射抜いているとは知らずに どこか遠くへ消え去ったあと こんなふうに 飛行機雲が長くのびると 雨が近いというし 飛行機雲がだんだん広がると 天気が崩れる なんて 飛行機雲予報があるけれど 天気予報は晴れとある さあて どちらが当たるか 予報対決の結果をみると--------- なんと 2時間後くらいから 空一面に厚い雲が広がりはじめ いまにも降りだしそうな気配となって 飛行機雲予報の勝ちでした *****プロフィールに写真があります****** ---------------------------- [自由詩]電波時計の神話/st[2021年10月28日3時17分] おや また5分くらい狂っている これで買ってから2回目となるけど 原因ははっきりしないが 電波時計が狂うと厄介だ デジタルの置時計なので いちいち合わせ直すのが面倒だし また次の受信時に 同じように狂うかもしれない 電波時計は絶対に狂わない なんて 神話に踊らされ 電波時計を買った というか 買わされた 今思い出してもいまいましい とんでもない ゴミ集積所の監視員の話をしよう ゴミ出しはいつも 朝一番に出す事にしていたので 6時の少し前に家を出て ゴミ集積所につくと すでに監視員がいて チラリと腕時計を見てから まだ2分早い とぶっきらぼうに こちらをにらみつけてくる 呆れかえって ここでそれまで待ってるのかと 怒ったら 不満があるなら 他の場所へ行ってくれ という だいたい時計なんか正確じゃないし たった2分なんて 狂ってるかも知れないし とぶつけると これは電波時計で 狂うなんて事はない と平然と言い放つ 電波時計が正確なのは聞いていたから その場はじっと我慢して2分待った 家に帰ってから これは電波時計を買わないといけないなぁと思い 早速買ったというわけだけど 他の場所に持って行け というのが 調べたら違反となる行為だったので 市役所に通報し事情を話した どうやら この監視員は融通のきかない 高飛車の態度で有名で 他の人ともよく問題を起こすという事だった それからしばらくして この監視員はやめたらしい もしまだやっていたなら 電波時計も狂う事があり しかも一度に5分などと タチが悪いと言ってやりたいし そんな電波時計を買わされた 損害賠償も請求したいくらいだ ---------------------------- [自由詩]初冠雪が教えた寒波の通り道/st[2021年10月30日4時19分] 上越ではすでに初冠雪があったので ここ下越でも すぐに初冠雪が見れるだろうと思っていたら 今日遠い山々に ちらほら白いものが見えていて どうやら雲ではないようなので 早速望遠レンズで撮ってみた 確認したら やっぱり初冠雪だ 初冠雪といっても ここから見える連山の中央部の それも ほんの一部だけ ちらほらと積もっている 同じ高さの山でも 積もるとは限らない不思議さ となると ここが寒波の通り道だったのかも知れない ちらほらで明らかになった こんな気象現象の真実を 発見できただけでも価値がある こんなふうに遠くの山々が クッキリと見え始めたら もう冬が近い *****プロフィールに写真があります****** ---------------------------- [自由詩]斬新な指し手で人々を魅了する少年/st[2021年11月1日3時19分] 偉大な羽生九段の時代にも 結構面白い指し手は多々あったが 指すたびに現れる これまでにない斬新な指し手に いつも驚かされ魅了されるのは 私だけではないだろう 人はそれを AIを使った研究の成果というが それだけではないような気がする 確かに 人間が感覚的にみて こんな手はすぐに弾く というような手も AIが何手も先を読むと 好手だったりする しかし このAIをもってしてもできない事を この少年はやっているようだ それは AIのようにすべての可能性を調べると同時に それらの手を用いて どのようにすれば 有利に展開してゆけるかを考え 勝利の道筋を構成してゆく というやり方ではないだろうか 斬新な指し手も 勝利につながらなければ意味がない また このような指し手の構成は複数あり それらの中から選択する場合の たぐいまれで非凡な構想力こそが 他の棋士を 圧倒しているのではないだろうか ---------------------------- [自由詩]空を飛ぶバイク/st[2021年11月4日4時07分] なんて原始的なんだろう と 空に浮かぶ雲たちがささやく それに 値段も八千万円近くと 普通の人間にはとても買えない価格だし まあ 空を飛ぶ車よりは ちょっとマシかな かっこいいのは確かだけれど 飛行できる時間が短いね とはいっても 行く先が風まかせの僕たちよりも 自由自在に飛び回れるし もしかしたら 目立ちがりやの金持ちたちが 買うかも知れないね くだらない話はいいかげんにして そろそろ 地球上のすべての生き物に なくてはならない 雨を降らせる準備の時間だ ---------------------------- [自由詩]気の弱い赤とんぼ/st[2021年11月6日3時36分] 秋も次第に深まって 桜の紅葉が美しさを増してきた 少し離れた場所にある 桜の木には 優しい陽の光が満ちあふれ ひときわ その美しさを際立たせている さっそく 望遠レンズを手にとって 何枚か撮影していると 何かが視界を横切った カメラから目をはなし まわりを見ると ベランダの手すりに 二匹の赤とんぼが 四五十センチほど離れて 日光浴を楽しむように 羽を休めている おや 赤とんぼの群れがいるのかな と思い 周囲を見渡してみても この二匹の赤とんぼだけ もしかして とまずは接写して 後でじっくりと確認すると やっぱりオスとメスだった メスを求めているのに 四五十センチも離れてとまるとは なんて気の弱いナツアカネだろうと 思わず笑いがこみ上げてきた *****プロフィールに写真があります****** ---------------------------- [自由詩]工場生まれの雲はアーティスト/st[2021年11月8日7時27分] 煙突のチューブから 青空のキャンバスに向かって どんどん飛び出してくる 真っ白い雲たちは 目の前で生まれていても いつも空高く 昇れるわけじゃない 飛行機がつくる 飛行機雲もそうだけど 厳しい気象条件がそろった時にだけ 大空を飾る美しい雲となれる 海で生まれる雲よりも ずっとずっと小さいけれど やがてひとかたまりになって 上空をふきぬける風に乗り 美しい文様を描きながら広がってゆく めったに見れないけれど 工場生まれの雲たちは 誰にもまけないアーティスト ひつじ雲やうろこ雲 時には 天空の雲に住むという 雨をふらす恐ろしい顔をした竜神 そして ふつうの雲ではできることがない 地上から天空へとかかる 巨大な雲の階段まで描いて 今にも 月に帰ったというかぐや姫が 現れそうな気配をみせる こんな素敵な雲のアートたちを いつも見せてくれる 工場さんありがとう ****プロフィールの写真が多くなってきたので、WEB写真展で公開しました******** https://coten.pics/exhibitions/19639 ---------------------------- [自由詩]多重人格は好きにはなれないけれど/st[2021年11月12日5時34分] 最近 ライカの70年も前のレンズに夢中になっている ズマリットという名前だが 現代のレンズでは決して得られない その写りが面白い プロの女性写真家が 好んで使うようになってから 人気が沸騰し 中古市場での価格も ウナギ昇りとなっている このレンズについて ある人いわく このレンズ1本で 他の性格の異なるレンズを 3本持つのと同じ事 という まるで多重人格の人間のような 不思議な魅力を持っている 絞り開放では ゴーストやフレアーが目立ち まるで ソフトフォーカスのレンズのように振る舞い 女性のポートレートなどで 非常に魅力的な写真を創り出す ボケ味もグルグルぼけとユニークで 逆光時によく現れる虹色のゴーストが美しい これで1本 ところが 絞りを一段しぼると その性格がガラリと変わり始め フレアーやゴーストとともに 確かな解像力を示し始める これでもう1本 二段も絞ると 非常にシャープになり 高い解像力を持ちながら 独特の柔らかさも感じさせるようになる 現代の優秀な写りのレンズと比較しても 遜色のない 最後の3本目となるわけだ こんなふうに コロリと変わる描写のせいで 昔からクセ玉などと語られてきた 現代のレンズは 開放から最小絞りまで フレアーやゴーストが 極力でないように設計され シャープさや 高い解像力を保つが こんなふうに 変化する面白さがない 人間の多重人格となると とても好きにはなれないが レンズとなると話は別だ ---------------------------- [自由詩]誕生日プレゼント/st[2021年11月15日6時03分] 四冠の誕生日プレゼントを ありがとう とは 師匠が自分の誕生日に 大変な偉業を成し遂げてくれた 弟子にむかっての 喜びの思いだが まてよ この日は僕の誕生日 師匠と同じだったと知って 驚くやらウレシイやらで 弟子ではないが いちファンとして 師匠といっしょに 四冠の誕生日プレゼントを ありがとう ---------------------------- [自由詩]AI超えの証明/st[2021年11月17日5時19分] とてもめずらしい光景が 竜王戦の第4局で現れた 終了まじかの大盤解説で 説明役のプロ棋士が混乱している ふつう 投了の近い最終盤になると 不思議と 解説のプロ棋士の読みが 適中するようになる ところが この第4局では その変化が複雑すぎて難解で 読みが全くはずれ続ける こんな解説を これまで見たことがない 竜王戦第4局の難解さ 視聴していて 消化不良となったので 出来る限りの情報を WEBから集めて 比較検討しなければ 正確な投了理由がわからない というほど WEBの情報も混乱し 極めて難解な名局だった 正しいものを選択するのに 時間がかかったが ようやく その全貌が見えてきた なんと詰め筋に 2ケタちかい数の変化があり そのほとんどが複雑で 30手にちかいものだらけ いまをときめく AIをもってしても こんなに長い詰め将棋たちは 処理できなかったようだ この対局のおかげで 知る事ができたのは 現在のAIの限界と どの筋も 30手にちかいものだらけの詰将棋を わずかな時間で処理し 勝ちの筋を選択するという これまで AI超えとさんざん言われてきた 新竜王のたぐいまれな能力の 確かな証明に他ならないものだった ---------------------------- [自由詩]シルエットの秘密の扉/st[2021年11月20日10時55分] シルエットのほうが美しい とでも 言いたそうに 絵画のなかで 熱心に シルエットを見つめているのは シャルロッテに恋をした ゲーテという詩人 若き乙女の 可憐なシルエットが 好きで好きでたまらない様子 乙女の素性を 誰にも知られたくないから 自分だけが知っていればいいから ゲーテは知っていた そこには 秘密の甘い香りと 別世界への扉がある事を 今日も 朝陽や夕陽が魔法をかけて 街全体がシルエット 地平を飾るのも 連山の美しいシルエット なぜだろう シルエットにひかれてしまうのは 輪郭だけのはずなのに 昼間見る景色とは違う 何かがある シルエットに なってしまったビルの 屋上のアンテナに集い 羽をやすめながら あかね色に染まる地平を見つめる 二羽のカラスが 神秘のベールにつつまれてゆく ---------------------------- [俳句]軽石/st[2021年11月23日3時08分] 軽石が 重荷になって 冬の海 ---------------------------- [自由詩]虹を待つ少女/st[2021年11月24日7時24分] 雨上がりの後に時間があると 少女は いつも散歩にでかける 行く先は 街の高台にある 見晴らしのよい公園 ベンチに腰掛けて 虹のでるのを待っている が 今日もまた いくら待っても虹がでない 悲しくなった少女の瞳が うるんできたその時に どうしたのお嬢ちゃん と 初老の紳士が話しかけてきた 虹を待ってるの と 少女が答えると 虹なんかめったにでないよ 今日ももうでないと思うよ いつもここにいるけど そんな理由があったのか と 少女を見つめると 少女の瞳から 涙がこぼれ落ちた 何か深い理由がありそうだね 話せば楽になるかも知れないよ と 紳士が少女を諭すと 少女は語り始めた 好きだった男の子と この公園で遊んでいたら 突然にわか雨が降って来て ずぶぬれになってしまったの 晴れたあとで あの山のあたりに きれいな虹がでていたから 二人で秘密の約束をしたけど それからしばらくあとに 彼は病気で亡くなってしまったの 悲しくて悲しくて 思い出のこの場所に来て 虹がでるのを待っているの だって 彼が虹の道を通って 逢いに来てくれるかもしれないから すると紳士は笑いながら なんだ そんなこと簡単さ 丁度今日は虹のでるカメラを持ってるから と カメラをしばらく操作してから さあ見てごらん あの山のあたりに虹がでているはずだよ と 少女にカメラを渡すと ほんとだ虹がでている と 驚いて少女は紳士を見つめる このカメラには 一番きれいな虹がだせるという 魔法のようなレンズがついているのさ このカメラを貸してあげるから あの光に向かってのぞいてごらん この時刻なら いつでも虹がでるはずさ 返すのは君の好きな時でいいから と 少女にむかって微笑んだ あとからわかった事だが この紳士は 宝くじでも当たったのか と思わせるような 評判の金持ちで カメラやレンズを 数えきれないほど持っている 大学の講師も務める プロの写真家だった *****プロフィールに写真があります****** ---------------------------- [自由詩]金銭重力ゼロの世界/st[2021年11月26日5時21分] 百万円と一万円とでは 重さが違う 札束にすれば明らかだけど 物理的な重さもあるが 心の中にも重さがある 何かを買う時なんかは 一万円なら気軽に選んでも 百万円となると 慎重になるのが普通だ 毎日のように訪問する ある人のブログを見ていると 金銭感覚が マヒするというか なんだか フワフワとしてくるのがわかる 金銭重力がゼロの世界なのだ 日々更新される その内容が圧巻だ とにかく毎日毎日 異なるカメラやレンズのオンパレード 実写や性能を解説しているのだが なんと これらをすべて購入済みなのだ おそらく カメラは百台以上で レンズなどは千個以上持っているのだろう 呆れてしまうのは 百万円以上もするライカと 十万円以下の国産ものを 全く区別もしないで 先日買いましたけど------- なんていうふうに ごくごくカールク紹介していること ふつう 百万円以上もすれば 持っていたカメラやレンズを売却して 泣く泣く買った とかいう ありそうな苦労話が見られない いったい この人物は何者なのか 興味が出てきて調べてみたら 大学の講師も務める プロの写真家だった しかし 失礼かもしれないが これだけの収入では これほどのカメラやレンズを毎日のように 買えるとはとうてい思えない こんな時によく言われるのは 宝くじにでも当たったのかな なんてげせわな推量ばかりかな笑 ---------------------------- [自由詩]異次元からの訪問者/st[2021年12月1日11時28分] 寒いけれど すがすがしい 冬の青空が広がっている 晴れた日には 必ずといって良いほど 謎の大型4発のジェット機が まるで 異次元のトンネルから飛び出すように 上空の途中からポツリと現れる いくら調べてみても こんな地方の空港では 双発のジェット機ばかりで 4発のジェット機の 飛行計画なんてでてこない 普通の 空港を離着陸する飛行機は 空港の近くでは 低空を飛ぶことになるから 飛行機雲なんてできないし それどころか 2機以上の時もあるのが摩訶不思議 時空を超えた未来や過去から やって来たのかな なんて 思いながら 雲一つない そっけない表情が嫌いで カメラを向けずにいた 雲よはやくでておいで と じっと大空をながめていたら 案の定 いつもの飛行機雲が また始まった ちょっと横では なにやら黒い粒がうごめいている おそらくヘリコプターだろうが 鳥かもしれないので 望遠レンズで撮ってみた ついでに飛行機雲も撮って 確認してみたら やっぱりヘリコプターで 飛行機は なんとまた 4発のジェット機だった こんな大型のジェット機が 晴れると必ず現れるとは 確かに 4本の飛行機雲はきれいだけど いったい このヘリコプターや 大型ジェット機の騒々しさは なんなんだろう と 撮った写真を見ていたら はたと気づいた逆転の発想 これだけクッキリと見えているからには 逆もまたしかりだ 即ち 相手もこちらの地上の世界を クッキリと見渡せるはず 今は 絶好の遊覧飛行の季節ということだ それにしても 冬の遊覧飛行というだけで リッチだけれど どこかの大金持ちが チャーターでもしているのかな それとも 異次元からの訪問者かな 美しく4本に分かれて 長く尾を引く飛行機雲といっしょに 大きな謎がかさなった *****プロフィールに写真があります****** ---------------------------- [自由詩]スイーツの王国/st[2021年12月3日3時05分] クリスマスが近づくと スイーツの王国が 輝きを増してくる 王国を支配するのは クリスマスケーキという国王 この時期になると 必ず世界中でつくられて その名声をあげ 盤石な地位を築いている その国王に今年嫁いだのは ワインの王国のプリンセス 名高い貴腐ワインのシャトーディケム アイスクリーム県の代表 バニラアイスが推薦した フルーティな香りと スイーツの甘さに負けない甘さで 国王をひきたてる 争ったのは ブランデーの王国のプリンセス 一番人気の レミーマルタンXO ふくよかで深い香りと 独特の甘さで他を圧倒する チョコレート県の代表 チョコパイが推薦したのに やぶれてしまい 残念な結果となった 今年も毎日 スイーツの王国で開かれている 恒例の 舞踏会は盛況だ 妃選びで争った バニラアイスとチョコパイが 会場のデカイ器のなかで 仲直りのキスをする ---------------------------- [自由詩]クリスマスが終わるまで/st[2021年12月10日5時57分] 12月になると どこからともなく流れてくる -----きっと君は来ない 一人きりのクリスマスイブ----- 天上のキリストも気に入って 永遠の命を与え 12月になると 不死鳥のようによみがえる はじめて聴いたのは クリスマスセールが 始まったばかりの ショッピングモールのなか あれからもう 数十年の月日が 流れているけど 今年もまた 聴きたくなってしまう なぜだろう なつかしい 初恋の恋人のように いつもワクワクしてしまうのは 僕だけじゃなく 皆がそうらしい 生まれてからずっと オリコンチャートにチャートインして ギネスも認めたその記録 途中からもう1曲ふえて ---クリスマスキャロルが流れる頃には   君と僕の答えもきっとでているだろう----- これからクリスマスが終わるまで かわりばんこにかけながら 冬の夜を楽しもう ---------------------------- [自由詩]クリスマスプレゼントの罠/st[2021年12月13日3時34分] 笑うに笑えない 涙の クリスマスプレゼント できるなら 粉々に砕いてしまいたかった ターコイズブルーの 恋のかけら その一粒が こころの隅に残って チクリと痛む イブまでに 君がほしいと言った おそろいの ターコイズブルーのティーカップ 高かったけど 苦労して貯めこんで やっとイブに間に合った 街のイルミネーションが きれいに見える 待ち合わせの公園を 通るたびにチクリと痛む たった一粒残った 淡い恋のかけら 捨てたり 誰かにあげるには 高すぎる 美し過ぎて どんなカップもかなわない 使わずに 置いておくことなんてできないと 使ってしまうことまで 計算してのことなのか 紅茶を飲むたびに いじわるな 君の笑顔を想いだす これじゃあ いつまでたっても 忘れる事なんてできないよ 罠とでも思わなきぁ いられない 一人きりのクリスマスイブだから ---------------------------- [自由詩]主役のいないクリスマス/st[2021年12月16日1時13分] ゴメン と ひとこと言えなくて いつの間にかクリスマス わかっているけど 意地を通してゴメンと言えず 何人去ったかわからない クリスマスの主役は もちろん君さ なんて キザなセリフも もちろん言えず 今年も 主役のいないクリスマス 派手なイルミネーションに照らされて 幸せそうに キザなセリフが行き交う街は いっそう 寒さが身にしみてきて そそくさと 家に帰っても 豪華なスイーツを 食べるとき 一緒にいてくれるのは テーブルに飾っておいた かわいい雪だるまのお人形 来年こそはと ツリーの飾りに書き込んだ サンタへのお願いは どうかゴメンと 言えますように ---------------------------- [自由詩]魔女のクリスマス/st[2021年12月18日15時14分] おゃ 知らないのかい 本場イタリアじゃあ サンタじゃなくって 魔女が クリスマスプレゼントを運ぶのさ もともとは 聖書のなかにある 伝説の老婆のこと キリストをさがして 生まれたばかりの赤ん坊のいる家を 一軒一軒まわり 甘いお菓子を置いていったという話 れっきとした 筋の通ったほうが魔女なのさ サンタなんかは あとから誰かがつくったこじつけさ そもそも みんなよい子とは限らない 無条件で おいしいお菓子を プレゼントするなんてことはない 魔女だけが 魔法でよい子がわかる そう 私だけが わるい子を知っている だから わるい子の靴下のなかには お菓子じゃなくて そっくりの 炭をいれておくから 覚悟しておいたほうがいいよ ---------------------------- [自由詩]来年のクリスマスこそ/st[2021年12月21日11時26分] 今年のクリスマスなんて もういいや いくらくやんでも 仕方がないし 泣いたって 恋人なんか出てこない みんなが幸せそうに している今を この目に しっかり焼き付けて 孤独のくやしさを 思いっきり味わおう とはいっても 泣けてくる はやく クリスマスなんて 終わってしまえと 強がる叫びが 来年のクリスマスへの ファンファーレ 誰よりもはやく スタートについて 来年の恋人に いち早く めぐり逢おう ---------------------------- [自由詩]雪をも溶かす松の体温/st[2021年12月23日5時56分] シンシンと 音もなく降り続け 零下の気温も重なって 朝起きて 窓の外を見てみたら 10センチも積もる 一面の銀世界 初雪としては よくもまあこんなに積もってと驚いた 家々の屋根や その庭に植えられた松たち それにビルの屋上や道路まで すっぽりと覆いつくされていた さっそく 溶けだす前の きれいなままの 白の世界を撮り始め 曇り空だけど あちこち撮って 晴れたら もっとよい景色が撮れるだろうと 青空を待つ 翌日になって 期待通りの快晴の空模様 青空の下 白く輝く美しい街を さっそく撮り始めたが あんなに積もって 雪の帽子をかぶっていたはずの 庭の松には雪がない 驚いて ほかの家の松も見てみたが どの松にも 雪の姿が見られない 松だけでなく 街にある すべての植物から 雪が消えていた 家々の屋根や ビルの屋上や道路には まだたっぷりと 雪が溶けずに残っているのに もしかして 植物も生き物だから あたたかい体温を持っているのかな なんて思いついて WEBを調べてみたら ドンピシャリ 早春まだ雪の残る時期に 花を咲かせるザゼンソウは 体温を約20℃に維持する能力を持つという しかし こんなことに今頃気づくなんて 毎年見ていたはずなのに こんなふうに見落としているのかと おもわず苦笑した ---------------------------- [自由詩]ゆうざの器のいましめ/st[2021年12月25日13時55分] 孔子が説いたという ゆうざの器のいましめは つぼ状の器に水が入っておらず 空の時は傾き ちょうど良いときはまっすぐに立ち 水をいっぱいに入れると ひっくり返ってこぼれてしまう ということから いっぱいに満ちて覆らないものは無い と 慢心や無理をいましめたものだが 現代では ストレスについても 当てはまるような気がしてならない つぼのなかの水を ストレスとしてみると 全くストレスが無い時は傾き 丁度良い時はまっすぐに立ち いっぱいに受けると ひっくり返ってしまう ということになるが 適度なストレスは必要だが 過度なストレスを受けると 破たんしてしまう という いましめにもなっている と思うのは 私だけではないだろう なぜなら この簡単にひっくり返る でかいつぼをみた時 最近起こった恐ろしい光景が 鮮やかに 脳裏に浮かんできてしまったから ひっくり返ってしまった人間が いかに恐ろしいかは 25人もの犠牲者が証明している ---------------------------- [自由詩]白い試練/st[2021年12月28日9時43分] ちょっとやり過ぎじゃないかい 下界は大雪で いろんなところが雪で埋まって 大変な事になってるよ と 分厚い雪雲に すっかり隠されて 不機嫌になった青空が 雪雲に言いがかりをつけている ゴメンネ わかっているけど 僕のせいじゃないのよ とにかく 遠いシベリア育ちの 寒気さんが降りてきて まるで列島が 冬の風呂場のようになっちゃって 寒気さんがすっごく低温なので 水蒸気さんが昇華して 雪の結晶になっちゃうの だから寒気さんが悪いのよ と 雪雲が弁解すると なんだってオレが悪いのさ と 寒気が怒る いつもなら シベリアあたりの天国で ゆったりと暮らしていたはずが ジェット気流さんが蛇行して こんなところまで 降りてきてしまうハメになったのさ と 寒気もオレのせいじゃないと言いはる ちょっとまてよ オレの蛇行のせいじゃぁないぞ と ジェット気流が憤慨して そもそも 蛇行なんていつもの事さ 春や夏や秋にも蛇行しているよ そんなのオレの自由だろうに 結局は すっごく低温の寒気が悪いのさ と みんなを煙にまく こんな責任逃れのありさまに とうとう 人格者の太陽のお出ましだ ゴメンゴメン 冬場に一番弱くなる 僕が誰よりも悪いのさ でもね これは神様が与えた 白い試練なのさ なぜって 春になれば 野山に積もった雪たちは 雪解け水となって 田畑をうるおす 恵みの水にかわるのだから ---------------------------- [自由詩]でっこまひっこま論/st[2022年1月4日9時06分] でっこまひっこま とは でっぱったりへこんだり という意味で これまでちょっと 聞いたことがなかったが どうやら方言らしい こんな面白い言葉に出逢ったのは カメラのレンズの性能についての 有名な話のなか 最も名高い写真家の一人で スナップ写真の大家が 自分が使っているレンズについて ある人が その性能をテストし その結果が あまり良くなかった という 批評に対して言った言葉が そんなテストは まるで意味がない 被写体は 平面だけなんてことは殆どなく でっこまひっこまがある立体だ だから例えば 解像力のテストなんかで 平面に描かれた細い線の群れを どこまでこまかく 分離識別できるかなんて意味がない そう レンズは写してみないとわからない なるほど 言われてみれば当たり前 こんな簡単なことに 誰も気づかずにいたわけで なんと 現代のレンズテストでも いまだに まかり通っているから呆れてしまう レンズは実際に写してみて 気に入ったものを選んだほうがよさそうだ レンズ以外でも 似たようなおかしなテストが 世の中にはあふれている その内容を吟味もせずに テスト結果が優秀だ なんて一言に だまされて 錯覚ともしらずに 買わされてしまったら 後の祭りのでっこまひっこま笑 ---------------------------- [自由詩]大河ドラマはまとめてみるのが一番/st[2022年1月8日4時12分] 大河ドラマもここ数年 マンネリ化していて リアルタイムで 毎週みる気がしない もうこれぞという 面白いものは 出尽くしていて 歳を取るに従い 記憶力の減退と つきなみな筋書のため 先週の内容を思い出すのに 時間がかかり 次第に 物語りをつなげられなくなって 興味が失せてしまうようになったのだ そこでここ数年は 正月に前年の大河ドラマを まとめて数日でみることにしている 前回とのアキがないので つながりがスムーズとなり マンネリ化したとはいえ 結構面白い やはり 待つことなくみるのが一番だ 特にコロナや オリンピックなどの影響で 不規則に放映された作品などには 最も適した鑑賞方法だろう WEBを検索すれば ほとんどすべての番組を 数年にわたってさかのぼり ダウンロードできるサイトを 簡単に見つける事ができる ---------------------------- (ファイルの終わり)