アンドリュー (Andrew Campana) 2014年7月7日13時43分から2015年9月11日22時57分まで ---------------------------- [自由詩]アイドル2:Strawberry Time (松田聖子のため)/アンドリュー (Andrew Campana)[2014年7月7日13時43分] "Welcome to Strawberry Time!" 2年後の新たなシングル。 松田聖子が髪をおさげにして 脚光で躍る。 楽団が高まる。 1987年の春。 彼女の計画は 優位に立つこと 首位連続獲得の記録を保持すること (17、18、19、20) 永遠のアイドルになること 彼女が生んだばかりの娘になること カセットを巻き戻すこと 鋭い犬歯で名声の一部を噛み切って 舌の下で保管すること もう一つだけの増殖を祈ること。 芸能界によると 25歳のアイドルなんて存在しない。 テレビは結婚した女性のいるところではない。 でも「苺」という漢字は 草の下の母。 聖子は何千もの果実の絞り汁を 唇につける。 ---------------------------- [自由詩]鼻血/アンドリュー (Andrew Campana)[2014年7月8日18時47分] 幼い頃から 鼻血を出したことがない。 だが、街灯が消えて 露が凝縮して 霧がコンクリートから浮かぶ時に (寒い朝に ある目に見えない神の息) 頭が空になった感じ 鉄の匂いと 赤 を思い出す。 君はたぶん 何時間も前に 起きていただろう。 ---------------------------- [自由詩]1番線、ドアが閉まります。ご注意ください。/アンドリュー (Andrew Campana)[2014年7月9日3時51分] 1番線、ドアが閉まります。ご注意ください。 5番線、電車が参ります。 ご準備ください。 14番線、窓が開きます。ご用意ください。 23番線、天井が倒れます。ご安心ください。 7番線、特急が通過します。ご返事ください。 9番線、駅長が泣きます。ご遠慮ください。 14番線、トンネルが冷めます。ご検討ください。 33番線、各駅停車が出発します。ご理解ください。 8番線、群衆がおきます。ご参加ください。 11番線、線路が浮かびます。ご質問ください。 18番線、ホームが痛みます。ご利用ください。 2番線、床が咲きます。ご静聴ください。 3番線、最終電車が笑います。 聴いてください。 聴いて。 ---------------------------- [俳句]約物俳句1/アンドリュー (Andrew Campana)[2015年3月25日4時59分] [ ]【 】 (かくかっこ すみつきかっこ なみかっこ) ---------------------------- [俳句]約物俳句2/アンドリュー (Andrew Campana)[2015年3月25日5時00分] ー ヽ 〜 (ちょうおんぷ かたかながえし なみダッシュ) ---------------------------- [自由詩]塩の花 /アンドリュー (Andrew Campana)[2015年5月16日7時52分] 塩 の花 爛漫に 舌に咲け 味蕾を奪え ためらわずに 血流から浮かべ 肉体を結晶にしろ 死海の化石のように ---------------------------- [自由詩]オゴポゴ/アンドリュー (Andrew Campana)[2015年9月11日22時57分] ブリティッシュコロンビア州の オカナガンという湖に オゴポゴがいる いるか いる いるか 体調は15m 頭は山羊のごとく 大海蛇の体 口がいつも苦笑いする 今にも、目撃されることがある 波の奥に 影がひらめく こんぶか サメか 流れ行く雲か そして、消えていく 未確認動物は質問の一種にほかならず 世界について何かしっているか 表面の下に何がいるか 人間の先と後では 誰がいるか オフスクリーンでは 誰が待っているか 私たちの肉体も 未確認動物の一種にほかならず 体の角は未知の海洋 血と胆汁の湖で 内蔵の姿がつぶやいてうごめく 海底の奥に心臓が待っている 聞こえるか オゴ ポゴ オゴ ポゴ オゴ ---------------------------- (ファイルの終わり)