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公用文の書き表し方の基準―資料集

文化庁

価格:¥1,680 (税込)
 
レビュー:小池房枝
「こんにちは」の「は」は発音に反してどうして「わ」ではなく「は」と書くのかご存知でしょうか。いろいろな答え方があると思いますが、一つにはそう法律で決まっているから。
というのはウソですが(ですから信じないで下さいね)外来語の表記、現代仮名遣い、送り仮名の付け方やローマ字のつづり方等については総理大臣による内閣告示・訓令という形で「一般の社会生活において現代の国語を書き表すための基準」が発表されています。
違ったからといって何も罰則はありませんし、あくまでもこれは新聞、雑誌、放送など一般の社会生活における”よりどころ”にすぎず、科学、技術、芸術、各々の専門分野や個々人の表記、固有名詞ならびに過去に行われた様々な表現を(おそらくは現在、未来のそれをも)否定しないことは言明されています。
ただ、日本国としての国の言語活動(公用文書etc.)や学校教育や外国語としての日本語教育はこのラインで行くということ、それがこの資料集です。一々の取り決めはそれぞれ合理的な理由乃至は思惑があり、どちらでもいいのに兎に角どちらかに決めたというものではなく、例を追っていけば例えば「こんにちは」が「こんにちは」なのは未だ「こんにちわ」という一語ではなく「こんにち + 助詞の"は"」だからだな等、推測がつくことも多いと思います。
政府刊行物や校正に携わる立場でなくても、自分にとっての"正しい"日本語/個々人の言語感覚が一般に"正しい"とされる日本語に対してどのようなぶれやずれや曖昧さを持つものか持たないものか、表記に関して対照したいときにお薦めです。トリビアの宝庫としてもどうぞ。
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