廃人がポツリとつぶやく部屋5[664]
2007 01/26 01:17
川村 透

宴席でのこと。父の親友たちの世代の集まりだ。酒を注ぎながら父の思い出話しをすると、父の友人、Kさんはほんの一瞬だけかすかに目を伏せて流れ星のように一筋、だけ、透き通るくらいに輝やいた涙、を降らせた。拭う間もなく笑顔と雑談にまぎれてゆく、けれど僕は多分、一生忘れるわけにはいかない、想いを杯にいただいたのだと、いつか僕が病の床に伏せるときまで、僕の息子に、このことをきちんと伝えるときまで、僕は斃れるわけにはいかないのだと。
スレッドへ