2005 07/19 18:34
佐々宝砂
田舎町の(浜松の西インター近くぽい)広い車道にわけのわからないものがいた。大きなダンプくらいの大きさで、のぺーっとまるくて、白い地肌にペンキで描いたような模様があって、閉じた目のようなものと口のようなものがある。なんだかわからんが妖怪のようだ。歩道に立つ私のそばに、知り合いのようなそうでないような人がいて「犬について話してはいけないよ」という。よくわからないなあと思いながら「じゃあ喋らない」と言ったら、車道のわけのわからないものの目が開いた。水木しげるが描く「おとろし」みたいな目だ。わけのわからないものは「しゃべらない。いぬ。いぬ」と言いながらけっこうな速さで進んでいる。別に私めがけて進んでくるわけではないのだが、わけのわからないものを動かしてしまったのは私のようだ。