恋文[416]
2005 02/23 14:51
一筆

君と暮らして十年
良くも悪くもお互いに慣れた
記念日の嫌いな君は
特別なことをしたがらない
今更何かを確かめなくてもいいと
切り取られることもない日常のまま
花やカードを贈らなくても
それでいいとさえ思うようになって
君がそばにいる風景は
あまりにも当たり前になりすぎた
同じ時間を共有するかわりに
君は何をあきらめたのだろう
歳をとるたびにひとつずつ
夢も野心も薄れて消えてゆく
寂しさをあきらめに匂わせながらも
選んだ結果を後悔してはいないはずだ
少なくとも僕は
君と過ごした日々を誇りに思っている
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