恋文[384]
2004 12/21 17:18
佐々宝砂

男が目を醒ましたとき
刑はすでに宣告されていた

黒曜石であればまだよかった
鋭利な石は長い苦しみを与えない

しかし石英であった
それはやや摩滅していた

川のほとりには寝台のように大きな石
裸の男はそこに横たえられ
石英で肉をえぐられ

聖セバスチャンのように
何の抵抗もせず
ただ恍惚の表情を浮かべて死に

そして血に染まった石英がここにあり

私はあなたにそれを贈る
あなたもまた
刑を宣告されている
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