雑談スレッド2[23]
10/23 23:47
山田せばすちゃん

>>TAKEさん
あちこちに書き散らかすのもわれながらなんだかなあと思いますが、「議論のススメ(山田氏に寄せて)」拝読いたしました。
さてここからは私もTAKEさんのごとく昔話になるのですが、学生時代にちょびっと左翼運動に足突っ込んで、対立党派に名指しで批判されて自治会を追われて後、身過ぎ世過ぎで飛び込んだ予備校の世界でしたが、最初は学習室の自習監督という学生アルバイトそのままであった私は、突然の国語科教師一斉退職というなにやらきな臭い匂いのする事件の当日に、このままでは講義に穴が開く、何でもいいからお前やれといわれて予習もしどろもどろに古典漢文の講義を受け持つ羽目になり、そのまま生来のはったりと芸人根性が功を奏してか現代国語、小論文と次から次へと講義を受け持ち、気がつけば学生の身分ながらの非常勤講師、国語科主任(といっても後の二人は私が大学から招請した同級生と下級生でしたが)のお名刺までいただく恐るべき事態とあいなりました。バブル真っ盛り、第二次ベビーブームの真っ盛りのころの大阪の弱小マイナー予備校とはいえ、恐ろしい話もあったもんです。(ちなみにそのいい加減極まりない予備校は後に経営陣の内紛であるとか、大手予備校に買われたとかでいまや名前すら残ってはおりません。)
さて小論文の添削と講義という授業を通して、私がいつも生徒さんに繰り返し繰り返し言い続けていたのはやはりTAKEさんの仰るごとく、とりあえず議論をしろ、と。全身全霊を込めて議論することが小論文上達への王道である、とそんな類の事柄でありました。
全身全霊を込めての議論をするからにはそれに値する問題意識を常に持って、感度高くして世の中眺めてろよ、「ディベート」がつまんないのは議論される問題にてめえが真剣になれないせいだぞ、「日本の首都は東京がいいのか大阪がいいのか」なんて議題で「ディベート」したところでてめえら本音のところははそんなことどっちでもいいとしか思ってないだろうが?そんなつまんない「ディベート」で議論の腕なんか磨けるわけがないんだよ、負けても傷もつかないし勝っても身になるわけじゃなし、だから「ディベート」が得意なやつって言うのは単に「芝居っ気」が強いやつって言うだけのことで、つまりはその場だけでも本気っぽく見せかけられる演技ができるって言うだけのことですよ。「ディベート得意だからっていい小論文かけないよ。俺?俺はたまさか君らとあってこういう稼業を始める前にだな、流行ってないけど「左翼体験」っちゅうのがほんの少しあってだな、それはつまりあれだよ、全身全霊で議論するわけだよ、己が正しいと信じている事柄をだな、どうやって他人に伝えるか。喫茶店でも自分のアパートでも相手の部屋でもだな、如何に俺たちがやってることは世の中にとって正義なのかをきちんと相手に理解させて、翌日からわが陣営の同志になってもらうか、だもん、これはもう、そういう意味では貴重な体験だぞ。俺は多分それのおかげと、おんなじように如何に真剣に女の子を口説くかというこの二つの貴重な体験をもってだな、今こうしてお前らの前で小論文の教師として決して高くもないが安くもない程度のお金をいただいているわけだ。

私は1963年生まれの今年40です。失礼ながらTAKEさんもおんなじ様な年代の方ではないかと推測いたしておりますが。
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