2006 06/14 08:59
松岡宮
上手宰さん編集執筆「冊」32号が来ました。いつもわたしでもわかる詩が多くてありがたいのですが今回もおもしろかったです。
★世界の終わり/渋谷卓男
自分があたまを撫でていたはずのものが 消え失せてしまったこと
について
美しいと思う
美しいという思いだけがある
と描く詩です。
★歩く/清野裕子
「むこうから歩いてくる人に どのくらい地が付いたら挨拶すればいいのか・・・」
という、わたしにもありがちな心配を描いた詩です。
いつしか森や草原になってゆく描写が、なんかなっとく。
★香る日/上手宰
「虹に打たれた木」という言葉から、木に内抱する虹を描いた詩。
ああそうかという発見がありました。
指紋も虹のかけらなんでしょうか、とか。
しかも虹が匂う・・・って、なるほど匂うんだなと感銘を受けました。
★特集 中村明美
「童話ー家族という名のー」という詩はおもしろかった。
首を絞められる少女。見えないけれどすれ違っているはずの、おかあさん。
その
首にまかれた
見えない 手
いま
幾万年すれ違ってきた 遠い親に
きっと会っている
詩は見えないものを見えるようにしてくれるなあと思うのですが、この詩はほんとうにそんな印象をもちました。
松岡宮