詩集・詩誌のスレッド[279]
2008 10/22 01:13
松岡宮

下のほうでも言及されていますが、hotel 2(20)読みました。簡単な感想を。

★川江一二三「冷やしシャンプーあります」

>ときに悪しきものは良きものより華やかに見えるのか
>したたる汗 乾く間もなく
>肉脂の焦げる匂いが辺りに立ちこめてくる
(中略)
>ひしめき合う人びとの頭上になにやら
>不穏な御輿が浮かび上がる

このあたりの記述を読んで、ついこの間の夏、オリンピックが行われた、いつもどおり暑かった夏のことを、自分がもう忘れていることに気づきました。逆に言えばその夏の感じ、を思い出しました。

華やかで目立つものだけが真実ではないと知りつつ、それに惹かれたり、目が離せなかったりする、その御輿が気になってしまう自分がいます。

冷やしシャンプーしてもらうといいのかな。

★片野晃司「鹿島仰観」

>そこで手をひろげて仰向けに横たわり、
>右手は鹿島バイパス、
>左手は国道51号、
>背骨は国道124号、

なんかわからないけど気持ちよさそうですね。
末梢の、指先辺りの血管までものびのびしているさまが伝わってくるような詩でした。空間だけでなく時間的なノビノビも感じます、止まっているけどのびのびと広がるような感じ、読んでたらなんか旅に出たくなった。

★野村喜和夫「緋の迷宮」

 教え子を追いかけてゆくという情景を、そうか、描いて良いのだ、詩なのだな、という感想を持ちました。意外と偏見に囚われている自分が恥ずかしい。

★根本明「喝采2」
★かわじまさよ「箱のなかにはまた箱があり」

 いずれも高齢者を描いた詩でしょうか。加齢を、あるいは障害をどのように描くかというのはわたしにとっては興味深い点です。

かわじまさよさんの詩の、クールな描き方に惹かれました。

>BABY IN CAR
>のステッカーを貼って
>あかいちゃんちゃんこをきた
>ばあさんを車に乗せた

また読んだら違う感想になるかもしれませんが・・・。

松岡宮
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