詩と散文を作る手段全般についての情報と意見交換 part2[20]
2011 05/22 14:18
……とある蛙

>>19

※そんなに長くないので全文引用しときます。参考になれば。人によっては詰まらんと思いますが(笑)。ブライという人韻律という言葉が大嫌いだそうです。その割には朗読とかある種のリズムを大事にしている人のようです(笑)。

トウモロコシ畑にキジを撃ちにきて

 ?
広い原っぱに一本だけ木が立っている。この木の何がそんなに変なのだろ?
柳の木だ。僕は周りをぐるぐる回る。
身体が妙に引き裂かれ 木から離れられない。
とうとうその下に座ってしまう。

 ?
どこまでも続く乾いたトウモロコシ畑に一本の柳。
葉っぱは幹のまわり、僕のまわりに散らばり
もう茶色で やわらかい黒の斑点が見える
とうもろこしの茎だけがさやさや鳴っている

 ?
冷たい太陽 霜におおわれた空間を貫いて燃える。
草はとっくの昔に凍え死にしている。
なのに何故僕はこんなに見ていたいんだ
ひんやりした木々の樹皮の上を動く陽を?

 ?
心はひとりで 何本も葉っぱを散らかせている。
根っこに近い小さな生き物とかかわりなく。
この太古からの場所にいて僕は幸せだ
トウモロコシの上から頭を出してこれじゃ絶好の目標だな
もし僕が夕暮れにねぐらに帰る若いけものならば

※ロバート・ブライ詩集 (アメリカ現代詩共同訳詩シリーズ) [単行本] 思潮社
ロバート ブライ (著), Robert Bly (原著), 谷川 俊太郎 (翻訳), 金関 寿夫 (翻訳)


 
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