初心者向けポエトリー・リーディング[10]
2004 08/10 12:02
いとう

補足、というか訂正、というか、
どうせならこの機会に書いてしまおうということで(笑)。

少し調べたところ、
ポエトリー・リーディングは白人インテリ層の文化、ラップは黒人貧民層の文化と、
そもそもの文化層が異なっているようです。
なのでおそらく、源流としてスポークン・ワーズがあるのではなく、
それぞれの文化が発展・交流・融合する流れの中で、
ある種の総称として「スポークン・ワーズ」という言葉(もしくは文化)が形成されたのではないか、と、考察します。

海外で「ポエトリー・リーディング」という言葉が意味するのは、文字通り「詩の朗読」ですが、
日本において「ポエトリー・リーディング」という言葉は、「詩の朗読」の訳として使われ始めたのではありません。
これにはアメリカで1950年代に起こったビートニク、ビート・ジェネレーションというムーブメントと密接に関わっていて、
このムーブメントが登場するきっかけとなったのが、アレン・ギンズバーグという詩人の「吠える」という詩集でした。
そして日本には、このムーブメントとともに「ポエトリー・リーディング」という言葉も流入されていて、
そのため日本での従来の「詩の朗読」とは異なった文化背景を持っています。
これにより、「ポエトリー・リーディング」は、
結局やってることは同じなのですが(笑)、「詩の朗読」とは違うもの、新たに発生したものとして性格付けられていきました。

また、パフォーマンス性から見た場合、もともと「ポエトリー・リーディング」のほうが「詩の朗読」よりもパフォーマンス性が強いものが多く、
文化背景を知らない場合にそのパフォーマンス性によって区分されがちですが、
実際のところ、パフォーマンス性の低いポエトリー・リーディングやパフォーマンス性の高い詩の朗読もあり、
一概にそれによって区分できるものではありません。
また、文化背景も薄れてきた現在では、
そういった要素によって混在していき、そして「詩を声に出して読む」という点ではまったく同じものなので、
ほぼ同一のものとして考えられるようになってきたと思われます。
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