ねこじゃらしさんの詩について
砂木

今日の用事のお供は ねこじゃらしさんの詩集
ふらっとマイナー と 未来に出会おう であった。

はじめて朗読会でお会いした時の事などを思い楽しくなった。
とても日常的で 普通のようで 張りのある詩ばかりなのは
ねこさんが 真剣だからだろう。

そして ふらっとマイナー という言葉選びにみるままに
もうひとつの目線のある方。

私のペット という詩から抜粋すると

心の中に矛盾を飼っている

すくすくと大きくなって

私のかわいいペット

となっていて なるほどなあ これは無敵だなあと思う。
いろんな葛藤はあるのだろうけど 可愛がれる。
距離感が ずれや ふらふら感を 頑丈に固める。

理想の女 という詩も好きである。

あなた好みの妻はどこ?
三歩下がって四歩出て
一歩あなたをリードして

いつのまにか強い女

ほんとにいつのまにか ふらっと強い女になってしまったのだろう。

未来に出会おう という詩集では 名もなき原種 という詩がいい。
ただ生きるといことの嬉しさは うたいたいと うたうことを
ひっそりと でも心からうたっている そんな感じがした。

他にもたくさんあるのだけれど 特筆しておきたいのは
夏に行った朗読会でのねこじゃらしさんの お話。

詩集をだしてないと詩人じゃないと言われて 詩集を作ろうと思ったけど
費用もかかるし 自分で作ろうと思ったので製本をするようになったとの事。
ねこじゃらしさんは 手作りで詩集を作る。この二冊もそうだ。
実際 手にとった方はご存知だとは思うが すごく立派。

そして 私の脳裏に焼きついているのは 朗読会の はじめの挨拶の時の 赤いハッピ。
私は その時 すぐに声にこそださなかったが かなりの衝撃を受けた。
詩の朗読と赤いハッピというのは 私の人生始まって以来のドッキングだ。

何をおおげさにと思われる方もあるだろうけれど それを普通の主婦である
ねこじゃらしさんが たった一人で考えてやったのだと思うと
ふらっと無頼漢 着流しの凄腕の浪人以上に 私にはインパクトがあった。
恐るべき 度胸の持ち主である。
いや度胸というよりも そんなにまでして詩の朗読がしたかったのかという事に
呆然と見惚れてしまった。しかし私は 朗読が二番だったので一瞬ではあったが。

ルナクさんも ねこじゃらしさんの影響を受けて 製本をはじめられ
驚くべきはやさで 詩集作りに取り組まれている。
夏の朗読会に わざわざ遠くから来て ねこさんの本をみて魅せられた模様。

いつか書きたいと思いつつ 今になってしまった。
ねこじゃらしさん 真剣さをありがとう。
二月の朗読会も頑張って下さい。  


未詩・独白 ねこじゃらしさんの詩について Copyright 砂木 2007-01-04 21:59:07
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