十三歳
yaka

黒い眼
まっすぐに見つめるとき
伸びた前髪から覗くとき

大人びた輪郭
頼もしく引き締まるとき
負け犬みたいに歪むとき

すっかり大きくなった掌
やさしさを差し出すとき
憎しみを投げるとき

ポケットの中
たくさんの自分、握り締めて

涙の中
いろんな自分、滲ませて

十三歳の海

おまえの前の出来事と
おまえの中の出来事が
こんがらがって
絡まり合って

誘惑の波
広がる空
嵐は気まぐれで
水平線はまだ遠く

おまえは、おまえの船を探している


母性ははたしてカモメのように
なにひとつできないくせに
ただうるさく
お前の舳先で鳴くことを止めない







               2006.12.31


自由詩 十三歳 Copyright yaka 2006-12-31 13:20:09
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