迷宮
ヨルノテガム





木々の散乱と林の包囲、
森々の重なりが無法の伸縮をみせ
人の呼吸リズムを緊張域に鎮める


猛獣は居ない 不審者も、

訪問者は
こちらの方であり、上昇でない下降の道を沈み込む
その段差分は身をもって こちらが小さく細くなる

目線は覗き見になり光り、見上げる目開きは
急激な落伍に自身絶え得るかの時を
待ち、踏み、進む

悲劇の隣で 仲良く踊れる

さて、出し物は
手軽で横暴な 悲痛 でしか演じ及ばなかった


暗転の中、訪問者は
小鳥さえずる音響も聞こえず、
扉を叩くシーンから始まる第二幕を待たず、

自然の中にできる ほんの隙間に

身を投じ

空白の生け贄となった



それは、誰かの弾いた

音符と音符の間のような所です







自由詩 迷宮 Copyright ヨルノテガム 2006-11-20 02:03:44
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