本能より回る世界
奥津 強
俺は、恋愛詩を書く奴の頭脳から太陽が覗けてみえる。
誰だって、本能より、早くは走れないだろう。
だから、そいつ等の太陽は、幾千年の歴史の真実。
毎日、浮かび上がっていた。
毎日、行ってきた。
だから、本能を否定する俺の頭からは、寒気が走る。
本能より、一番下の方で、走る事は出来るだろう。
性欲より強い感情なんて持てるかい?
俺は持てる。
太陽さ。連中が何を求めているのか分からないが、
自分が、自分に律し、求め、
自分を動かす事は簡単だろう。
簡単かどうかすらも、太陽よりも動きを遅くすればいいのさ。
俺は世界平和を歌う奴の歌声が好きだ。
文字は嫌いだが。何て抑揚のない文字を打つ奴らなんだろう。
奴らの文字は常に同じだ。俺と同じ。今見ている文と同じだ。
ただし、奴らの飲む酒と俺の飲む薬の効果は同じだ。
(強いて言うなら、頭と肝臓の寿命が違うだけか?)
そうだよ! 俺だって、世界平和は歌えるんだぜ?
だって、俺だって本能により、打ち負かされた、太陽さ。
そうだよ、世界一種の文字により、統一されたカラー。顔文字とムンクの叫びに違いはあるか?
どっちだって、大音響のアメリカ兵。
どっちだって、世界平和さ。
俺は理屈をこねる奴と、感情でぶつかる奴ら、両方を肯定する。
皆、被害者だよ。哀れなものさ。高みで見物している奴らなんていやしない。
皆、相変わらず、人を殺している。モラルのない言語。お笑いが流行るのは、ぼ・く・らがお笑いにふしているから。
そう本能の太陽が、今日も、風船のようにぶらぶら揺れている。
誰かが言っていた。
「相変わらず生きているだけで幸せだ」