秋の夜は短い
田島オスカー


薄暗い中で
何かをじっと眺めているその目が
あたしで埋まってしまうなんて
そんなことはないとわかっている

夜が明けてしまったな、と
なんでもないふうに言ってしまうから
あたしはその夜明けのたびに
煙草を吸わせて、と部屋を出る
それで対等だと思っているあたし
そうしなければと思いたいあたし

足元で枯葉が舞っている
もう秋で
秋は人恋しいだけの季節だと
それもじゅうぶんわかっている
人恋しいだけ
少し肌寒いだけ
それで終わらせてしまわなければと
そっと思って泣くあたし



自由詩 秋の夜は短い Copyright 田島オスカー 2006-11-05 01:11:38
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