陽が落ちるとそれは嘘
田島オスカー


グラデーションは必ずしも美しくない
そう教えてくれたのは
確固たる信念でもなんでもなく
ただの空虚だった

ああまた日が暮れてゆく
そのじわりとした色が僕に響いて
それはすなわち僕の弱さを晒すようで
生命の危機だと誰かが言ったように
駄目になるのは精神ではなく常に肉体で
それは精神が脳によるものだと
むなしいほどに科学が証明してしまったからで
つまるところ僕には
何の結果も残っていない

痛いと思うと同時に一番星を見つけた僕は
しかしどこが痛むのか
理解できないことがとても悔しかった
痛むものなど臓器以外に持っていないはずだったのに
おそらくそれ以外の何かが
西日よりも淡く
じくりじくりと痛んでゆく


悲しいかい、悲しいかい、
ただ欠けた月が泣いている
 


自由詩 陽が落ちるとそれは嘘 Copyright 田島オスカー 2006-10-06 01:35:28
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