ざん
船田 仰

髪の毛のびた、と言った瞬間に
傾いだランプシェードがはっきり見えた
そうだ懸命に丸々肥えた会話の破片に
まごうことないきみを見出す

えい、きっとこれで残像が、そっちに

14時間のタイムラグが積み重なり
つづけ
うん。が、目詰まりすることもある
華奢な女の子たちを横目で見送る
のに
あれ、と気付いて笑ってしまうことにする
きらきらには
なれん


えい、きっときみの残像が、こっちに


すきだよ

鉛筆削りでざりざり削って
憂鬱な朝に飲み続けるコーヒーよりも細かい粒子で
真ん中になすりつけて
そんで、
いいにおいの今日になる


未詩・独白 ざん Copyright 船田 仰 2006-10-03 21:26:26
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