すれちがう
yaka

駅までの途中

紺のひだスカート
髪はキュッと右上でくくり
鞄はぺしゃんこ
ローファーに「ズルズル」言わせて
学校、なんてかったるい場所(とこ)へ
しょうがないけど行ってあげる途中
そんなあなたとすれ違う
むかしむかしのわたしと

夕暮れの途中

手押し車に連れられて
わずかな買い物今日の糧
曲がった腰と
彩りの無い服
足音の無い足取り
庶民の味方のスーパーから
ありがたいありがたい帰り道
そんなあなたとすれ違う
いつか出逢うわたしと

ああそれからそこのあなた、あなた、

世界も変えそうなビジネスバッグ
プライドで仕立てたブランドのスーツ
世界で一番多忙そうに歩く男
あなたはもう
思い出にした人

ヒールのかかとひっかけた、ご機嫌斜め
つまんないくらい完璧なリップライン
怖いものなんて有りやしない
つんとすまして歩く女
脱ぎ捨ててきたわたし

みなさんどうも、こんにちはさようなら

またいつか

どこかで・・・



自由詩 すれちがう Copyright yaka 2006-09-16 08:45:30
notebook Home 戻る  過去 未来