スプーンの火で焼かれてしまえ
田島オスカー



日替わりで
ミルクの量が変わるコーヒーをあなたは
おまえの機嫌が手に取るようだ、と
綺麗に笑って
少しずつ飲んでいた

コーヒーにクリープなんか入れるやつは死刑だな、
初めて敬語を使わずにくれた言葉が
あまりにもイメージとそぐわなかったので
何も言わずにいると
俺コーヒーに入れるミルクの量が一定なんだ、
と言って笑った
素晴らしいことよ、と返したけれど
毎日同じコーヒーが
もう飲めない

今日はいい事があったの?
カップを覗きながら言われた時
そっとそばに
ずっとそばにいる
そんなふうであるべきだったのかしら


 


自由詩 スプーンの火で焼かれてしまえ Copyright 田島オスカー 2006-09-16 02:50:03縦
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