サイレンス・サイレン
まほし

耳奥で焼き増しされたセミの音が我を迷宮入りにしている




デフレーション起こす八月森の血は居眠り空は高く冷えゆく




ヒグラシのサイレン、夜の上澄みに震えて詩集をよむ手も止まる




思い出は路に置かれた石でなく地図から逃げた風かもしれぬ




これ以上夏を失えない場所で星の金貨の瞬きを聴く











短歌 サイレンス・サイレン Copyright まほし 2006-09-09 07:09:58
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