童子
あおば

がちゃん
ものの割れる音がする
ごとん
ものの落ちる音がする

どんどん増える音
増えすぎたので
耳を塞いで居る

ガチャン
ガラスの割れる音
ゴトン
電車の繋ぎ目から
重たい音がして
列車は動き出す

ふりむいても無駄だ
合唱曲を奏でながら
童子は寂しげに
横を向く
二人分の幸せが
余ったので
どうしょうか考えているうちに
曲が終わった

振り向いてもくれない

白い雲に乗って
美しいものたちが
去っていくのを
見ている。


未詩・独白 童子 Copyright あおば 2006-07-28 00:43:55
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